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しまえるシューマッハのブログ一覧

2017年03月30日 イイね!

Flying start 2017!!

Flying start 2017!!














こんにちは~

もう4月も目前だというのに、まだたまに吹雪いたりと今年は変な天気ですね。

平日は暖かいのに週末になると寒かったりして、なかなかDIYも進まず、まだ先でいいや。な~んて思っていましたが・・・

2週間前に千葉県の実家に帰った際に、国道14号でアポロキャップさんっぽい914とすれ違って、自分もなんだか無性に550に乗りたくなって(笑)、先週末にMSDの配線を完了させました!

純正の点火ユニットは、エンジンルーム内の左バルクヘッド↓に取り付けられていますが、ここはベックの中でも一番熱抜けが悪く、熱が溜まり易い場所でもあるので・・・

MSDは同じバルクヘッドでも運転席側↓に取り付けることにしました。

まずは、アルミ板でベースを作り

MSDコントロールユニット本体を取り付けます

本当は下の方に隠すように取り付けようかと思っていたのですが、レヴリミットの設定変更の度にシートを外すのもナンセンスなので、運転席と助手席の間に装着しました。

如何にもアメリカン(笑)な“分り易い”感じになりましたが、たまにはこういう分り易いのも良いでしょう^^;

昨年下半期は不調でほとんど乗っていませんでしたが、冬眠していたのでオイルも交換します。

交換したオイルは、シェブロン20W-50。今ではすっかりコストコで買えなくなってしまいましたが、以前に買いこんだ在庫が大量にあるので、とりあえず消費してしまいます^^;

オイルフィルターは日東のT-23(トヨタ用)互換品です。

まずは、何も弄らずエンジンをかけると、アイドリングは1,800rpmに

調子を崩していた昨年は、このセッティングでもアイドルが1000rpm前後で安定せずにストールしていたので、やはり原因はこの↓純正のTELEFUNKEN製点火ユニットの経年劣化だったようです。


とりあえず、アイドル回転数を下げて、


慣らしに使う約10kmのテストコースへ向かいました!

昨年はアイドル時で既に安定せず、アクセルを踏むとモロに後ろから掴まれたようにゴボゴボと加速せずにアフターファイヤばかりがパンパンなる様な“絶不調”のお手本のような(笑)コンディションでしたが、今回は1~4速まで難なく回ります。

MSD装着後のキャブセッティングには、まだ手を付けていないので、若干加速が垢抜けない感じもありますが、良い感じです♪

そのまま、秋田方面に抜ける道を少しお山まで走ってみましたが、お山はまだ雪景色でした^^;


日も暮れてきたので、途中の駅で写真を撮って引き返してきました~


良い写真が撮れたので、ちょっと“christphorus誌”風↓にしてみました^^;


これで、昨年不調に苦しんだ550も完全復活か、まだまだ甘いか・・・

いや、甘くはないでしょう^^;

お山はまだちょっと早いかもしれませんが、今年も550が冬眠から目覚めました!
今年もよろしくお願いします!!

ちなみに、実家に帰った際に久しぶりに銀座のミニカーショップ“アイアイアド カンパニー”に寄ったら、1:87の“VW T1 Renntransporter & 550 spyder (BUNKER)”が特価セール品になっていました♪
Posted at 2017/03/30 23:47:43 | コメント(3) | トラックバック(0) | 整備 | クルマ
2017年03月12日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 5

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 5












こんにちは~

前回はポルシェミュージアムの中でもマニアックな“ポルシェ エンジニアリングとエンジン単体展示コーナー”をレポートした“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015”、今回は本当は前回レポートしようと思っていた'80年代後半から現在まで続くポルシェロードカーの歴史を、満を持して(笑)レポートしようと思います♪(今回も興味深いクルマが目白押しで長編となっていますm(_ _)m)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39404784/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/35064111/



1981年 ポルシェ 911 ターボ カブリオ シュトゥディエ(Porsche 911 Turbo Cabrio Studie)

