今回の欧州自動車博物館巡りの旅 オートワールド パート1は、ここAUTOWORLD(オートワールド)の常設展示車にフォーカスしてお届けします。
オートワールドはいわゆる総合自動車博物館なので、展示車両は自動車の黎明期のモデルから近年のモデルまで多種多様なクルマが展示されています。ちょうど、日本の博物館で言うと、河口湖自動車博物館や日本自動車博物館のようなイメージです。
パート1では、自動車雑誌でもほとんど取り上げられることのない自動車黎明期のクルマ達を中心に、かなり抜粋してレポートします。(自動車の歴史は長いので、今回も長文です^^;)
この時代のクルマは、現代の自動車とは似ても似つかないカタチも相まって、一見とっつきにくい部類かもしれませんが、よくよく見ていくと黎明期独特の面白いメカニズムや、今をときめくあのメーカーのルーツを発見できたり、あのメーカーの伝説的な創始者が手掛けた大衆車メーカーのクルマなど、とても興味深いクルマ達ばかりなのです!
では、こんな1920年代テイストでカバーされた「Crazy In Love」↓でも聴きながら、自動車黎明期にタイムスリップしていきましょう♪
1896年 レオンボレー タイプ ヴォワチュレット(LEON BOLLEE Type Voiturette):フランス
フランスで一番最初に蒸気自動車の製造に成功したアメディ・ボレーの息子であるレオン・ボレーは、ベルト式のトランスミッションを備えた小型のガソリン自動車を製作しました。このクルマは2シーターの3輪車でしたが、サスペンションを備えていませんでした。
フロント2輪で、リヤ1輪のヴォワチュレット、つまりサイクルカーですね。個人的には3輪の場合は、この前2輪,後1輪のディメンションが僕は一番好きです♪
しかし、操作系統の配置から言って後部座席がドライバーズシートのように見えますが、これ前にガタイのいい奴が乗ってたら邪魔だろうな・・・^^;
1904年 オールズモービル “カーヴドダッシュ”(OLDSMOBILE “Curved Dash”):アメリカ
車両解説によるとアメリカでとても人気のあったクルマで、1901年~1906年の間にデトロイトで相当数が生産されたそうです。また、サスペンションに大きくて柔らかめのスプリングを採用することで、アメリカのデコボコ道に対処することが出来たそうです。
このクルマの名称は、読んで字のごとく“ダッシュボードがカーブしている”からでしょう^^; ダッシュボードというと、今日ではすっかり内装品になっていますが、まだ自動車が“馬なし馬車”と呼ばれていた自動車黎明期には、ダッシュボードは馬車の名残で馬がダッシュした時に蹴り上げた小石や泥はねなどから乗員を守るための保護板でした。
また、アメ車のフワフワなサスペンションは、このころから既にアメ車のキャラクターになっていたようですね♪
1906年 ラクロワ・ド・ラヴィル “La Nef”(LACROIX DE LAVILLE “La Nef”):フランス
前方の1点を頂点とした操舵系を持ったユニークな木製シャシに、ド・ディオン・ブートンのエンジンを搭載したこの3輪車は、自動車黎明期に様々な多様性を示しました。ちなみにフロントに搭載された単気筒エンジンは699ccから10,5馬力を発揮したそうです。
このクルマ、様々な革新的な試みが見られますが、なかでも個人的に気になったのが、ステアリング連動型ヘッドライトですね。まぁ、連動型というかステアリング上にヘッドライトが付いているので当然っちゃ当然ですが^^;
1910年 シザール&ノーダン(SIZAIRE & NAUDIN):フランス
このクルマのユニークな点は、前端に横方向に装着された板バネを用いたことで、左右独立懸架となったサスペンションです。また、このクルマは当時可能であった、ヘッドランプ,ウインドスクリーン,フードなどのすべてのアクセサリーを装着しています。
1910年代に入ると、ようやくクルマの原型を留めてきましたね!一見、クルマのサスペンションは、アームによるスイングなどをせずに、その場で上下するのが理想のようにも思えますが、やはりロール時の対地キャンバー角変化やサスペンション構成部品自体の剛性も考慮すると、なかなか難しいのでしょうね。
1913年 プジョー タイプBP-1 べべ(PEUGEOT Type BP-1 Bebe):フランス
ようやく現役の自動車メーカーのクルマが出てきました。この通称“Bebe”と言われるモデルは、1909年に当時ドイツ帝国領(現フランス領)であったアルザス地方のモールスハイムに、自らの名を冠した自動車製造会社“ブガッティ(Bugatti)”を設立し、独立していたエットーレ・ブガッティの手により設計されました。なぜか、右フロントだけダブルタイヤになっていますが、詳細は不明・・・^^;
1911年 ロールス・ロイス シルバーゴースト(ROLLS-ROYCE Silver Ghost):イギリス
フレデリック・ヘンリー・ロイスが製作したクルマを、当時輸入自動車販売をしていたチャールズ・ロールズが販売を一手に受けることで始まったロールス・ロイス社が、シルバーゴーストを発表したのは1906年でした。
当時の顧客達は、ロールス・ロイス社からヘッドライトやホイール,ウインドスクリーンの付いていない“ベアシャシー”を購入し、顧客自身でボデーワーク専門のコーチビルダーを選んでボデーを造らせるスタイルが一般的でした。
1915年 ベンツ 16/40HP(BENZ 16/40HP):ドイツ
1886年、カール・ベンツの発明した世界初のガソリン自動車第1号に端を発するベンツ社は、積極的にラリーイベントやレース,速度記録などに挑み、数々の勝利を収めました。この取り外し可能なボデーを持った最高級車は、1914年に中欧のカルパティアで行われたラリーイベントでの優勝を記念して“Karpatensieger(カルパティアの勝者)”と呼ばれました。
1915年当時のベンツ社は、“メルセデス”の商標で自動車を製造していたダイムラー社とは、まだ合併前で全く別の会社でした。現在のメルセデス・ベンツのトレードマークは、あの有名な“月桂樹の葉とスリーポインテッドスター”ですが、“スリーポインテッドスター”はダイムラー社のエンブレムであったため、この当時のベンツ車には月桂樹の葉の中に“BENZ”と書かれたエンブレムを採用していました。
