• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

しまえるシューマッハのブログ一覧

2023年10月01日 イイね!

WEC 6 hours of Fuji 2023観戦記(Part 2)

WEC 6 hours of Fuji 2023観戦記(Part 2)









こんにちは~

前回に引き続き、9月初旬に富士スピードウェイで行われた「WEC 6 hours of Fuji 2023(世界耐久選手権 富士6時間耐久レース)」の模様をレポートしていきたいと思います。

今回のPart2では、予選日のピットウォークから予選と予選後の車検場の様子などをお届けします!
※今回も存分に語り尽くしていますので、お時間のある時にゆっくりお楽しみくださいm(_ _)m

2023年9月9日(土) 10時頃
alt
そろそろピットウォークの時間なので、ピットウォーク待ちの列に並びます。
今回は久々にWECに戻ってきたワークスポルシェ#6号車を狙います。
H君もルマン優勝トリオのフェラーリ#51号車狙いだったこともあり、早めに並んでスタンバイします。

ピットウォークに限った話ではありませんが、WEC 6 hours of Fujiでは場内でかかるBGMがとてもヨーロッパ的な選曲でゴキゲンなのですが、今回はそんな中からとても耳残りが抜群のこの曲↓を聞きながらピットウォークを楽しんでいきましょう♪

JUL / J'oublie tout

alt
早めに並んだこともあり、#6号車の最前列(5~6人目くらい)でオートグラフセッション(サイン会)に臨めました~
alt
ファン対応する#6号車のアンドレ・ロッテラー(奥)とケビン・エストレ(手前)、ヴァンスール兄弟の兄 ローレンスは出てきませんでした・・・

こちらは"ポルシェ 963"を使用するプライベーターのプロトンコンペティションのピットです。
alt
手前から順にニール・ジャニ、ジャンマリア・ブルーニ、ハリー・ティンクネルです。

キャデラック レーシングのピットです。
alt
一番左にアレックス・リンがいますね。

ハーツ チーム ジョタのピットです。
alt
今年デビューした"ポルシェ 963"ですが、秘密主義のLMHワークス勢と違って、LMDh勢は基本はLMP2モノコック流用だからか、結構オープンな雰囲気です。まぁ、ハーツに至ってはプライベーターに供与した個体なので特に隠す所もないのかもしれません。

うさぎ㌘㌃がもらってきてくれた#5号車を含めると、ポルシェ963勢はコンプリート出来ました。ちなみに#6号車のロッテラーとエストレには、持参したLEGOのポルシェ963の箱にもサインをもらいました!
alt
ロッテラーの筆圧が強すぎてマーカードバドバしちゃったのは内緒です^^;
でもその分ロッテラーと長くお話しできたので、それもよい思い出です♪

こちらはプジョー9X8です。
alt
こうして見るとMGUが搭載されているとは思えないほど、フロントセクションがコンパクトに出来ていますね。

alt
Rexyちゃんの着ぐるみもピットウォークしてました~

こちらはヴァンウォール ヴァンダーヴェル 680です。
alt
ノンハイブリッドですがフロントセクションが結構がっしりした印象ですね。
サスアーム類の空力処理が独特で面白い設計になっています。
alt
ヴァンウォールのピットでは、エステバン・グエリエリの熱心なファンサービスで好評でした!

alt
ワークスポルシェのサイン会が終了して、#5号車と#6号車のメンバーが挨拶していました。

ポルシェ 963のフロントセクションです。
alt
LMDh車両でフロントにMGUがないので、フロント周りはシンプルなもんです。

トヨタGR010のフロントセクションです。
alt
2021年デビューでLMHレギュレーションで開発された車両第一号ということもあり、プジョー9X8のような攻めた設計ではないですが、現在においても連戦連勝を誇るハイパーカーのベンチマークといえるでしょう。

こちらはフェラーリ 499Pのフロントセクションです。
alt
499Pは特徴的なフロントセクションをしています。LMH車両でフロントにMGUを搭載していることもあってかモノコックの断面が大きく横長で、左右にそれぞれ大きさの違うクーリング装置のコアが見えています。MGU関係の冷却用でしょうか。

LMGTE AmクラスのAFコルセのピットです。
alt
488GTE EVOも499Pと同じカラースキームに塗られています。

コルベットレーシングのピットです。
alt
LMGTEのコルベット C8.Rも今年で見納めとなってしまいます。2024年シーズンからは、現在アストンマーティンでLMGTE Amクラスに参戦している"TFスポーツ(TF Sport)"がGT3規定の"コルベットZ06 GT3.R"で参戦予定です。

今年はピットウォークも大入りで大盛況でした!
alt
やはりメーカーワークスチームがトップカテゴリーに多いと、ピットウォークも俄然楽しくなりますね♪

予選まで少し時間があるので、グランドスタンド裏を見てみましょう!
alt
トヨタ ガズー レーシングは、大型イベントスペースを利用して歴代ルマンカー8台を展示する力の入れようでした!

alt
昼ご飯はWEC 6hours of Fuji恒例の"おフランス物産コーナー"で、パニーニとアペロール スプリッツァ(いや完全にイタリアンやんけ・・・爆)を調達して、グランドスタンドに陣取りました~
alt
予選が始まる前に自分のアルコール燃料が切れてしまったので、スプラッシュ&ゴー・・・
alt

LMGTE Amクラスの予選が始まりました♪

#57 ケッセル レーシング フェラーリ 488GTE EVO (KESSEL RACING Ferrari 488GTE EVO)
alt
ケッセル レーシングは日本の"カーガイ レーシング(Car Guy Racing)"とのコラボレーションで、今シーズンのWECに参戦しています。

#85 アイアン デイムス ポルシェ 911RSR-19 (IRON DAMES Porsche 911 RSR-19)
alt
女性ドライバートリオでWECに参戦しているチームです。今年のルマンでのサラ・ボヴィ(アイアン デイムス) vs ベン・キーティング(コルベット レーシング)の熾烈なデッドヒートは記憶に新しいですね!

LMGTE Amクラスの予選は、#33 コルベット レーシング コルベット C8.Rが一番時計を叩き出しました。
alt
2位には#85号車 アイアン デイムス ポルシェ911 RSR-19、3位には#777号車 Dステーション レーシング アストン・マーティン ヴァンテージ AMRが続きます。

続くLMP2クラスの予選は、#22号車のユナイテッド オートスポーツ オレカ07 - ギブソン(UNITED AUTOSPORTS Oreca 07 - Gibson)が一番時計です。
alt
2位に#41号車のチーム WRT、3位が#23号車のユナイテッド オートスポーツとなっています。

いよいよハイパーカークラスの予選が始まりました!

#5 ポルシェ ペンスキー モータースポーツ 963
alt
こうしてまた富士のグランドスタンドで、ワークスポルシェの走る姿が観れるのは感慨深いですね!

#38 ハーツ チーム ジョタ ポルシェ 963
alt
同じ963でもカラースキームが異なると、印象もだいぶ変わってきます。

#99 プロトン コンペティション ポルシェ 963(Proton Competition Porsche 963)
alt
今回のWEC 6hours of Fujiでお気に入りだったのが、この#99号車のポルシェ 963です。IMSAなどでおなじみの"WeatherTech(ウェザーテック)"カラーですが、かつて1990年代から2000年代にかけてIMSAを中心に活躍したアメリカのプライベーター"チャンピオン レーシング(Champion Racing)"のカラースキームから赤と青のストライプだけを抜き出したようにも見えるし、もっと遡ればBrumos(ブルモス) ポルシェのサイドストライプのようにも見えます。

白一色だからということも影響しているかもしれませんが、コクピットから後ろの造形が往年の"ポルシェ 911GT1 '98"↓を思い起こさせるような気がするのは、自分だけでしょうか^^;
alt
※2016年 ポルシェミュージアムにて撮影

#51 フェラーリ AFコルセ 499P
alt
今年のルマンの覇者#51号車です。リヤウイングステーに設けられた3連のスリットが、"250 GTO '64"や"288 GTO"を連想させますね!

