• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

しまえるシューマッハのブログ一覧

2017年09月10日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 7

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 7










こんにちは!

今年は長雨で冷夏といいつつも、やっぱり暑い夏の間はモチベーションゼロで書く気が全く起きず(笑)、だいぶ時間が開いてしまいましたが、やっと涼しくなってきたので欧州自動車博物館巡りの旅シリーズを更新したいと思います!

前回は'60年代までの珠玉のレンシュポルト(Rennsport)の歴史についてレポートしてきましたが、今回はいよいよ'70年代から近年までのレンシュポルトをレポートしていきます。(今回も、もれなく長編となっていますので・・・お時間のある時にご覧くださいm(_ _)m)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/40105354/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/

では、70年代まで遡って珠玉のレンシュポルトを見ていきましょう~

1971年 ポルシェ 917/20 クーペ(Porsche 917/20 Coupe)

このロングテール仕様とショートテール仕様をミックスした“917/20”は、1971年に一大センセーションを起こしました。空力特性の再設計により、群を抜いて幅広になったスタイリングは、多くの人々にとって“普通じゃない!”という感覚を呼び覚ましました。

そして、このスタイリングが“太った豚”に見えたことから、この“917”はピンク色にカラーリングされ、“肉の部位”を示すレタリングが施されました。

結果的に、この“豚(The hog)”はレースを完走することは出来ませんでしたが、最も写真を撮られたレースカーの1台となりました。


パワーユニットは4,907cc,600馬力の空冷180°V型12気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度360km/hを実現しました。

ポルシェマニアの間では“ピンクピッグ(Pink Pig)”として有名な個体ですが、ポルシェミュージアムの車両解説には“pig”でなく、食肉用の豚を表す“hog”が使われていました・・・まぁ、部位まで書いたら食用か^^;


1971年 ポルシェ 917 LH クーペ(Porsche 917 LH Coupe)

ロングテール仕様の“ポルシェ 917”は、ルマン24時間レースのために特別に製作されたクルマで、ルマン史上最速のレースカーの1台です。

ショートテール仕様と比較して約64cmテールエンドを延長したことで、0.30未満の空気抵抗係数(Drag coefficient)を実現していました。

その圧倒的に優れた空力特性のおかげで、1971年には長いミュルサンヌ(Mulsanne)のストレート(=ユノディエール)で387km/hを達成しました。
しかし、その優れた空力性能をもってしても、総合優勝を成し遂げることは出来ませんでした。


パワーユニットは前述の“917/20”と同様の、4,907cc,600馬力の空冷180°V型12気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度387km/hを達成させました。

1969年デビューの“917”シリーズですが、ルマン仕様と称して持ち込んだロングテール仕様はついぞ勝利を手にすることが出来ず、結局ルマンで勝利を挙げた'70年の#23ザルツブルクも'71年の#22マルティニ(マグネシウム合金フレーム)も、ショートテール仕様の“917K”だったというのは、ルマンの難しさを物語っていますね^^;


1973年 ポルシェ 917/30 スパイダー(Porsche 917/30 Spyder)

当時、“ズバ抜けて強いレーシングカーの1台”とも呼ばれたこのクルマは、12気筒エンジンの優位性を武器にレースを支配しました。

マーク・ダナヒュー(Mark Donohue)のドライブによる“917/30”は、CamAmシリーズにおいて、2位のマクラーレンを長きに渡ってリードし打ち負かしました。

これにより、多くのコーナーで構成されたサーキットレースにおいても、ターボチャージャーによる加給が優位であることを、ポルシェは証明しました。

1974年、ポルシェの圧倒的な優位に飽き飽きしていたアメリカ人は、レースレギュレーションを変更し、“917”を排除することでポルシェはCamAmシリーズを去ることになりました。

パワーユニットは、5,374cc,1200馬力!!の空冷180°V型12気筒DOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度385km/hを実現しました。


1973年 ポルシェ 911 カレラ RSR(Porsche 911 Carrera RSR)

1973年、世界選手権タイトルが掛けられた最後の“タルガ・フローリオ(Targa Florio)”で、ヘルベルト・ミューラー(Herbert Müller)/ジース・ファンレネップ(Gijs Van Lennep)組の“RSR”は、歴史的な総合優勝を成し遂げました。

この年に“RSR”は、3つの世界選手権レースと7つの国内選手権レースで勝利し、更にデイトナの24時間レースでも勝利を収めました。

“RSRモデル”は、ポルシェのサーキットレースにおける大黒柱となり、その後の“カスタマー向けスポーツカーレース”という1つの新しい時代が切り開かれたようです。

パワーユニットは、2,992cc,330馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度280km/hに達しました。

満を持して登場の“'73 カレラ RSR”です。ナローオーナーはディテールも気になると思いますので、ディテールに迫ってみましょう。


まずは、コックピットから

現役でヒストリックカーレースなどに出場している個体なのか、結構モダンな装備が追加されていました。

フロントのタイヤ&ホイール↓


リヤのタイヤ&ホイール↓

放熱フィン付きキャリパーとドリルドブレーキローターは917からの流用でしょうか。

続いて、フロントのオイルライン廻り↓

右フロントのロッカーからフェンダー内に立ち上がったオイルラインが、

フェンダー内前方のオイルクーラーを通ってフロントバンパーへ、

フロントのバンパー内に設置されたオイルクーラーに繋がっています。オイルクーラーにもドレンが付いているので、オイルライン内のオイルもある程度ここから抜けるのでしょう。

そして、左フェンダー内にもオイルクーラーが付いていました。ひょっとしたら、バンパー内のオイルクーラーよりも、こちらの方が順序が先かもしれません。

“911”のボデーシェル内の空間を有効に利用した徹底したオイル冷却ラインが引かれていますね♪

最後はエンジン下部のエキゾースト廻りです↓

ナローオーナーにはお馴染み?の3本だしエキゾーストが付いています。

ドライサンプのオイルタンクとエキゾーストの間の遮熱版やブラケットは新しそうなので、ヒストリックレース用に追加されたモダン装備のように思えます。


1974年 ポルシェ 911 カレラ RSR 3.0(Porsche 911 Carrera RSR 3.0)

ポルシェは1974年シーズンに向けて、“911 カレラ RSR 2.8”の後継車として、この“911 カレラ RSR 3.0”を開発しました。空気取り入れ口が開けられ大型化したリヤウイングは、前車と大きく異なる特徴になっています。

エンジンは3リッターに拡大され、パワーも330馬力に増強されました。“カスタマー向けスポーツカーレース”という全く新しい時代は、このクルマによって切り開かれました。また、このクルマはグループ4(Group 4)カテゴリーで最も成功したレーシングカーの1台でもあります。


パワーユニットは、2,993cc,330馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度280km/hを実現しました。

前述の“73 カレラ RSR”と比較して、この個体のオイルラインは

右フロントのロッカーからフェンダー内に立ち上がると、

フェンダー内にはオイルクーラーを設けずに、一目散にバンパーへ向かっています。

大型化されたバンパー内のオイルクーラーのみで十分冷却できるということなのでしょう。


1977年 ポルシェ 935(Porsche 935)

この市販車ベースのレースカー“935”は、特に耐久レースで強さを発揮し、ポルシェは1976年に5年ぶりに世界選手権のメイクスタイトルを獲得しました。

1976年シーズン初戦のムジェロ(Mugello)に現れた平べったいフロントノーズと調整式のリヤウイングが特徴的なこのクーペは、ジャッキー・イクス(Jacky Ickx)/ヨッヘン・マス(Jochen Mass)のドライブで、そのまま総合優勝をもぎ取りました。展示車両は1977年仕様の“935/77”になります。

パワーユニットは、2,857cc,630馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度340km/hを実現しました。


1977年 ポルシェ 936/77 スパイダー(Porsche 936/77 Spyder)

世界スポーツカー選手権(World Sportscar Championship:WSC)のために特別に開発され、3度のルマン優勝という功績を残した“936”は、最も成功したポルシェのレーシングカーといえます。

1976年は、ルマンでターボエンジンを搭載して総合優勝した最初のポルシェとなりました。つづく1976年、ジャッキー・イクス/ユルゲン・バルト(Jürgen Barth)/ハーレイ・ヘイウッド(Hueley Haywood)組が、6台体制で大量エントリーしたルノー艦隊(アルピーヌ,ミラージュ)を破って総合優勝しています。また1981年にも、もう一度ルマンで総合勝利を挙げて、センセーショナルなカムバックを演出しました。

パワーユニットは、2,142cc,540馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度360km/hを実現しました。

“936”はポルシェのプロトタイプスポーツカーとしては、偉大なる“917”シリーズと“956/962”シリーズの間に挟まれて、若干影の薄いイメージがありますが、栄華を極めた“956/962”へと続くターボチャージドプロトタイプスポーツカーの先駆けとして、極めて重要なクルマです。

また、グループCの黎明期には有力プライベーターである“ヨースト(Joest)”や“クレマー(Kremer)”が、この“936”をベースに製作したCカーを走らせるなど、なかなかマニアックなクルマでもあります^^;


