先週末、先月に乗って以来湧き上がっていたモディファイ魂で続けていたプロジェクトが仕上がりました。
モディファイした箇所は、ココ↓

これは現状のうちのベックのセンターコンソール廻りの写真です。
シフトレバーの位置は純正のままですが、リヤディスクブレーキ化の際にサイドブレーキワイヤーの前端が純正位置より前に来てしまったので、ベック550スパイダーのモディファイ部品メーカーとして有名な“Fibersteel(ファイバースティール)”社のキットを使って、サイドブレーキをシフトレバーの右側に移設していました。
しかし、サイドブレーキがシフトノブの向こう側にあると、このサイドブレーキを引くためにはシートから体を起こして引く必要がありました。
また、ワイヤーの軌跡に対してレバー側で斜めに引いているため効きも悪く、限界まで引いても、車体を手で押すと動いてしまうほどでした・・・(_ _;)
そこで、“迷った時はオリジナルに学べ”ということで、オリジナル550のシフトレバー廻りを見てみると、
まずは、1954年式 フェーズⅠの“ポルシェ 550 スパイダー(Porsche 550 Spyder)”

※2014年ポルシェミュージアムにて撮影

こちらは、サイドブレーキがセンターコンソールの中心に配置されていて、シフトレバーはパッセンジャーシート側にオフセットしています。
続いて、こちらはフェーズⅡの“ポルシェ 550 スパイダー(Porsche 550 Spyder)”。ベックの造形は、このフェーズⅡがベースになっています。

※2016年ポルシェミュージアムにて撮影

こちらも、やはりサイドブレーキが中心に配置され、シフトレバーはパッセンジャーシート側にオフセットしています。
そこで、VW用のシフターマウントBOX↓を使用して、
オリジナル同様に、シフトレバーをパッセンジャーシート側へ移設することにしました!
シフターマウントBOXの高さ方向は、こんなに必要が無いので不要な部分を切り取ってしまいます。
折角なので、長年のグリスが染みついたシフターも分解清掃を行います。
先ほどのシフターマウントBOXにシフトレバーを組み付けてみました♪

シフターマウントBOXはブラケットを介して、以前はサイドブレーキを取り付けていた穴を生かして取り付けます。
また、シフトロッドが全体的にパッセンジャー側に寄るので、バルクヘッドも併せて加工します。

バルクヘッドに大穴を開けたままにしておく訳にもいかないので・・・

アルミ板とグロメットを使って、それらしく整えます。ベック純正は、シフトブーツのようなものでエンジンルーム側からパッキンされていたので、グロメットはブーツを選定して届くまでの暫定措置になります。

シフトレバーがパッセンジャー側に移ったので、いよいよサイドブレーキをセンターコンソール中心に取り付けます。

この眺めがオリジナル風味で良いですね♪
しかし、悦に入っていたのも束の間、シフトロッドがパッセンジャー寄りになったため、今度はパッセンジャーシートが干渉して付かなくなってしまいました!爆

そこで干渉部分を避けるため、パッセンジャーシートの取り付け位置を30mm嵩上げしました。

これで、一件落着。なんとかシートも収まり、オリジナルなシフトレバー&サイドブレーキのレイアウトになりました。
実際の操作感も、シフトレバーがドライバーからちょうど良い位置に来て、R→1→2→3→4の全てのギヤに均等に入れやすくなりました。また、サイドブレーキもドライビングポジションのまま引くことが出来るようになり、効きも格段に良くなりました♪
しかし、ここで1つ誤算が・・・

ベック550は、オリジナル550よりも豪華でラグジュアリー(笑)な長めの座面クッションを採用していたため、4速に入れるとパッセンジャーシートのクッションと干渉してしまいます・・・
しかも、この位置。完全にパッセンジャーの太ももにめり込んでますね^^;
“ベック550スパイダー”は、“ポルシェ550スパイダー”を元ネタにしたKITCARで、一般的にはいわゆる“レプリカ車”ですが、ベック550を造るにあたって、いくつか手が加えられている点があります。
それは、必ずしも“レプリカだから妥協した”と片づけてしまうにはあまりにも惜しい改良点でもあり、ボクはそれを“ベックの良心”と呼んでリスペクトしています。
一番大きいのは、エンジンからメカニズムに至るまで、ブラジル生産のVW部品を使用して、徹底したコストダウンを図ったこと。
そして、フロントスクリーンを“356スピードスター”と共通にして幌を備え、多少の対候性を持たせた点などが目につくところですが、実はこのシフトレバーの配置もチャック・ベックが“2人乗りのロードゴーイングな550スパイダー”を造るにあたって、発揮した“良心”の1つなのかもしれません^^;

そして、常時1人乗りの“レンシュポルト”であり、パッセンジャーシートに乗るのは専らライディングメカニックだった“ポルシェ 550スパイダー”としては、今回施したレイアウトの方が正しかったということなのでしょう。

土曜日は、山を越えて秋田側まで中距離テストをしてきましたが、MSDを導入して息を吹き返した点火系も、今回モディファイした操作系も良い感触でした♪
GWは何とか550で帰れそうです!
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整備 | クルマ
Posted at
2017/04/25 01:23:27