1980年代初頭、ポルシェのエンジニア達は、後にすぐさま人気となる“あるトレンド”に注目しました。それは“オープントップ ドライヴィング(Open-top driving)”です。

彼らは“911”の最初のコンバーチブル仕様を開発し、そのクルマで初めてターボチャージドエンジンと4輪駆動の組み合わせを試みました。

ポルシェは1981年のフランクフルトモーターショウ(IAA)で、そのアイディアを提唱しました。

パワーユニットは3,299cc,290馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は255km/hに達したそうです。

このクルマも正にポルシェミュージアムならではの個体ですね!一見すると、内外装パールホワイトの装いが、ちょっと気になる程度のターボルックな“SCカブリオレ”のスタディモデルと思ってしまいそうです・・・^^;

事実、前回訪問時にも置いてありましたが、そんな印象だったのかブログでは華麗にスルー(笑)してしまいました!爆

この試みが、後の“953”⇒“959”⇒“964 カレラ 4”へとつながり、ハイスピードドライヴィングにおいても4輪駆動車の優位性を証明するまでになったことを考えると感慨深いですね。

しかし、今日では誰も“4輪駆動車=オフロード用”という認識はないと思いますが、1981年当時に、“カブリオレ”に“4輪駆動”を組み合わせたスタディモデルを展示するというのは、ポルシェの先見性にただただ感心するばかりですね♪


1988年 ポルシェ 959 クーペ(Porsche 959 Coupe)

他の如何なるポルシェにもない、レース(コンペティション)への情熱とハイテクを完全にブレンドしたクルマが“959”です。

“911”をベースに開発されたこの“技術のショーケース”は、自動車レース界で新たに提案されたグループB(Group B)規定に向けて設計され、特別なシリーズとして292台が生産されました。また、以降に生み出されたポルシェの生産車シリーズは、この技術の粋を集めたスポーツカーからの恩恵を受けることになりました。

“959”は、DM 420,000(ドイツマルク)というハイプライスな価格にもかかわらず、瞬く間に完売となりました。

パワーユニットは2,849cc,450馬力の空水冷(ヘッドのみ水冷)水平対向6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は315km/hを実現していました。

こちらが、前述の“911 ターボ カブリオ シュトゥディエ”で示したコンセプトを究極まで昇華させた“959”ですね。当時は折からのバブル景気も手伝って、同じくグループBが産み落とした“フェラーリ 288GTO”から発展した“F40”と併せて、第2次スーパーカーブームを牽引する存在として、注目を浴びましたね!

また、G-モデルの“911”をベースにしたレプリカも登場するなど、Kitcar好きのボクも結構気になるクルマでした。オリジナルは、とても気軽にカスタム出来るような代物ではないので(笑)、こっち(レプリカ)をダート仕様にカスタムして、“なんちゃってダカール仕様”を気取るのも、なかなか面白そうです♪


1990年 ポルシェ 911 ターボ 3.3 クーペ(Porsche 911 Turbo 3.3 Coupe)

約12年間、実質的にほとんど不変のまま存続していた“ポルシェ ターボ”は1990年の秋、“タイプ 964(Type 964)”シリーズの新しい“ターボ”に生まれ変わりました。

この“ターボ”は、より大きなインタークーラーとK-ジェトロニック インジェクション,メタルキャタライザを備えて、出力は320馬力に高められました。それと同時にターボのパワーユニットが、規制の厳しいアメリカの排ガス規則に適合し、有害物質の排出量も削減が図られたようです。

パワーユニットは、3,299cc,320馬力の空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度は270km/hに達しました。


1992年 ポルシェ ボクスター シュトゥディエ(Porsche Boxster Studie)

当時、ポルシェの経営状況は難しい局面を迎えていました。そこでポルシェのエンジニア達は、大胆な攻勢をかける決断をしました。

ポルシェは1993年のデトロイト モーターショーで、世界的にも好評を博すミッドエンジンロードスターのスタディモデルを発表しました。

そのショーカーは、往年の“356 Nr.1 Roadster(356 No.1 ロードスター)”と“550 Spyder(550 スパイダー)”の要素を融合させたスタイリングで登場しました。