1981年 ポルシェ 924 GTP(Porsche 924 GTP)

この“924 GTP”は、その後に発売された“944”の試作モデルをカモフラージュしたものでした。1981年、ポルシェの技術者はレースに勝つことは第一目標とせずに、ターボエンジンを搭載したこのレースカーをルマンに送り込みました。

しかし、この新しいクルマはワルター・ロール(Walter Röhrl)/ユルゲン・バルト組のドライブにより、平均速度184km/hで4,401kmを走り切り、見事にクラス優勝(総合7位)を勝ち取ったのみでなく、最小ピットストップ時間特別賞(24時間中にピットにいた時間が最も少なかった賞)も獲得し、高い信頼性を証明して見せました。

同年、秋のフランクフルトモーターショウにおいて、“944”は公式に発表されました。

パワーユニットは、2,479cc,410馬力の水冷直列4気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度300km/hを達成しました。


1983年 ポルシェ 911 SC RS(Porsche 911 SC RS)

1984年、ポルシェは3リッターの自然吸気エンジンとコンベンショナルな後輪駆動を採用した、軽量かつハイパワーなスペシャルモデル“911 SC RS”を20台製作しました。

このクルマは、主にラリー競技で使用されることを前提に開発され、エンジン出力は“935”エンジン用シリンダーヘッドの採用によるバルブストローク量の増加で、250馬力(市販モデルの“SC”は204馬力)まで高められたようです。

“911 SC RS”は、プライベーターがスポンサーカラーを施すことを前提にしているため、ボデーカラーは白のみが供給されました。


パワーユニットは前述の通り、2,994cc,250馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度230km/hに達しました。


1987年 ポルシェ 944 ターボ カップ “ピンキー”(Porsche 944 Turbo Cup "Pinky")

自動車メーカー主導によるワンメイクレース(Cup)は、この“944 ターボ カップ”と共に始まりました。

この“Cup”には、“三元触媒を備えた市販生産車に限りなく近いクルマで、無鉛ガソリンを使用してレースを行う”というポルシェの新しいアプローチによって生まれました。このアプローチは、様々なアイデアをテストすることを目的としていて、アンチロックブレーキシステム(ABS)も装着されました。

ポルシェの市販車は、このレースの経験から非常に多くの恩恵を受けています。

パワーユニットは、2,479cc,250馬力の水冷直列4気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度260km/hを実現しました。


1990年 ポルシェ 911 カレラ 2 カップ(Porsche 911 Carrera 2 Cup)

1990年、40台の全く同じ“911”がポルシェ カレラ カップ(Porsche Carrera Cup)で激しい戦いを繰り広げました。

“911 カレラ 2”をベースにしたカップ仕様車(カップカー)は1989年秋に開発され、ドライバーの安全を保証するためのロールケージが装着されたほか、助手席や遮音材などのインテリア及び、アンダープロテクションパネルなどが取り外されました。

エンジンは主に市販モデルと同様にデュアルイグニッション仕様、265馬力の3.6リッターエンジンが採用されています。このカップ仕様車の車高は、市販モデルより55mm低く設定されました。

パワーユニットは前述の通り、3,600cc,265馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度265km/hを達成しました。


1993年 ポルシェ 911 スーパーカップ(Porsche 911 Supercup)

ポルシェ カレラ カップが開催されてから2年後、ヴァイザッハのポルシェ レース部門は若干の修正を加えました。

1992年シーズンには、技術的なモディファイにより275馬力の出力と18インチホイールを手に入れたカップカーが、スタートラインに並びました。

1993年には、アルトフリート・ヘーガー(Altfried Heeger)がポルシェ カレラ カップ(現スーパー カップ)のタイトルを獲得しました。

パワーユニットは、3,600cc,275馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度270km/hを実現しました。


1994年 ポルシェ 962 ダウアー ルマン GT(Porsche 962 Dauer Le Mans GT)

“962”は基本的に“956”をベースにして、新しいペダルユニットの設置、フロントアクスルの12cm前方への移設などが施された発展型になります。

このクルマは、ニュルンベルクに本拠地を置く“ダウアー(Dauer)”社が開発したスーパースポーツカー“962 ダウアー”をベースにして、ポルシェが製作したクルマです。

展示車両は、1994年新たに創設された“GT1”カテゴリーに、ハンス・ヨアヒム・シュトゥック(Hans-Joachim Stuck)/ティエリー・ブーツェン(Thierry Boutsen)/ダニー・サリヴァン(Danny Sullivan)組のドライブで参戦して、センセーショナルな総合3位に入賞しました。

そして、もう1台のヤニック・ダルマス(Yannick Dalmas)/ハーレイ・ヘイウッド/マウロ・バルディ(Mauro Baldi)組の“962 ダウアー”による総合優勝を最後に、ルマン7勝の輝かしい956/962サクセスストーリーは幕を閉じました。

パワーユニットは、2,994cc,600馬力の水冷水平対向6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度365km/hを実現しました。

ポルシェが度々レギュレーションの隙を突いたセンセーショナルなマシンを造ることは有名ですが、このクルマが登場した時はホントに度肝を抜かれました^^;

それはこのカッコからも判る通り、数年前まで“グループCカー”としてルマンで勝ちまくっていた“962C”が、しれっと「私、今日から“GT”なの♡」と言わんばかりに参戦してきたら、そりゃ驚かない方が難しいでしょう(笑)

ポルシェ自身も車両解説で“このクルマは~ポルシェが製作したクルマです。”と、公言しているので、やはり確信犯だったということですね。

ちなみに“ダウアー 962”ロードカーでは、ダウアーオリジナルのクレストが付くフロントノーズにも、ポルシェのクレスト↓が装着されています。

レンシュポルト用のデカールではなく、“ロードカー用”のクレストが鎮座しているところが、ニクイですねぇ~^^;


ちょうど、スタッフが来てドアを開けていたので、車内も撮影することが出来ました。


1997年 ポルシェ 911 GT1 97(Porsche 911 GT1 97)

1990年代半ば、“GTカー”によって行われるモータースポーツが人気を集めていました。ポルシェはこれを受けて、1996年シーズン中に“GT1”を開発することで応えました。

'96年から'97年にかけてのウインターシーズンに、ヴァイザッハのモータースポーツ部門は'96年シーズンで培った経験を基に更なる開発を行いました。

この“GT1 Evo”として知られる'97年モデルは、“996”の特徴的なヘッドライトを備えることが、視覚上の大きな違いといえます。メカニズム面では、ハンドリング性能を大幅に向上させるため、ワイドトレッド化された新しいフロントアクスルが採用されたようです。この“Evo”は、ルマンの初日にワールドプレミアを迎えました。

パワーユニットは、3,163cc,544馬力の水冷水平対向6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度310km/hを実現しました。

さすがに“962 ダウアー”方式をやられては、せっかく新しく造った“GT1”カテゴリー自体が崩壊しかねない(笑)ということで、“規定生産台数25台以上”のレギュレーションが追加されたことを受けて、ポルシェが本格的に開発したGT1カーですね^^;

“MADE IN FLACHT”は、ポルシェのモータースポーツ部門があるヴァイザッハ フラハト(Weissach Flacht)生まれの証です。


2008年 ポルシェ RS スパイダー(Porsche RS Spyder)

プロトタイプカーレースにおけるポルシェの成功に続いて、ポルシェのパートナーであるロジャー・ペンスキー(Roger Penske)の依頼で開発されたこの“RS スパイダー”は、2005年末のデビューレースでいきなり優勝を飾りました。

その後の3年間、このオープントップスポーツカーは“アメリカ ルマン シリーズ(ALMS)”のLMP2クラスにおいて、ドライバー、チーム、シャシコンストラクター、エンジンコンストラクターの4つすべてのチャンピオンシップタイトルを獲得しました。

また、2008年にはヨーロッパにおける同レギュレーションのレースである“ルマン シリーズ(LMS)”にもデビューし、成功を収めました。

パワーユニットは、3,397cc,503馬力の水冷V型8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度290km/hに達しました。


2008年 ポルシェ カイエン S トランスシベリア(Porsche Cayenne S Transsyberia)

2006年、及び2007年にプライベートチームが成し遂げた“トランシベリア ラリー”での2つの勝利を目の当たりにしたポルシェは、これに影響を受けて2007年に25台限定の特別な“カイエン S トランスシベリア”を生産しました。

2007年8月3日にスタートした“トランスシベリア ラリー”は、モスクワ(Moscow)から内モンゴル(Inner Mongolia)までの約7,000kmを2週間かけて走破し、3台の“カイエン”が表彰台を独占し、更に5台がトップ10以内に入りました。

特別な“トランスシベリア”モデルは2008年にも参戦し、これらのクルマはトップ6を死守することになりました。

パワーユニットは、4,806cc,385馬力の水冷V型8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度170km/hを実現しました。


2010年 ポルシェ 911 GT3 R ハイブリッド(Porsche 911 GT3 R Hybrid)

