お久しぶりです!すっかり暑い日が続き更新も滞り気味ですが・・・引き続き、欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015“ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”パート2では、珠玉のフェラーリ GTカーとスポーツカー(プロトタイプカー)をレポートしていきます♪(例にもれず長くなっていますので、お時間に余裕をもってどうぞ~^^;)
1964年 フェラーリ 330 P(Ferrari 330 P)
“330 P”は、3.3リッターエンジンを搭載するスポーツカー(プロトタイプカー)“275 P”に、4リッターエンジンを換装したモデルでファクトリーチーム及び、プライベーターによって1964年シーズンを戦いました。
“330 P”と“275 P”はエンジンが異なるのみで、1964年中に両車のシャシは僅か3台が製作され、出場するレースの特性に合わせて3.3リッターエンジンと4リッターエンジンを使い分けていました。
パワーユニットは、ボア径 × ストローク:77mm × 71mm,3,967cc,370馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンを搭載した“330 P”は、最高速度265km/hを実現したようです。
フェラーリのミッドシップ スポーツカー(プロトタイプカー)として開発された“Pシリーズ”の初期のモデルで、“275 P”も3リッターエンジンの“コロンボユニット”を搭載する“250 P”から発展したクルマになります。
これ以降、“Pシリーズ”は“330 P2”⇒“330 P3”を経て、1967年の“デイトナ24時間レース(Daytona 24 Hours Race)”で1-2-3フィニッシュを飾った伝説的な名車“330 P4”へと発展していきます。
'60年代は、まだ空力的な面でもロードカーとレースカーの境界線が曖昧だった時代で、流麗で美しいボデーラインが見られます!
また、当時のイタリアンレーサーのセオリーともいえる外装にロッソコルサ(赤)、そしてシートにアズーロ(青)の配色が良い雰囲気ですね♪
1973年 フェラーリ 365 GTB4 “デイトナ” Gr.4(Ferrari 365GTB4 "Daytona" Gr.4 S/N:16363)
365GTB4“デイトナ”のカスタマー向けコンペティションモデルは、1971年~1973年の間にシリーズⅠ~シリーズⅢの3つの仕様が、それぞれ5台ずつ製作されました。
このモデルは、1972年の“トゥール・ド・フランス・オート(Tour de France Auto)”に勝利したのを皮切りに、1972年,1973年,そして1974年のルマンでもクラス優勝を挙げています。また、1979年の“デイトナ24時間レース(Daytona 24 Hours Race)”でも2位に入るなど、長きにわたって活躍しました。
パワーユニットは、ボア径 × ストローク:81mm × 71mm,4,390cc,370馬力のバンク角65°V型12気筒エンジンを搭載して、最高速度290km/hを実現しました。
今回の展示エリアは、すべてのクルマが甲乙つけがたい珠玉のフェラーリ達ですが、中でも時を忘れていつまでもその場にいたい!と思ったクルマが2台あります^^;
この“デイトナ Gr.4”が、まずその1台です。この個体(S/N:16363)は、いわゆる“デイトナ コンペティツィオーネ(レース仕様 = Gr.4)”のシリーズⅢとして、1973年に製作された5台のうちの1台で、フランスの電機メーカー“トムソン(THOMSON)”のスポンサードで、同じくフランスのプライベーター“シャルル ポッジ(CH.POZZI)”からルマンに参戦したクルマです。
“デイトナ Gr.4”とロードカーとの違いは、多岐にわたりますがエクステリアだけを見ても、フロントフード上の整流フィン↓や
バンパーレス化によりグリル下端まで覆うように装着されたプレクシーグラスのヘッドライトカバー↓
リヤもフロント同様にバンパーレス化され、トランクリッドを留めるラバーラッチ↓がコンペティション風情を醸し出しています。
また、エキゾーストパイプはサイド出し↓となり、
しかしトレンドマイクロ↑って・・・あのウイルスをバスターする奴じゃね?後年になって、クラシックレースイベントか何かの際に貼られたモノでしょう・・・^^;
そして、前/後7.5Jから前9J/後11Jへと拡大されたホイール&タイヤを収めるために、前後ともにオーバーフェンダーが設けられています。
1974年 ディーノ 308 GT4/LM(Dino 308 GT4/LM S/N:8020)
ベルトーネ(Bertone)によってデザインされた“Dino 308 GT4”は、V8エンジンと2+2のシートレイアウトを備えて、1973年に“ディーノ(Dino)”のナインナップに追加されました。
この展示車両は、ルイジ・キネッティ(Luigi Chinetti)の立ち上げた有名なレーシングチーム“ノース アメリカン レーシング ティーム(North American Racing Team = N.A.R.T.)”によって独自に製作されたレース車両で、1974年のルマン24時間レースに出走しました。
パワーユニットは、ボア径 × ストローク:81mm × 71mm,2,926cc,280馬力のバンク角90°V型8気筒エンジンを搭載して、最高速260km/hを実現しました。
そして、時を忘れていつまでもその場にいたい!と思ったクルマ第2弾がこの“ディーノ 308 GT4/LM”です^^;
この個体(S/N:8020)は、正に前回のレポートで、自分が“フェラーリ × アメリカ”といえば即座に浮かぶと言っていた、ロッソコルサ(赤)の車体にアメリカのナショナルカラー(白&青)のストライプが特徴的な“N.A.R.T.”の車両の1台になります!