1924年 ルノー 18CV(RENAULT 18CV):フランス
「1920年代の美」を象徴するカタチをしたこのルノーは、均整の取れたシャシーにベルギー リエージュのコーチビルダー“Gamette”が仕立てたランドーレットボデーが架装されています。
1920年代は自動車にとって最初の黄金期だと思います。このルノーもしかりですが、黎明期に様々な様式が提案された自動車が、ようやく1つの完成を見たのが1920年代ではないでしょうか。時代背景的にも、ちょうど第一次大戦と第二次大戦の狭間の“狂乱の20年代”と共に自動車文化も花を開いたようです。
1922年 フォード モデルT(Ford Model T):アメリカ
フォード モデルTのオープンツアラー仕様です。モデルTは1908年~1927年にかけて1500万台以上が造られました。
1922年 デイムラー TS 6.30(DAIMLER TS 6.30):イギリス
英国王室は、当時英国でクルマに関心を持った人達の筆頭で、1896年以来ドイツのダイムラー社からのライセンス供与により英国で生産されていたデイムラー社を贔屓にしていました。一般的に考えられるのとは逆に、英国王室ではロールスロイス車ではなくデイムラー車が採用され続け、初めてロールスロイス車が採用されたのは1950年代に入ってからのことでした。このクルマはメアリー女王の即位中に使用されたクルマで、インテリアには当時英国の植民地であったインド産の蛇革が奢られています。
近年はジャガー車のバッジエンジニアリング的な位置に甘んじているデイムラーブランドですが、歴史的にはジャガーはもとよりロールスロイスにも引けを取らない名門自動車会社ですね。ラジエーターグリル上部の波打った形状は、近年のデイムラー車にもしっかり受け継がれていますね♪
1928年 ベントレー 4 1/2リッター(BENTLEY 4 1/2Litre):イギリス
このクルマはベントレー3リッター用のシャシに、レース用のより強力な4.5リッターエンジンを搭載しています。それにより最高速度は155km/hに達することができ、当時のスピードマニアやレースマニアをターゲットにしていました。また、ベントレーと言えば1920年代のルマン24時間レースで数々の勝利を挙げたことでも有名です。
1925年 ハノマーグ(HANOMAG):ドイツ
“Kommisbrot(軍用パン)”のニックネームで呼ばれたこのクルマは、ドイツで最初に成功したクルマの1台でした。また、初めて自動車にポンツーン形状(フェンダーと車体が一体化した形状≒フラッシュサーフェイス形状)を採用した例でもあります。
1931年 オースティン セヴン スワロー(AUSTIN Seven Swallow):イギリス
当時のポピュラーな英国車であるオースティンセヴンに、スワローがボデー架装を施したクルマです。ウイリアム・ライオンズとウイリアムズ・ウォームズレーによって、自動車のボデー架装とサイドカーの製造からスタートしたスワロー(スワロー・サイドカー・カンパニー)は、その後“SSカーズ・リミテッド”を経て後に“ジャガー カーズ・リミテッド”と社名を変更しました。そう、このオースティン セヴンは、つまりあのジャガー(JAGUAR)のルーツとなる訳です♪
1899年 ジャメ・コンタント号(Jamais Contente):ベルギー
最後はちょっと異色ですが、このクルマは自動車史上初めて100km/hに到達した電気自動車です。その記録は、1899年4月29日にフランス パリ近郊でベルギー人のレーシングドライバー カミーユ・ジェナッツィのドライブによって打ち立てられました。
パワーユニットには50kwを発生する2基のモーターを使用し、2Vのバッテリー100個によって駆動することで最高速度105.9km/hをマークしたそうです。
ジャメ・コンタント号は、世界で初めて100km/hを突破したクルマとして、自動車速度記録史では有名ですが、まさかオートワールドで会えるとは思っていませんでした♪
この車両は、当時の写真などと比べると車輪の径が大きかったりと、実車ではなく後年に復元されたモデルのようです。
まだ19世紀の時代に、既に最高速をマークするうえでは空力処理が必要であると認識していたことが、このトーピード(魚雷)型のボデーを見ても解りますね。
しかしこのジャメ・コンタント号、速度記録樹立当時の写真で見るともう少し流線型の形状かと思っていましたが、筒にノーズコーンを取り付けたような2次元的な形状で構成されていたんですね・・・^^;
やはり、自動車黎明期のクルマは現代の自動車メーカーのルーツが発見できたり、淘汰されてしまった謎の技術が見られたりと見どころ満載で興味が尽きず、今回も長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます^^;
次回もオートワールドの常設展示車にフォーカスしてお届けします~( ^^)/
ドイツを飛び出した欧州自動車博物館巡りの旅、アウトバーン10号線はオランダに入るとA67号線になり、その後E34号線となりベルギーに入りました。
(今回も長編ですのでお時間に余裕をもってどうぞ・・・^^;)
フォッセラール(Vosselaar)近郊のPAで仮眠をとり、シャワーを借りて休憩。
シャワー後の水分補給はスパ(Spa)の水源を使用したミネラルウォーター♪
こんなところでもベルギーに入ったことを実感できます。
ベルギーと言えば、クルマ好きならすぐにスパ・フランコルシャン サーキットが思い浮かぶでしょう。スパ(Spa)はドイツとの国境付近の街で、ココよりはずっと南に位置しますが、サーキットはもとより温泉地としても有名です。温泉施設を総称して“スパ(Spa)”と呼びますが、その起源になったと言われています。
空が明らみカーラジオからは、ベルギー ブリュッセル出身のラッパー Stromae(ストロマエ)の曲「Formidable」↓がかかっていました。
もう、ココはフランス語圏なんですね♪
街が近づいてきて、ブリュッセル(Brussel)に到着しました!