レースのために特別に開発された革新的なハイブリッドシステムが、この“911 GT3 R ハイブリッド”の特徴であり、従来のハイブリッドシステムと比較しても、このシステムの部品構成や機構は大きく異なっていました。

この“911 GT3 R ハイブリッド”は、フロントアクスルに配置されたそれぞれ60kW出力の電気モータ2基により前輪を駆動し、リヤエンドに搭載した480馬力のフラット6エンジンのパワーを補っています。

更に重要な点は、一般的なハイブリッド方式の市販車でいうバッテリの代わりに、車室内に配置された“エレクトリック フライホイール ジェネレータ”から、電気モータにエネルギーを供給する方式であることです。

パワーユニットは前述の通り、3,996cc,480馬力の水冷水平対向6気筒DOHCエンジンと60kWの電気モータ2基を搭載して、最高速度290km/hを達成しました。

こちら↓が、車両解説にもあった“エレクトリック フライホイール ジェネレータ”です。

もう少し詳しく説明すると、本来であれば減速時に電気モータから回収したエネルギーは、そのままバッテリに電圧として蓄積されるところを、このシステムは回収したエネルギーを使って(モータの原理で)フライホイールを回転させます。

するとフライホイール=“はずみ車”なので、そのまま回転し続けます。つまり、回収したエネルギーを電圧で蓄積するのではなく、運動エネルギーとして蓄積するという仕組みになっています。車両解説には記述がありませんでしたが、この技術はF1チームとして有名な“ウィリアムズ(Williams)”社が主導的に開発したようです。


今回は珠玉のレンシュポルト第2弾として、'70年代から近代までのポルシェの栄光の歴史を、ポルシェミュージアムの展示車両と共に振り返ったところで区切りとなります。

70年代以降ということで、今ではすっかり“ポルシェ”と同義語のように語られる“911”シリーズをベースとしたレンシュポルトも登場するなど、やはり超大作になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、決して表に出ることのなかったポルシェの試作車を特集した“Special exhibition(企画展)”について、レポートしていきたいと思います♪
2017年07月17日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 6

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 6









こんにちは~

だいぶ時間が開いてしまいましたが、欧州自動車博物館巡りの旅シリーズを更新したいと思います!

前回は'80年代後半から現在まで続くポルシェロードカーの歴史についてレポートしてきましたが、今回はいよいよ珠玉のレンシュポルト(Rennsport)についてレポートしていきます。

レンシュポルトは、前回訪問時のブログでも結構詳しく解説した記憶がありますが、やはり車両入替によって、前回いなかった展示車両もあったりして、何度訪れても飽きることがありません。(今回は待望の“550 Spyder”詳細解説などもあり、やっぱり長編となってしまいました。お時間のある時にどうぞ~m(_ _)m)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39446501/


1950年 ポルシェ 356 SL クーペ(Porsche 356 SL Coupe)

ポルシェは初めてのレースのためにストリームライナー形状(流線型)のアルミニウム製ボデーを持った“356 SL(Super Leicht) クーペ”を仕立てました。ポルシェのメカニック達は、このクルマを親しみをもって“Alubuchsle(小さなアルミ缶)”と呼んだそうです。

空力性能の向上を目的に4つの車輪にもカバーが装着されました。また、燃料タンクの給油口は今日の911のレース車両と同様にボンネット中央に移設されています。また、レース中の給油によるピットストップ回数を少なくする目的で、燃料タンク容量も78リッターまで拡大されました。

パワーユニットは1,086cc,46馬力の空冷水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度160km/hを達成しました。

既に当時、ポルシェの技術的な基本理念である“軽量なシャシ構造と洗練された空力ボデーは、強力なエンジンパワーと同じくらい重要である”という考え方は明確だったようです。


1954年 ポルシェ 550 スパイダー(Porsche 550 Spyder)

1954年、レース専用に特別に開発された最初のポルシェで、アルミニウム製のボデーを纏ったミッドシップエンジンレイアウトのスポーツカーです。

このクルマはとても速く、その速さは同年のカレラ・パナメリカーナ・メヒコ(Carrera Panamericana Mexico)で多くの大排気量車を相手に、総合3位とクラス優勝を成し遂げたことで、更に際立ちました。

このクルマの名声を高めたもう1つのエピソードが、ミッレミリア(Mille Miglia)で起こりました。ハンス・ヘルマン(Hans Hermann)とコ・ドライバーは、偏平な“Spyder”の車体を利用して閉じた踏切のバーの下を、クルマも乗員も無傷のまま潜り抜けて見せたのです。

パワーユニットは1,498cc,110馬力の空冷水平対向4気筒DOHCのフールマンユニットを搭載して、最高速度220km/hを達成しました。


この展示車両は、S/N:550-004で“550 スパイダー”としては4台目の個体のため言わば試作車的な位置づけになり、一般的な“550 spyder(フェーズⅡ)”とは様々なところが異なっています。

まずパッと見で違うのは、直立したヘッドライトでしょう。フェーズⅡのヘッドライトは、356シリーズと同様に傾斜が付けられています。フロントフードの開口ラインも前端まで切れ込んでいて異なります。

また、テールライト形状と高めのテールフィンが設けられている点、リヤカウル全体が開くことなく小振りのエンジンリッドが開く点など、全く別のクルマと言っていいほどの相違点が見られます。


こちらは右サイドに設けられたオイル注入孔ですが、これもフェーズⅡではリヤカウル全体が開くため、内部に隠されています。


そして、よく見るとフェーズⅡにはないドアアウターハンドルが、この“550-004”には設けられています。進化の過程で、どうせオープンなんだから必要なしと判断されたのか(笑)、これも興味深い点ですね。


フロントスクリーン周りは、唯一といっていいほどフェーズⅡとの相違点が少ないところです。

また“550-004”では、このように↓サイドに排熱用のスリットが開けられていますが、フェーズⅡではなくなっています。

これは推測になりますが、最初の“550 スパイダー”つまり“550-01”と“550-02”の2台は、下方排気のフールマンユニットの開発が間に合わずに、前後排気の356用OHVユニットを搭載してデビューしました。

下方排気であれば、エンジンチンの上下で完全に吸気(冷気)と排気(暖気)を分離すること出来ますが、前後排気のOHVユニットではどうしても冷気と暖気が近いために、構造上バルクヘッド付近に熱が蓄積されてしまいます。その対策として空けられた排熱用のスリットの名残だと思われます。

なぜ、そんな細かい考察が出来るかというと、実はそこがフェーズⅡ型のボデーにOHVユニットを搭載する“ベック 550 スパイダー”の弱点だからなんです!爆


こちら↓は貴重な“550-004”のフットボックスの画像ですが、ダッシュボードの一段下の奥まった位置にインナーカウルのような部分があります。

ベックでも、ここに一段棚を設けることで、近代的なナビゲーションシステムやオーディオを設置しやすくなるかもしれませんね。


この個体は結構欧州のイベントなどで走っているのを見かけることが多いですが、もしもの時にために、こんな↓現代的な牽引フックが付いていました!

うちのベックも牽引フックがないので、これなら大きな加工をせずに付けられるような気がします。


1960年 ポルシェ 718 フォルメル 2(Porsche 718 Formel 2)

1960年代、“フォーミュラ”規定にはオープンホイールのレーシングカーであることが求められました。そこでポルシェは、この規定に準じたシングルシーターカーを開発しました。このクルマは、成功を収めていた“718 RSK”を基にして開発されましたが、コクピットを中央に配置したのみでなく、より大きな燃料タンクの搭載やホイールベースを延長するなどの改良も施されたようです。

1960年、“718 フォルメル 2(718/2)”は非公式の世界選手権"Coupe des Constructeurs"でワールドチャンピオンを獲得したほか、1961年にはフォーミュラ1(Formula 1)へも参戦するなど、成功を収めました。

パワーユニットは1,498cc,155馬力の空冷水平対向4気筒DOHCのフールマンユニットを搭載して、最高速度は250km/hを実現していました。


1962年 ポルシェ 804 フォルメル 1(Porsche 804 Formel 1)

1962年7月、ダン・ガーニー(Dan Gurney)は“タイプ 804(Typ 804)”でフランスグランプリに勝利しました。また、シュトゥットガルト近郊のソリチュード(Solitude)で行われたレースでも、もう1台のポルシェを駆るヨアキム・ボニエ(Joakim Bonnier)をくだして優勝しました。

僅か461kgの車重を実現した軽量構造とディスクブレーキ,パラレルリンク式サスペンションを採用したこの8気筒シングルシーター“タイプ 804”は、開発から製造まで完全にポルシェによって進められた唯一のフォーミュラ1レーシングカーになります。

ポルシェは、この“タイプ 804”によってレーシングカー開発に多くの影響を与えました。

パワーユニットは1,494cc,185馬力の空冷水平対向8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度270km/hに達しました。

