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2016年01月24日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015 ムゼオ フェラーリ パート4

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015 ムゼオ フェラーリ パート4









こんにちは~

引き続き、欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015をレポートしていきます!
4回にわたってお送りしてきた“ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”編のレポートも、いよいよ最後になりました。

今回はパート4として、ペブルビーチを模したエリアに展示されたフェラーリのワンオフ的なスペシャルモデルを中心にレポートします♪(今回も長編になってしまいましたので、お時間に余裕のある時にどうぞ~^^;)


フェラーリ 166 インター ベルリネッタ トゥーリング(Ferrari 166 Inter Berlinetta Touring)

“166インター(166 Inter)”は、レース用モデルの“166”のストリートヴァージョンで、1948~1950年の間に生産されました。

その際に、いくつかの異なるコーチビルダー(ボデー架装職人)が、フェラーリのために、ボデー製造を手がけました。なかでも、最もエレガントなボデーを架装したのが、この展示されている車両を手がけた“カロッツェリア・トゥーリング(Carrozzeria Touring)”でした。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:60mm × 58mm,1,992cc,90馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンから最高速160km/hを実現しました。

ペブルビーチを再現した凝った展示エリアが災いして、エレガントな横からの画が撮れないのが残念ですが(笑)、まだレースカーとロードカーの境が曖昧だった1940年代独特のフォルムが素敵ですね!


1953年 フェラーリ 166MM スパイダー スカリエッティ(Ferrari 166 MM Spider Scaglietti)

このクルマは、1953年にモロッコ カサブランカのアントワーヌ・コース(Antoine Causse)にデリバリーされました。当初は、ヴィニャーレ製のレース用ベルリネッタ(クーペ)ボデーをまとい、1953年の“ツール・ド・フランス オート(Tour de France Auto)”で6位フィニッシュしましたが、その後ロードアクシデントによって破損したため、修理のためにフェラーリのファクトリーに戻されました。

ファクトリーに戻されたクルマは、破損したベルリネッタボデーを取り除かれ、新たなボデーを架装するプロジェクトが、エンツォ・フェラーリ(Enzo Ferrari)の息子ディーノ(Dino)によって、進められました。

ディーノは、そのプロジェクトをモデナのコーチビルダー セルジオ・スカリエッティ(Sergio Scaglietti)に託しました。このプロジェクトに強く興味を惹かれたセルジオは、この新しいデザインのボデーを架装しました。このデザインは、後の“750 モンツァ(750 Monza)”や“モンディアル”のプロトタイプとなるとても重要なモデルとなりました。


パワーユニットは、ボア径 × ストローク:60mm × 58.8mm,1,995cc,140馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンを搭載しています。

今回の展示で見るまで、この個体の存在は知りませんでしたが、“166”(2リッターV12)の時代に、このスタイリングが出来上がっていたことにビックリしました。

確かに、“Museo Enzo Ferrari Modena(ムゼオ エンツォ フェラーリ モデナ)”パート1でも紹介した4気筒レーサーの“750 モンツァ”や“500 モンディアル”のバルケッタスタイルは、突如登場したような印象がありましたが、このクルマが原型だったということですね。

そして、そのプロジェクトを指揮していたのが、小型車向けのエンジン開発を望んでいたディーノであったことも、“750モンツァ”や“500 モンディアル”が小型の4気筒ユニットを搭載して登場したことに、合点がいきますね♪


フェラーリ 250 GT ベルリネッタ (TdF) (Ferrari 250 GT Berlinetta (TdF))

“250 GT ベルリネッタ(250 GT Berlinetta)”は、GT(グラン トゥーリスモ)カテゴリーへの参戦を目指して開発されました。しかし、僅か約80台のみが製造され、ヨーロッパ市場及びアメリカ向けにデリバリーされたに過ぎませんでした。

このクルマの正式名称は、“フェラーリ 250 GT ベルリネッタ(Ferrari 250 GT Berlinetta)”であり、車名に“TdF”という文字は含まれていません。この“TdF”という名称は、1956~1959年の“ツール・ド・フランス オート(Tour de France Auto)”での輝かしい活躍から、ファンの間で呼ばれるようになったニックネームです。

