“ムゼオ エンツォ・フェラーリ モデナ(Museo Enzo Ferrari Modena)”を後にした欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015は、いよいよフェラーリの本拠地マラネッロ(Maranello)へ向かいます。(いつも通り長編のため、お時間のある時にゆっくりどうぞ~^^;)
まずはマラネッロへ向かう前に、思い出の地“モデナ駅”に立ち寄りました。
学生時代に“欧州鉄道の旅”をした際に、フランクフルト(ドイツ)から一人 夜行列車に乗って、ミラノ経由で初めて降り立ったのが、このモデナ駅でした。
当時はスマホはおろかケータイの国際ローミングもない時代、日本から印刷していったグーグルマップ(まだ当時は番地が書かれただけの本当のマップだった)を片手に、ユースホステル(安宿)を探し回ったのも、今ではいい思い出です^^;
モデナの駅前から、前回レポートした“ムゼオ エンツォ・フェラーリ モデナ”方面に戻り、
通り過ぎると、5ブロックほど先にはマセラティ本社が↓あります。
ルームスターは、そのままモデナの郊外に出ました。
マラネッロはモデナ近郊の小さな町なので、そう遠くないうちにマラネッロの街中に入りました♪
マラネッロの街中には、このように至る所にフェラーリグッズショップを兼ねたミニカー屋やおもちゃ屋があります。マラネッロには、フェラーリの公式グッズショップ“フェラーリストア(Ferrari Store)”もありますが、こういった個人経営のお店は、たまにマニアックな掘り出し物も残っていたりするので、探索するとおもしろいです^^;
ちなみに、このお店“Giorgio Giochi”では過去にランチア デルタのFFベースグレード(オーバーフェンダー無し&角目ライト)の1/43ミニカーを掘り出したことがあります。爆
フェラーリ本社の正門がある“アベトーネ通り”に入りました。
正門を拝んでから、正門前の交差点を“リストランテ キャバリーノ”の方に曲がって“ムゼオ フェラーリ”に行こうとしたら、リストランテ キャバリーノ前にゲートができていて曲がれないようになっていたので、フェラーリ社の所有するテストコース“ピスタ ディ フィオラノ(Pista de Fiorano)”↓付近まで来てしまいました・・・^^;
“ムゼオ フェラーリ マラネッロ”に到着!
ここ“ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”は、以前は“ガレリア フェラーリ(Galleria Ferrari)”と呼ばれ、フェラーリの歴代ロードカーやレースカー,フォーミュラーカーなどを展示していたフェラーリの総合ミュージアム的な存在でしたが、現在は前回までレポートしていた“ムゼオ エンツォ・フェラーリ モデナ”と同様にテーマを設けた企画展を中心に展示しているようです。
今回の企画展テーマは、
“夢見るカリフォルニア(California Dreaming)”
エンツォ・フェラーリがレース界で成功を収めたのと同様に、自動車メーカーとしても成功を収めるためには、アメリカはとても重要な存在でした。そんなアメリカの中でも、とりわけ カリフォルニア から受けたオーダーによる利益は、マラネッロの小さなコンストラクターとって、自動車メーカーとしての成長に必要な投資のための安定した資金と手段を得るのに貢献しました。
またフェラーリは、エンツォの友人でありアメリカにおけるフェラーリ車の輸入業者でもあったルイジ・キネッティ(Luigi Chinetti)と協同で、“カリフォルニア(California)”のために特別なクルマを設計・開発してきました。その中でも、この伝説的な“あだ名”を持つ、1957年に誕生した“250 スパイダー(250 Spider)”は、最も有名な例です。
今回の企画展では、アメリカの特にカリフォルニアとフェラーリとの結びつきを表しています。西海岸において、跳ね馬が際立つ存在であるアイコンの“ラグナ・セカ レーストラック(Laguna Seca race track)”や魅力的なコンクールデレガンスの舞台として知られる“ぺブル ビーチ(Pebble Beach)”,魅力に満ちたロサンゼルス(Los Angeles)の街並み,ハリウッド(Hollywood)の映画のワンシーン、そして見逃すことのできないシリコンバレー(Silicon Vally)などを、再現しています。
この再現された世界でセルフィー(あなた自身の写真)を撮って、ハッシュタグ#MuseoferrariMaranelloと共に投稿しよう!そして友達に、あなたがマラネッロにいるのか、それとも即行でアメリカに旅行したのか、どっちか聞いてみよう!(笑)
という、最後はなんか今の時代を象徴するようなイントロダクションですが(^^;)、フェラーリにとって重要なマーケットとして欠かすことのできないアメリカ、そしてカリフォルニアとの深い関係をテーマとした企画展のようです。
個人的には、フェラーリ×アメリカと言えば、イントロダクションにも登場したルイジ・キネッティ率いる“N.A.R.T(North American Racing Team=ノース アメリカン レーシング ティーム)”が即座に頭に浮かびますが、果たしてN.A.R.Tのレースカーは展示されているかな^^;
では、さっそく観ていきましょう!前置きが長くなりましたが、“ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”パート1では、フェラーリを象徴する存在と言ってもいいオープンホイールカー(フォーミュラカー)のクルマ達をレポートしていきます。
1949年 フェラーリ 166 F2(Ferrari 166 F2)
この2リッターV12エンジンを搭載した“166 F2”は、1949~1951年シーズンにかけて、ファクトリーチームやプライベーターによってレースに出場するとともに、F1カー(後述するエピソードから375 F1と思われる)にも同様のシャシーが使用されました。
F1仕様車は1951年のシルバーストーンで、フロイラン・ゴンザレス(Floiland Gonzalez)のドライブによって優勝し、フェラーリにF1世界選手権 初勝利をプレゼントしました。また、アルベルト・アスカーリ(Alberto Ascari),ファン・マニュエル・ファンジオ(Juan Manuel Fangio),ルイジ・ヴィロレーシ(Luigi Villoresi)などの手により、多数の勝利を刻みました。
パワーユニットは、ジョアッキーノ・コロンボ(Gioachino Colombo)設計の、ボア径×ストローク:60mm×58.8mm,1995cc,160馬力のバンク角60° V型12気筒エンジンを搭載しています。
1952年 フェラーリ インディアナポリス(Ferrari Indianapolis)
フォーミュラ1(F1)世界選手権初期の頃、インディアナポリス500マイルレースは、F1シリーズの1戦として世界選手権のレースリストに含まれていました。1952年エンツォ・フェラーリは、インディアナポリス用のクルマを製作して、アルベルト・アスカーリのドライブによって、このイベントに参加することを決定しました。
インディアナポリス仕様のレースカーは、このレースのレギュレーションに合わせたF1車両と排気量の異なる4,382ccのV型12気筒エンジンを搭載していて、オーバルコースに対応するためにホイールベースが延長されました。
展示車両は当時オリジナルの個体ですが、インディアナポリス500マイルレースの後にも改修されて、F1世界選手権のその他のレースに参戦したようです。
つまり、現在は“375 F1”に改修されて戻されているようなので、当時のインディアナポリス参戦車両は、この↑車両解説の写真の中でしか見られないことになりますね。しかし、レギュレーションの異なる“インディ500”が、F1シリーズの1戦として組み込まれているなど、なかなかF1黎明期の手探りな苦労が感じられますね^^;
こちらは、カリフォルニアのレーストラックとサーキット一覧の展示↓
中でも、恐ろしい“コークスクリュー”シケインを持つ“ラグナ・セカ レーストラック(Laguna Seca race track)”は何十年もの間、カリフォルニアのモータースポーツの象徴でもあります。
1971年 フェラーリ 312 B2 F1(Ferrari 312 B2 F1)
“312 B2”は、1971年シーズンに向けて“312 B”を発展させたF1カーです。このクルマは、ジャッキー・イクス(Jacky Ickx)のドライブで、その年のオランダGPで勝利を挙げました。
また、このクルマはアメリカの著名なレーシングドライバー マリオ・アンドレッティ(Mario Andretti)もドライブしたそうです。
パワーユニットは、マウロ・フォルギエリ(Mauro Forghieri)設計のボア径×ストローク:80mm×49.6mm,2,991.8cc,480馬力のバンク角180° V型12気筒エンジンを搭載しています。
“312 B2”の“B”は、この180°V型(当時のフェラーリの認識としては、180°V型って水平対向じゃね?的な・・・^^;)エンジンの“ボクサー(Boxer)”に由来しています。
また、リヤブレーキはインボードタイプのようで、リヤカウル後端からブレーキ冷却用のダクトがリヤディスクまで伸びていますね。
1979年 フェラーリ 312 T4 F1(Ferrari 312 T4)