356及び空冷VWオーナーにはお馴染みPCD205mmの鉄チンホイール↓ながら、凄いオフセット量ですね♪


前述の“718 フォルメル 2(718/2)”と比較しても、フレームの小径化と立体化(スペースフレーム化)の過程が良くわかりますね。

この時代のレース車両は、ラダーフレーム構造からスペースフレーム構造への進化が顕著に進められて、より軽量なクルマへと仕上がっていきましたが、“後年長く大切に維持していく”という見方でみると、50年代くらいまでの“やや堅牢な”くらいのシャシ構造の方が、息が長いように思えてきます。まぁ、ほぼ作り直してしまうようなレストアを出来る人には、あまり関係のない話かもしれませんが・・・^^;


1962年 ポルシェ 718 W-RS スパイダー(Porsche 718 W-RS Spyder)

“718 W-RS Spyder”は、ポルシェ初の2リッター・8気筒を搭載したクルマで、レース車両としたは例外的に長いモータースポーツヒストリー(1961~1964)のために、ポルシェのメカニックからは親しみを込めて“グロスムッター(Grosmutter:おばあちゃん)”と呼ばれていました。

その輝かしい戦歴は、1962年の“タルガフローリオ(Targa Florio)”と“ニュルブルクリンク(Nurburgring) 1,000km”でのクラス優勝で幕を開けます。

また、“グロスムッター”は1963年と1964年の“ヨーロピアン・ヒルクライム選手権(European Bergmeisterschaft)”も支配し、エドガー・バルト(Edgar Barth)のドライブでチャンピオンシップタイトルを獲得しました。

パワーユニットは1,981cc,210馬力の空冷水平対向8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度280km/hを実現しました。


こちらは、リヤの足回りですが“550 スパイダー”時代のスイングアクスルとは異なり、ユニバーサルジョイントとコイルオーバーを用いたトレーリングアーム方式に改められています。


1963年 ポルシェ 356 B 2000 GS カレラ GT(Porsche 356 B 2000 GS Carrera GT)

最も重要なカテゴリーである“グランツーリスモ(GT)”のために、“356 カレラ2(356 Carrera 2)”をベースにしたレース仕様車が、1963年に製作されました。

このクルマはポルシェにとって最後のアルミニウム製ボデーを纏ったレンシュポルトで、1962年に造られた“718 GTR”と同じ手法でデザインされ、特徴的なくさび型(ウエッジシェイプ)のフロントノーズと途中で大きく落ち込んだルーフラインを備えています。フロントに2つ空けられた丸い穴には、ホーンもしくは追加ヘッドライトが取り付けられています。

このクルマは、車体のシルエットが氷を削る道具に似ていることから“三角ごて(triangl-scraper)”というニックネームで呼ばれていました。

1963年の“ルマン(Le Mans)”にて、ハインツ・シラー(Heinz Schiller)/ベン・ポン(Ben Pon)組のドライブで参戦したが、エンジントラブルによりリタイアしています。


パワーユニットは1,966cc,155馬力の空冷水平対向4気筒DOHCフールマンユニットを搭載して、最高速度235km/hを実現しました。

このクルマは、前回初めてポルシェミュージアムで実車と対面できて、感慨も一塩だったクルマです。今回は2回目の対面ですが、やはりいつ見てもこの独特のスタイルには見惚れてしまいます。

ここで気が付いたのが、前回訪れた際の車両解説には、このクルマのユニークなシルエットから“dreikant-schaver(トライアングルシェーバー)”や“wedge blade(カミソリの刃)”などの愛称で呼ばれたそうです。という文言が書かれていましたが、今回は上記の通りになっています。

まぁ、あだ名なんて諸説あるでしょうから、気が変わったのかもしれませんが、なんかマズかったんでしょうか・・・髭剃りじゃイメージ悪かったのか(笑)

しかし、この車両以外にも1年の間に結構車両解説が変わっていることに気付かされます。ポルシェミュージアムって、結構マメなのね^^;


1963年 ポルシェ 904 カレラ GTS(Porsche 904 Carrera GTS)

このフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ(Ferdinand Alexander Porsche)によって設計された前面投影面積が僅か1.4㎡しかない“ポルシェ 904(Porsche 904)”は、FRP製ボデー持った最初のポルシェです。

この“904”には、4気筒~8気筒までの異なるエンジンを搭載できたことから、とても用途の広いレンシュポルトでもありました。

1964年、4台の“904”がルマン(Le Mans)のスタートラインに並びました。結果は総合10~12位,クラス優勝を成し遂げました。

また、翌1965年のルマンには6台の“904”が出走して、そのうちの2台がそれぞれクラス優勝をもぎ取ったそうです。

展示車両は“904/8”のため、パワーユニットは1,966cc,240馬力の空冷水平対向8気筒DOHCユニットを搭載して、最高速度263km/hを実現しました。

こうして見ると、1964~1965年のルマンにおいては、2リッターFlat4搭載車はGTクラス、2リッターFlat6及び2リッターFlat8搭載車はPクラスと、エンジンの使い分けでGTクラスにもPクラスにも出場できる使い勝手の良いモデルだったことが判りますね。


1968年 ポルシェ 908 KH(Porsche 908 KH)

1968年、FIAが世界選手権タイトルを争うプロトタイプカーの排気量を3リッター以下(スポーツカーは5リッター以下)に制限すると発表した時、ポルシェは既にこのレギュレーションに対応できるだけの用意がありました。

ツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)では、FIAの公式発表の前から新しいレギュレーションの様々な可能性についてデザイン・アイデアを模索していて、ポルシェのエンジニア達は既に1967年7月には新しい3リッター,8気筒エンジンの研究をスタートさせていました。

新しいレギュレーションが施行される3か月前に発表された時に、“タイプ 907(Type 907)”のシャシとボデーをベースにして、新しいレースカー“908 クーペ(908 Coupe)”を製作しました。

“908 クーペ”には、ロングテール仕様(LH:Lang Heck)とショートテール仕様(KH:Kruz Heck)が用意され、コースレイアウトやライバルに合わせて使い分けられました。

※展示車両はショートテール仕様(KH:Kruz Heck)

パワーユニットは2,997cc,350馬力の空冷水平対向8気筒DOHCユニットを搭載して、最高速度320km/hを実現していました。


1968年 ポルシェ 909 ベルクスパイダー(Porsche 909 Bergspyder)

このプロジェクトの使命は、“すべての部品を可能な限り軽量に造り上げること”というとてもシンプルなものでした。

薄肉のプラスチック製ボデーシェルにアルミニウム製フレーム,ベリリウム製ブレーキディスク,球状の燃料タンクなどを駆使して製作された“909”は、ヒルクライムレースのテスト車両として使用されました。

車両重量、僅か384kgしかない“909”はシャシの重量配分も見直され、中央に位置するエンジンとドライバーを従来よりも更に前方へ配置することで、最適化を図りました。

パワーユニットは1,981cc,275馬力の空冷水平対向8気筒DOHCユニットを搭載して、最高速度250km/hに達しました。

チタニウム製球状タンク(Titanium spherical tank)

こちらが、“909”で採用されたチタン製球状タンクです。このタンク自体の重さは660gで、このタンクに高圧力をかけるシステムによって、燃料ポンプを不要にし、1.7kgの軽量化を可能にしたそうです。
まさに、プロジェクト遂行のための執念を感じますね♪


1968年 ポルシェ 908 LH クーペ(Porsche 908 LH Coupe)

“908”のロングテール仕様車は、8気筒エンジンの駆動力を最大限に活用できるように、2つのテールフィンとリヤサスペンションの動きに連動した2つのフラップによって構成される特別なリヤユニットが与えられました。

“908”は1968年4月に行われたルマンのテストデイで発表され、デビュー当初は初期トラブルに見舞われることが多かったものの、その後アルミニウム製スペースフレームの採用を始めとした様々な改良が施された結果、1969年シーズンには信頼性と耐久性を確立して、ルマンでのジャッキー・イクス&ジャッキー・オリバー組のGT40との印象的なデットヒートの末に総合2位に入賞しました。

パワーユニットは2,997cc,350馬力の空冷水平対向8気筒DOHCユニットを搭載して、最高速度320km/hを実現しました。


前述のショートテール仕様の同じリヤセクションと比較すると分り易いですが、ロングテール仕様↑ではリヤオーバーハングに“PORSCHE”ストライプが入ってしまうほど、延長されているのが判ります♪


“Leicht(Lightness)”

こちらはポルシェミュージアムの各所にあるポルシェの信念を展示形式にしたコーナーの1つ。ここは“Leicht”つまり“軽量化”に対するポルシェの信念↓が綴られています。

スポーツカーは速いと思われています。その速さを決定している要因の1つは“パワーウエイトレシオ(power-to-weight ratio)”です。これは、エンジンが加速させなければならない重量を指しています。簡単にいうと、成功への早道は“軽い=速い”ということです。

軽量構造は、運動性能を高める最も効率的な方法です。パワーウエイトレシオが最適化されたクルマは、ハンドリング性能の良いクルマです。そのクルマは加速も速く、制動距離もより短くて済みます。そして、カーブでの応答性能も良く、操作もし易いでしょう。