この美しい姿を保っている展示車両は、フィンランドのレーシングチーム“スクーデリア アスコリン(Scuderia Askolin)”にデリバリーされた個体で、今日でもフィンランドのオーナーのもとで所有されています。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:73mm × 58.8mm,2,954cc,240馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンから、最高速250km/hを実現しました。

“250シリーズ”のコンペティションモデルと言えば、あの伝説的な“250 GTO”が有名ですが、あの“GTO”に続く250GT系コンペティションモデルの始まりは、この“Tdf”と言えます。“Tdf”は、1959年に改良型の“250 GT ベルリネッタ SWB”に進化し、その後“250TR(テスタロッサ)”のドライサンプユニットを搭載した“250GTO”へと続きました。


トーマシーマⅢ(Thomassima III)

“トーマシーマⅢ”は、その名の通りモデナのアメリカ人 トム・ミード(Tom Meade)によって製作された3番目のモデルになります。トム・ミードは、60~70年代のフェラーリに独自の解釈を加えたスタイリングを与えました。

このモデルは、“フェラーリ 250GTクーペ(Ferrari 250 GT Coupe)”をベースに造られたクルマで、彼の作品の中でもっとも有名なモデルでもあります。それは、伝説的なスポーツレーシングカー“330 P4”を、彼なりの最高の解釈でフロントエンジンのクルマとして表現したモデルでした。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:73mm × 58.8mm,2,953.211cc,240馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンを搭載し、最高速200km/hに達したそうです。

パッと見で、なんか“ホットホイール(Hot Wheel:アメリカのミニカー)みたいなクルマだなぁ(笑)”と思ったら、やはりアメリカ的な解釈のもとに造られたクルマでした^^;


フェラーリ コラーニ テスタ ドーロ(Ferrari Colani Testa D'oro)

このクルマは、一人の男が独自の解釈で造り上げたテスタロッサ(Testarossa)です。それは、ルッツ “ルイジ” コラーニ(Lutz "Luigi" Colani)によって設計されました。

このワイルドなクルマには、ターボチューニングで有名なドイツの“ローテック レーシング(Lotec Racing)”の手により、2基のターボチャージャーで加給された水平対向12気筒エンジンが搭載されました。

1991年、アメリカのユタ州 ボンネヴィルのソルトフラット(Bonneville Salt Flats)において、マイク・ストラスバーグ(Mike Strasburg)のドライブによって、触媒付き車両のクラスで351km/hの世界速度記録(World speed record)を樹立しています。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:82mm × 78mm,4,942cc,750馬力のバンク角180°V型12気筒ツインターボチャージドエンジンで最高速351km/hを実現しました。

こちらも独特なスタイリングのクルマですが、未来派デザインで知られるルイジ・コラーニの作品のようです。

コラーニ流のデザインが主体ですが、このような↑“365 GTB/4 デイトナ”と思しきモチーフも確認できます♪


2002年 フェラーリ 360 モデナ(Ferrari 360 Modena)

“360 モデナ(360 Modena)”は、フェラーリとして初めてフルアルミニウム製モノコック構造を採用したロードカーで、以降のフェラーリのプロダクションモデルの礎を築いたモデルと言えます。

アルミニウム製モノコックには、それぞれの箇所に生じる荷重や応力に耐えられるように材質の異なる数種類のアルミニウムが使用されています。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:85mm × 79mm,3,586.2cc,400馬力のバンク角90°V型8気筒エンジンから最高速296km/hを実現しました。

車両解説には特に記述がないですが、この個体は“360 モデナ バルケッタ(360 Modena Barchetta)”というクルマで、当時フィアットグループの会長だったジャンニ・アニエッリ(Gianni Agnelli)から、フェラーリ社長(2002年当時)のルカ・ディ・モンテゼーモロ(Luca di Montezemoro)に結婚祝いとして贈られたワンオフのスペシャルモデルです。

低められた専用のフロントウインドが特徴のこの“360 モデナ バルケッタ”ですが、実は2002年に東京 木場の東京現代美術館で行われた“ARTEDINAMICA 疾走するアート:フェラーリ&マセラティ”展にて、ワールドプレミアされたモデルでもあります。


2007年 フェラーリ 612 スカリエッティ セッサンタ(Ferrari 612 Scaglietti 60th)