ベルギーもブリュッセルも今回が初めて訪れたので、駅前の駐車場にメガーヌを停めて、少し街歩きをしてみました。
ここで僕のミラーレス一眼(オリンパス PEN Mini)が本領発揮!爆
こういったヨーロッパの街並みを撮らせたら、ホントにいい仕事をしてくれます。
ブリュッセルの街並み、美しいですね~( ^_^)/
でも僕の欧州での街歩きの真の目的はクルマでもあります。
そして、やっぱりいました、このクルマ↓^^;
E11型 欧州カローラ 3ドア ハッチバック
当時トヨタのヨーロッパでのモータスポーツ部門TTE(Toyota Team Europa)がセリカGT-FOUR(ST205)の後継として、1997年にWRCに投入した“カローラWRC”のベースとなった“カローラ ハッチバック”です。
また僕が乗っているカリブロッソは、欧州ではこのカローラのワゴンモデルとして販売されました。
そして、先ほどのE11型 カローラの後期モデルがこのクルマ↓
やはり、丸目は欧州でも賛否両論あったのか、無難な角型に近いライトに変更されています。個人的には、カローラWRCによるコンペティティヴなイメージもあり、個性的でもあるので丸目の方が好きですけどね・・・
ちなみに、このモデルは5ドア ハッチバック。このボデーバリエーション、個人的にはワゴンのラゲッジスペースと流麗なスタイリングの両立ができて、自分は好きですが日本ではいまいち受けが悪いですよね。というか、日本のメーカーは、ほとんど絶滅しましたね。残っているのは、三菱ギャランくらいか。。。トノカバーより上のスペースなんて滅多に使わないんだから、カッコいい方が良いと思いますけどね・・・^^;
続いて気になったのが、この↓2代目セアト トレド(SEAT Toledo)
セアトはフォルクスワーゲングループに属するスペインの自動車メーカー。トレドは、VW ボーラやシュコダ オクタビアなどとプラットフォームを共有するセダンです。ちなみに、セアトブランドは日本未導入。
この2代目トレドは2003~2004年に現WTCCの前身ETCCにワークス参戦していて、2005年のフルモデルチェンジを機にハッチバックモデルのレオン(Leon)に、その座を譲りました。当時、僕はこの顔のセアトに憧れていて、結構本気で欲しいと思っていました!
お粗末な写真しか残ってないですが、ETCCのトレドはこんな感じ↓
※ともに2004年 イモラ エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ サーキットにて撮影
当時まだ日本で販売されていなかったエナジードリンク“Redbull”のカラーを纏っていて、そのダブルでヨーロッパ的な印象がカッコ良かったのです^^;
街歩きをしていると、ブリュッセルの旧市街にたどり着きました!
ここは“ギャルリー・サンチュベール”という世界最古のショッピングアーケードらしいです^^;
マジパンのいい香りに誘われてチョコレート屋さんに寄り道したり・・・していると、ブリュッセルの中心部“グラン・プラス”に出ました。
↑写っているのはブリュッセル市庁舎。
気が付いたら、しっかり観光してましたが、お腹もすいたのでグラン・プラスに出店していたクリスマスマーケットで遅めの朝食(早めの昼食?)をとることにしました。
チョイスしたのは、ザワークラウトと一緒にソーセージ,豚バラ肉などを煮込んだ“シュークルート”。ザワークラウト好きには、たまりません!そして、この時ばかりは、クルマ旅をちょっと恨みました。だって、ベルギービールやグリューワイン(ホットワイン)に、とてもよく合いそうなんだもん!爆
気を取り直して、目的のミュージアムに向かいます。
そして、AUTOWORLD(オートワールド)に到着しました!
