随分前の事になります。そう、まだ実家に居た頃ですから。
実家にある駐車スペースで、S2000を洗車していた時のことです。
近所の方からは、「これ、どこの車?外車?」なんて聞かれた事もあり、
「いやいや、ホンダですよ〜」
「へ〜ホンダでこんな車つくってるんだ、知らなかったよ」なんてこともちらほら。
それは、それで嬉しい会話なのですが、ある時見知らぬ、年配の女性が声を掛けてきました。
「奇麗にしてるね〜。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
ここまでは、普通の会話で、たまたまご近所の方が、声を掛けてきたのだろうと思ってました。
「どう?車の調子は良いのかい?」
「えぇ、お陰様で、調子良く乗ってます。」
車の調子を聞いて来るなんて、車好きの方なのかしら?
「塗装も奇麗にしてるね〜ちゃんと手入れをしてれば奇麗だね。」
「中古だったんで、新車がどれくらい奇麗か分からないんですけどね(笑)」
「いや、奇麗な塗装だよ、奇麗きれい。昔は、S800なんてのもあったんだよ。」
「知ってます、知ってます。カッコイイなぁって思ってましたから。」
なんて事まで、ちょっと嬉しいな...年配の方で女性から車談義とは!
と思っていたら、
「事故とか気をつけるんだよ。」
「え、あ、ハイ。」
流石に、スポーツカーの形をみて、スピード出して危ない事したら駄目だよ。ってことになるのかな?なんて思っていたら
「事故るとね、色が合わないよ。こういう色はね、厳密には本当に難しい色出ししてるんだから、事故しちゃったら、直ってもそこだけ色がかわっちゃうからね。」
と、車の塗装の心配をしてくれてました。
良く聞いたら
「私ね、前は、HONDAで働いていたんだよ。だから、この車も良く知ってるんだよ。大切に乗ってちょうだいね。」
ほんの数分の出来事でした。
S2000を懸命に洗っている姿を見て声を掛けてくれたんでしょう。
その方が、どのようなポジションで働かれていた方か分かりませんでしたが、
HONDAの車が大好きで、ご自身のお仕事だった事に誇りを持たれていることが良く分かりました。
「ありがとうございます。大切にします。だって、欲しくて欲しくて買った車ですから。」
そうしたら、嬉しそうに「じゃあね。」と去っていかれました。
最初は、暇で声をかけただけの方かと思ってましたが、そんな自分が恥ずかしくなったことを覚えています。
そして、「大切にしなさいよ。」って言われたことも、今でも覚えています。
S2000だから...ってことでは無いと思いますが、その時は、SSMの頃からの憧れだった、オープンスポーツを買って、嬉しくてうれしくて仕方なかった頃のこと。
物語のある車って勝手に思い込んで、嬉しくなってました。
実家も含めて、かなりHONDA車を乗っています。
HONDAの車は、みんな好きで、どれも興味を持ってしまいます。
思い返せば
初代のCITYに乗っていた、親戚のお兄さんの車をニコニコしながら見てたちびの頃。
オヤジにアコードに乗って欲しかった頃。
プレリュードのCM(セナの)を見て、欲しくてたまらなかった頃。
マンガに出て来るSハチを見て、そのフォルムに憧れ、写真を探した頃。
ビートをプリモに見にって、当時自分には高くて、カタログだけ貰って諦めた頃。
シビックフェリオのCM(ジョディー・フォスターの)を見て、良い車だなぁって思った頃。
CRXデルソルを試乗して、それでもやっぱり買えなかった頃。
ここには、書ききれない位の事があって、それでやっと買えた憧れの「S」
沢山の想いの塊がS2000なんですよね〜、僕にとって。
それぞれの思いと、その時のことを忘れずに、手放すその時まで、大切に乗っていきたいと思います。
ふと、思い出したので、ブログに上げておこうと思いました。
勝手な回想ブログにお付き合い頂き、ありがとうごいざます。
Posted at 2014/05/07 12:27:55 | |
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