この“軽量化”は、軽量素材と高機能で革新的な技術を用いることで可能になります。例えば、航空機の構造材として使用されている特殊なプラスチック(GFRP)によって製作された“908”のボデーストラクチャー↓が良い例です。

幾度となく、ポルシェは革新的な重量軽減策を打ち出すことで、アドバンテージを築いてきました。そして、一般道とサーキットその双方で、優位性が証明されました。

当時、最も軽量なスポーツカーであった“356 アメリカロードスター”や当時のレース車両に始まり、そしてより大きなライバルを打ち負かした“タルガフローリオ”のスポーツカー。“軽量構造”は、ポルシェのクルマ造りに対するアプローチの特質になりました。

以上がポルシェの“軽量化”に対する思いのようです。

この信念があるからこそ現在においてまで、ポルシェが造る一番速いクルマは“何もついていなくて軽い”んだなと、妙に納得してしまいますね^^;


今回は、珠玉のレンシュポルトについて振り返ってきた“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 6”ですが、60年代までのポルシェの輝かしいモータースポーツ史をレポートしたところで、一端区切りとしたいと思います。

レンシュポルト,そして久々の更新ということもあり、一大スペクタクルな長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、いよいよ70年代から始めるレンシュポルト栄光の歴史についてレポートしていきたいと思います♪
2017年03月12日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 5

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 5












こんにちは~

前回はポルシェミュージアムの中でもマニアックな“ポルシェ エンジニアリングとエンジン単体展示コーナー”をレポートした“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015”、今回は本当は前回レポートしようと思っていた'80年代後半から現在まで続くポルシェロードカーの歴史を、満を持して(笑)レポートしようと思います♪(今回も興味深いクルマが目白押しで長編となっていますm(_ _)m)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39404784/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/



1981年 ポルシェ 911 ターボ カブリオ シュトゥディエ(Porsche 911 Turbo Cabrio Studie)

1980年代初頭、ポルシェのエンジニア達は、後にすぐさま人気となる“あるトレンド”に注目しました。それは“オープントップ ドライヴィング(Open-top driving)”です。

彼らは“911”の最初のコンバーチブル仕様を開発し、そのクルマで初めてターボチャージドエンジンと4輪駆動の組み合わせを試みました。

ポルシェは1981年のフランクフルトモーターショウ(IAA)で、そのアイディアを提唱しました。

パワーユニットは3,299cc,290馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は255km/hに達したそうです。

このクルマも正にポルシェミュージアムならではの個体ですね!一見すると、内外装パールホワイトの装いが、ちょっと気になる程度のターボルックな“SCカブリオレ”のスタディモデルと思ってしまいそうです・・・^^;

事実、前回訪問時にも置いてありましたが、そんな印象だったのかブログでは華麗にスルー(笑)してしまいました!爆

この試みが、後の“953”⇒“959”⇒“964 カレラ 4”へとつながり、ハイスピードドライヴィングにおいても4輪駆動車の優位性を証明するまでになったことを考えると感慨深いですね。

しかし、今日では誰も“4輪駆動車=オフロード用”という認識はないと思いますが、1981年当時に、“カブリオレ”に“4輪駆動”を組み合わせたスタディモデルを展示するというのは、ポルシェの先見性にただただ感心するばかりですね♪


1988年 ポルシェ 959 クーペ(Porsche 959 Coupe)

他の如何なるポルシェにもない、レース(コンペティション)への情熱とハイテクを完全にブレンドしたクルマが“959”です。

“911”をベースに開発されたこの“技術のショーケース”は、自動車レース界で新たに提案されたグループB(Group B)規定に向けて設計され、特別なシリーズとして292台が生産されました。また、以降に生み出されたポルシェの生産車シリーズは、この技術の粋を集めたスポーツカーからの恩恵を受けることになりました。

“959”は、DM 420,000(ドイツマルク)というハイプライスな価格にもかかわらず、瞬く間に完売となりました。

パワーユニットは2,849cc,450馬力の空水冷(ヘッドのみ水冷)水平対向6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は315km/hを実現していました。

こちらが、前述の“911 ターボ カブリオ シュトゥディエ”で示したコンセプトを究極まで昇華させた“959”ですね。当時は折からのバブル景気も手伝って、同じくグループBが産み落とした“フェラーリ 288GTO”から発展した“F40”と併せて、第2次スーパーカーブームを牽引する存在として、注目を浴びましたね!

また、G-モデルの“911”をベースにしたレプリカも登場するなど、Kitcar好きのボクも結構気になるクルマでした。オリジナルは、とても気軽にカスタム出来るような代物ではないので(笑)、こっち(レプリカ)をダート仕様にカスタムして、“なんちゃってダカール仕様”を気取るのも、なかなか面白そうです♪


1990年 ポルシェ 911 ターボ 3.3 クーペ(Porsche 911 Turbo 3.3 Coupe)

約12年間、実質的にほとんど不変のまま存続していた“ポルシェ ターボ”は1990年の秋、“タイプ 964(Type 964)”シリーズの新しい“ターボ”に生まれ変わりました。

この“ターボ”は、より大きなインタークーラーとK-ジェトロニック インジェクション,メタルキャタライザを備えて、出力は320馬力に高められました。それと同時にターボのパワーユニットが、規制の厳しいアメリカの排ガス規則に適合し、有害物質の排出量も削減が図られたようです。

パワーユニットは、3,299cc,320馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は270km/hに達しました。


1992年 ポルシェ ボクスター シュトゥディエ(Porsche Boxster Studie)

当時、ポルシェの経営状況は難しい局面を迎えていました。そこでポルシェのエンジニア達は、大胆な攻勢をかける決断をしました。

ポルシェは1993年のデトロイト モーターショーで、世界的にも好評を博すミッドエンジンロードスターのスタディモデルを発表しました。

そのショーカーは、往年の“356 Nr.1 Roadster(356 No.1 ロードスター)”と“550 Spyder(550 スパイダー)”の要素を融合させたスタイリングで登場しました。

このクルマに対する非常に強い反響は、そのまま“Boxster(ボクスター)”の生産へと結びつき、1996年秋に生産が開始されました。

パワーユニットは、2,687cc,228馬力の水冷水平対向6気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度は253km/hを実現しました。

車両解説中にもありますが、生産型に比べてより“356 Nr.1 Roadster”や“550 Spyder”の要素が色濃く反映されていますね。特に、リヤのエンジンリッド(ソフトトップリッド?)とトランクリッドの切れ目は、まんま“356 Nr.1”のそれを連想させますし、全体のフォルムは“718 RSK”的でもあります♪


1995年 ポルシェ 968 カブリオレ(Porsche 968 Cabriolet)

1991年8月、“944”の後継車として“968”の生産がツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)で始まりました。

この4気筒のクルマは、クラス最強のトルクと排気量,そしてティプトロニック式オートマティックトランスミッションを備えていました。そして、そのトランスアクスルによって、素晴らしいレスポンスのエンジンを少ない燃料消費量で堪能することが出来ました。

1995年7月、“968”の生産終了をもって、ポルシェの4気筒スポーツカーの時代は終わりを告げました。※2014年末当時

パワーユニットは、2,990cc,240馬力の水冷直列4気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度は247km/hに達しました。

以前、友人の㌘が“968”のクーペ(6MT)に乗っていたのでよく運転させてもらいましたが、トランスアクスルレイアウトの恩恵からか、正に“高速安定性の鬼”のような車ですね。また、個人的には低速トルクの太さを生かして、アイドリング付近で立体駐車場や都内の狭い道をウロウロするのも結構心地よかった覚えがあります^^;


1995年 ポルシェ 928 GTS(Porsche 928 GTS)

この最終進化形の“928”は、幅広なリヤスポイラーと一続きになったテールライトによって、非常に独特なシルエットに仕上がっています。

このスポーティなスタイリングは、拡大された排気量やグランドツーリングカーとモータースポーツとの親密な関係を強調することに一役買っています。

この“928 GTS”は、4速のオートマティックトランスミッションを介して、快適にロングツーリングをするためには理想的なクルマです。

パワーユニットは、5,397cc,350馬力の水冷V型8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度275km/hを実現していました。


1996年 ポルシェ 911 カレラ クーペ “ポリツァイ”(Porsche 911 Carrera Coupe "Polizei")

1996年7月15日、とても特別な“911”がツッフェンハウゼンの組み立てラインからロールアウトされました。それは1948年以降、ポルシェによって生み出された100万台目のスポーツカーでした。

フェリー・ポルシェ(Ferry Porsche)とDr.ヴェンデリン・ヴィーデキング(Wendelin Wiedeking)は、この車両を地元バーデン‐ヴュルテンブルク州(Baden-Württemberg)に寄贈しました。

この“タイプ 993(Typ 993)”の“911”は、信頼性が要求される高速警察隊(Autobahn Polizei)のパトロールカーとして、アウトバーンの追い越し車線で車歴の多くを過ごしました^^;

パワーユニットは、3,600cc,285馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度275km/hで職務をこなしたようです(笑)