ここは、ブリュッセル中心部の東にあるサンカントネール公園内に位置する総合自動車博物館です。
今回の欧州自動車博物館巡りの旅のメインは、実はこのミュージアムでした^^;
オートワールドではちょうど、2013年12/6~2014年1/19まで“FERDINAND PORSCHE THE HERITAGE FROM ELECTRIC TO ELECTRIC”というフェルディナント・ポルシェとポルシェ車にちなんだ企画展を開催していたのです♪
また、ベック550スパイダーのオーナーにはBeck/Chamonix系の550 Spyderが展示されていることでも有名なので、一度訪れたかったミュージアムでもあります。
ポルシェ展を開催していることもあり、ポルシェもちらほら見られました。
ボクスター (Boxster:986)
911カレラ(911 Carrera:996)
そしてイタリアのお馬さんも。フェラーリ 612スカリエッティ(Ferrari 612 Scaglietti)
こちらが、お目当ての企画展。
では、中に入ってみましょう~
まずは、エントラントに企画展にちなんで1977年式 カレラRSR(Carrera RSR)が置かれています。
前置が長くなりましたが、今回はAUTOWORLD(オートワールド)イントロ編として、このポルシェ展にちなんで設置されたEXPO特設コーナーのクルマをレポートしたいと思います。まぁ、ポルシェ展に向けた前座というかオープニングアクト(笑)というか、そんな感じです^^;
1976年 934 ヴァイラント(934 Vaillant)
1976年に911ターボをベースとしてグループ4規定に沿って造られたレースカーです。車両解説がないので詳細は不明ですが、クレマーレーシングの元にデリバリーされ、ドイツの暖房機器メーカー“ヴァイラント(Vaillant)”のスポンサードによりDRM(ドイツ レーシングカー選手権)を戦った個体ではないでしょうか。
そして、なによりこのカラーリングは、日本で一番有名な934と言っても過言ではないでしょうか。プラモデルメーカー“タミヤ模型”のラジコンカー(R/Cカー)第1号として発売されたのも、この“Vaillant - Kremer”カラーの934でしたね♪
1975年 911カレラRSR 3.0 ヘニンガー・アルト(911 Carrera RSR 3.0 Henninger Alt)
この911カレラRSR 3.0は、カナダ生まれのドイツ人ルートヴィヒ・ハイムラス(Ludwig Heimrath)がキャメルIMSA GTシリーズに出場した個体だそうです。デイトナやライムロック,ロード・アメリカなどをはじめ、北米を中心に活躍したRSRのようですが、カラーリングはアメリカ的というよりは、むしろ欧州(ドイツ)的でカッコ良いですね♪
1973年 911カレラRSR マルティニ レプリカ(911 Carrera RSR MARTINI Replica)
こちらは、STATE OF ARTが所有するRSRのマルティニ レプリカだそうです。車両解説によるとパワーユニットは3,200cc/330馬力!?とのこと。そーとー弄ってますね・・・^^; 一応シャシNo.は9117301388(01)だそうです。いつの911がベースなんだろうか・・?乗ったら面白そうですね♪
1984年 911 SCRS ベルガ(Belga)&バストス(BASTOS)
1984年、ポルシェはWRCに出場するカスタマーチームのために、当時のトップカテゴリーであるグループB規定に沿って911SCをベースのホモロゲーション車両SCRSを20台製作しました。
一説によると、あまり乗り気でなかったポルシェAGに対して、当時ロスマンズタバコのスポンサードを受けていたプロドライブのデビット・リチャーズが積極的なアプローチをしたことで渋々間に合わせで造った(笑)みたいな記事をRally&Classics誌で読んだ覚えがあります^^;
ちなみに、ベルガ(Belga)もバストス(BASTOS)もどちらもタバコメーカーですね。911SCRSに限らず、この時代のヨーロッパのレースシーンではBelgaもBASTOS欠かすことのできないスポンサーですね♪
1967年 フォルクスワーゲン T1トランスポーター(Volkswagen T1 Transporter(BUNKER))
そして、さっきから後ろにチラチラ見えていたと思いますが(笑)、前回にも誌面で登場していた“T1トランスポーター”。実は実車にも会っていました~♪
こちらも積載されている550 Spyderと合わせて、STATE OF ARTのクラシック ポルシェ コレクションからの展示車両のようです。
車両解説によると、ポルシェ搬送のためにオランダのベルフエイク(Bergeijk)にある“FRANKY'S Classic Car Service”にて、T1を1.40mストレッチしたとあります。
年式的にみると、1967年というと既にレンシュポルトは910の時代なので、後年になってリメイクされた個体のようです。
現役当時はこのようなカラーリングの“T1トランスポーター”もあったようですね。
1955年 550スパイダー 1500 RS(550 Spyder 1500 RS)
STATE OF ARTの車両解説によると、この550Spyderは1956年のタルガフローリオでウンベルト・マリオーリのドライブで出場し、フェラーリやマセラティなどの並み居る強豪を抑えて総合優勝を果たした個体だそうです。
STATE OF ARTは3台の550を所有していますが、大きめのラウンドしたウインドスクリーンとヘッドフェアリングを備えたこの白い550は以前から結構気になっていました。
シルバーの550も王道でいいですが、ソリッドカラーの550も自分は好きです♪
今回のレポートは以上になります。最後にもう一度だけ言いますが、この内容でポルシェ展の前座です!!( @o@)/
次回はAOTUWORLD(オートワールド)の常設展示コーナーの気になったクルマを年代を追ってレポートしたいと思います。
欧州自動車博物館巡りの旅は、充実のPROTOTYP Museumの余韻に浸りながら、
ハンブルク市街地方面へ向けてメガーヌを走らせます。今回のレポートにはミュージアムは出てきませんが、ちょっといつもよりは旅ブログらしい(笑)内容になっているかも・・・^^;
(※ミュージアムは出てきませんが、相変わらず長文です)
PROTOTYP Museumのある赤レンガ倉庫街を抜け、ハンブルクの中心部にあるアルスター湖を横目で見つつ・・・