1979年シーズンを戦った“312 T4 F1”は、フラット12エンジンを搭載したフェラーリのF1カーとして、最後から2番目の進化ヴァージョンになります。
このクルマは、南アフリカ出身のジョディ・シェクター(Jody Scheckter)をワールドチャンピオンにし、チームメイトには北アメリカ(カナダ)出身のジル・ヴィルヌーブ(Gilles Villeneuve)が起用されました。
パワーユニットは、前述の“312 B”シリーズから引き継がれた、ボア径×ストローク:80mm×49.6mm,2,991.8cc,515馬力のバンク角180° V型12気筒エンジンを搭載しています。
“312 T4”の“T”は、この“312 T”シリーズから採用された横置き(トランスバース:Transverse)トランスミッションに由来しています。このネーミング手法は、その後ロードカーでも取り入れられ、1989年に発表された縦置きV8エンジン+横置きトランスミッションの“348”が、それぞれクーペモデルに“348 tb”,タルガトップモデルに“348 ts”と名付けられました。
リヤブレーキは、“312 B”シリーズから引き続きインボードタイプが採用されていて、冷却ダクトもカウルと一体型になっています。
“312 T”シリーズは、ニキ・ラウダ(Niki Lauda)とジェームス・ハント(James Hunt)の戦いを描いた映画“ラッシュ(Rush)”の中でも、“312 T”,“312 T2”が登場していますね。
1987年 フェラーリ ティーポ 637 フォーミュラ カート / インディ(Ferrari Tipo 637 Formula CART / INDY)
このインディカー(Indy Car)プロジェクトは、1985年のF1レギュレーション改定案に抗議する意図で、“フェラーリはF1世界選手権からの撤退も辞さない”という政治的なメッセージを込めて、1987年に発表されました。
1986年シーズン中、秘密裏に開発されたこの“ティーポ 637”が功を奏し、F1レギュレーションはエンツォ・フェラーリの望む方向に向かったことから、このプロジェクトは中止されました。
パワーユニットは、ボア径×ストローク:86mm×57mm,2,649cc,690馬力のバンク角90° V型8気筒エンジンを搭載しています。
レース界における政治的な働きかけは、エンツォ・フェラーリ及びフェラーリのお家芸とも言えますが、こういった動きができるのも、F1界及びレース界で確固たる地位を確立しているからこその出来事ですね^^;
1991年 ローラ T91/00 アルファ ロメオ カート / インディ(Lola T91/00 Alfa Romeo CART / INDY)
前述の中止された“フェラーリ インディカー プロジェクト(ティーポ 637)”によって開発されたエンジンは、同じフィアット グループ内のアルファ ロメオ(Alfa Romeo)に引き継がれました。
“ティーポ 637”のV8ユニットは、ローラ(Lola)製のシャシーに搭載されて、1991年のインディーカーシーズンにダニー・サリバン(Danny Sullivan)のドライブで出場しました。シーズン中のベストリザルドは、第1戦 ゴールドコーストGPの4位フィニッシュだそうです。
2009年 フェラーリ F60 F1(Ferrari F60 F1)
このクルマは、F1にスリックタイヤが復活し、エネルギー回生システム(Kinetic Energy Recovery Systems = KERS)が導入された2009年シーズンを戦ったF1カーです。モデル名は、フェラーリのF1ワールドチャンピオンシップへの60年連続参戦を記念してつけられたそうです。キミ・ライコネン(Kimi Räikkönen)が、この“F60 F1”で、その年のベルギーGPに勝利しています。
パワーユニットは、ボア径×ストローク:98mm×39.7mm,2,398ccのバンク角90° V型8気筒エンジンを搭載しています。
ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”パート1は、以上になります。フェラーリのレース活動と言えば、依然としてヨーロッパ色の強い“F1”の存在が絶対的ですが、黎明期のインディアナポリス参戦や北米大陸出身のレーサーの活躍,80年代のインディカー計画など、オープンホイールカー(フォーミュラーカー)の世界でも、アメリカとの結びつきが少なからず見られた展示だと思います。
次回は、いよいよ珠玉のフェラーリのGTカー,スポーツカーをレポートしたいと思います。
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