ドイツのTVドラマ“アラーム・フォー・コブラ11(邦題:アウトバーンコップ)”では、“タイプ996”の911ポリスカーが登場していましたが、こちらは実際にアウトバーンで活躍した993のポリスカーです^^;


1997年 ポルシェ 911 ターボ 3.6(Porsche 911 Turbo 3.6)

ポルシェファクトリーは、“911 ターボ”のために出力向上策を実施しました。変更点は、オイルクーラーからエンジン制御システム,ターボチャージャー,インタークーラーにまで及び、最高出力は450馬力まで高められました。

この出力が高められたパワーユニットは、“911 ターボ”のレースヴァージョンに当たる“911 GT2”にも搭載されました。

その3,600cc,450馬力の空冷水平対向6気筒SOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度300km/hを実現していたようです。


1997年 ポルシェ 911 GT1 シュトラーセヴァージョン(Porsche 911 GT1 Straßeversion)

“911 GT1 レーシングカー”が、GT1規定の世界選手権への参戦承認を得るには、少なくとも20台の公道走行可能な車両を生産することが、求められていました。

ポルシェは、このロードヴァージョンによって必要条件を満たしました。典型的な“タイプ 996(Typ 996)”のフロントエンドの造形を持ったこの公道仕様車は、ヴァイザッハ(Weissach)のレース部門によって製造されました。また、このロードヴァージョンはDM 150万(ドイツマルク)で販売されました。

パワーユニットは、3,163cc,544馬力の水冷水平対向6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度310km/hに達しました。

今年(2017年)、FIA GT2カテゴリー向けに開発された“911 RSR”がミッドシップレイアウトを採用したことで話題になりましたが、それまで唯一無二の“ミッドシップ911”だったのが、この“911 GT1”シリーズです。デビューは1996年だったこともあり、開発期間を短縮するため既にクラッシュテストに合格していた“993”のフロントセクションを流用する形で製作されました。

フロントセクションは“993”で、メカニズム的にはCカー“962C”からのキャリーオーバーが多く、フロントフェイスは“996”という、なんとも不思議なクルマですが、ボクはこの“911 GT1”を含めて“GT1”というカテゴリーは、曲がりなりにも(笑)公道走行可能なクルマがルマン(Le Mans)で総合優勝を狙うことが出来た、とてもロマンに満ちたカテゴリーで好きでした。まぁ、最後はほとんどプロトタイプカー顔負けの“名ばかりのGT(笑)”になって、開発競争の激化、コストの高騰から消滅したわけですが・・・^^;


2002年 ポルシェ 911 “サリー・カレラ”(Porsche 911 "Sally Carrera")

2006年の映画“カーズ(CARS)”は、レースカーの”ライトニング・マックィーン(Lightning McQueen)”の物語を描いています。その劇中でライトニング・マックィーンは、時と共に“サリー・カレラ(Sally Carrera:ポルシェ 911)”と恋に落ちました。

2005年に映画のマーケティングの一環として、劇中に登場するキャラクターの実車モデルを再現するプロジェクトが進められました。

この“ポルシェ 911(996)”は、劇中のコミカルなスタイルを再現するために、7か月に及ぶ大規模な改修が施されました。まずホイールベースが短縮され、ルーフラインが持ち上げられました。さらに、ドアやリヤウイング,ガラス類,ヘッドライトからドアオープニングトリムに至るまで作り直されました。バンパーについても、口の形に造りかえられ歯まで再現されています^^;

車両構成要素のほとんど全てと言っていいほどに手が加えられたアニメチックなポルシェですが、今日でも運転することが出来る状態に保たれているそうです。

パワーユニットは、3,596cc,320馬力の水冷水平対向6気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度285km/hに達した?ようです^^;


2003年 ポルシェ カレラGT(Porsche Carrera GT)

カレラGT(Carrera GT)のドライヴィング エクスペリエンス(運転体験)は恐るべきものです。それは、トップアスリートのようなスタイリングにも、このクルマが持つ妥協を許さない性格が表れています。

カレラGTは、近代的なレーシングカーに必要不可欠な、ハイパワー,超軽量なシャシコンストラクション,高水準の安全性といった要素を全て備えています。

当初はルマン(Le Mans)に出場するために設計されたカーボンファイバー製の車体を持つ低重心のミッドシップカーは、特別なシリーズとしてライプツィヒ工場で1,270台が生産されました。

パワーユニットは、5,733cc,612馬力の水冷V型10気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度330km/hを実現しました。

車両解説にもある通り、当初は前述の“911 GT1”の後継レース車両として開発されていました。モータースポーツにタラレバはありませんが、もし“カレラGT”がルマンに出場していたら、アウディが栄華を極めた2000年代のルマンも違っていたかもしれませんね♪


今回は80年代以降、技術革新と共にとどまるところを知らないポルシェロードカーの歴史を、振り返ってきた“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 5”ですが、現在までのロードカーをレポートしたところで今回は区切りとしたいと思います。

 ちょっとフライングしてレンシュポルト的な内容を熱く語った(笑)とこもあり、すっかり長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、いよいよ珠玉のポルシェ達“レンシュポルト(Rennsport)”についてレポートしていきたいと思います♪

2017年03月04日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 4

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 4









こんにちは~

前回は“911”登場以降、'60~'80年代に様々なヴァリエーション展開を繰り広げたポルシェロードカーの歴史を振り返った“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムII”、予定では'80年代後半から現在まで続くポルシェロードカーの歴史をレポートしようと思っていましたが、おまけ企画で入れようと思っていた“ポルシェ エンジニアリングとエンジン単体展示コーナー”のみで結構なボリュームになってしまったので(笑)、今回はそちらの模様をレポートしたいと思います♪(今回も例にもれずボリューミーな内容となっていますので、お時間のある時にどうぞ~^^;)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39309757/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/


まずは、ポルシェエンジニアリングに関する展示からどうぞ~( ^_^)/

1956年 ポルシェ タイプ 597 “ヤークトヴァーゲン”(Porsche Typ 597 "Jagdwagen")

この水陸両用車は、1953年にドイツ連邦軍(Bundeswehr)に採用する軍用車の入札に向けて開発されました。ポルシェは、この“タイプ 597”で新しい領域の開拓を始めました。

“タイプ 597”は地上はもちろんのこと、水上も走行することが出来ます。さらにドライバー選択式の全輪駆動システムによって、オフロードにおいてもオンロードに負けず劣らずの走行性能を備えていました。

ドイツ連邦軍のプレゼンテーションでは、泥で動けなくなった他の競争相手を助けるのにも使われたそうです^^;

パワーユニットは、1,582cc,50馬力の空冷水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度100km/hを実現していたようです。


フロントのサスペンション形式は、“356”や“VW ビートル”でお馴染みの2組のトーションバーとトレーリングアームを使った方式に見えますが、2組のトーションチューブの間に見えるデファレンシャルが全輪駆動車であることを物語っていますね♪


1994年 ポルシェ シュトゥディエ “C 88”(Porsche Studie "C 88")

中国で“88”はラッキーナンバーと考えられており、ポルシェは北京で行われたモーターショウでこのクルマを発表する際に、この“C 88”というネーミングに決定しました。

このクルマは特に中国市場へ向けて、ヴァイザッハのエンジニアにより4か月掛けて開発され、シンプルな製造方法で優れた品質と走行安全性の実現が可能でした。

しかし結局のところ中国当局は、ポルシェを始め中国での生産を計画したどの外国メーカーにも許可を与えることがありませんでした。

パワーユニットは、1,100cc,48~68馬力の水平対向4気筒エンジンを搭載して、最高速度140~165km/hの性能での販売を計画していたようです。

ポルシェミュージアムを訪れたことのある方ならば、「あ~あのクルマね。」くらいの反応だと思いますが、このクルマ意外と情報が無いんですよね~

自分も今まであまり気に留めていなかったのですが、'94年当時に1.1リッタークラスの水平対向エンジンを開発していたとなれば、その詳細情報が気になりますね♪


2002年 ハーレー・ダヴィッドソン レヴォリューション エンジン(Harley-Davidson Revolution Engin)

1997年以降進行中のハーレー・ダヴィッドソン(Harley-Davidson)との協力プロジェクトのハイライトは、ポルシェが生産準備段階から開発し、2002年以降に“V-Rod”で使用されている“レヴォリューション エンジン”にあります。

このエンジンの市場導入は、審美的なデザインと最新の法規にも適合する現代の高性能ハイパワーエンジンの融合を体現しているようです。

この“レヴォリューション エンジン”は、1,131ccの60°V型2気筒DOHCユニットから117馬力を発揮しました。



ここからはエンジン単体展示エリアをレポートしていきます。このエンジン単体展示、前回訪問時のブログでも何基かピックアップしてざっくり(笑)解説しましたが、実は昨年末(2016年末)に訪れた時には、このエリアは車両展示の一部になってしまっていたので、今回で見納めかもしれません(T_T;)

なので、前回の写真データ(外の雪が少ない方が前回訪問時の写真です^^;)も交えて、1基も漏らさずに解説していきたいと思います!