ロードカーの“ディーノ 308 GT4”と言えば、ベルトーネ特有のウエッジシェイプが効いた直線基調のボデー↓が特徴的ですが、
※日本自動車博物館にて撮影
まず、フロントバンパーレス化に伴いリトラクタブルライトを廃止し、グリル内に固定式ヘッドランプの移設↓
ロードカーではブラックアウトされているフロントフード上のエアアウトレットはグリルレス化され、補強のためのタワーバーらしきモノ↓が見えています。
そして、最も派手にモディファイされている部分が、この↓リヤセクション^^;
ロードカーの7Jから10.5Jに拡大されたホイール&タイヤを収めるためのブリスターフェンダーをはじめとして、
通常、ロードカーではエンジンルームとトランクリッドで分割されている開口部を一体化し、そこに放熱孔を配置↓
更には、後端から大きくはみ出る様に、大型のスポイラーが追加されています!
コクピット内を覗いてみると、色々とレース用のアイテムが設置されてはいますが、2+2のシートレイアウトが、そのまま残されているようです。
また、左ドア後ろのボデーを切りぬいて、外部から一目でオイルレベルが分かるような細工↓が施されているのが、レースカーならではで面白いですね^^;
1990年 フェラーリ F40 LM(Ferrari F40 LM)
“F40”は、「ロードカー的なスタイリングをまとった(公道走行が可能な)過激なレースカー」として発表されるや、瞬く間に伝説となりました。
“F40 LM”は、プライベートレーサー向けのレース車両として開発され、数々のプライベートチームによって、アメリカのIMSAレースシリーズや欧州のBPRレースシリーズを戦いました。
パワーユニットは、ボア径 × ストローク:82mm × 69.5mm,2,936cc,720馬力のバンク角90°V型8気筒ツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速367km/hに達しました。
F40でのレース活動は、この“F40 LM”や後の“F40 GTE”などのほかにも、“F40 LM”をベースに外観をロードカー風にしたレース車両で、イタリアGT選手権へも参戦し圧勝していました。しかし、BPRレースシリーズがスタートした1994年や、ルマンでGT1クラスが主役となった1995年頃には、既に当時の最新マシン(マクラーレンF1 GTRなど)と比べると旧態依然としたシャシ構成などから、次第に後塵を拝するようになりました。
このことが影響してか、後継モデルとなる“F50”のレース仕様車“F50 GT”も開発されましたが、当時の社長 ルカ・ディ・モンテゼーモロ(Luca di Montezemolo)が「フェラーリのフラッグシップモデルがレースで負けるなんて、許されない!」と言ったとか言わないとか(笑)で、計画は白紙になっています^^;
以降、フェラーリのGT1カーは、“550マラネロGTS”,“575M GTC”と、V12エンジンをフロントに搭載したロードカーをベースに製作されています。
1994年 フェラーリ 333 SP(Ferrari 333 SP)
1994年、フェラーリは20年間不在だったスポーツカーレーシングの世界に、この“333 SP”とともに戻ってきました。
このクルマは、F1用をベースとした4リッターV型12気筒エンジンを搭載して、1995年,1997年そして1998年の“セブリング12時間(12 Hours of Sebring)”で勝利を挙げた他、1998年のデイトナ24時間レースにも優勝しています。
パワーユニットは、ボア径 × ストローク:85mm × 58.7mm,3,997cc,600+馬力のバンク角65°V型12気筒エンジンを搭載して、最高速度320km/hに達しました。
ステアリングメーカー“モモ(MOMO)”の創業者であり、当時現役でレース活動もしていたジャンピエロ・モレッティ(Giampiero Moretti)の依頼で、アメリカのIMSAシリーズに向けて、レーシングコンストラクター“ダラーラ(Dallara)”とのジョイントプロジェクトで製作された“333 SP”。
主戦場は正に今回のテーマとなっている“アメリカ”のIMSA・WSCクラスでしたが、ルマンや欧州のスポーツカーレーシングシーンにも参戦を果たしています。
この片側2灯のドライビングランプ↓は改良型のもので、初期型は片側1灯でした。また、後年にルマンに参戦した車両には、ロングテール仕様の個体もあります。
当時のIMSA・WSC及びLMPクラスのマシンは、“ライリー&スコット マークⅢ(Riley & Scott Mk.Ⅲ)”や“クラージュ C34(Courage C34)”などのようなCカー時代のデザインを踏襲した屋根無しプロトカーが多かったのに対して、この流麗なボデーラインを持った“333SP”の存在は、際立っていたのを覚えています。
2011年 フェラーリ 458 GT2(Ferrari 458 GT2)
“458 GT2”は、プライベートチーム向けのレース車両として2011年に導入され、ルマンを含む世界中の国際格式のGTシリーズで、今日まで多くの勝利を刻み続けています。
“458 GT2”は、GT2クラスにおいて2011年,2012年,2013年にワールドチャンピオンを獲得しています。
パワーユニットは、ボア径 × ストローク:94mm × 81mm,4,498cc,465馬力のバンク角90° V型8気筒エンジンを搭載して、最高速度310km/hを実現しました。
欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015“ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”パート2は以上になります。
ムゼオ フェラーリ マラネッロの車両解説は、どれも比較的シンプルでやや淡泊なのですが、今回の展示車はどれもお気に入りと言ってもいいクルマばかりだったので、つい追記が多くなって長くなってしまいました^^;
最後まで読んで頂きありがとうございますm(_ _)m
次回は、フェラーリのロードカー(市販モデル)を中心にレポートします!
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