“612 スカリエッティ(612 Scaglietti)”の名称は、セルジオ・スカリエッティ(Sergio Scaglietti)に由来して付けられました。セルジオ・スカリエッティは、モデナのカロッツェリア(ボデー架装工房)“スカリエッティ(Scaglietti)”の創業者で、“スカリエッティ”は60年代後半にフェラーリに吸収されています。

“612 スカリエッティ”は、4シーターフェラーリのフラッグシップモデルであり、2011年に“フェラーリ FF(Ferrari FF)”にその座を受け渡しました。

この展示車両は、2007年のフェラーリ創立60周年記念を祝って、60台のみが製作された特別限定モデルで、その60台はそれぞれ異なる独自のディテールで仕上げられました。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:89mm × 77mm,5,748cc,540馬力のバンク角65°V型12気筒エンジンから最高速315km/hに達しました。


続いて、ムゼオ フェラーリ マラネッロの最終セクション“技術展示エリア”を見ていきましょう♪


フェラーリ 360 モデナ(Ferrari 360 Modena)

車両解説は、前述の“360 モデナ バルケッタ”と同じ内容なので(笑)省略しますが、現在のフェラーリ各モデルの礎を築いたアルミニウム製モノコックを初めて採用したクルマとして、クーペモデルも展示されていました。

当時、“F355”からモデルチェンジした際には、その変貌ぶりに驚きが隠せないほどの衝撃を受けた“360 モデナ”ですが、今ではすっかりモダンフェラーリの象徴といった感じになりましたね。

フェラーリ F12 ベルリネッタ ベアシャシ(Ferrari F12 Berlinetta Bare chassis)

このメカニカルコンポーネントは、現在(2014年当時)のフェラーリの最上級モデルに位置する“F12 ベルリネッタ(F12 Berlinetta)”のベアシャシです。フェラーリ最速のロードカーの、通常では見ることのできない詳細なメカニズムを見ることが出来ます。

フロントエンジンでありながら、低重心と優れた重量配分を保証するために小型化され、エンジンルーム後方へと搭載された車両レイアウトがよく分ります。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:94mm × 75.2mm,6,262cc,740馬力のバンク角65°V型12気筒エンジンから最高速340km/hを実現しています。


個人的には、やはりシャシ構造に興味がありますが、フロントには3本のアルミ角断面フレーム↑が使用されていて、エンジン側面からファイヤーウォールに向けても1本角断面フレームが通っていますね。


エンジンルームは基本的に角断面のフレームがメインのフレーム構造ですが、キャビン部分は角断面フレームとプレス材を併用する構造となっているようです。

モノコックの主要な接合部分は線溶接で結合されていますが、中間部分の接合にはリベットが使われています。

やはり、プレス鋼板をスポット溶接で留めてカタチ造る鋼製モノコックとは違い、アルミニウム製モノコックは主要な部分には、角断面フレームを使い強度を出していることが、よく判りますね^^;

フェラーリ FF(Ferrari FF)

“FF”は、フェラーリとして初めて4輪駆動システムを採用したロードカーで、モデル名(FFはフェラーリ フォー:Ferrari Fourの略)の“F”には、4輪駆動と4シーターの2つの意味が含まれています。この4輪駆動システムは、とても高度なシステムでフェラーリ社内で開発されました。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:94mm × 75.2mm,6,262cc,660馬力のバンク角65°V型12気筒エンジンから最高速335km/hを実現しています。


4回にわたってお送りしてきた充実の“ムゼオ フェラーリ マラネッロ”の内容は以上になります。

今回の企画展示は、“夢見るカリフォルニア(California Dreaming)”と題して、アメリカ及びカリフォルニアにおけるフェラーリをメインにした展示でしたが、なかなかユニークな企画設定で興味深い展示だったと思います。

この前に特集した“ムゼオ エンツォ・フェラーリ モデナ”もそうでしたが、欧州の自動車博物館は、このように定期的に企画展を開いて展示内容に変化を持たせることで、何度訪れても面白い点が良いですよね♪

“ムゼオ フェラーリ マラネッロ”を後にして、アベトーネ通りに面したフェラーリ本社の正面玄関にきました。

1日でモデナとマラネロのミュージアムを2件梯子したこともあり、辺りはすっかり日が暮れていました^^;


正面玄関の向かいは、おなじみ“リストランテ カヴァリーノ(Ristorante Cavallino)”です。通常は、この“リストランテ カヴァリーノ”から“ムゼオ フェラーリ マラネッロ”方面へ抜ける道があるのですが、訪れた時は画像左奥↑でフェラーリの新しい施設を建設中で、通り抜け不可となっていました。


“リストランテ カヴァリーノ”の向かいには、“フェラーリ ストア(Ferrari Store)”があります。公式の最新グッズやフェラーリ公認のレアアイテムなどは、ここで購入することが出来ます。

フェラーリストアには、ディーノ 246 gt(Dino 246 gt)↑と、1962年のルマンでオリヴィエ・ジャンドビアン(Oliver Gendebien)/フィル・ヒル(Phil Hill)のドライブによって優勝した“330 TRI/62”のフロントカウル↓が展示されていました!

マラネッロには、この公式のフェラーリストア以外にも個人経営のフェラーリグッズショップが点在していて、個人的には後者の方が年代物の掘り出し物などもあって、結構おもしろかったりします。


ここ↑は、“ムゼオ フェラーリ マラネッロ”のすぐ隣にあるグッズショップ“ウォームアップ(WARM-UP)”です。ここは、グッズ販売のみならずフェラーリの体験試乗プログラムもあって、聖地マラネッロでフェラーリ(新しめのモデルばかりですが・・・)をドライヴすることが出来ます♪

今回はもう時間も遅く、やっていませんでしたが、2011年にマラネッロに来た時には、ここで“430 スクーデリア(430 Scudeia)”をドライブしています^^;

※↑↓ともに2011年撮影

スタッフも同乗で、“ここは良いストレートだらか、ちょっと待って加速だ!”とか“対向車来てないから、前のフィアット抜いちゃいな!(笑)”など、楽しめるように英語でアドバイスしてくれます^^;
そして、このようなアングル↑で、自分が乗った時のオンボード映像をDVDに焼いてくてます!

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015 “ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”編は、以上になります。

次回は、いよいよマラネッロを後にして、次のミュージアムへ向かいます!
2016年01月10日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015 ムゼオ フェラーリ パート3

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015 ムゼオ フェラーリ パート3










お久しぶりです!

前回からだいぶ時間が空いてしまいましたが、欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015“ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”パート3として、銀幕を飾ったフェラーリとロードカーについてレポートしていきます♪(今回もなんだかんだで台数も多く超大作になってしまったので、お時間に余裕のある時にどうぞ~^^;)

前回を読み返したい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/36121715/

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015“ムゼオ フェラーリ マラネッロ編を最初から読み返したい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35903498/

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015を最初から読み返したい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/

では、銀幕を飾ったフェラーリから見ていきましょう!

1970年 フェラーリ 512 S(Ferrari 512 S S/N:1016)

フェラーリは、1970年のスポーツカー選手権に参戦するために“512 S”を開発しました。

この個体(S/N:1016)は、あの有名な1971年の映画“Le mans(栄光のルマン)”のために、スティーブ・マックイーン(Steve Mcqueen)率いる“ソーラープロダクション(Solar Production)”によって購入されたクルマだそうです。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:87mm × 70mm,4,993.53cc,550馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンを搭載し、最高速は340km/hに達しました。

“栄光のルマン”というと、ガルフカラーの“ポルシェ 917K(Porsche 917K)”の印象が強いですが、その正に“対抗馬”(笑)として登場していたのが、この“512 S”でした。この個体(S/N:1016)は、主に劇中の#5号車及び#6号車の撮影に使われたようです。

また、“実際の1970年ルマン”にもスイスのレーシングチーム“スクーデリア・フィリピネッティ(Scuderia Filipinetti)”から出場していて、現在は当時のカラーリングに戻されているようです。


ちなみに劇中で最も印象的なシーンの1つでもあるクロード・オーラック(Claude Aurac)の駆る#7号車の“512 S”が、インディアナポリスコーナーを突っ切って爆発炎上するシーンでは、シャシNo.1024(S/N:1024)のルーフとカウルをローラ T70(Lola T70)のシャシに被せたクルマが使用されたようです。


1964年 フェラーリ 275 GTB(Ferrari 275 GTB)

“275 GTB”は、フェラーリとして初の4輪独立式サスペンションを備えたロードカーでした。そして、先代の“250”シリーズよりもパワフルであり、車両バランスにも優れ、成功を約束されていました。“275 GTB”は、すぐさまセレブリティや王族から称賛されました。そして、当然“ハリウッドの人々”からも称賛されました。

最初のプロトタイプは、“250 GTO '64('64年型ボデーの250GTO)”の製作が終わった直後に造られ、初期の数台はレース用にアルミニウムでボデーが製作されました。

1964年のパリ モーターショーで発表された“275 GTB”は、“ピニンファリーナ(Pininfanina)”によってデザインされた“ファストバックスタイル”を筆頭に“ロングノーズ”,“カットオフテール(コーダトロンカ)”,“流麗で曲線的な造形”、“象徴的なラジエーターグリル”など、直ちに“フェラーリ”と判るスタイルで登場しました。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:77mm × 58.8mm,3,286cc,280馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンから最高速258km/hを実現しました。

この個体は、特に特定の映画で使用されたというわけではないようですが、前述の“栄光のルマン”でもフェラーリ陣営のパドック裏には“275 GTB”の改良型“275 GTB/4”が停まっているシーンが映し出されているほか、スティーブ・マックイーンもプライベートで“275 GTS/4 NART スパイダー”や“275 GTB/4”を愛用していたようです。


また1976年には、“早朝のパリの街をフェラーリ 275 GTBが全開走行する”という短編映画“ランデヴー(C'etait un Rendez vous)”が“フランスの映画監督クロード・ルルーシュ(Claude Lelouch)によって撮られています↓

アウトローな走りもさることながら、この12気筒サウンドには酔いしれてしまいますね^^;

ここで、何やら気配を感じて振り向くと・・・

御大が、こちらに微笑みかけていました(不敵な笑みかも^^;)


続けて、フェラーリのロードカーについて、もう少し見ていきましょう!

1961年 フェラーリ 250 GT カリフォルニア スパイダー “パッソ コルト”(Ferrari 250 GT California Spider “passo corto”)

“250 GT カリフォルニア”は、当時のレース用ベルリネッタ(クーペ)と同等の性能を持ったオープンモデルで、2,600mmのロングホイールベース(LWB = passo lunga)シャシを採用して、1958年から生産されました。

ベルリネッタ(クーペ)が、1960年型から2,400mmのショートホイールベース(SWB = passo corto)シャシを採用すると同時に、“カリフォルニア”もこのSWBシャシを採用するようになりました。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:73mm × 58.8mm,2,953.211cc,280馬力のバンク角60°V型12気筒の通称“コロンボユニット”を搭載し、最高速は230km/hに達しました。

近年ではオークションでの“高値”で話題に挙がることが多い“250 GT カリフォルニア スパイダー”ですがSWBとLWBの違い以外にも、この個体のように直立したヘッドライトを持つ個体と、“250 GTO”のようなプレクシーグラスで覆われたヘッドライトを持つ個体が存在します。後者の方は、アメリカではコルベットのシャシをベースとしたキットカー(Kitcar)も販売されるほどの人気を得ています。

フェラーリ 400 スーパーアメリカ(Ferrari 400 Superamerica)

“400 スーパーアメリカ”は'60年代初期において、パフォーマンス面のみならず、贅沢でもあり、そして他を凌駕する究極のグランドツーリングカーを望んだ限られた顧客のためだけに造らたモデルでした。

そのため、このモデルには顧客の要望に応じた特別な装備や機能が備わっていることが、特徴だそうです。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:77mm × 71mm,3,967cc,340馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンを搭載し、最高速220km/hを実現しました。

“ムゼオ エンツォ フェラーリ モデナ パート1”で取り上げた“500 スーパーファスト(Ferrari 500 Superfast)”は、このクルマの後継モデルになりますね。

1963年 フェラーリ 330 アメリカ(Ferrari 330 America)

“330 アメリカ”は、外観上は“250 GTE 2+2”と同様のスタイリングながら、4リッターのV12エンジンが搭載されています。

この“330 アメリカ”は、50台がアメリカ市場のために製作され、このスタイルのボデーを持つロードカーとしては、最後のモデルだそうです。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:77mm × 71mm,3,967cc,320馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンを搭載し、最高速220km/hを実現しました。

ディーノ 246 GTS(Dino 246 GTS)

“ディーノ(Dino)”シリーズは、エンツォ・フェラーリ(Enzo Ferrari)の若くして亡くなった息子の追悼の意味を込めて名付けられ、ロードカーは1967年に2リッターの“206 GT”からスタートしました。

1969年には、排気量を2.4リッターに拡大した“246 GT”が登場します。展示車両は、取り外し可能なルーフ“タルガトップ”を備えた“246 GTS”と呼ばれるモデルで、1972~1974年の間に生産されました。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:92.5mm × 60mm,2,418cc,195馬力のバンク角65°V型6気筒エンジンを搭載し、最高速240km/hを実現しました。

前後の大型化されたサイドマーカーから一目で“北米仕様”と判るディーノですが、“ホワイト(あえてビアンコではなく^^;)のGTS”というのも北米らしい個体ですね♪

フェラーリ 365 GTB/4(Ferrari 365 GTB/4)

この“365 GTB/4”は、当初プレクシグラスの下に対となる4灯の固定式ヘッドライトを備えて登場しました。

しかし、この方式のヘッドライトは当時のアメリカの車両法規に適合していませんでした。そこで、重要なマーケットであるアメリカ市場の要求を満たすため、ポップアップ式(リトタクタブル式)のヘッドライトを採用しました。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:81mm × 71mm,4,390cc,352馬力のバンク角60°V型12気筒エンジンを搭載し、最高速は275km/hに達しました。

前回の“ムゼオ フェラーリ パート2”で取り上げた“365 GTB4 “デイトナ” Gr.4”のベース車両になります。

フェラーリ 365 GT4/BB(Ferrari 365 GT4/BB)

“365 GT4 BB(ベルリネッタ ボクサー:Berlinetta Boxer)”は、フェラーリのロードカーとして、初めて12気筒エンジンをミッドシップに配置したモデルでした。その12気筒エンジンは、4.4リッターの180° V型が搭載され、1976年に排気量を5リッターに拡大したモデル“512 BB”へとバトンタッチされました。

パワーユニットはボア径 × ストローク:81mm × 71mm,4,390cc,380馬力のバンク角180°V型12気筒エンジンを搭載し、気になる(笑)最高速は車両解説によると“300km/h”だそうです。(あの有名な“302km/h”ではないようです・・・排気量も車両解説では4,990ccになってるし、これもイタリアンジョブか・・・^^;)

しかし、背景の影響か文句なく“ザ・アメリカ”って感じに写っていますね^^;

1987年 モトーレ F40 V8 ビターボ(Motore F40 V8 Bi Turbo)

こちらは“F40”に搭載された2,936cc,478馬力のV型8気筒ツインターボエンジンです。

1995年 フェラーリ F355 チャレンジ(Ferrari F355 Challenge)

この“F355 チャレンジ”は、フェラーリ車でモータースポーツに参加するオーナーをサポートするプログラム“コルセ・クリエンティ(Corse Clienti)”のレースシリーズのために、1995年に造られ、このレースシリーズは、アメリカ、日本、そしてヨーロッパで行われました。

今日では、このレースシリーズ“フェラーリ チャレンジ(Ferrari Challenge)”は、“458 エヴォ(458 EVO)”で行われています。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:85mm × 77mm,3,495.5cc,380馬力のバンク角90°V型8気筒エンジンを搭載して、最高速度290km/hを実現しました。

フェラーリ 550 バルケッタ ピニンファリーナ(Ferrari 550 Barchetta Pininfarina)

この“550 バルケッタ ピニンファリーナ”は、ピニンファリーナ(Pininfarina)の70周年を記念して製作された“550 マラネロ(550 Maranello)”のフルオープン限定モデルです。そのために“ピニンファリーナ”の名が、車名の一部となっているようです。

このクルマの開発コンセプトは、50年代前半の“バルケッタ(Barchetta)”や“スパイダー(Spider)”と呼ばれたクルマ達の思い出を、現代に呼び起こすことにありました。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:88mm × 75mm,5,474cc,485馬力のバンク角65°V型12気筒エンジンを搭載し、最高速320km/hを実現しました。

“550 マラネロ”とアメリカと言えば、2003年の映画“バッドボーイズ 2 バッド(BAD BOYS 2 BAD)”の中でウィル・スミス(Will Smith)扮する“マイアミ市警のマイク(Mike)”の愛車として登場していますね。ただし、序盤のカーチェイスシーンをよく観ると、同じチタングレーメタリック(グリジオ・チタニオ=Grigio Titanio)の“550 マラネロ”と“575M マラネロ”を使い分けている事が判ります^^;

2002年 モトーレ フェラーリ エンツォ(Motore Ferrari Enzo)

こちらは“エンツォ(Enzo)”に搭載された5,998cc,660馬力のV型12気筒エンジンです。

フェラーリ SA アぺルタ(Ferrari SA Aperta)

この限定モデルは、セルジオ(Sergio)とアンドレア(Andrea)2人(SとA)のピニンファリーナ(Pininfarina)を記念して造られた“599 GTB フィオラーノ(599 GTB Fiorano)”のオープンヴァージョンです。

このクルマの特徴は、オープンとされたキャビン後方に“360スパイダー”や“F430スパイダー”などのミッドシップオープンモデルと類似した処理を施し、そこに左右対となる特徴的な“フライング バットレス(飛梁)”が設けられていることです。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:92mm × 75.5mm,5,999cc,620馬力のバンク角65°V型12気筒エンジンを搭載し、最高速は330km/hに達しました。

フェラーリ カリフォルニア T(Ferrari California T)

“カリフォルニア T”は、フェラーリのロードカーとして、あの伝説的なモデル“F40”以来のターボテクノロジーが復活したモデルとなります。また、それと並行して今シーズン(2014年シーズン)からF1にもターボエンジンが復活しました。

また、“カリフォルニア T”は2+2のシート配置と折り畳み式の洗練されたメタルトップを備え、贅沢が約束されたグランドツーリングカーでもあります。

パワーユニットは、ボア径 × ストローク:86.5mm × 82mm,3,855cc,560馬力のバンク角90°V型8気筒ツインターボチャージドエンジンを搭載し、最高速316km/hを実現しているようです。

2008年に発表された“カリフォルニア(California)”のビッグマイナーチェンジモデルと言える“カリフォルニア T”ですが、ヨーロッパで主流のダウンサイジングターボの流れを受けた最初フェラーリのロードカーと言えますね。

前モデルは、ネーミングからも判るように前述の“250 GT カリフォルニア スパイダー”にインスパイアされたデザインコンセプトを採用していましたが、このモデルでは↑フロントフェンダーのキャラクターラインに、ポンツーンフェンダーを採用した'50年代の“250 テスタロッサ”の面影を見ることが出来ます♪

欧州自動車博物館巡りの旅2014⇒2015“ムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”パート3は以上になります。

フェラーリ ロードカーの歴史を“アメリカ”という視点から振り返ってみると、やはり主要マーケットとして、フェラーリのラインナップにも大きな影響を与えていることが判る面白い企画だったと思います。

ロードカー特集ということで、結構あっさり終わるかと思ったのですが、車両解説だけでは物足りず(笑)追記が多くなって、結局長くなってしまいました^^;

最後まで読んで頂いて、ありがとうございますm(_ _)m

次回は、いよいよムゼオ フェラーリ マラネッロ(Museo Ferrari Maranello)”編最後の“パート4”として、ペブルビーチ(Pebble Beach)を模したエリアに展示されたフェラーリのスペシャルモデルを中心にレポートします。
2016年01月01日 イイね!

Happy New Year 2016!!!

Happy New Year 2016!!!










あけましておめでとうございます!!

昨年、一昨年と欧州自動車博物館巡りの旅で、年末年始に日本にいなかったこともあり、年賀状用のイラスト描きをサボっていましたが(笑)、今年はまったり日本で新年を迎えたので、3年ぶりにイラストを描いてみました^^;


まずは、こんな感じの構図にしたいなぁ~

から、背景のこの特徴的な旧コントロールタワーを描き・・・

クルマもやっぱり、このクルマでしょう^^;

ずっと先送り状態ですが、今年は自分のベックもこのタイプのミラーにしたいな!

旧コントロールタワーとベック550をつなぐ路面を描き・・・

最後に、タワーのスポンサー看板を描き加えて終了です。


今年の題材は、ドイツ ベルリン郊外にかつて存在した超高速サーキット“アヴス(Avus Rennen)”の跡地と“ベック 550 スパイダー”です。3年前にベック550描いた時よりは上手くなったかな・・・^^;

本年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m

Posted at 2016/01/01 12:37:52 | コメント(8) | トラックバック(0) | その他 | クルマ

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