1963年 ポルシェ ボクサーモータ タイプ 901/01(Porsche Boxermotor Typ 901/01)

この一番最初の“911”のエンジンには、その後の進化の過程において共有されるすべての特徴を既に備えていました。それは回転レスポンスが良く,軽量コンパクト,ドライサンプ方式のオイル潤滑システムを持つ空冷6気筒エンジンで、初期の出力は130馬力でした。しかし、1972年までには、すでに210馬力に高められていました。

展示されるパワーユニットは“911”デビュー当初の、1,991cc,130馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンです。


1964年 ポルシェ モータ タイプ 771(Porsche Motor Typ 771)

この空冷8気筒エンジンは、1962~1968年というレーシングエンジンとしては非常に長い耐用年数を誇ったエンジンです。

“904”や“907”,“910”などのレンシュポルトに搭載されたこの強力なボクサーエンジンは、タルガ・フローリオやヨーロピアン ヒルクライム選手権、セブリングなどで勝利を挙げました。

このパワーユニットは、F1カーの“804”に搭載された“タイプ 753(Typ 753)”に由来しますが、この“タイプ 771”ではより大きなボア径を採用していました。

スペックは、2,195cc,空冷水平対向8気筒DOHCエンジンから272馬力を発揮したようです。

こちらはレースカー専用のエンジンということで、4気筒レーシングユニットであった“フールマン(カレラユニット)”と同様にDOHCが採用されていますね!

空冷にしては冷却ファンが見えないと思われるかもしれませんが、エンジン上部に上向きに設置されています。アフターマーケット製でVW製のフラット4(タイプ4エンジン)にも、上向きに空冷ファンを取り付けられるキットが出ていて、上向きの空冷ファンには憧れますね~♪


1977年 ポルシェ ターボモータ タイプ 930/60(Porsche Turbomotor Typ 930/60)

1977年、“911ターボ”のエンジンは3,299ccに排気量が拡大されたユニットに置き換えられたのみでなく、市販車として初となるインタークーラーを備えていました。

7.0:1へと高められた圧縮比によって、“911 ターボ 3.3(911 Turbo 3.3)”のエンジンは、300馬力の出力を発揮し、当時それまでに市販されたポルシェ車の中で最もパワフルなモデルとなりました。また、出力と同様にトルクも高く、4000rpmで412Nmを生み出したそうです。

展示されているパワーユニットは、3,299cc,空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンで、上記の通り300馬力を発揮しました。

前述の“901/01”ユニットと比べても、パッと見で補器類が増えた程度でほとんどエンジン自体の大きさは初期の“911”からあまり変わっていないのが判りますね。

まぁ、この補器類の増加で当初は余裕のあった“911”のエンジンルームも徐々にパズルのような状態になっていったようですが・・・^^;


1985年 TAG ターボモータ (TAG Turbomotor)

フォーミュラ1の世界では非常にタイトでハイペースな開発スケジュールが求められます。このエンジンは、“マクラーレン(MaClaren)”のグランプリカー用として、TAGエレクトロニクス社からの依頼で、ちょうど2年という期間でレースに向けて準備されました。

エンジン設計者のハンス・メツガー(Hans Mezger)は、コンパクトで軽量な6気筒エンジンを採用することを決定しました。そして、最もハイパワーな仕様では、テストベンチ上で1,045馬力を発揮しました。

このパワーユニットは1983~1987年の間に、フォーミュラ1で25勝を挙げ、3度のワールドチャンピオンシップタイトルを手に入れました。

展示されているパワーユニットは、1,499cc,水冷V型6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンで、800馬力を発揮したようです。


1985年 ポルシェ フラグモータ PFM 3200(Porsche Flugmotor PFM 3200)

1981~1986年まで、ポルシェは“911”に搭載されている6気筒のボクサーエンジンをベースとして、スポーツ機及びビジネス機向けの航空機用エンジンを開発しました。この航空機用エンジンは、操縦性や低騒音性、経済性も優れていたようです。

また、“PFM 3200”と呼ばれたこのエンジンは、1985年に行われた世界1周飛行によって、信頼性も実証されました。

展示されているパワーユニットは、3,164cc,空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンで、260馬力を発揮したようです。

排気量は“3.2 カレラ(3.2 Carrera)”と同じ3,164ccですが、PFM仕様ではターボの有無が選択できたようで展示されているエンジンにはターボが装着されていました。
航空機用エンジンということで、“911”では地面の中(笑)に位置するエンジンの真下にターボが付いているの点が面白いですが、排気を効率よく利用するには排気ポートにより近い方が良いのでしょうね^^;


1985年 ポルシェ ボートモータ タイプ 928 M28/70(Porsche Bootsmotor Typ 928 M28/70)

1986年、レーシングドライバーのジャッキー・イクス(Jacky Ickx)は、自身の外洋(オフショア)レーシングボート用にパワフルなエンジンをオーダーしました。

ルマン(Le Mans)を6回制覇した勝者の要望により、“928 S4”用の8気筒エンジンには2基のKKK製ターボチャージャーが備えられ、出力748馬力,トルク860Nmを実現していました。

また、市販車用のエンジンをパワーボートでの使用に適応させるために、熱交換器(ヒートエクスチェンジャー)を用いた複雑な冷却回路を2重に装備していました。

排気量4,957ccの水冷V型8気筒DOHCツインターボチャージドエンジンになります。


2004年 ポルシェ モータ カレラGT(Porsche Motor Carrera GT)

この軽量な自然吸気の10気筒エンジンは、公道仕様の“カレラ GT(Carrera GT)”のために開発された純血種のレーシングエンジンでもあります。

エンジンとトランスミッションは、ボルトで結合されて1つのユニットになり、このハウジングは車体の一部を構成し車重を受けるために、非常に強固に造られています。また、68°のバンク角を持つこのエンジンは、重心も低く抑えられています。

スペックは、5,733cc,水冷V型10気筒DOHCエンジンから612馬力を発揮しました。

“カレラGT”に搭載されて、あの絶妙なエキゾーストノートを奏でるパワーソースは、このエンジンですね♪

この“V型10気筒”というエンジン形式の特徴なのか、V10を採用したクルマは“カレラGT”を始め、'90年代後半~2000年代中盤のフォーミュラ1カーなど、正に“美しい”と言えるエキゾーストノートを奏でてくれるので、自分は好きなエンジン形式の1つです。

今回は、ポルシェミュージアムでもちょっとマニアックな“ポルシェエンジニアリング”と“エンジン単体展示”エリアをレポートしてきた“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 4”ですが、意外と表に出てこない“ポルシェ エンジニアリング”の活動と、なかなか眺める機会の少ないエンジンのカットモデルや希少なエンジンの数々で、興味深い内容だと思います。

 今回もすっかり長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、いよいよ(笑)80年代後半から始まるポルシェロードカーの歴史をレポートしたいと思います♪
2017年02月12日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 3

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 3









こんにちは~

前回は“Typ 356”から“911”登場までのポルシェロードカーの歴史を振り返った“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムII”ですが、今回はいよいよ“911”登場以降のモデルについて、レポートしていきたいと思います♪♪(今回は“911”以降、様々なヴァリエーション展開により魅力的なモデルをラインナップに追加してきた60~80年代のロードカーについてレポートしていますが、相変わらず長編となってしまいましたので(笑)、お時間のある時にどうぞ~( ^_^)/)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39254584/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/

1967年 ポルシェ 912 クーペ(Porsche 912 Coupe)

1965年、ポルシェは“911”の低出力仕様モデル“912”をマーケットに投入しました。“912”は水平対向6気筒エンジンの代わりに、“356”用の1.6リッター,90馬力の水平対向4気筒エンジンをリアエンドに搭載していました。

内装についても“911”より控えめな装備となり、インスツルメントパネルには“911”の5つのメータの代わりに、ベーシックな3つのメータが備えられていました。

この“912”は“クーペ(Coupe)”と“タルガ(Targa)”のボデースタイルで、1969年の夏まで生産されました。

パワーユニットは前述のとおり、1,600cc,90馬力の空冷水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度185km/hを実現しました。

ポルシェミュージアムの車両解説を見ても、“911”の廉価版としてナインナップされたことが書かれていて、“911”よりもグレードダウンしているような印象の“912”ですが、“911”に比べてリアエンドのパワーユニット重量が軽く、搭載位置も前方に積まれることからグッドバランスとも言われています♪


1969年 ポルシェ 914/8(Porsche 914/8)

1960年代後半、長きに渡るポルシェ(Porsche)とフォルクスワーゲン(Volkswagen)の関係は、スポーティで手頃なモデル“VW‐ポルシェ 914(VW-Porsche 914)”の開発に繋がりました。

この使い勝手の良いミッドエンジン車には、VWのための4気筒モデルのみならず、6気筒エンジンを搭載したモデルもポルシェのために生産されました。

また、レース用の8気筒エンジンを搭載したモデルも2台造られ、そのうちの1台は、フェリー・ポルシェ(Ferry Porsche)の60回目の誕生日にプレゼントとして送られました。