アルスター湖に大きなクリスマスツリーが見えます♪
ハンブルクの市街地へ、やってきました。
近くの駐車場にメガーヌを置いて、少し街歩きをすることにしました。
と言っても今日はこの旅でドイツ最終日、どうしても行っておかなければならない所があります。それはこちら↓ドイツの大型家電量販店“SATURN”。
ドイツ版ヨドバシカメラとでも言うべきか・・・^^;
ドイツ国内の中核都市の中心部には大抵“SATURN”があります。また、最近は海外展開も始めたのか、旅の初めに立ち寄ったミラノ中央駅にもSATURNが進出していました。
なぜココなのかというと、家電量販店なので当然メディアソフトも取り扱っていてます。ここの音楽CDコーナーの試聴機はパッケージ裏のバーコードをかざすと曲の一部が聞けるタイプで、店内のすべてのCDが視聴できるのです。なので、僕はドイツに来るとSATURNでドイツミュージックを発掘して買って帰ります^^;
今回は、12/28当時のランキングチャートからお気に入りのアルバム3枚↓を購入。
画像左から順に(アーティスト名 / アルバムタイトル)
左:FRIDA GOLD / LIEBE IST MEINE RELIGION
中:Ina Muller / 48 (※アーティスト名の u はu+ウムラウト)
右:GLASPERLENSPIEL / GRENZENLOS
FRIDA GOLDは以前、日本のラジオ局(J-wave)でも↓の曲「wovon sollen wir träumen」が流れていたので、アーティストとしては知っていましたが、他の2アーティストは今回新たに発見できてよかったです♪
今回見つけたアルバムからのお気に入り楽曲としては、
FRIDA GOLD 「LIEBE IST MEINE REBELLION」
Ina Muller 「Wemm du nicht da bist」
GLASPERLENSPIEL 「NIE VERGESSEN」
そして、僕がドイツの音楽シーンに興味を持つきっかけになったアーティスト“UNHEILIG(ウンハイリッヒ)”もアルバムが出ていたので購入しました♪
UNHEILIGは、ジャンルで言うとゴシックロックとかいうらしいですが、荘厳な楽曲と独特のボーカルが魅力的なアーティストです。ゴリゴリな感じの激しい楽曲もあれば、荘厳でメロディアスな楽曲もあります。ドイツに行って、新しいアルバムが出ていたら必ず買っているような気もします^^;
UNHEILIG 「SO WIE DU WARST」
どの楽曲もドイツ語独特の語感とメロディーラインとの調和がカッコ良く、やはりドイツの音楽シーンは目が(耳が?)離せません!爆
ドイツ最終日ということで、ドイツで買ったクルマ雑誌についても振り返っておきます。今回のドイツ滞在中に買った雑誌はこちら↓
ではドイツミュージックをBGMに1冊ずつ見ていきましょう^^;
“powerslide”誌
主にヒストリックレーサー専門の雑誌で2ヶ月に1回の発刊のようです。メインの特集記事はポルシェミュージアム後編にも登場した911カレラRSRターボ2.1と
フェラーリ500モンディアル
当時フェラーリのエンジニアだったアウレリオ・ランプレディの開発した2リッター 直列4気筒エンジンを搭載した50年代の4気筒レーシングフェラーリ。当時のフェラーリのネーミング手法にしたがって1気筒当たりの排気量から“500”の名称がつけられています。この時代のレーシングフェラーリは、ロッソコルサ(赤)のボディに濃紺のバケットが付けられている個体が多くみられ、赤系と青系という一見タブーとも思える組み合わせを非常に上手く組み合わせて、コンペティティブな雰囲気を造りだしていますね♪
この他に、Gr.5時代のシルエットフォーミュラ特集(BMW 3.0CSLなどなど・・・)の記事もありました。
“PORSCHE KLASSIK”誌
こちらはクラシックポルシェ専門の季刊誌。次回発刊は5月だそうです。
特集は、まず356と901比較記事があり、
図面なども持ち出して、技術的な考察を展開しているようです^^;
ヨーロッパのクラシックカー系雑誌では図面を交えた考察はよく見られますが、こういった記事はやはりエンスージアストにはたまらないですよね!以前、“Mercedes Classic”誌を買ったときは、綴じ込み付録に300SLの図面が付いてきたこともありました^^;
また、「911 LOVE」という著書の企画では世界の代表的なポルシェオーナーとして・・・
日本のあの方やアメリカの著名な某コレクター氏なども乗っていますね♪
'73年の911カレラRSRに関するコラムや
356Pre-Aのクーペ&カブリオレ特集に
2013年のミッレミリアに出場したポルシェミュージアムの550の参戦記事
など、盛りだくさんの内容になっています。
このクオリティで四半期ごとに手に入るなんて、羨ましいですね♪
“VW CLASSIC”誌
文字通りフォルクスワーゲンのクラシックモデルに的を絞った専門雑誌で、特に空冷に限定していることはなくゴルフⅡなども取り上げているようです。
当初はパラパラと立ち読みしていて、気になるクルマがあったら買おうかなくらいに思っていたのですが、メチャクチャ気になるクルマ↓が載っていました!爆
トランスポーター T1
なんとあのフォルクスワーゲンT1を使ったポルシェのレーシングトランスポーターの記事が掲載されていました!このトランスポーターに関する資料なんて、探してもなかなか出てくるものじゃないので、これは買わない訳にはいかないですね^^;
現在は、912の空冷フラット4(90馬力)が搭載されているようです。
“Motor Klassik”誌
ドイツの自動車雑誌“auto motor und sport”のクラシックカー専門誌。こちらは月刊誌になります。
特集は「Turbo - Helden」。直訳すると「ターボヒーロー!」笑
930ターボ,アウディ クアトロ,BMW 2002ターボの比較特集ですね!まぁ、ヒロイックな3台なことには異論はありません^^;
この雑誌で気になったもう1つの記事が、この↓メルセデスのグランプリカーW25特集
戦前の1934年に750kgフォーミュラ規格に則り開発されたW25グランプリカー。3.3リッターの直列8気筒エンジンを搭載しています。こういった戦前のグランプリレーサーの特集記事を月刊の雑誌で読めてしまうのは、やはり自動車発祥の地であり自国にモータースポーツ文化が戦前から根付いていたからなんでしょうね。
再びハンブルクの街歩きに戻り、ハンブルク駅構内の売店でブラートヴルスト(焼ソーセージ)を購入!
これもドイツの味の1つです。一見ソーセージを挟んだサンドに見えますが、パンは“おまけ”です^^;
売店では数種類のブラートヴルストが売られているので、その中からお気に入りを指さして購入します。すると「パンは付ける?」「マスタードは?」などと聞かれ、このようなカタチで出てきます。もちろん、味は美味いに決まっています!ホントドイツの肉類は美味いっす^^;
駅を出ると、駅前のシュピタラー通りもクリスマス一色でした!
市庁舎をはじめとした周辺の建造物もライトアップされて綺麗ですね。
ハンブルクは港湾都市で、街中に運河が張り巡らされているので、ライトアップされた歴史的建造物と水面に移る街明かりがとてもロマンティックな風情を作りだしていました♪
駐車場に戻ると夕方の混雑が嘘のように、メガーヌがポツンと1台だけになっていました。
出口へ向かう途中でシロッコと996(柱の向こう側)を発見。クルマ好きは夜更かしが多いのか・・・^^;
少々、名残惜しいですがドイツをあとにすることにします。
明日はもう隣国ベルギーで目的のミュージアムが待っています♪
途中、ブレーメン近郊のヴィルデスハウゼンPA(Wildeshausen PA)で今回の旅で初めての給油をしました。
ディーゼルのメガーヌクーペは、シュトゥットガルトから無給油で849.9kmを走り、残り1メモリとなりました。GSは“ARAL”、ドイツではよく見かけるブランドです。51.40リッターの軽油を飲み込んだので、燃費は16.54km/Lということになりますね。ほぼ高速移動ですが、130km/hでの巡航に速度無制限区間では150~160km/h前後で巡航していたことを考えると驚異的じゃないでしょうか。
ちなみに、随分あとになって知りましたが、このメガーヌには1.6リッター(130馬力)のターボディーゼルユニットdci130が搭載されています。130っていうからてっきり1.3リッターかと思ってた^^;
MTを生かせてバッテリーやモーターによる重量増の懸念もないクリーンディーゼル。これで一気に自分の中でディーゼルの株が上がりました。僕はトルコン車の発進時のもっさり感(ラグ)がどうしても我慢できず、昨今の日本国内の新車ラインナップを見るたびにMT車の選択枠の狭さに、げんなりして新車への興味を全く失っていました。そんな中、トルコンATが主流の環境車の台頭にMT大国の欧州はどう思っているのかと気になっていましたが、欧州はこのクリーンディーゼルで向こう何年かの解決策は出せているようにさえも思えました。
ドイツミュージックからクリーンディーゼルまで、一見脈略のないブログのようですが広義の意味で見れば、全て現在のドイツ(クリーンディーゼルは欧州全域も含むか・・・)を現しているということで、ドイツ最終日を飾るには良かったのではないでしょうか。爆
やっぱりドイツは好きだ―!!
次回はいよいよ、次の目的地ベルギー ブリュッセルに到着します!
欧州自動車博物館巡りの旅 PROTOTYP Museum編も、いよいよ最後になりました!
今回は、PROTOTYP Museumで3/16まで行われている企画展示“50 JAHRE PORSCHE 911 (ポルシェ911 50周年記念展)”の模様をレポートします。
1964年 356C 2000GS カレラ2(356C 2000GS Carrera 2)
まずは911以前のモデルである356から、振り返ってみましょう。356はフェリー・ポルシェのアイディアによりフォルクスワーゲンの部品を基にして造られたポルシェ社初のスポーツカーで、1947年~1966年までの間に76,000台以上の356が造られました。
このカレラ2(Carrera 2)は356シリーズの中において最上位グレードであり、ポルシェの市販車として初めてディスクブレーキが採用されました。エンジンはローラーベアリングを採用した4カムユニットで、このレーシングエンジンは当初550スパイダーのために開発されました。この4カム カレラユニットは、911のために新しく開発された6気筒エンジンとほぼ同等の出力を発揮しました。しかし、このエンジンの構造は複雑を極めたため、熟練のメカニックさえも自暴自棄に追いやりました。
1959年 754 “T7”
このクルマは911の開発期間中のもので、BMW507のデザインを手がけたアルブレヒト・フォン・ゲルツ(Albrecht Von Gortz)によってデザインされたモデルだそうです。ポルシェは、このような様々な草案を検討しました。しかし、356よりも大きなクルマを作り上げるという必要条件のもとデザインされた結果、ほとんど4シーターカーになりました。
このタイプ754でフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェと彼の設計陣は頭角を現しました。リヤセクションは、356のスポーティでエレガントな造形とは無縁のカタチをしていましたが、フロントセクションには既に後の911のデザインが見られます。その辺りからも、754 “T7”は911の祖先と考えることができます。
この角度から見ると後部座席も含めた居住空間が広くとられており、超ルーミー(笑)な4シーターカーと呼ぶにふさわしいカタチがよく解ります。ちなみに、754はポルシェミュージアムの所有車ですね。
1965年 911 2.0タルガ プロトタイプ(911 2.0 targa prototyp)
1964年の試験にて、901のコンバーチブルは充分なボデー剛性を確保できることが示されました。そこで、このボデーバリエーション“タルガ(targa)”が追加されることになりました。また、スチール製のセーフティバーによってコンバーチブルモデルの安全面での問題も解決しました。
この“タルガ(targa)”という名前は、快晴のシチリア島で行われる公道レース“タルガフローリオ”を思い起こさせると同時に、イタリア語で“盾”の意味を持ち、安全バー付であることをほのめかす名称となりました。
このクルマは現存する911タルガの中でも最も古いモデルで、セーフティバーに備えられたポルシェのエンブレムが特徴的な初期のテストカーだと言われています。また、プラスティック製のリヤウインドウはこの状態からさらに開けることができ、これは1967年~1969年まで生産された初期のタルガの特徴でもあります。
1966年 912クーペ (912 Coupe)
当初ポルシェ912の4気筒エンジンは、911の6気筒エンジンをベースに開発される予定でした。しかし、コスト面から最終的には356SCの4気筒エンジンに手を加えて採用されることになりました。
視覚的に912は、ほとんど911と区別がつかないがインテリアにおいてはダッシュボードに模造チーク材が使われていないことや、911のウッドステアリングホイールに対するプラスティック製ステアリングホイール、911の5連メーターパネルに対する3連メーターパネルなどの面で違いが見られました。
1989年 911ターボS 10/10 (911 turbo S 10/10)
1975年~1989年の間、ポルシェ911ターボ(社内コードネーム タイプ930)は911シリーズの最上位グレードに位置し、1990年にタイプ964の911ターボに置き換えられました。
ポルシェはタイプ930の生産最後の10台を、当時のフランスのポルシェ輸入代理店“ソノート(SONAUTO)”向けの限定車として送り出しました。そして、これらの限定車には、例えばプロトタイプの部品を使用するなどの特別な仕様が施されました。この展示車には、959と同様の座席を使用した特別なインテリアが与えられたそうです。
1993年 911(964) カレラRS 3.8 (911(964) Carrera RS 3.8)
911の開発から30年、オリジナルの2,000cc 6気筒エンジンは3,600ccで排気量拡大範囲の限界に達したと、誰しもが思っていました。しかしカレラRS 3.8は、それがまだ限界でないことを証明しました。このクルマはレース仕様の911カレラRSR 3.8をベースに設計され、ストリートヴァージョンとクラブスポーツヴァージョンの2種類が一般向けに販売されました。
1996年 911カレラ(993)ポリスカー (911 Carrera (993)POLIZEI)
1996年7月15日、フェリー・ポルシェと前ポルシェCEOのヴェンデリン・ヴィーデキングは、シュトゥットガルトの連邦州であるバーデン・ヴュルテンブルク州に対して、このカレラ ティプトロニックSのポリスカーを贈呈しました。このカレラは、ポルシェが1948年から生産を始めて1,000,000台目のスポーツカーだそうです。ちなみに、このクルマもポルシェミュージアムの所有車になります。
2004年 911(996) GT3 RS
2003年、ポルシェは911(996)GT3クラブシュポルトシリーズからGT3 RSという限定モデルを発売しました。このライトウエイトヴァージョンは、1970年代初頭にモータスポーツ界で数々の成功を収めたカレラRS2.7を思い起こさせました。また、視覚的にもカレラRSに貼られていたカラードストライプに“GT3 RS”のロゴが入れられたものが採用されています。
この企画展では911ロードカーの歴史と合わせて、歴代911シリーズのなかからモータースポーツで活躍したクルマ達も展示されています♪
1965年 911 2.0ラリー (911 2.0 Rallye)
ラリーにおいても911は成功を収め、GTクラスのランキングを支配しました。911のモータースポーツデビューから1年後の1966年には、ギュンター・クラスが市販車改造クラスであるグループ3の911Rでヨーロピアン ラリー選手権に挑み、制覇しました。
また、1967年2月4日にヴィック・エルフォードはノーマルの911でさえも勝利を挙げることができると証明しました。彼はイギリス ケント州のライデン・ヒル サーキットで生まれたモータースポーツ “ラリークロス”の最初のレースに911で出場し優勝しました。この911はイギリスのポルシェ輸入代理店“AFN”から借り受けたクルマでした。
展示車の911“Rallye”は、プライベーターが市販モデルの911をどのようにしてラリーカーにモディファイしたかを表した実例になります。
欧州では、現在でもヒストリックラリー選手権などにナローやSCなどで激しい走りを繰り広げながら(笑)参戦しているエントラントが多数いますが、このようなセオリーで仕上げられた911なら、ターマックでもグラベルでも頼もしそうですね♪
個人的にはラリーな911、大好物です^^;
1973年 911カレラ RSR 2.8(911 Carrera RSR 2.8)
1973年に911カレラRS2.7をベースとしたグループ4車両として約50台が造られました。このクルマは“RSR(Rennsport Rennwagen)”の呼称が初めて使用されたポルシェでもあります。モータースポーツのために設計されたRSRには、幅広のフェンダーとより大きなエンジンが採用されました。また、カムシャフトのタイミングが見直され圧縮比も高められた結果、出力もカレラRS2.7の210馬力から300馬力まで高められました。
RSRはモータースポーツにおいて、1973年シーズン初頭にピーター・グレッグとハーリー・ヘイウッドのドライブでデイトナ24時間レースを征したのみでなく、その年のヨーロピアンGT選手権、及びタルガフローリオでも成功を収めました。
この個体は現在でも積極的にサーキットを走っているようですね。ミュージアムコンディションの新車のようなクルマも良いですが、自分はこんな感じの走り込まれた個体の方が好きだったりします♪
ナローでサーキット遊びをされている方々に向けて少しディテール多めで・・・^^;
サイドウインドウはアクリル製のスライド式に換えられているようです。
リヤウインドウも補強バーやエアベントの取り付け方を見るとアクリル製のようですね。
また、ニュルブルクリンク24時間耐久での活躍や昨年ポルシェAGと組んでWECにも出場した名門レーシングガレージ“マンタイ レーシング(MANTHEY - Racing)”のステッカーが貼ってあるのが見えますね♪ マンタイでメンテを受けている個体でしょうか。
直管のレーシングエキゾーストが、当時の908/03などと同様のエンド処理が施されていてカッコイイですね!