このクルマに対する非常に強い反響は、そのまま“Boxster(ボクスター)”の生産へと結びつき、1996年秋に生産が開始されました。

パワーユニットは、2,687cc,228馬力の水冷水平対向6気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度は253km/hを実現しました。

車両解説中にもありますが、生産型に比べてより“356 Nr.1 Roadster”や“550 Spyder”の要素が色濃く反映されていますね。特に、リヤのエンジンリッド(ソフトトップリッド?)とトランクリッドの切れ目は、まんま“356 Nr.1”のそれを連想させますし、全体のフォルムは“718 RSK”的でもあります♪


1995年 ポルシェ 968 カブリオレ(Porsche 968 Cabriolet)

1991年8月、“944”の後継車として“968”の生産がツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)で始まりました。

この4気筒のクルマは、クラス最強のトルクと排気量,そしてティプトロニック式オートマティックトランスミッションを備えていました。そして、そのトランスアクスルによって、素晴らしいレスポンスのエンジンを少ない燃料消費量で堪能することが出来ました。

1995年7月、“968”の生産終了をもって、ポルシェの4気筒スポーツカーの時代は終わりを告げました。※2014年末当時

パワーユニットは、2,990cc,240馬力の水冷直列4気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度は247km/hに達しました。

以前、友人の㌘が“968”のクーペ(6MT)に乗っていたのでよく運転させてもらいましたが、トランスアクスルレイアウトの恩恵からか、正に“高速安定性の鬼”のような車ですね。また、個人的には低速トルクの太さを生かして、アイドリング付近で立体駐車場や都内の狭い道をウロウロするのも結構心地よかった覚えがあります^^;


1995年 ポルシェ 928 GTS(Porsche 928 GTS)

この最終進化形の“928”は、幅広なリヤスポイラーと一続きになったテールライトによって、非常に独特なシルエットに仕上がっています。

このスポーティなスタイリングは、拡大された排気量やグランドツーリングカーとモータースポーツとの親密な関係を強調することに一役買っています。

この“928 GTS”は、4速のオートマティックトランスミッションを介して、快適にロングツーリングをするためには理想的なクルマです。

パワーユニットは、5,397cc,350馬力の水冷V型8気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度275km/hを実現していました。


1996年 ポルシェ 911 カレラ クーペ “ポリツァイ”(Porsche 911 Carrera Coupe "Polizei")

1996年7月15日、とても特別な“911”がツッフェンハウゼンの組み立てラインからロールアウトされました。それは1948年以降、ポルシェによって生み出された100万台目のスポーツカーでした。

フェリー・ポルシェ(Ferry Porsche)とDr.ヴェンデリン・ヴィーデキング(Wendelin Wiedeking)は、この車両を地元バーデン‐ヴュルテンブルク州(Baden-Württemberg)に寄贈しました。

この“タイプ 993(Typ 993)”の“911”は、信頼性が要求される高速警察隊(Autobahn Polizei)のパトロールカーとして、アウトバーンの追い越し車線で車歴の多くを過ごしました^^;

パワーユニットは、3,600cc,285馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンを搭載して、最高速度275km/hで職務をこなしたようです(笑)

ドイツのTVドラマ“アラーム・フォー・コブラ11(邦題:アウトバーンコップ)”では、“タイプ996”の911ポリスカーが登場していましたが、こちらは実際にアウトバーンで活躍した993のポリスカーです^^;


1997年 ポルシェ 911 ターボ 3.6(Porsche 911 Turbo 3.6)

ポルシェファクトリーは、“911 ターボ”のために出力向上策を実施しました。変更点は、オイルクーラーからエンジン制御システム,ターボチャージャー,インタークーラーにまで及び、最高出力は450馬力まで高められました。

この出力が高められたパワーユニットは、“911 ターボ”のレースヴァージョンに当たる“911 GT2”にも搭載されました。

その3,600cc,450馬力の空冷水平対向6気筒SOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度300km/hを実現していたようです。


1997年 ポルシェ 911 GT1 シュトラーセヴァージョン(Porsche 911 GT1 Straßeversion)

“911 GT1 レーシングカー”が、GT1規定の世界選手権への参戦承認を得るには、少なくとも20台の公道走行可能な車両を生産することが、求められていました。

ポルシェは、このロードヴァージョンによって必要条件を満たしました。典型的な“タイプ 996(Typ 996)”のフロントエンドの造形を持ったこの公道仕様車は、ヴァイザッハ(Weissach)のレース部門によって製造されました。また、このロードヴァージョンはDM 150万(ドイツマルク)で販売されました。

パワーユニットは、3,163cc,544馬力の水冷水平対向6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンを搭載して、最高速度310km/hに達しました。

今年(2017年)、FIA GT2カテゴリー向けに開発された“911 RSR”がミッドシップレイアウトを採用したことで話題になりましたが、それまで唯一無二の“ミッドシップ911”だったのが、この“911 GT1”シリーズです。デビューは1996年だったこともあり、開発期間を短縮するため既にクラッシュテストに合格していた“993”のフロントセクションを流用する形で製作されました。

フロントセクションは“993”で、メカニズム的にはCカー“962C”からのキャリーオーバーが多く、フロントフェイスは“996”という、なんとも不思議なクルマですが、ボクはこの“911 GT1”を含めて“GT1”というカテゴリーは、曲がりなりにも(笑)公道走行可能なクルマがルマン(Le Mans)で総合優勝を狙うことが出来た、とてもロマンに満ちたカテゴリーで好きでした。まぁ、最後はほとんどプロトタイプカー顔負けの“名ばかりのGT(笑)”になって、開発競争の激化、コストの高騰から消滅したわけですが・・・^^;


2002年 ポルシェ 911 “サリー・カレラ”(Porsche 911 "Sally Carrera")

2006年の映画“カーズ(CARS)”は、レースカーの”ライトニング・マックィーン(Lightning McQueen)”の物語を描いています。その劇中でライトニング・マックィーンは、時と共に“サリー・カレラ(Sally Carrera:ポルシェ 911)”と恋に落ちました。

2005年に映画のマーケティングの一環として、劇中に登場するキャラクターの実車モデルを再現するプロジェクトが進められました。

この“ポルシェ 911(996)”は、劇中のコミカルなスタイルを再現するために、7か月に及ぶ大規模な改修が施されました。まずホイールベースが短縮され、ルーフラインが持ち上げられました。さらに、ドアやリヤウイング,ガラス類,ヘッドライトからドアオープニングトリムに至るまで作り直されました。バンパーについても、口の形に造りかえられ歯まで再現されています^^;

車両構成要素のほとんど全てと言っていいほどに手が加えられたアニメチックなポルシェですが、今日でも運転することが出来る状態に保たれているそうです。

パワーユニットは、3,596cc,320馬力の水冷水平対向6気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度285km/hに達した?ようです^^;


2003年 ポルシェ カレラGT(Porsche Carrera GT)

カレラGT(Carrera GT)のドライヴィング エクスペリエンス(運転体験)は恐るべきものです。それは、トップアスリートのようなスタイリングにも、このクルマが持つ妥協を許さない性格が表れています。

カレラGTは、近代的なレーシングカーに必要不可欠な、ハイパワー,超軽量なシャシコンストラクション,高水準の安全性といった要素を全て備えています。

当初はルマン(Le Mans)に出場するために設計されたカーボンファイバー製の車体を持つ低重心のミッドシップカーは、特別なシリーズとしてライプツィヒ工場で1,270台が生産されました。

パワーユニットは、5,733cc,612馬力の水冷V型10気筒DOHCエンジンを搭載して、最高速度330km/hを実現しました。

車両解説にもある通り、当初は前述の“911 GT1”の後継レース車両として開発されていました。モータースポーツにタラレバはありませんが、もし“カレラGT”がルマンに出場していたら、アウディが栄華を極めた2000年代のルマンも違っていたかもしれませんね♪


今回は80年代以降、技術革新と共にとどまるところを知らないポルシェロードカーの歴史を、振り返ってきた“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 5”ですが、現在までのロードカーをレポートしたところで今回は区切りとしたいと思います。

 ちょっとフライングしてレンシュポルト的な内容を熱く語った(笑)とこもあり、すっかり長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、いよいよ珠玉のポルシェ達“レンシュポルト(Rennsport)”についてレポートしていきたいと思います♪

2017年03月04日 イイね!

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 4

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 4









こんにちは~

前回は“911”登場以降、'60~'80年代に様々なヴァリエーション展開を繰り広げたポルシェロードカーの歴史を振り返った“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムII”、予定では'80年代後半から現在まで続くポルシェロードカーの歴史をレポートしようと思っていましたが、おまけ企画で入れようと思っていた“ポルシェ エンジニアリングとエンジン単体展示コーナー”のみで結構なボリュームになってしまったので(笑)、今回はそちらの模様をレポートしたいと思います♪(今回も例にもれずボリューミーな内容となっていますので、お時間のある時にどうぞ~^^;)

前回をご覧になりたい方は↓
https://minkara.carview.co.jp/userid/1499353/blog/39309757/

欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015を最初からご覧になりたい方は↓
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まずは、ポルシェエンジニアリングに関する展示からどうぞ~( ^_^)/

1956年 ポルシェ タイプ 597 “ヤークトヴァーゲン”(Porsche Typ 597 "Jagdwagen")

この水陸両用車は、1953年にドイツ連邦軍(Bundeswehr)に採用する軍用車の入札に向けて開発されました。ポルシェは、この“タイプ 597”で新しい領域の開拓を始めました。

“タイプ 597”は地上はもちろんのこと、水上も走行することが出来ます。さらにドライバー選択式の全輪駆動システムによって、オフロードにおいてもオンロードに負けず劣らずの走行性能を備えていました。

ドイツ連邦軍のプレゼンテーションでは、泥で動けなくなった他の競争相手を助けるのにも使われたそうです^^;

パワーユニットは、1,582cc,50馬力の空冷水平対向4気筒OHVエンジンを搭載して、最高速度100km/hを実現していたようです。


フロントのサスペンション形式は、“356”や“VW ビートル”でお馴染みの2組のトーションバーとトレーリングアームを使った方式に見えますが、2組のトーションチューブの間に見えるデファレンシャルが全輪駆動車であることを物語っていますね♪


1994年 ポルシェ シュトゥディエ “C 88”(Porsche Studie "C 88")

中国で“88”はラッキーナンバーと考えられており、ポルシェは北京で行われたモーターショウでこのクルマを発表する際に、この“C 88”というネーミングに決定しました。

このクルマは特に中国市場へ向けて、ヴァイザッハのエンジニアにより4か月掛けて開発され、シンプルな製造方法で優れた品質と走行安全性の実現が可能でした。

しかし結局のところ中国当局は、ポルシェを始め中国での生産を計画したどの外国メーカーにも許可を与えることがありませんでした。

パワーユニットは、1,100cc,48~68馬力の水平対向4気筒エンジンを搭載して、最高速度140~165km/hの性能での販売を計画していたようです。

ポルシェミュージアムを訪れたことのある方ならば、「あ~あのクルマね。」くらいの反応だと思いますが、このクルマ意外と情報が無いんですよね~

自分も今まであまり気に留めていなかったのですが、'94年当時に1.1リッタークラスの水平対向エンジンを開発していたとなれば、その詳細情報が気になりますね♪


2002年 ハーレー・ダヴィッドソン レヴォリューション エンジン(Harley-Davidson Revolution Engin)

1997年以降進行中のハーレー・ダヴィッドソン(Harley-Davidson)との協力プロジェクトのハイライトは、ポルシェが生産準備段階から開発し、2002年以降に“V-Rod”で使用されている“レヴォリューション エンジン”にあります。

このエンジンの市場導入は、審美的なデザインと最新の法規にも適合する現代の高性能ハイパワーエンジンの融合を体現しているようです。

この“レヴォリューション エンジン”は、1,131ccの60°V型2気筒DOHCユニットから117馬力を発揮しました。



ここからはエンジン単体展示エリアをレポートしていきます。このエンジン単体展示、前回訪問時のブログでも何基かピックアップしてざっくり(笑)解説しましたが、実は昨年末(2016年末)に訪れた時には、このエリアは車両展示の一部になってしまっていたので、今回で見納めかもしれません(T_T;)

なので、前回の写真データ(外の雪が少ない方が前回訪問時の写真です^^;)も交えて、1基も漏らさずに解説していきたいと思います!


1963年 ポルシェ ボクサーモータ タイプ 901/01(Porsche Boxermotor Typ 901/01)

この一番最初の“911”のエンジンには、その後の進化の過程において共有されるすべての特徴を既に備えていました。それは回転レスポンスが良く,軽量コンパクト,ドライサンプ方式のオイル潤滑システムを持つ空冷6気筒エンジンで、初期の出力は130馬力でした。しかし、1972年までには、すでに210馬力に高められていました。

展示されるパワーユニットは“911”デビュー当初の、1,991cc,130馬力の空冷水平対向6気筒SOHCエンジンです。


1964年 ポルシェ モータ タイプ 771(Porsche Motor Typ 771)

この空冷8気筒エンジンは、1962~1968年というレーシングエンジンとしては非常に長い耐用年数を誇ったエンジンです。

“904”や“907”,“910”などのレンシュポルトに搭載されたこの強力なボクサーエンジンは、タルガ・フローリオやヨーロピアン ヒルクライム選手権、セブリングなどで勝利を挙げました。

このパワーユニットは、F1カーの“804”に搭載された“タイプ 753(Typ 753)”に由来しますが、この“タイプ 771”ではより大きなボア径を採用していました。

スペックは、2,195cc,空冷水平対向8気筒DOHCエンジンから272馬力を発揮したようです。

こちらはレースカー専用のエンジンということで、4気筒レーシングユニットであった“フールマン(カレラユニット)”と同様にDOHCが採用されていますね!

空冷にしては冷却ファンが見えないと思われるかもしれませんが、エンジン上部に上向きに設置されています。アフターマーケット製でVW製のフラット4(タイプ4エンジン)にも、上向きに空冷ファンを取り付けられるキットが出ていて、上向きの空冷ファンには憧れますね~♪


1977年 ポルシェ ターボモータ タイプ 930/60(Porsche Turbomotor Typ 930/60)

1977年、“911ターボ”のエンジンは3,299ccに排気量が拡大されたユニットに置き換えられたのみでなく、市販車として初となるインタークーラーを備えていました。

7.0:1へと高められた圧縮比によって、“911 ターボ 3.3(911 Turbo 3.3)”のエンジンは、300馬力の出力を発揮し、当時それまでに市販されたポルシェ車の中で最もパワフルなモデルとなりました。また、出力と同様にトルクも高く、4000rpmで412Nmを生み出したそうです。

展示されているパワーユニットは、3,299cc,空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンで、上記の通り300馬力を発揮しました。

前述の“901/01”ユニットと比べても、パッと見で補器類が増えた程度でほとんどエンジン自体の大きさは初期の“911”からあまり変わっていないのが判りますね。

まぁ、この補器類の増加で当初は余裕のあった“911”のエンジンルームも徐々にパズルのような状態になっていったようですが・・・^^;


1985年 TAG ターボモータ (TAG Turbomotor)

フォーミュラ1の世界では非常にタイトでハイペースな開発スケジュールが求められます。このエンジンは、“マクラーレン(MaClaren)”のグランプリカー用として、TAGエレクトロニクス社からの依頼で、ちょうど2年という期間でレースに向けて準備されました。

エンジン設計者のハンス・メツガー(Hans Mezger)は、コンパクトで軽量な6気筒エンジンを採用することを決定しました。そして、最もハイパワーな仕様では、テストベンチ上で1,045馬力を発揮しました。

このパワーユニットは1983~1987年の間に、フォーミュラ1で25勝を挙げ、3度のワールドチャンピオンシップタイトルを手に入れました。

展示されているパワーユニットは、1,499cc,水冷V型6気筒DOHCツインターボチャージドエンジンで、800馬力を発揮したようです。


1985年 ポルシェ フラグモータ PFM 3200(Porsche Flugmotor PFM 3200)

1981~1986年まで、ポルシェは“911”に搭載されている6気筒のボクサーエンジンをベースとして、スポーツ機及びビジネス機向けの航空機用エンジンを開発しました。この航空機用エンジンは、操縦性や低騒音性、経済性も優れていたようです。

また、“PFM 3200”と呼ばれたこのエンジンは、1985年に行われた世界1周飛行によって、信頼性も実証されました。

展示されているパワーユニットは、3,164cc,空冷水平対向6気筒SOHCターボチャージドエンジンで、260馬力を発揮したようです。

排気量は“3.2 カレラ(3.2 Carrera)”と同じ3,164ccですが、PFM仕様ではターボの有無が選択できたようで展示されているエンジンにはターボが装着されていました。
航空機用エンジンということで、“911”では地面の中(笑)に位置するエンジンの真下にターボが付いているの点が面白いですが、排気を効率よく利用するには排気ポートにより近い方が良いのでしょうね^^;


1985年 ポルシェ ボートモータ タイプ 928 M28/70(Porsche Bootsmotor Typ 928 M28/70)

1986年、レーシングドライバーのジャッキー・イクス(Jacky Ickx)は、自身の外洋(オフショア)レーシングボート用にパワフルなエンジンをオーダーしました。

ルマン(Le Mans)を6回制覇した勝者の要望により、“928 S4”用の8気筒エンジンには2基のKKK製ターボチャージャーが備えられ、出力748馬力,トルク860Nmを実現していました。

また、市販車用のエンジンをパワーボートでの使用に適応させるために、熱交換器(ヒートエクスチェンジャー)を用いた複雑な冷却回路を2重に装備していました。

排気量4,957ccの水冷V型8気筒DOHCツインターボチャージドエンジンになります。


2004年 ポルシェ モータ カレラGT(Porsche Motor Carrera GT)

この軽量な自然吸気の10気筒エンジンは、公道仕様の“カレラ GT(Carrera GT)”のために開発された純血種のレーシングエンジンでもあります。

エンジンとトランスミッションは、ボルトで結合されて1つのユニットになり、このハウジングは車体の一部を構成し車重を受けるために、非常に強固に造られています。また、68°のバンク角を持つこのエンジンは、重心も低く抑えられています。

スペックは、5,733cc,水冷V型10気筒DOHCエンジンから612馬力を発揮しました。

“カレラGT”に搭載されて、あの絶妙なエキゾーストノートを奏でるパワーソースは、このエンジンですね♪

この“V型10気筒”というエンジン形式の特徴なのか、V10を採用したクルマは“カレラGT”を始め、'90年代後半~2000年代中盤のフォーミュラ1カーなど、正に“美しい”と言えるエキゾーストノートを奏でてくれるので、自分は好きなエンジン形式の1つです。

今回は、ポルシェミュージアムでもちょっとマニアックな“ポルシェエンジニアリング”と“エンジン単体展示”エリアをレポートしてきた“欧州自動車博物館巡りの旅 2014⇒2015 ポルシェミュージアムⅡ part 4”ですが、意外と表に出てこない“ポルシェ エンジニアリング”の活動と、なかなか眺める機会の少ないエンジンのカットモデルや希少なエンジンの数々で、興味深い内容だと思います。

 今回もすっかり長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございますm(_ _)m

次回は、いよいよ(笑)80年代後半から始まるポルシェロードカーの歴史をレポートしたいと思います♪

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'98年式のスプリンターカリブRosso(5MT,4WD)です。 日本ではカリブのマイナ ...
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'93年式 Beck 550 Spyderです。 かねてよりミッレミリア好き、50~6 ...

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