この展示車両はその2台のうちの1台で、パワーユニットはレース用に開発された2,997cc,300馬力の空冷水平対向8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度は250km/hに達したそうです。

もはやポルシェミュージアム名物となった感のある“914/8”ですが、幅の広げられたリトラクタブルヘッドライトで通常の4気筒,6気筒モデルと識別することが出来ます。このロードゴーイングな出で立ちの“914”にレース用フラット8の組み合わせは、是非とも公道で乗ってみたい魅力的なクルマですね♪


1967年 ポルシェ 911 2.0 タルガ(Porsche 911 2.0 Targa)

“世界初の安全なカブリオレ”、これはポルシェが1965年に初めて“911 タルガ(911 Targa)”を発表した際に示したモットーでした。

この新しいモデルのネーミングを考える際に、ポルシェはステンレス製ロールバーの乗員保護機能にヒントを得ました。この“タルガ(Targa)”というネーミングは、シチリア島で行われる伝説的なレース“タルガ・フローリオ(Targa Florio)”でのポルシェの成功を連想させるとともに、“targa”はイタリア語で“盾”という意味でもありました。このような保護シールド付きのカブリオレは、このクルマ以前には存在していませんでした。

この展示車両のパワーユニットは、1,991cc,130馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度200km/hを実現しました。

ポルシェミュージアムの“targa(タルガ)”と言えば、以前はブルーメタリックの1970年式の個体が有名ですが、今回はショートホイールベース(SWB)の'67年式が展示されていました。

タルガボデーとショートホイールベースの組み合わせにより、ショートホイールベース独特の後方に張り出したボデーが、より一層際立って見えます♪


1973年 ポルシェ 911 カレラ RS 2.7 クーペ(Porsche 911 Carrera RS 2.7 クーペ)

このクルマは当時ドイツ最速の市販車で、一般的には“ダックテイル(ducktail)”として知られる特徴的なリアスポイラーを備えていました。

ポルシェは、このような空力デバイスを市販車に使うことを広めた仕掛け人(トレンドセッター)でもあります。

最小限に抑えられたインテリアを持つこのクーペは、“軽量な部品へ置き換えることによる重量軽減(軽量化)=高出力化”という方程式を完全に具現化しました。

また“RS 2.7”は、古典的なロードレース“カレラパナメリカーナ”に由来する“カレラ(Carrera)”の名称が与えられた最初の“911”でもあります。

パワーユニットは2,687cc,210馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度240km/hを実現しました。

言わずと知れた“911”マニア羨望の“73カレラ”ですね^^;
この車両解説を読んで意外に思ったのが、それまでの市販車にはスポイラーのような空力デバイスが採用されていなかったということですね。


1974年 ポルシェ 911 ターボ Nr.1(Porsche 911 Turbo Nr.1)

“911 ターボ(911 Turbo)”は、ターボチャージャーを用いて出力を高めたポルシェ初の市販車で、当時としては途方もない260馬力を発揮し、すぐさまポルシェのフラッグシップモデルとなりました。

この技術は、トライ&テストを重ねたレーシングテクノロジーに由来します。

1974年9月、フェリー・ポルシェの姉 ルイーゼ・ピエヒ(Louise Piech)は、一番最初の“911 ターボ”を70回目の誕生日にプレゼントされました。

このユニークな“911 ターボ”は、幅の狭いボデーとチェック柄のインテリアという特徴を持っていました。

パワーユニットは2,687cc,240馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は250km/hに達しました。


1976年 ポルシェ 924(Porsche 924)

1970年代のエネルギー危機(オイルショック)を受けて、フォルクスワーゲンは新しいスポーツカー開発の共同プロジェクト“EA 425”を立ち上げました。それを受けて、ポルシェは“924”を設計し、自身のエントリーモデルとしてラインナップさせることを決定しました。

“924”のスタイリングで最も特徴的なのは、その大きなグラスウインドウのハッチバックスタイルといえます。

フロントに搭載される水冷式エンジンとトランスアクスルを持った“924”は、1976年にドイツ国内のネッカーズルム(Neckarsulm)にあるアウディの工場で生産が開始されました。

パワーユニットは1,984cc,125馬力の水冷直列4気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度200km/hを実現しました。

近年、価格高騰の著しい空冷ポルシェの陰に隠れがちなFRポルシェですが、トラディショナルな“911”に対し、先進的な設計でトランスアクスルを採用して重量配分を最適化するなど、世界中のFRスポーツカーのベンチマークとされる傑作車となりましたね♪


1977年 ポルシェ 911 S 2.7 クーペ(Porsche 911 S 2.7 Coupe)

この“911 S”は、ポルシェ 911“G-モデル(G-model)”の1台です。“オリジナル 911”と“G-モデル”の特徴的な違いは、この新しい世代に装着されている大きなバンパーにあります。このバンパーは前世代の物よりも大きく、蛇腹を備えていました。

また、ポルシェは1976年から“911”のボデー構造部材に亜鉛メッキ鋼板を使用することで、ボデーの錆に関して6年間保証するサービスの提供を開始しました。

この“G-モデル”から、すべての911のエンジンは2.7リッターに置き換えられました。

パワーユニットは2,687cc,165馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高時速220km/hに達しました。

通称“ビッグバンパー”や“930(本来930はターボモデルのコードNo.)”などと呼ばれるこの世代の“911”ですが、ポルシェとしては“G-モデル”という呼称を使っているようです。

昨年(2013年)はサーフボードが乗っていたこの“911 S”ですが、今年はクリスマス用?のツリーが載っていました^^;

このキャリア↑も当時物のようで“LUPA”というロゴが書かれたモノでした。


1981年 ポルシェ 928(Porsche 928)

当初、“928”は“911”の後継車として企画されました。しかし、その計画は早い段階で修正され、別々のモデルとして歩み始めました。

マーケットに投入されたちょうど1年後の1978年、“928”はスポーツカーとして初めて、“カー・オブ・ザ・イヤー(European Car of the Year)”を受賞したクルマとなりました。

“928”の設計は、トランスアクスルギヤボックスや軽合金製水冷式V型8気筒エンジン,アルミニウム製サスペンションアームなど、“911”とは根本的に異なるものでした。

パワーユニットは4,420cc,240馬力の水冷V型8気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度230km/hを実現しました。


1981年 ポルシェ 924 カレラ GTS(Porsche 924 Carrera GTS)

ツッフェンハウゼンで造られた最初の“924”は、単にレース用車両としての小規模な開発プロジェクトの一環でした。

ヴァルター・ロール(Walter Röhrl)は、このスポーツカーのドライビングを気に入り、特にラリーで成功を収めたようです。

この“924 カレラ GTS”は、いくつかの点検をパスできれば公道で使用できる認可が得られます。しかし、快適性は期待しないで下さい。このクルマに備えられたレーシングシートは“935”から、そしてホイールとブレーキシステムは“911 ターボ”用が奢られています。

パワーユニットは1,984cc,245馬力の水冷直列4気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度250km/hに達しました。

様々なヴァリエーションのモデルが造られたポルシェですが、個人的にはこの“924 カレラ GTS”のようにレース車両とロードカーの明確な線引きがないのが、この時代のポルシェの魅力なように感じます。

自分の“ベック 550 スパイダー”も、“914/4”用のリヤブレーキディスクローターやナローのレース用Φ23mmマスターシリンダーなどに換装していますが、自分のクルマでも部品さえ交換すればその仕様を造ることが出来る、高年式の部品を組み合わせることで当時はなかった独自のクルマを作ることが出来る、こういった状況は自分でクルマをカスタムするユーザーにとっては、この上なく魅力的な素材だと思います♪


“911”以降、様々なヴァリエーション展開をしてきたポルシェロードカーの歴史をレポートした“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 3”ですが、ボクが感じているこの時代のポルシェの魅力を語ったところで(笑)、一端区切りにしたいと思います。

今回も長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、80年代後半から始まるポルシェロードカー技術革新の歴史をレポートしたいと思います♪



プロフィール

「ゴールデンウィークのカート乗り比べ体験記 http://cvw.jp/b/1499353/47700125/
何シテル?   05/05 12:59
しまえるシューマッハと申します。昨今のみんカラの飛ぶ鳥を落とす勢いの盛況ぶりに目をつむることができずに登録してしまいました(^_^;) 好物は主にヨーロッ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

リンク・クリップ

Porsche 550 Forever  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/11/26 00:43:01
週末はGulf718で出撃だ!! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/11/15 20:45:26
ロッソ、全塗装完了!! 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2013/11/11 19:49:06

愛車一覧

トヨタ スプリンターカリブ トヨタ スプリンターカリブ
'98年式のスプリンターカリブRosso(5MT,4WD)です。 日本ではカリブのマイナ ...
ポルシェ その他 ポルシェ その他
'93年式 Beck 550 Spyderです。 かねてよりミッレミリア好き、50~6 ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation