事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ。
某有名な警察官の名言でありますが、まさに支援の現場で事件は起きました。
午前3時、私は宿直なので仮眠していました。
宿直は朝8:45~翌朝9:15、22:00~6:00は休憩時間の名目に拘束されます。
夜勤は16:45~翌朝9:15、仮眠時間2:15のため、夜間の定期巡回を行います。この仮眠時間に休憩が取れないこともしばしば…そんな福祉の現場でございます。
夜間巡回をしていた相方の夜勤職員が、利用者の異変に気づきました。
SPO2:78%、再測定で68%、これが誤測定でなければ、かなり危険な状態です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%BC%E5%90%B8%E5%9B%B0%E9%9B%A3
SPO2については、ウィキペディア上記リンクで参照
危険を察知した夜勤職員は仮眠中の私を起こしにきました。
私「即、救急車を呼びましょう。血圧は?SPO2をもう1回測ってみてください。」
夜勤「寝ているところ、ごめんね。」
私「こういうときは、そういうの無しですよ。」
寮長に電話連絡し、携帯にかけたら出たと思うのですが、家電にかけてしまいましたので、留守電に…
人生2回目の「119」をコール。これは、緊張します。
1コールで出てもらえました。
「火事ですか?救急ですか?」
「救急です」
「どのような症状ですか?」
「夜間の巡回で呼吸が荒かったのでSPO2を測定したところ78%でした。再測定をしたら68%でした。」
「ご住所はどちらですか?」
「御殿場市〇〇、××××番地の『施設名』です。敷地に入ってすぐの寮です。」
「ただいま場所を確認しました。すでにそちらに向かっています。」
「体調不良は、利用者の方ですか?」
「はい、利用者です。」
「おいくつでしょうか?」
「S××年〇月◇日生まれの××歳です。」
「かかりつけの病院や、既往歴等ありますでしょうか?」
「××病院に肺炎とイレウスで先月入院していました。」
「お薬等はお飲みでしょうか?」
「20:45に就寝薬として、睡眠薬を服用しています。」
「まもなく着くと思います。」
「入り口まで出て、ライトを持って誘導します。」
「それでは、最後にあなたのお名前を教えてください。」
「『施設名』の『本名』です。」
119コール中に寮長から折り返しの電話がありましたので、さらに折り返して今救急要請を終えたところと報告、再度SPO2を測定して68%だったこと、血圧、検温は異常ないことを伝え、夜勤者が救急車に乗って対応すると思いますと。
「今からそっち(施設)まで行くから、間に合ったら救急車に乗っていくよ。もし間に合わなかったら、夜勤者を追いかけて代わるよ。」
と、心強いお言葉。
心の声:(りょーちょー、夜分ごめんね、ありがとー)
隣の寮に救急車を呼んだので、別の寮にも報告しておいてほしいとお願いをして、内線をきると、しばらくして、救急車の音が聞こえました。
ここで用意するのが…
正面玄関を開けてストレッチャーが入るようにしておく。
スリッパを3~4つ出しておく。
これ、けっこう忘れがち。こちらは取り乱しても救急隊のみなさんは結構冷静で、このスリッパ使ってもいいですか?なんて聞いてくることもありますので。
初めて呼んだときに学習しました。こちらは、一刻も早くなら土足で入ってもOKな勢いなんですけどね…
敷地の入り口にライトを持って走り、救急車を照らしてこちらですと、アイコンタクトが取れたら走って先導する。
そうすると、救急車は玄関先で旋回して停車します。
ストレッチャーが玄関に入ってきますので、
「2階です」と案内。
次に、職員室の隣にある医務室から、
健康保険証と健康の記録を用意。
救急隊が問診票を記入するので、生年月日、名前から始まり、既往歴、服薬リストなどの質問に答えていきます。
主症状と経過の報告をしながら、他の救急隊がSPO2の再測定やら、血圧測定やら、呼名反応の有無などをチェックしていると、寮長が到着しました。
救急隊
「SPO2が90%台まで戻っていますね。呼びかけには反応がにぶいですけど…。」
寮長に流れを報告し、救急隊は、今は落ち着いていますが、一応検査入院しますか?…の流れを病院に受け入れ要請の連絡を。
先日入院した病院の当直は外科医で内科医ではないとのことで返答が渋い。
まあ、知的障がい者で向精神薬も服薬していますから、専門外で受けたくないのもわかります。
医者ではないのでわかりませんが、日常的に睡眠時の無呼吸状態があるようなので、睡眠時無呼吸症候群か、はたまたなにかの一過性の低酸素状態だったと推測されます。
まあ、持ち直したようで、救急搬送は見合わせて、様子観察ということで寮長が救急隊の書類にサインしまして、
「もし、急変しましたら再度呼んでいただいて結構ですから」
と、救急隊のみなさんはお帰りになりました。
「大事に至らなくてよかったよ。じゃあ、あとよろしくね。あ、そうだ、玄関開けっ放しだったから、利用者の所在確認をしてね。救急搬送が無くなって一安心した後に、所在不明で捜索なんてシャレにならないからね。」
寮長もお帰りになりました。
救急車を呼ぶ訓練をもっと現場の職員が行うべきなんですよね。
取り乱すことなく冷静に…自己採点70点ですね。
ちょいと、焦りました。
まだまだ、後から反省すれば、改善すべき点が見えてきますね。
このさわぎで、約1時間。4時から6時前まで再び私は寝ました。
夜勤者のおじさんは、朝まで一睡もできませんでした。
朝は朝で、元気になったこの利用者がパワー全開で大変だったですけどね…
まあ、救急搬送じゃなかったから、ヨシとするか…
命のありがたさをちょっと感じたあと…
本日公開の「ツナグ」を観てきました。
今日は、メンバーズデイでもメンズデイでもないので、本来なら1,800円の定額なんですが、貯まったポイントを使って無料で観てきました。
この映画、予告編を1回観たときに、ものすごく観たいと直感で感じました。
死んでしまった人に一度だけ会えたら、なにを伝えますか?…涙なしには観られない、生きていることを考えさせられるいい映画でした。
その後は、極楽湯でほっこり。先ほど帰宅の濃い1日でございました。
Posted at 2012/10/06 23:31:34 | |
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