#93 プジョー 9X8
alt
昨年はデビュー直後ということで、富士のホームストレートで小刻みなピッチングが発生していた9x8ですが、1年間を通して熟成が進んだのか、今年は昨年見られたようなピッチングは見られませんでした。それにしても"ウイングレス"なこのシルエットは、百花繚乱のハイパーカーの中にあっても独特の存在感を放っています。

ハイパーカークラスの予選は、#7号車のトヨタ GR010が一番時計を叩き出しました。
alt
2位も#8号車のトヨタ GR010、3位に#6号車 ワークスポルシェ 963の1台が入りました。

予選終了後の車検場へ向かいましょう!

早速キャデラック Vシリーズ.Rがいい位置に止まっているので、見ていきます。
alt
全体的に直線基調で武骨な印象ですね。同じLMDh車両のポルシェや欧州勢のLMH車両とも開発コンセプトが異なりそうな空力デザインをしています。

個人的には、小賢しい空力処理でチビチビ効率上げるより大排気量のV8でパワーで勝負だ!的なナスカー(NASCAR)にも通ずるアメリカンなアプローチのようにも思えます。

トヨタGR010とキャデラック Vシリーズ.Rが横に並びました!
alt
同じカテゴリーのクルマとは思えないほど、造形が違って面白いですね~

alt
プジョー陣営はリヤカウルをついたて代わりにして、秘密主義を貫いています。
やはりLMH車両は独自技術の塊なので、隠したいのでしょうね・・・

フェラーリ 499Pもありました。
alt
この角度で見ると、リヤカウルのコクピットから続くエンジン搭載部分とリヤタイヤの間の切込みがエグいですね。フェラーリはスポーツカーレースに復帰するにあたってLMDh車両の開発も候補に入れていましたが、その案を葬ってまでも開発範囲の広いLMH車両で参戦してきただけのことがあるくらい攻めたデザインをしています。

車検場の裏に回るとポルシェ 963が柵のすぐそばに置いてありました♪
alt
トヨタ GR010やプジョー 9X8などに比べると、フロントセクションからカウル内に取り入れる空気の量は圧倒的に少ないように見えます。
alt
極力カウル全体の位置を下げて、カウルの上で空気を受け流すような空力デザインに見えます。結局その方がニュートラルな空力特性になって扱いやすいのかもしれませんね。

パドックに戻ってくると#99 プロトンコンペティションのニール・ジャニが誰かと話し込んでいました。
alt
お気に入りの#99号車のフロントカウルがパドックに置かれていました。
alt
この#99号車のもう1つのお気に入りポイントがコレ↓です。
alt
Cカー時代の"ヨースト ポルシェ 962C (Joest Porsche 962C)"や"ダウアー 962LM (Dauer 962 LM)"、"ポルシェ WSC95 (Porsche WSC95)"など、当時のポルシェのレースカーでよく見かけた"F.A.T インターナショナル (F.A.T INTERNATIONAL)"のロゴが入っています。
alt
※2009年 ミュルーズ シュルンプコレクションにて撮影

当時の"F.A.T INTERNATIONAL"は運送会社だったようですが、現在はオーストリア ツェル・アム・ゼーで富裕層向けに"GP Ice Race"などのイベントを行うイベント運営会社として復活したようです。
alt
何年か前にクラシックポルシェが氷上を走るイベントの動画を見たことがありますが、どうやらこの会社が絡んでいるようです。

本日のイベントはすべて終了したので、kimu_ninety君のスイスポで富士八景の湯へ行き、ひと風呂浴びた後は恒例のBBQを楽しみました~
alt
特にうさぎ㌘㌃はコロナ禍でずっと会っていなかったので、久しぶりにクルマ談義ができて良かったです!
alt
WECの夜も更けていきます。

これにて予選編は終わりです。
長文ながら最後までお付き合いいただき、ありがとうございます♪

Part3へ続く
2023年09月30日 イイね!

WEC 6 hours of Fuji 2023観戦記(Part 1)

WEC 6 hours of Fuji 2023観戦記(Part 1)









こんにちは~

お久しぶりです!
今回は9月初旬に富士スピードウェイで行われた「WEC 6 hours of Fuji 2023(世界耐久選手権 富士6時間耐久レース)」を観戦してきたので、その模様をレポートしたいと思います。

今回のPart1では、予選日にパドックを散策しながらWECに復帰したメーカーの過去の名車に思いを馳せるところと、フリープラクティスでの車種紹介までをお届けします!
※WECの回は毎度語りに語り尽くした超々大作です。お時間のある時にゆっくりお楽しみくださいm(_ _)m

2023年9月9日(土) 深夜
alt
富士スピードウェイを目指して、東北道を南下します。
alt
圏央道経由で中央道に入ったころには、夜が明けてきました。

なんとか6時前には富士スピードウェイに到着しました!
alt
大阪から観戦のkimu_ninety君とH君、そして久しぶりに同期のうさぎ㌘㌃も観戦に来てくれました~
今年の富士24時間耐久レース観戦から導入した"キノコタープ"を設営して準備万端です♪

道中で仮眠も2時間そこそこしかしていないので仮眠しようかと思ったのですが、今年のWECはハイパーカークラスが百花繚乱のごとく各メーカーがしのぎを削っていて、見どころ満載ということで、興奮が抑えられなくなって来たので(笑)、H君とうさぎ㌘㌃の3人でパドックに繰り出していきました~
alt
昨年のWEC Fujiではまだコロナ禍の影響でパドックの一番ピットに近い通路は入ることができませんでしたが、今年は以前同様に解放されていました!

こちらは"ポルシェ ペンスキー モータースポーツ(PORSCHE PENSKE MOTORSPORT)"のパドックです。
alt
ポルシェがついにWECの最高峰クラスに戻ってきました!
alt
早速、LMDh車両のレギュレーションで作られた"ポルシェ 963(PORSCHE 963)"のフロントカウルが置かれています。
alt
"963"のカウルを裏側から観察すると、フロントノーズ下から入った空気をモノコックとタイヤの間にうまく導入するような処理が観られますね。

ちなみに今回のWECカムバックにあたりポルシェが手を組んだのは、2000年代のALMS(アメリカ・ルマン・シリーズ)で上位クラスのアウディに勝ってしまうなどジャイアントキラーぶりを遺憾なく発揮した名車"ポルシェ RSスパイダー(PORSCHE RS Spyder)"↓でタッグを組んだアメリカの名門"ペンスキー(PENSKE)"です。
alt
※2018年 ポルシェミュージアムにて撮影

今回も"ハイパーカー(HYPER CAR)"ではなく、"LMDh(ルマン デイトナh)"レギュレーションで車両を作ってきたことには、何か秘策があるのでしょうか。

こちらは"フェラーリ AFコルセ(Ferrari AF CORSE)"のパドック。
alt
50年ぶりにワークス体制でスポーツカーレースシーン(及び、ルマン24h)に戻ってきたフェラーリのパドックは、思いのほか地味な印象を受けます。

個人的にルマンを走るフェラーリの記憶としては、1990年代にMOMOの創業者"ジャンピエロ・モレッティ"の依頼で"ダラーラ"によって開発され、プライベーターの手により参戦していた"フェラーリ 333SP(Ferrari 333SP)"↓が印象的でした。
alt
※2014年 ムゼオフェラーリにて撮影

こちらは"キャデラック レーシング(CADILLAC RACING)"のパドック。
alt
"デイトナ24時間耐久レース(Daytona 24h)"などIMSAの"DPi(デイトナ プロト インターナショナル)"クラスでは常連だったキャデラックが、"DPi"の生まれ変わり"LMDh"車両がWECにも参戦できるようになったことで、WECに乗り込んできました。
alt
ルマンのキャデラックといえば、2000年代にナイトビジョン(暗視装置)搭載で話題になった"キャデラック ノーススター LMP900(CADILLAC Northstar LMP900)"↓が思い起こされますね。
alt
※2018年 ルマンミュージアムにて撮影

こちらはLMGTAmクラスに"ポルシェ 911RSR-19(PORSCHE 911RSR-19)"で参戦している"プロジェクト 1-AO(PROJECT 1-AO)"のピットです。
alt
アメリカの高級ファッションブランド"COACH"のキャラクターである恐竜の女の子"Rexy(レキシー)"とのコラボレーションで、今年のWEC Fujiの注目チームとなっています。

ちょうどフリープラクティス前の時間帯でドライバーが続々とピットに入っていきました。
alt
ファンサービス中のアンドレ・ロッテラー(#6 ポルシェ ペンスキー モータースポーツ)。

alt
ポルシェ ペンスキー モータースポーツ代表のロジャー・ペンスキー御大も姿を現しました!