そういえば、このカラーリングの“ベース車”を持っていてRSRにしたい人がいたような・・・いなかったような・・・爆
1977年 935
935は911ターボをベースに当時のFIA グループ5規格に則って造られたファクトリーレーシングカーとして1976年に製作されました。ポルシェは、これをアメリカのIMSA GT選手権やドイツ レーシングカー選手権(DRM)などの世界選手権に出場している顧客達に提供しました。13台の935には、シングルターボのType 930/72型エンジンや4速ギヤボックス,空水冷インタークーラー,そしてシングルヘッドライトのフラットノーズが与えられました。
この展示車両は、ユルゲン・ノイハウスやヨッヘン・マスのドライブによって、数回のポディウムを獲得しました。1977年にはヨッヘン・マスがこの935を駆り、ニュルブルクリンクで優勝を挙げています。1981年にモンツァでの火災を伴うクラッシュの後に、新しいエンジン(Type930/78-1)と共にクレマーK3(Kremer K3)のボディキットに換装されました。
このように、クラッシュをきっかけに後年のエボリューションモデルにコンバートされるエピソードはレーシングカーならではで興味深いですね♪
1986年 959 Paris - Dakar
1986年に、ポルシェはテストの一環として数台の959をパリ‐ダカール ラリーに出場させました。この959には、6速ギヤボックスや電子制御式4輪駆動システム,ツインターボが搭載されました。また、空冷のエンジンには水冷のシリンダーヘッドが組み合わされ、レギュラーガソリンで400馬力を発揮しました。
ポルシェミュージアム後編に登場した“♯186”号車はレネ・メッジ&ドミニク・ルモイヌ組の優勝車でしたが、こちらの“♯185”号車は2位に入ったジャッキー・イクス&クロード・ブラッスール組の車両です。
どちらもポルシェミュージアムの所有のようですが、♯186号車は破損したフロントバンパーなども当時のまま保存されていますが、この♯185号車はフロントノーズの冷却孔が塞がれて(ノーマル959の部品で補修か?)いたり、フード上に“40 Jahre 911(911 40周年)”のレタリングが入れられていたりと、ちょっと?仕様なので一瞬レプリカかと思いましたが、内装やリヤウイング下にボデーからはみ出して装着されるインタークーラーなどパリダカ車を裏付けるディテールも見られます。
ポルシェミュージアムでの位置づけとしては、イベントなどで走らせる動態保存用の車両なのかな・・・
1998年 911 GT1'98
1996年、ポルシェは1988年以来のファクトリーチームを編成して、水冷エンジンをミッドシップに搭載した911GT1でルマンに戻ってきました。しかし、1996年及び1997年は、TWRポルシェ(WSC Spyder)で出場したポルシェのカスタマーチーム“ヨーストレーシング”に総合優勝を持っていかれました。
そこでポルシェは1998年のルマンに、このポルシェ初のカーボンファイバーコンポジット製モノコックを採用したGT1'98を持ち込みました。レース中盤の日曜日の朝、2台のGT1'98はどちらもガレージに入るピットインがあり、GT1'98のレースは終わったかに見えました。しかし、最後の数時間で幸運にも恵まれ、ステファン・オルテリ,ローレン・アイエロ,アラン・マクニッシュ組とヨルグ・ミューラー,ウベ・アルツェン,ボブ・ウォレック組のポルシェ2チームが最初にフィニッシュラインを通過することになりました。これはポルシェにとって通算16回目のルマン総合優勝となりました。
ちなみにポルシェミュージアム特別編に登場する“911GT1ストリート”は、このGT1'98のロードゴーイングヴァージョンです。このGT1カテゴリーが生んだ一連の911GT1シリーズは、911一族の中では唯一のミッドシップマシンですね。後ろから見た姿は、もはやプロトタイプカーの域ですが、911(996)のコンビネーションランプが申し訳なさげに収まっているあたりが、ベース車の存在をうかがわせていますね^^;
PROTOTYP Museumで行われている“50 JAHRE PORSCHE 911 (ポルシェ911 50周年記念展)”のレポートは以上になります。
やはり、“911”は偉大ですね。ちょっと、掻い摘んで歴史を振り返っただけで膨大な読み物になってしまいました^^;
そして、外はすっかり夕暮れになっていました。
次回はハンブルクからいよいよドイツを飛び出して、今回の旅のメインである某ミュージアムのある街へ向かいます♪
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