9月1日は防災の日でしたが、土曜日ということもあって、3日が施設内の防災訓練でした。
今年のテーマは…
「夜間想定の地震発生&避難誘導」
と、
職員2名で51名の利用者全員にヘルメット装着で真っ暗闇の中を避難させろ…という、結構無茶な設定です。
しかも、宿直役として、利用者を安全に避難させる役として参加です。
そのくせ、地震発生10分前に、警戒宣言発令で、利用者は首にタオルを巻きヘルメットをかぶる時間があるという矛盾…。
他の職員は、標準通勤時間を基準に、地震発生から5分、10分と、時間差で救援に途中から入っていくように振り分けられます。
1分間の震度6強の揺れで、施設周辺の道路の寸断なし、左腕裂傷の負傷者1名、自力歩行不可0名、築40年のボロい建物に破損個所なし…という設定。
22:40設定ですが、警戒宣言が出たとして、通常の夜間でしたら、みんな寝ている時間。10分間でヘルメットの用意すら難しい。
しかも、首にタオル巻いてヘルメットをかぶって、逃げる準備をするように声かけしたら
「嫌だ行かない。」
と言いだす利用者まで…(涙
ヘルメットかぶせたら、大声を上げてヘルメットを取ろうとする利用者…。
うるさすぎて、トランシーバーからの連絡が聞こえません…
避難訓練という、一種のお祭りを察知して、外に出ていく利用者…。
有事の際にいなくなったら、助かりませんよ…というか、一人でも多く救うために全体を優先するからあなた一人だけを特別に助けられませんよ…。
地震発生後、近くに住む役職が10分で到着し、災害対策本部を設立、指示を出して、指示を受けた後に避難誘導…
ふつう、震度6強を被災したら来れないよなぁ…
トランシーバー15台の統率も取れず、なんとか避難し、隣に隣接する(建物と建物の最短距離:30m)施設内の別棟(築3年と立て直したばかりの耐震設計された建物)に全員が避難終了するまで地震発生から40分以上…。
逃げるのを拒否する利用者を、いつ倒壊するかわからないと想定される建物の中に、救援に向かいなさいと職員を派遣する本部の役職。
結局、今日は訓練だから、逃げたことにしますと数分後に指示。
本当の地震の時に、それでも救いに行かなくてはならない人道的な命令と、職員の生命を危険にさらす命令との紙一重の判断。
私は、宿直として夜を任されていた設定なので、夜勤役と2名で頑張りました。
一緒に昼食を食べながら…
「ホントに地震が来た時に、助けなんかこないよね。」
「災害対策本部を待って指示を待つ前に、どんな方法を使ってでも、残っている職員だけでなんとか逃がせるだけのレベルにないと、棟が崩れて確実にみんな死ぬよね。」
と、意見の一致。
見学者として撮影しながら、客観的に状況を報告する係の職員や、参加した職員から、今回の訓練で気づいたことをバンバン報告しろということで、いろいろ書きましたが、私の意見として切実な現場の意見は…
「昼間の訓練でこのレベルでは、本当の地震では、まず助からないし、助けられない。訓練計画の想定が甘すぎる。」
「トランシーバーの通信技術が役職、現場の職員(私を含む)ともに低すぎて、指示が伝達しない、情報収集が遅い。」
ということ。様々な問題点の指摘をA4用紙1枚にぎっししと書きましたが、それでもまだ書きたりない。
上は、批判としてではなく、危機管理としてどれだけ参考にしてくれるか…。
3.11以降、避難訓練の重要性が言われ続けていますが、災害弱者である知的障がい者は、地域の避難所での受け入れは困難です。極限状態で神経をすり減らして共同生活している被災者の中で、大声を上げたり暴れたりすることもありうるので、受け入れてもらえない現状も理解できます。
被災しても施設内で生き延びていくため、食糧備蓄など蓄えています。
蓄えや非常装備は、生き延びた後のこと。
現場の力だけで有事の際に、生き延びなければ意味ないんだよね…。
施設長は出張でした。
課長が最高役職として見守っていましたが、こういう、施設の生命にかかわる訓練には、課長が代わりに出張して、施設長が指示を出す人ではなく、現場がどんな現状になるかを傍観者として見るべきだとも思いました。
職場の看護師は、
「地震が起きたら、まず職員が助からないと、利用者もみんな助からないから、自分だけでも逃げなさい。」
と、言います。
まあ、そうなんですけどね…。
障がい者の災害弱者としての一面を改めて認識しました。
いろんな想いを抱きながら帰宅した昨日の1枚。
エンプティーランプが点いてからのリセット。
職場まで2往復しました。
20.4km/Lで156kmだから、残り10Lの点灯として、約7.5L消費。
だいぶ、攻めました…。
あと40kmは行けるかな…。
Posted at 2012/09/04 12:27:13 | |
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福祉施設職員の日常 | 日記