パドックに同行したH君はレーシングドライバーマニアで、ほとんどのドライバーを顔を見ただけで判別がつく強者です。また、ドライバーとの2ショット写真コレクターでもあるので、今回はH君がドライバーを見つけて自分が「彼との2ショット撮るからよろしくね~!」的に英語で話しかけて、2ショット写真を大量ゲットしていました^^;

自分としても、アンドレ・ロッテラーやケヴィン・エストレ、ロイック・デュパルに今年のルマン覇者アントニオ・ジョビナッツィ、ハプスブルク家の末裔にして"王子"ことフェルディナント・ハプスブルク・ロートリンゲン達と会話ができて、充実のひと時でした♪

それではフリープラクティスが始まったので、ピット入口で観ていきましょう!

#31 チーム WRT オレカ07 - ギブソン (TEAM WRT ORECA 07 - Gibson)
alt
まずは今年でWECシリーズ(ルマン24hは除く)では見納めのLMP2クラスの"TEAM WRT"のマシンが走ってきました。LMP2クラスは本来4つのシャシコンストラクターが用意したマシンから選択可能なレギュレーションでしたが、WECにおいては全車が"オレカ 07"を選択したことで、実質ワンメイク状態になっています。

エンジンは元々は"ザイテック(Zytek)"の名で知られたイギリスのレーシングカーコンストラクターに端を発する"ギブソン・テクノロジー(Gibson Technology)"が開発した4.2リッターV型8気筒NAエンジンを搭載しています。

#31号車は"王子"ことフェルディナント・ハプスブルク・ロートリンゲン、ショーン・ゲラエル、ロビン・フラインスのドライブで今回のレースに挑みます。

#10 ヴェクタースポーツ オレカ07 - ギブソン (VECTOR SPORT ORECA 07 - Gibson)
alt
こちらはヴェクタースポーツの"ORECA 07"です。車両は前述の"TEAM WRT"と同じですが、このチームの最大のトピックはなんといっても2024年シーズンから"ハイパーカー"クラスに"イソッタ・フラスキーニ(Issota - Fraschini)"のLMHマシンで参戦することでしょう。

イソッタ・フラスキーニは、1900~1955年までイタリアに存在した高級車メーカーで、チェザーレ・イソッタ(Cesare Isotta)とオレステ・フラスキーニ(Oreste Fraschini)によって、ミラノに設立されました。来年WECに参戦してくるイソッタ・フラスキーニは、そんな往年のブランドを復活させてLMH車両のみならず、サーキット専用市販モデルも生産する予定だそうです。

ちなみにこちら↓は当時のイソッタ・フラスキーニ、1920年型 "イソッタ・フラスキーニ ティーポ8(Issota Fraschini Tipo 8)"です。
alt
※2017年 トリノ自動車博物館にて撮影

いよいよお待ちかねの"ハイパーカー"クラスの車両を見ていきましょう!

#8 トヨタ ガズーレーシング GR010ハイブリッド (TOYOTA GAZOO RACING GR010 Hybrid)
alt
まずは言わずと知れたトヨタ ガズーレーシング。WECからアウディ(Audi)、ポルシェ(Porsche)の撤退以降の冬の時代も参戦を継続したことで、今年の百花繚乱を迎えることができました。

"GR010 ハイブリッド"は、LMH車両のレギュレーションで開発され、前輪を200kWのMGU(モーター・ジェネレータ・ユニット)で駆動し、後輪を3.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンで駆動する4輪駆動車になります。

ただし、フロントMGUの作動が許されるのはBoP(性能調整)により190km/h以上と定められたことで、ノンハイブリッドLMH車両や、後輪駆動のLMDh車両と比べて圧倒的なアドバンテージにならないようになっています。

#5 ポルシェ ペンスキー モータースポーツ 963 (PORSCHE PENSKE MOTORSPORT 963)
alt
WECに復帰するにあたってポルシェが開発した"ポルシェ 963"です。車両はLMDh車両のレギュレーションで設計されています。

LMH車両がメーカーの開発自由度が高い車両であるのに対して、LMDh車両は"オレカ"、"リジェ"、"ダラーラ"、"マルチマチック"の4メーカーのいずれかのLMP2用モノコックをベースに、統一規格のハイブリッドシステムと自社製エンジンを組み合わせ、メーカー独自のボデーワークを被せるという成り立ちになっています。

"ポルシェ 963"は、カナダの"マルチマチック"社製のLMP2用モノコックに市販ハイブリッドスーパーカー"918スパイダー(918 spyder)"の4.6リッターV型8気筒ツインターボエンジンと、LMDh共通50kWのハイブリッドユニットを搭載しています。

こうした成り立ちを見ても、今回の"963"以前WECに参戦していた"919 ハイブリッド(919 Hybrid)"とは、開発コンセプトが異なり既存のエンジニアリングをうまく使って"プライベーターに広く使ってもらう"ルマンカーを目指しているように見えますね。

それはまるで、Cカー時代を席巻した"ポルシェ 962C"を連想させる"963"のネーミングからも強く感じられます。

#38 ハーツ チーム ジョタ ポルシェ 963 (Heatz Team Jota PORSCHE 963)
alt
こちらはそんな"962C"時代を連想させるプライベートエントリーの"ポルシェ 963"の1台です。LMP2クラスの常連でイギリスの強豪"Jota(ジョタ)"が、"ポルシェ 963"を手に入れて"ハイパーカー"クラスに参戦してきました。

#2 キャデラック レーシング Vシリーズ.R (CADILLAC RACING V-Series.R)
alt
パドック裏で少し語った通り、元々キャデラックはDPi車両でIMSAを主戦場としていたチームなので、本レギュレーションにおいてもLMDh車両を開発してきました。

モノコックはイタリアの"ダラーラ"製LMP2用を使用して、5.5リッターV型8気筒NAエンジンと、LMDh共通50kWのハイブリッドユニットを搭載しています。アメリカンレーシングといえども、もうOHVではなくDOHCですが、クロスプレーンクランクに大排気量NAエンジンのエキゾーストノートは"アメリカン"の一言に尽きます。

#94 プジョー トタルエナジーズ 9X8 (PEUGEOT Totalenergies 9X8)
alt
昨シーズン"ウイングレス車両"として、話題をさらった"プジョー 9X8"がピットに入ってきました。"9X8"は、トヨタと同じく車両の独自開発が可能なLMH車両のレギュレーションで設計されたマシンで、前輪を200kWのMGU(モーター・ジェネレータ・ユニット)で駆動し、後輪を2.6リッターV型6気筒ツインターボエンジンで駆動する4輪駆動車になります。

こちらは、BoP(性能調整)により前輪MGUの作動速度は135km/h以上と、トヨタより55km/h低速域から4輪駆動のアドバンテージを生かすことができます。

#50 フェラーリ AFコルセ 499P (Ferrari AF CORSE 499P)
alt
こちらが50年ぶりにワークス体制でスポーツカーレースにカムバックした"フェラーリ 499P"です。トヨタ、プジョーと同じくLMH車両のレギュレーションで設計され、前輪を200kWのMGUで駆動し、後輪は"296GT3"で実績のある3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンで駆動する4輪駆動車になります。

"499P"は"トヨタ GR010"と同様に、190km/h以上で前輪MGUによる駆動アシストが許されています。フェラーリ伝統の1気筒あたりの排気量(499cc)に、スポーツプロトタイプカーである"P"を組み合わせた"499P"という名称は、オーセンティックでとても素敵なネーミングですね♪

ただ個人的には、フェラーリのルマンカーぐらいV型12気筒NAエンジンで、官能的なエキゾーストノートを奏でて欲しいとも思ってしまいます^^;

#4 フロイド ヴァンウォール レーシング チーム ヴァンダーヴェル 680 (Floyd Vanwall RACING TEAM Vandervell 680)
alt
近年のWEC最高峰クラスにおいて、テールエンダーの常連になりつつある"バイコレス(ByKolles)"。コリン・コレス率いるこのチームは、毎回面白い車造りでWECファンを魅了してくれますが、今シーズンに投入してきたこの"ヴァンダーヴェル 680"は、1950年代に黎明期のF1で活躍した英国のコンストラクター"ヴァンウォール(Vanwall)"のブランドを復活させてきました!

この"ヴァンダーヴェル 680"は"LMH"車両のレギュレーションで設計され、エンジンはバイコレス時代のLMP1カー"CLM P1/01"から引き継がれた"ギブソン・テクノロジー"社製の4.5リッターV型8気筒NAエンジン(GL458型)を搭載しています。

WECに参戦するLMH車両では、今回の富士とバーレーンをスキップした"グリッケンハウス 007 LMH"と、この"ヴァンウォール ヴァンダーヴェル 680"がMGU非搭載の"ノンハイブリッド車両になります。

最後にLMGTE Amクラスから1台紹介します。

#56 プロジェクト1-AO ポルシェ 911RSR-19 (PROJECT 1-AO Porsche 911 RSR-19)
alt
2024年シーズンからは、WECのGTクラスが"GT3車両"をベースとした車両規定になることから、"LMGTE Am"クラスの車両は今シーズン限りで見納めとなります。

先ほどパドックで、恐竜の女の子"Rexy(レキシー)"とコラボっていたポルシェがこの車両です。911RSRが、おもいっきり恐竜になってます^^;

これにてPart 1は終わりです。
長文ながら最後までお付き合いいただき、ありがとうございます♪

Part 2へ続く

2022年11月27日 イイね!

FORUM8 Rally Japan 2022 Aichi/Gifu 観戦記(Part 1)

FORUM8 Rally Japan 2022 Aichi/Gifu 観戦記(Part 1)









こんにちは~

最近はすっかりモータースポーツ観戦ブログになりつつありますが、今回もモータースポーツ観戦について書きます^^;

先々週末、12年ぶりに日本再上陸を果たした"Rally Japan"を観に行ってきたので、その模様を複数回(2回の予定だけど3回になるかも・・・汗)に分けてレポートします!
※例にもれず今回も長編となっていますので、お時間のある時にご覧ください!汗

しかし、まぁなんといっても個人的には"WRC(世界ラリー選手権)"初観戦とあって、行く前から期待度抜群でした!!

またFIA格式のラリー観戦という意味では、2009年に卒業旅行で行ったイタリア サルディニア島で行われた"FIA ヒストリックラリー選手権 ラリー・デル・コラーロ 2009"↓観戦以来のラリー観戦になります^^;
alt

2022年11月11日(金)深夜
alt
"Rally Japan 2022"の開催地 豊田市へ向けて、東北道を南下します。

途中、ちょうど東名の秦野中井付近で夜が明けてきました。
alt
天気も良く、霊峰富士もバッチリ拝んで豊田へ向かいます。

alt
新東名 掛川PAでトヨタ 2000GTと遭遇!

alt
豊田が近くなるにつれて"ラリー"なクルマが増えてきました^^;

alt
"FORUM8 Rally Japan 2022 Aichi/Gifu"のメイン会場である豊田スタジアムは、駐車場にサービスパークを設置していて、今回は駐車場がないので、近隣の駅前駐車場にRossoを停めてパーク&ライドで向かいます。

alt
豊田スタジアムに到着しました!
alt
今日(11/12(土))は、ここ豊田スタジアムでのサービスパークと岡崎SSの観戦をスケジュールしています。

関西方面から合流予定のkimu_ninetyさん、Kさん、Hさん、Sさん御一考の到着が遅れているため、会場内を散策して待ちます。

こちらは"歴代ラリーカー展示"コーナー
alt

1995年 トヨタ セリカ GT-FOUR ST205(Toyota Celica GT-FOUR ST205)
alt
1995年のコルシカラリーにて、ディディエ・オリオールのドライブで優勝した車両そのものです。この時代のWRCはGr.A車両により戦われていて、街で見かけるクルマがそのまま世界選手権で優勝するとてもロマンのある時代だったように思います。

1998年 スバル インプレッサ 555 WRC 98(Subaru Impreza 555 WRC 98)
alt
それまでGr.Aのホモロゲーションを持っていたインプレッサ 4ドアセダンのWRXベースから、改造範囲の広いWRカー規定発足に合わせて、非力なNAエンジン搭載の2ドアクーペのベースグレード”リトナ”をベースに、英国のプロドライブがWRカーに開発した車両です。

1997年 トヨタ カローラ WRC(Toyota Corolla WRC)
alt
こちらも改造範囲の広いWRカー規定に則り、本来2リッターターボ+4WDの設定がない欧州カローラに、肥大化して戦闘力を失いかけていたセリカのメカニカルコンポーネンツとジョイスティック型シーケンシャルミッションなどの新技術を詰め込んで、WRCを戦える戦闘力を構築していきました。

この車両、以前はお台場のメガウェブに展示されていて、Rossoに"カローラWRC Bodykit"を装着する際に、何度も参考に観に行ったので久々の再会です!

2005年 三菱 ランサー WRC 05(Mitsubishi Lancer WRC 05)
alt
こちらは三菱が2005年にWRカー規定に則って開発したランサーWRC。三菱のラリーカーの代名詞とも言える"エボリューション"の文字がないことからも判るとおり、"ランエボ"ではなく"ランサーセディア"をベースとしています。
alt
ボクのRossoに装着した"カローラWRC Bodykit"を製作しているポーランドのCars4You Custom社で、このランサーWRC 05ルックのボデーキットを販売しているので、ランエボIXあたりに装着したら面白そうだなぁ~^^;

お膝元"トヨタ ガズー レーシング(Toyota Gazoo Racing)"のブース
alt
最新のGRカローラとGRヤリスの展示と一緒に、GRヤリスの開発車両↓が展示されていて興味深かったです。
alt

会場内には、これらのマシン以外にも至る所にWRCにゆかりのクルマが展示されていました。

三菱 ギャラン VR-4(Mitsubishi Galant VR-4)
alt

トヨタ セリカ GT-FOUR ST185 (Toyota Celica GT-Four ST185)
alt
OZのカタログでおなじみのST185も、OZブースに展示されていました。

そろそろサービスインの時刻が迫ってきたので、サービスパークに移動し始めます。
alt
途中で00カーが通り過ぎ、近隣からエキゾーストノートが聞こえてきました。

このゲートの先にRally1カーのサービスパークがあります。
alt
当日開催のSSのチケットがあれば豊田スタジアムには入場できますが、このサービスパークへはSSのチケットでは入場できないので、別途 豊田スタジアムの入場券が必要になります。

"ヒョンデ シェル モビス(Hyundai Shell Mobis)"ワークスのサービスパーク。
alt
もうすでに結構な人だかりができています。

こちらは"Mスポーツ フォード(M-Sport Ford)"のサービスパーク。
alt
"Mスポーツ フォード"は、英国のラリードライバー マルコム・ウィルソン(Malcolm Wilson)が立ち上げたプライベートチームに端を発するコンストラクターで"フォード(Ford)"のブランドが入っていますが、完全なワークス体制ではありません。

こういった事情からか"トヨタ"と"ヒョンデ"の2大ワークスと比べると、ややこじんまりとしたサービスパークになっています。

ここから先(トヨタ ガズーレーシング方面)は、もう凄い人だかりで行ったら帰ってこれそうになかったので、ここで"Mスポーツ フォード"のサービスパークを見学することにしました♪
alt
サービスインが始まるまでの間に、ここで公式パンフレットの車両解説(英語)を翻訳しながら、2022年シーズンを戦うWRC最高峰クラス"Rally1車両"を見ていきましょう。

トヨタ ガズーレーシング WRT / GRヤリス ラリー1 ハイブリッド
alt
今シーズンから適用された"Rally1"カー規定に則って開発されたトヨタのWRCカーです。外観上は、市販車"GRヤリス"の面影があるようにも見えますが、鋼管スペースフレームのシャシにカーボン製ボデーを被せた全くの別物です。

またRally1規定では各社共通のハイブリットパワーユニット(HPU)の搭載を義務付けられているため、市販車には存在しない"GRヤリス ハイブリッド"というネーミングが与えられています。

ヒョンデ シェル モビス WRT / ヒョンデ i20 N WRC ラリー1
alt
"ヒョンデ"という聞きなれないブランドですが、"ヒュンダイ"改め"ヒョンデ"として近年日本に再上陸を果たした韓国の自動車メーカーです。

日本国内では、BEV(バッテリーEV)の"アイオニック5"と燃料電池車の"ネクソ"の2台のみの展開ですが、Rally1カーのベースになったのは、欧州を中心に販売されているBセグメントカー"i20"のスポーツ仕様の"N"です。

といっても"GRヤリス ハイブリッド"同様に、鋼管スペースフレームに"i20 N"風カーボン製ボデーを被せた別物である・・・

Mスポーツ フォード WRT / フォード ピューマ ハイブリッド ラリー1
alt
昨年まで"フィエスタ(Fiesta)"ベースのWRカーで参戦していたMスポーツ フォードは、今シーズンのRally1カー規定に合わせて、ベース車両をコンパクトSUVの"ピューマ(Puma)"にスイッチしてきました。

つまるところ、鋼管スペースフレーム+カッコだけのカーボン製ボデーなら、コンパクトカーより売れ筋のコンパクトSUVを被せた方が、マーケティング戦略的にも美味しくねぇ~って思ったかどうかはしらないですが(汗)、かくして横から見たら"ほぼフィエスタ"ってくらい"ローフォルム"でカッケーSUVが完成しました^^;

こんだけ車高短で着座位置も低いならSUVでもいいかなぁ~爆
まぁでも、このベースになった"ピューマ"は、市販車モデルでも"エコブースト ハイブリッド"のグレードが設定されていて、48Vマイルドハイブリッドシステムと6MTの組み合わせが選択できる点が、とてもヨーロッパ的で素敵な1台でもあります♪

そして、各社統一されていないフォーマットで提出されたと思われる車両解説ページの中にあって、Mスポーツ フォードのスペック表が妙に"カーマニア"感が出ていて、好感が持てますね^^;

alt
そうこうしているうちに、#42 クレイグ・ブリーン / ジェームス・フルトン組の"フォード ピューマ ハイブリッド ラリー1"のサービスインが開始されました!

alt
そしてクルマはまだサービスに来ていないですが、ガス・グリーンスミス(Gus Greensmith)本人が登場!!
alt
快くファンサービスに応じていました。こういう姿を見ると、ファンになっちゃいますねぇ~
alt
#44 ガス・グリーンスミス / ジョナス・アンダーソン組のサービスインも開始されました!
alt
サービスインが始まると、すぐさまマシンは馬に載せられメンテナンスが進められていきます。

Rally1車両はサービスパーク内では、モーター駆動での走行がルール化されているようで、サービスインが終了するとモーター音と共に走り去っていきました~

※途中で通過する"シュコダ ファビア R2(Skoda Fabia R2)"はRally2車両なので
、ガソリンエンジンで走行しています。

Mスポーツ フォードのサービスインが終了したので、一応トヨタのサービスパークの前に行ってみました。
alt
ご覧のような人だかりで、全く中が見えません(T_T;)
ちょうど、トヨタのサービスパークの向かい側がサービスパークに入るチェックポイントになっていて、続々と参戦車両が入ってきていました~

alt
こちらはモータージャーナリストでJ-sportsのWRC解説でもおなじみの国沢 光宏さんの"ルノー クリオ R5"です。ルノースポールの伝統的なワークスカラーをまとっていて、通好みですね♪

alt
「スバル ヴィヴィオ以来の軽自動車WRC参戦!!」と、一部の界隈で話題になっていた"ダイハツ コペン(Daihatsu Copen)"がやってきました。

alt
Rally1車両がいなくなってやっとトヨタのサービスパーク内が覗けるようになりました。

こちらは"ヒョンデ"のサービスパーク。
alt
ヒョンデはシェルがメインスポンサーなので、シェルHELIXカラーの給油機?がカッコいいですね!

ヒョンデのサービスパーク横に停められたクルマ達。
alt
前の1台は国内でも販売開始した"アイオニック5"ですが、後ろのクルマが気になりますねぇ~
alt
ドイツ登録のナンバーが付いたレッキ車のようです。
欧州をクルマで走っていたりすると、ある時期のヒョンデ車のリヤデザインが結構BMWに似てるなって思うことがあったので、てっきり日本未発売のヒョンデ車か?っと盛り上がっていましたが、どうやら本当にBMW 1シリーズのレッキ車だったようです^^;

Mスポーツ フォードは、ちょうど海上コンテナサイズの"M-Sport"ロゴ入り横断幕が掛けられていてカッコいいですね!
alt
こういう所は、Rally1車両を扱う3メイクスの中ではMスポーツ フォードが一番ヨーロッパ的でハイセンスなように思います。

alt
Mスポーツ フォードのレッキ車両は"フォード フォーカスRS"を使用していました。

WECの時にも感じますが、このようなFIA格式の世界選手権のパドックやサービスパークって、ヨーロッパのレースシーンをそのまま切り取って持ってきたような雰囲気が漂っていて、格別なんですよね~♪

この雰囲気を感じられるだけでも、サービスパークの別料金を払った甲斐があったと思います^^;

初回からずいぶん長編になりましたが、今回のレポートはここで終了です。
次回はいよいよ岡崎に移動して、Rally JapanのSSを観戦します!

つづく


Posted at 2022/11/27 23:34:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツイベント | クルマ
2022年09月20日 イイね!

WEC 6 hours of Fuji 2022観戦記(後編)

WEC 6 hours of Fuji 2022観戦記(後編)









こんにちは!

"WEC(World Endurance Championship)"日本ラウンド"6 hours of Fuji(富士6時間耐久レース)"の観戦リポートの後編です。
※前回に引き続き超大作となりますので、お時間のある時にご覧ください^^;


2022年9月11日(日)
alt
決勝日当日、よく晴れて富士山もくっきり拝むことができました!
alt
朝食はS耐富士24時間レースで好評だった"ホットサンドにトマトとマッシュルームのソテー"を作りました!今回はホットサンドの具材に生ハムとシュレッドチーズを使った"チロレーゼ(チロル風)"にしました。

スタートはグランドスタンド最前列に陣取りました。
alt
いつもは天気が悪いこともあり2階席の上の方にいることが多いですが、最前列はスタート前のスターティンググリッドの様子が伺えて面白いですね。

alt
フェルディナント ハプスブルク・ロートリンゲンとレンガー・バン・デ・サンデ(Renger Van der Zande)がユナイテッド オートスポーツのドライバー2人と談笑しています。

alt
こちらはメディアの取材に応じるドリス・ヴァンスール(Dries Vanthoor)
兄 ローレンス・ヴァンスールはポルシェのワークスドライバーをしていますね。今年のニュル24hでは、序盤に兄弟同士討ちで兄 ローレンスの駆る"マンタイ・レーシング"の"911GT3RS"がクラッシュ⇒リタイヤに追い込まれ、ポルシェファンとしては落胆したのが記憶に新しいです・・・T_T;

スタートを待つ2台の"プジョー9X8"
alt
こうしてソリッドグレーの艶めかしい車体が2台並んで佇んでいる姿を見ると、一瞬"ミシェル・ヴァイヨン"の得体のしれない敵チームが爪を隠して潜む様子にも思えてきます。

スターティンググリッドのスタッフたちもピットウォールの内側に戻り、いよいよフォーメーションラップが始まります。
alt
LMHクラスのスタート順は以下の通り
1位 #7 トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)
2位 #8 トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)
3位 #36 アルピーヌ A480 ギブソン(ALPINE A480 - Gibson)
4位 #93 プジョー 9X8(Peugeot 9X8)
5位 #94 プジョー 9X8(Peugeot 9X8)

alt
各車フォーメーションラップに向かいます。

alt
先頭の#7号車がホームストレートに戻ってきたら、いよいよ"6 hours of Fuji"6時間の戦いの始まりです!

alt
追撃する灰色のライオン

alt
まだ開発途上の"コルベットレーシング#64号車"も、ポルシェ&フェラーリを追撃にかかります。

今回は今まであまり行かなかった撮影スポットにも行ってみようということで、まずはピット入口でカメラを構えることにしました。
alt
富士山とホームストレートを疾走するマシンが撮れるスポットです!

さらにピットインしてくるマシンも真正面から捉えられます。
alt
ちょうどLMP2のマシンが1回目のピットストップを迎えていました~

alt
AFコルセとポルシェの戦いをまとめて抜きにかかるプジョー9X8

alt
#36 アルピーヌA480が1回目のピットイン!

alt
#93 プジョー9X8も

alt
#8 トヨタ GR010もピットインです。

お腹もすいてきたので、おフランス物産コーナーで昼食を調達します。
alt
今日はこちらのキッチンカーで、スモークチキンとチーズのパニーニとベリーMIXスムージー♪
alt
パニーニってイタリアじゃ・・・まぁ、細けーこたぁ(以下略)

alt
レース開始から約2時間経過して順位は、
1位 #8 トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)
2位 #7 トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)
3位 #36 アルピーヌ A480 ギブソン(ALPINE A480 - Gibson)
4位 #94 プジョー 9X8(Peugeot 9X8)
5位 #93 プジョー 9X8(Peugeot 9X8)

ちょうどグランドスタンドで昼ご飯を食べているときに、#93 プジョー 9X8がピットガレージに収まるトラブルが発生。

1コーナー内側のエリアに来ました。
alt
順調に周回を重ねる#8号車

alt
しばらく見ていると、プジョーは#93号車しか来なくなりました・・・
どうやら#94号車にオイルリークのトラブルが発生した模様です。

その後すぐに#94号車もレースに復帰しましたが、やはりデビュー2戦目。まだまだ解決しなければならないトラブルがありそうです。

コカ・コーラコーナーの飛び込みでの1コマ
alt
LMP2だろうがLMGTEだろうが、リヤウイングがあるのが当たり前の世界に、一石を投じる"プジョー9X8"の後ろ姿です。最近のプジョー製市販車のモチーフでもある"ライオンの引っ掻き跡"を模した3本のテールライトをうまくハイパーカーに取り入れています。

今度はコカ・コーラコーナーの立ち上がりです。
alt
こうして"コルベット C8.R"を真横から見ると、完全に"ミッドシップスポーツ"のフォルムをしていますね。"ロングノーズ・ショートデッキ"って、なにそれ美味しいの?とでも言いたいくらい清い方針転換です^^;

alt
"トヨタ GR010 ハイブリッド"も真横から見ると、市販モデルを念頭においてデザインされたとはいえ、典型的な"近年のルマンプロト"の造形をしています。

alt
リヤウイングレスの"プジョー9X8"は、やはり独特の造形ですね。

いよいよレースも終盤に差し掛かり、ピットビル屋上にやってきました!
alt
ちょうど"NART"カラーの"スピリット オブ レース"の"488 GTE EVO"がピットインしてきました~

#86 GR レーシング ポルシェ 911 RSR-19(GR Racing Porsche 911 RSR-19)
alt
"GR"といっても"ガズーレーシング"とは無関係で"ガルフ・レーシング"が由来だそうです。

ここの良いところはピット作業が撮影できるところ。
alt
ユナイテッドオートスポーツの2台が最後のピット作業中です。

#33 TFスポーツ アストンマーチン ヴァンテージAMR(TF Sports Aston Martin Vantage AMR)
alt
"LMGTE-AM"クラスのトップを快走する"TFスポーツ"の"ヴァンテージAMR"です。

#94 プジョー9X8
alt
小さなトラブルはありつつも順調にマイレッジを積み重ねる"プジョー 9X8"

alt
"ハイパーカー(LMH)"クラスのトップは#8号車"トヨタ GR010 ハイブリッド"です。

alt
#93号車が最後のピット作業を行っています。

#94号車はピットストップペナルティの消化のためにピットに入ってきました。
alt
リヤウイングは無いといいつつも、リヤフェンダー内側からテールエンドにかけてのリヤカウルが、一種の巨大なウイング形状になっていることが伺えます。

最後にGRスープラコーナーで撮影を行いました。
alt
ゴールに向けてひた走る#8号車。

alt
今シーズンで見納めの"LMGTE-Pro"クラスは、"AFコルセ"の"フェラーリ 488 GTE EVO"がワンツー状態です。

そして17:00。
alt
見事#8号車がトップチェッカーを受けて、長かった6時間の戦いが幕を閉じました~

alt
トラブルに見舞われながら2台の"プジョー9X8"も完走を果たしました。

alt
優勝した#8号車が表彰台の元へ走ってきて、表彰式が始まります。

まずは、ハイパーカー(LMH)クラス
alt
1位 #8 トヨタ GR010 ハイブリッド
2位 #7 トヨタ GR010 ハイブリッド
3位 #36 アルピーヌ A480 ギブソン
alt
トヨタ#8号車は、これでポイントランキングトップのアルピーヌ#36号車と並び、チームの面々も嬉しそうです。

LMGTE-Proクラス
alt
1位 #51 AFコルセ フェラーリ 488 GTE EVO
2位 #52 AFコルセ フェラーリ 488 GTE EVO
3位 #92 ポルシェGTチーム 911 RSR-19

LMP2クラス
alt
1位 #31 WRT オレカ 07 ギブソン
2位 #38 ジョタ オレカ 07 ギブソン
3位 #28 ジョタ オレカ 07 ギブソン

LMGTE-Amクラス
alt
1位 #33 TFスポーツ アストンマーチン ヴァンテージAMR
2位 #85 アイアンデイムス フェラーリ 488 GTE EVO
3位 #777 D'Stationレーシング アストンマーチン ヴァンテージAMR

LMP2 Pro-Amクラス
alt
1位 #83 AFコルセ オレカ 07 ギブソン
2位 #35 アルティメット 07 ギブソン
3位 #45 アルガルベ プロレーシング 07 ギブソン

以上の結果となりました。
alt
レースの余韻に浸りながらホームストレートを散策していると、"9X8"の居ないプジョーワークスのピットが見えました。
alt
まるでアパレルショップのようでおしゃれですね~

続いて、各チームの色々なアイテムが面白いパドックを闊歩します。
alt
こんな"コルベットC8.R"がいたり^^;

alt
"TTE"改め"TMG"改め"TGR-E"はケルン登録のライセンスプレートが付いたATVを持ち込んでいました。

alt
まるでパッケージングされたプラモデルのような"911 RSR-19"の外装パーツ。

ジョタ(JOTA)のパドックには"オレカ07"の予備モノコックがポツンと置かれていました。
alt
ちょっとはみ出してるとはいえ、一般的な木パレで運べてしまうのが流石ストレスマウントのレーシングカーですね~

alt
富士山をバックにパルクフェルメに佇む#8号車。

alt
プジョー陣営は相変わらず秘密主義なのか、そそくさとパルクフェルメからピットへマシンを運んでしまいました・・・汗

alt
このレース後のパルクフェルメのゆっくりとした雰囲気がたまりません♪
alt
パドッククローズ時間の設定が無いなら、いつまでも浸っていたくなります^^;

そんなこんなで3年ぶりに来日したWECシリーズの観戦記でした。
alt
しかもボクは、2019年はDTM×スーパーGTの交流戦を優先してWECはスキップしてしまったので、実に4年ぶりのWECになりましたが、やっぱり欧州のスポーツカーレーシングを肌で感じられるWECは何物にも代えがたい魅力があります。

また、来シーズンはLMDh規定を活用して耐久王ポルシェが"963"でWECにカムバック。
同じくLMDh規定のキャデラックもWECに参戦してきます。
さらには独自設計のハイパーカーを仕立てて、あの"フェラーリ"がワークス体制でWECに乗り込んできます!

2024年にはLMDh規定でBMWとランボルギーニが参戦を表明するなど、今後の増々盛り上がりを見せそうなWECから目が離せそうにありません♪

そして最後に今回一緒にWEC 6 hours of Fujiを観戦してくれたkimu_ninety氏とH氏、楽しいひと時をありがとう!

Posted at 2022/09/21 00:49:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツイベント | クルマ
2022年09月20日 イイね!

WEC 6 hours of Fuji 2022観戦記(前編)

WEC 6 hours of Fuji 2022観戦記(前編)









こんにちは!

久しぶりの更新になりますが、先々週末ついに3年ぶりに日本に帰ってきた"WEC(World Endurance Championship)"日本ラウンド"6 hours of Fuji(富士6時間耐久レース)"を観に行ってきたので、その模様を2回に分けてレポートします!
※毎度のごとくレース観戦記は超大作となりますので、お時間のある時にご覧ください^^;

2022年9月9日(金)深夜
alt
東北道を南下し、一路富士スピードウェイを目指します。
alt
栃木県に入った辺りで夜が明けてきました。

2022年9月10日(土)
alt
無事、富士スピードウェイに到着!
西ゲート近くにはハイアットが開発を進める"富士スピードウェイホテル"が、新しくそびえたっていました。

Rossoをダンロップ横の駐車場に停めると、すでに到着していた大学時代の後輩kimu_ninety氏との再会を喜び、グランドスタンド裏にパドックパスの引き換えにやってきました~

まずはグランドスタンド裏の出展ブースを見てみましょう!

ディアーナ オートモティブ(Diana Automotive)
alt
WECのトップカテゴリー"LMH(ハイパーカー)"クラスにはアルピーヌが参戦していることからか、市販モデル"アルピーヌ A110 リネージ GT 2021(ALPINE A110 LINEAGE GT 2021)"と"ルノー8(Renault 8)"が展示されていました。

トヨタ ガズーレーシング(Toyota Gazoo Racing)
alt
お膝元トヨタのブースは今回も大盤振る舞いで歴代ルマンカー3台の展示です。

alt
トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)

alt
トヨタ TS050 ハイブリッド(Toyota TS050 HYBRID)

alt
トヨタ TS010(Toyota TS010)

また今回は"TS050 ハイブリッド"に採用されていた主要部品の展示もありました。
alt
前後MGUやエンジンブロックなど、なかなか見ることのできない部品を間近で見られて面白い展示です。特にフロントMGUは単独で前輪の駆動と回生を行うユニットなので、MGUと共にデファレンシャルギヤらしき部品が収まるケーシングの造形があるなど、興味深いです。

プジョー(Peugeot)
alt
ついにWECにトヨタ以外のワークスチームが帰ってきました!
車両の展示はハイパーカー"9X8"カラーの"508"が展示されていました。

alt
グランドスタンドに陣取ってフリープラクティスを観戦しますが・・・
alt
久々のモータースポーツ観戦なので、まずは"錆びついた流し撮りスキル"のリハビリをします・・・汗

#92 ポルシェGTチーム 911 RSR-19(Porsche GT Team 911 RSR-19)
alt
今シーズン限りで見納めのLMGTEクラスの911RSRが走ってきました。
デビュー当初に話題をさらった"ミッドシップ化された911RSR"も、現行型992にはスイッチせず延命が図られました。

#52 AFコルセ フェラーリ488 GTE EVO(AF Corse Ferrari 488 GTE EVO)
alt
こちらも今シーズン限りで見納めLMGTEクラスの"フェラーリ488 GTE EVO"。
フェラーリも市販モデルは"F8トリブート"へとモデルチェンジしていますが、ここ数年は"488 GTE EVO"を延命させることで参戦を続けてきました。

来シーズンのGTクラスは、ステファン・ラテル率いるSROが推し進め、昨今のGTカーシリーズで飛ぶ鳥を落とす勢いの"GT3"規定をベースにした車両で争われます。

#94 プジョー 9X8(Peugeot 9X8)
alt
昨今のWECで最もホットな話題といえば、この"プジョー9X8"のデビューではないでしょうか。参戦カテゴリーはトップカテゴリーの"LMH(ハイパーカー)"クラスの車両ですが、同じLMHの"トヨタGR010"とは全く異なるコンセプトで開発されており、"リヤウイングを持たない"ことが特徴のマシンです!

#8 トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)
alt
2000年代初頭のアウディR8よろしく、久しく強力なライバルの居なかったWECで孤軍奮闘していたトヨタ。"ハイパーカー(LMH)"レギュレーション第1号といえる"GR010"が日本でレースをするのも今回が初めてです。

ちょうど"プジョー9X8"がピットインしてきました。
alt
この現代にまさか"リヤウイングがない"ルマンカーが出てくるとは思いませんでした!

お昼になりお腹もすいてきたので、今回一緒に観戦する3名(kimu_ninety氏とその同僚H氏)で、"WEC 6 hours of Fuji"名物の"おフランス物産コーナー"でお昼ご飯を調達します^^;
alt
今日はこちら↑のキッチンカーでラクレットをGETしました。家で食べるスライスしたラクレットチーズではなく、その場で熱した半円形のラクレットチーズをトロ~リとかけてくれます♪
alt
グランドスタンドで久々のWECの雰囲気にテンション↑になる3人♪

お腹も満たされたのでピットウォークに参加します。
alt
2年前のS耐シリーズ富士24時間耐久レースの時はパドックにすら入れなかったので、こういったところでも徐々に通常営業になってきているのを実感します。

今回、ボクは特に"推し"のドライバーもいなかったので、H氏が推すドライバーのいる"リアルティーム by WRT(Realteam by WRT)"で出待ちします^^;
alt
その"推し"とは↓
alt
フェルディナント ハプスブルク-ロートリンゲン(Ferdinand Habsburg-Rothringen)
名前からわかる通り、あのオーストリア-ハンガリー帝国の君主"ハプスブルク-ロートリンゲン家"の当主でもあられる王子なのです!
H氏がツーショットを撮りたいとご希望なので、この2年半ろくに使っていなかった錆びついた英語で王子と接見し(笑)、見事H氏そしてボクとのツーショットに応じていただきました!
alt
「写真お願いします!一緒のフレームに収まりたいで~す!」って声を掛けたら、王子自らご起立頂いてこの対応です。気さくな人柄で一気にファンになりました^^;

王子との接見に満足したので、他のピットも散策していきましょう!

#83 AFコルセ オレカ 07 - ギブソン(AF Corse ORECA 07 - Gibson)
alt
長年フェラーリやマセラティのGTカーを走らしてきたAFコルセですが、来シーズンLMHクラスに50年ぶりに復帰する"フェラーリワークス"とのジョイントプロジェクトを見据えてか、今年はLMP2カーを1台走らせています。

#71 スピリット オブ レース フェラーリ 488 GTE EVO(Spirit of Race Ferrari 488 GTE EVO)
alt
こちらはLMGT-AMクラスのフェラーリ 488 GTE EVOですが、カラーリングがルイジ・キネッティが創設した往年の"NART(North American Racing Team)"カラーをオマージュしていてカッコイイですね!

