こんにちは~
前回に引き続き、9月初旬に富士スピードウェイで行われた「WEC 6 hours of Fuji 2023(世界耐久選手権 富士6時間耐久レース)」の模様をレポートしていきたいと思います。
今回のPart2では、予選日のピットウォークから予選と予選後の車検場の様子などをお届けします!
※今回も存分に語り尽くしていますので、お時間のある時にゆっくりお楽しみくださいm(_ _)m
2023年9月9日(土) 10時頃

そろそろピットウォークの時間なので、ピットウォーク待ちの列に並びます。
今回は久々にWECに戻ってきたワークスポルシェ#6号車を狙います。
H君もルマン優勝トリオのフェラーリ#51号車狙いだったこともあり、早めに並んでスタンバイします。
ピットウォークに限った話ではありませんが、WEC 6 hours of Fujiでは場内でかかるBGMがとてもヨーロッパ的な選曲でゴキゲンなのですが、今回はそんな中からとても耳残りが抜群のこの曲↓を聞きながらピットウォークを楽しんでいきましょう♪
JUL / J'oublie tout

早めに並んだこともあり、#6号車の最前列(5~6人目くらい)でオートグラフセッション(サイン会)に臨めました~

ファン対応する#6号車のアンドレ・ロッテラー(奥)とケビン・エストレ(手前)、ヴァンスール兄弟の兄 ローレンスは出てきませんでした・・・
こちらは"ポルシェ 963"を使用するプライベーターのプロトンコンペティションのピットです。

手前から順にニール・ジャニ、ジャンマリア・ブルーニ、ハリー・ティンクネルです。
キャデラック レーシングのピットです。

一番左にアレックス・リンがいますね。
ハーツ チーム ジョタのピットです。

今年デビューした"ポルシェ 963"ですが、秘密主義のLMHワークス勢と違って、LMDh勢は基本はLMP2モノコック流用だからか、結構オープンな雰囲気です。まぁ、ハーツに至ってはプライベーターに供与した個体なので特に隠す所もないのかもしれません。
うさぎ㌘㌃がもらってきてくれた#5号車を含めると、ポルシェ963勢はコンプリート出来ました。ちなみに#6号車のロッテラーとエストレには、持参したLEGOのポルシェ963の箱にもサインをもらいました!

ロッテラーの筆圧が強すぎてマーカードバドバしちゃったのは内緒です^^;
でもその分ロッテラーと長くお話しできたので、それもよい思い出です♪
こちらはプジョー9X8です。

こうして見るとMGUが搭載されているとは思えないほど、フロントセクションがコンパクトに出来ていますね。

Rexyちゃんの着ぐるみもピットウォークしてました~
こちらはヴァンウォール ヴァンダーヴェル 680です。

ノンハイブリッドですがフロントセクションが結構がっしりした印象ですね。
サスアーム類の空力処理が独特で面白い設計になっています。

ヴァンウォールのピットでは、エステバン・グエリエリの熱心なファンサービスで好評でした!

ワークスポルシェのサイン会が終了して、#5号車と#6号車のメンバーが挨拶していました。
ポルシェ 963のフロントセクションです。

LMDh車両でフロントにMGUがないので、フロント周りはシンプルなもんです。
トヨタGR010のフロントセクションです。

2021年デビューでLMHレギュレーションで開発された車両第一号ということもあり、プジョー9X8のような攻めた設計ではないですが、現在においても連戦連勝を誇るハイパーカーのベンチマークといえるでしょう。
こちらはフェラーリ 499Pのフロントセクションです。

499Pは特徴的なフロントセクションをしています。LMH車両でフロントにMGUを搭載していることもあってかモノコックの断面が大きく横長で、左右にそれぞれ大きさの違うクーリング装置のコアが見えています。MGU関係の冷却用でしょうか。
LMGTE AmクラスのAFコルセのピットです。

488GTE EVOも499Pと同じカラースキームに塗られています。
コルベットレーシングのピットです。

LMGTEのコルベット C8.Rも今年で見納めとなってしまいます。2024年シーズンからは、現在アストンマーティンでLMGTE Amクラスに参戦している"TFスポーツ(TF Sport)"がGT3規定の"コルベットZ06 GT3.R"で参戦予定です。
今年はピットウォークも大入りで大盛況でした!

やはりメーカーワークスチームがトップカテゴリーに多いと、ピットウォークも俄然楽しくなりますね♪
予選まで少し時間があるので、グランドスタンド裏を見てみましょう!

トヨタ ガズー レーシングは、大型イベントスペースを利用して歴代ルマンカー8台を展示する力の入れようでした!

昼ご飯はWEC 6hours of Fuji恒例の"おフランス物産コーナー"で、パニーニとアペロール スプリッツァ(いや完全にイタリアンやんけ・・・爆)を調達して、グランドスタンドに陣取りました~

予選が始まる前に自分のアルコール燃料が切れてしまったので、スプラッシュ&ゴー・・・
LMGTE Amクラスの予選が始まりました♪
#57 ケッセル レーシング フェラーリ 488GTE EVO (KESSEL RACING Ferrari 488GTE EVO)

ケッセル レーシングは日本の"カーガイ レーシング(Car Guy Racing)"とのコラボレーションで、今シーズンのWECに参戦しています。
#85 アイアン デイムス ポルシェ 911RSR-19 (IRON DAMES Porsche 911 RSR-19)

女性ドライバートリオでWECに参戦しているチームです。今年のルマンでのサラ・ボヴィ(アイアン デイムス) vs ベン・キーティング(コルベット レーシング)の熾烈なデッドヒートは記憶に新しいですね!
LMGTE Amクラスの予選は、#33 コルベット レーシング コルベット C8.Rが一番時計を叩き出しました。

2位には#85号車 アイアン デイムス ポルシェ911 RSR-19、3位には#777号車 Dステーション レーシング アストン・マーティン ヴァンテージ AMRが続きます。
続くLMP2クラスの予選は、#22号車のユナイテッド オートスポーツ オレカ07 - ギブソン(UNITED AUTOSPORTS Oreca 07 - Gibson)が一番時計です。
2位に#41号車のチーム WRT、3位が#23号車のユナイテッド オートスポーツとなっています。
いよいよハイパーカークラスの予選が始まりました!
#5 ポルシェ ペンスキー モータースポーツ 963

こうしてまた富士のグランドスタンドで、ワークスポルシェの走る姿が観れるのは感慨深いですね!
#38 ハーツ チーム ジョタ ポルシェ 963

同じ963でもカラースキームが異なると、印象もだいぶ変わってきます。
#99 プロトン コンペティション ポルシェ 963(Proton Competition Porsche 963)

今回のWEC 6hours of Fujiでお気に入りだったのが、この#99号車のポルシェ 963です。IMSAなどでおなじみの"WeatherTech(ウェザーテック)"カラーですが、かつて1990年代から2000年代にかけてIMSAを中心に活躍したアメリカのプライベーター"チャンピオン レーシング(Champion Racing)"のカラースキームから赤と青のストライプだけを抜き出したようにも見えるし、もっと遡ればBrumos(ブルモス) ポルシェのサイドストライプのようにも見えます。
白一色だからということも影響しているかもしれませんが、コクピットから後ろの造形が往年の"ポルシェ 911GT1 '98"↓を思い起こさせるような気がするのは、自分だけでしょうか^^;

※2016年 ポルシェミュージアムにて撮影
#51 フェラーリ AFコルセ 499P

今年のルマンの覇者#51号車です。リヤウイングステーに設けられた3連のスリットが、"250 GTO '64"や"288 GTO"を連想させますね!
#93 プジョー 9X8

昨年はデビュー直後ということで、富士のホームストレートで小刻みなピッチングが発生していた9x8ですが、1年間を通して熟成が進んだのか、今年は昨年見られたようなピッチングは見られませんでした。それにしても"ウイングレス"なこのシルエットは、百花繚乱のハイパーカーの中にあっても独特の存在感を放っています。
ハイパーカークラスの予選は、#7号車のトヨタ GR010が一番時計を叩き出しました。

2位も#8号車のトヨタ GR010、3位に#6号車 ワークスポルシェ 963の1台が入りました。
予選終了後の車検場へ向かいましょう!
早速キャデラック Vシリーズ.Rがいい位置に止まっているので、見ていきます。

全体的に直線基調で武骨な印象ですね。同じLMDh車両のポルシェや欧州勢のLMH車両とも開発コンセプトが異なりそうな空力デザインをしています。
個人的には、小賢しい空力処理でチビチビ効率上げるより大排気量のV8でパワーで勝負だ!的なナスカー(NASCAR)にも通ずるアメリカンなアプローチのようにも思えます。
トヨタGR010とキャデラック Vシリーズ.Rが横に並びました!

同じカテゴリーのクルマとは思えないほど、造形が違って面白いですね~

プジョー陣営はリヤカウルをついたて代わりにして、秘密主義を貫いています。
やはりLMH車両は独自技術の塊なので、隠したいのでしょうね・・・
フェラーリ 499Pもありました。

この角度で見ると、リヤカウルのコクピットから続くエンジン搭載部分とリヤタイヤの間の切込みがエグいですね。フェラーリはスポーツカーレースに復帰するにあたってLMDh車両の開発も候補に入れていましたが、その案を葬ってまでも開発範囲の広いLMH車両で参戦してきただけのことがあるくらい攻めたデザインをしています。
車検場の裏に回るとポルシェ 963が柵のすぐそばに置いてありました♪

トヨタ GR010やプジョー 9X8などに比べると、フロントセクションからカウル内に取り入れる空気の量は圧倒的に少ないように見えます。

極力カウル全体の位置を下げて、カウルの上で空気を受け流すような空力デザインに見えます。結局その方がニュートラルな空力特性になって扱いやすいのかもしれませんね。
パドックに戻ってくると#99 プロトンコンペティションのニール・ジャニが誰かと話し込んでいました。

お気に入りの#99号車のフロントカウルがパドックに置かれていました。

この#99号車のもう1つのお気に入りポイントがコレ↓です。

Cカー時代の"ヨースト ポルシェ 962C (Joest Porsche 962C)"や"ダウアー 962LM (Dauer 962 LM)"、"ポルシェ WSC95 (Porsche WSC95)"など、当時のポルシェのレースカーでよく見かけた"F.A.T インターナショナル (F.A.T INTERNATIONAL)"のロゴが入っています。

※2009年 ミュルーズ シュルンプコレクションにて撮影
当時の"F.A.T INTERNATIONAL"は運送会社だったようですが、現在はオーストリア ツェル・アム・ゼーで富裕層向けに"GP Ice Race"などのイベントを行うイベント運営会社として復活したようです。

何年か前にクラシックポルシェが氷上を走るイベントの動画を見たことがありますが、どうやらこの会社が絡んでいるようです。
本日のイベントはすべて終了したので、kimu_ninety君のスイスポで富士八景の湯へ行き、ひと風呂浴びた後は恒例のBBQを楽しみました~

特にうさぎ㌘㌃はコロナ禍でずっと会っていなかったので、久しぶりにクルマ談義ができて良かったです!

WECの夜も更けていきます。
これにて予選編は終わりです。
長文ながら最後までお付き合いいただき、ありがとうございます♪
Part3へ続く