#93 プジョー 9X8(Peugeot 9X8)
alt
待望の"プジョー9X8"近接撮影です。フロントカウルは外されているものの、工具やら測定器具などでうまく隠されており、フロントの空力処理が判りにくいです・・・汗

#8 トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)
alt
鳴り物入りで立ち上げた"ハイパーカー"規定、やれ"ブガッティが参戦する"だの"アストンマーチンがヴァルキリーで参戦する"だの、"なんか911ルックなシルエットが公開される(笑)"などと、かつての"GT1"規定の再来を思わせるプロモーションに酔いしれるも、実際に"ハイパーカー"初年度にカタチにしてきたのは、ニュル24hで名を馳せた"スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)"とこの"トヨタ"のみでした。

ここでフロントカウルの開いているプジョー#93号車とトヨタ#7号車のフロントセクションを比較してみましょう。
alt
まずぱっと見でわかるのが、フロントのタイヤハウス内の空力処理が異なっていますね。GR010はレギュレーション上1つだけ設けることが許されている可変空力デバイスはリヤウイングですが、9X8はリヤウイングレスのためフロントグリル内のウイングが可変できるようになっているようです(由良さんの解説より^^;)

このためか、GR010に比べて9X8の方がフロントの空力を貪欲に利用してやろうという設計なのかもしれません。

久しぶりのWECに久しぶりのパドックの雰囲気。
alt
香水、タイヤ、排気ガスなど様々な"フレグランス"に包まれたこの独特の空気感が、日本にいながら欧州のレースシーンを感じられて"やっぱりコレだよね~"となる瞬間でもあります♪

予選は"GRスープラコーナー"で観戦します。
ここで参戦車両を紹介していきます。
まずはLMGTEクラスから予選が始まりました!

#91 ポルシェGTチーム 911 RSR-19(Porsche GT Team 911 RSR-19)
alt
先ほども少し触れましたが、991型"911"のアッパーボデーに"ケイマン"のアンダーフロアを組み合わせて作り上げた、"Mide in Flacht(フラハト)"の力作"911 RSR-19"です。
"GT3"規定より改造範囲の広い"LMGTE"クラスならではの車両で、90年代後半にルマンやBPRグローバルGTシリーズで活躍した"911GT1"以来の"ミッドシップ911"です。

4.2リッター水平対向6気筒ガソリンNAエンジンをミッドシップにマウントして、近年では珍しい快音のNAサウンドを奏でてくれます♪
#91号車はジャンマリア・ブルーニ(Gianmaria Bruni)/リヒャルト・リーツ(Richard Lietz)組がドライブしています。

#51 AFコルセ フェラーリ 488 GTE EVO(AF Corse Ferrari 488 GTE EVO)
alt
こちらも市販ピッコロフェラーリ"488GTB"をベースに"LMGTE"規定で製作された車両で、4.0リッターV型8気筒ガソリンターボエンジンを搭載しています。#51号車はアレッサンドロ・ピエール・グイディ(Alessandro Pier Guidi)/ジェームス・カラド(James Calado)組がドライブしています。

#64 コルベット レーシング シボレーコルベットC8.R(CORVETTE Racing Chevrolet Corvette C8.R)
alt
5.5リッターV型8気筒ガソリンNAエンジンを搭載しています。伝統のロングノーズ・ショートデッキスタイルのFRスポーツカーだったコルベットが、その伝統をかなぐり捨ててミッドシップスポーツカーとして生まれ変わった"C8"型をベースに開発された"C8.R"です。エンジンもフェラーリなどのV8エンジンと同じシングルプレーンのクランクシャフトに変更するなど、抜本的な改革を行ったコルベットですが、排気音には勇ましいアメリカンV8的な野性味がまだ残っています!

#777 D'Stationレーシング アストンマーチン ヴァンテージAMR(D'Station Racing Aston Martin Vintage AMR)
alt
市販モデルと同様にAMG製の4.0リッターV型8気筒ガソリンターボエンジンを搭載しています。アストンマーチンのワークス(LMGTE-Proクラス)参戦は終了しているので、LMGTE-AMクラスにのみ参戦している"アストンマーチン ヴァンテージAMR"。#777号車は日本からWECシリーズに参戦している"D'Stationレーシング"の車両です。

スーパーGTやスーパー耐久シリーズでもおなじみの"D'Stationレーシング"ですが、あちらは"GT3"車両なので"LMGTE"車両が見られるのはWECシリーズのみになります。

続いてLMH(ハイパーカー)及びLMP2クラスの予選が始まりました~

#7 トヨタ GR010 ハイブリッド(Toyota GR010 HYBRID)
alt
680馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒ガソリンツインターボエンジンで後輪を駆動し、190km/h以上になると272馬力のMGU(モータ・ジェネレータ・ユニット)により前輪にも駆動力が追加されます。

#94 プジョー 9X8(Peugeot 9X8)
alt
こちらも680馬力を発揮する2.6リッターV型6気筒ガソリンツインターボエンジンで後輪を駆動し、272馬力のMGUにより190km/h以上でフロントを駆動します。
この辺りはレギュレーションで定められているので、スペック的なものは統一されていますね。シャシ開発にはフランスのレーシングコンストラクター"リジェ(Ligier)"がかかわっているようです。

#36 アルピーヌ A480 ギブソン(ALPINE A480 - Gibson)
alt
LMHクラスとしては異色の成り立ちなのが、この"A480"です。
ブランド名に"アルピーヌ(ALPINE)"とあるものの、実態はLMP2で一大勢力を築く"オレカ 07(ORECA 07)"をベースに開発されたLMP1カー"レベリオン R13(REBERION R13)"をアルピーヌが受け継ぐ形で参戦しています。

立ち上げ当初の閑古鳥のなくLMHクラスを盛り上げるため、ACOが特例で2021,2022シーズン限定で出場できるようにしたことから、旧態依然としたLMP1カーでLMHクラスにエントリーしています。

LMP2クラス

#41 リアルティーム by WRT オレカ07 ギブソン(Realteam by WRT ORECA 07 - Gibson)
alt
4.2リッターV型8気筒NAガソリンエンジンをオレカ製のクローズドシャシ"オレカ07"に搭載して後輪を駆動します。WECのLMP2クラスは、実質この"オレカ07 ギブソン"のワンメークとなっています。ちなみに#41号車は"王子"ことフェルディナント ハプスブルク・ロートリンゲン含む3名のドライバーがドライブする車両です。

alt
予選終了後にパルクフェルメに佇む"アルピーヌ A480 ギブソン"

alt
"GR010 ハイブリッド"が車検を終えて出てきました。

alt
あわよくば"プジョー9X8"も・・・
alt
と思いきや、シャッターが下りてきました・・・
日本のレースファンは全員"由良が切る"のごとく研究熱心なのがバレているのか。。。プジョーワークスのガードが堅いようです^^;

alt
この日のレーススケジュールは終了なので、kimu_ninety氏とH氏の3人で"富士八景の湯"に疲れを癒しに行きます。
alt

今宵は"中秋の名月"
alt
やはりレース観戦の夜にはBBQは欠かせないですね!
alt
久々の再会ということもあって、車談義の尽きないまま夜も更けていきました♪

後編(Part2)へつづく


Posted at 2022/09/20 23:51:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | モータースポーツイベント | クルマ

プロフィール

「ゴールデンウィークのカート乗り比べ体験記 http://cvw.jp/b/1499353/47700125/
何シテル?   05/05 12:59
しまえるシューマッハと申します。昨今のみんカラの飛ぶ鳥を落とす勢いの盛況ぶりに目をつむることができずに登録してしまいました(^_^;) 好物は主にヨーロッ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

Porsche 550 Forever  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/11/26 00:43:01
週末はGulf718で出撃だ!! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/11/15 20:45:26
ロッソ、全塗装完了!! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/11/11 19:49:06

愛車一覧

トヨタ スプリンターカリブ トヨタ スプリンターカリブ
'98年式のスプリンターカリブRosso(5MT,4WD)です。 日本ではカリブのマイナ ...
ポルシェ その他 ポルシェ その他
'93年式 Beck 550 Spyderです。 かねてよりミッレミリア好き、50~6 ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation