大好きなFIAT500系の空冷2気筒エンジン。
最初のNUOVA500 479cc(ボア×ストローク:66×70)からボアだけ少しアップしたDタイプ以降の499.5cc(67.4×70)で少しパワーアップして一番数多く残ってるFタイプLタイプを経てその後さらに最終型のRタイプでボアが大きくなって594cc(73.5×70)、そしてFIAT126の中期以降650cc(77×70)と進化してるように見えますが・・・
実はシリンダーヘッドの形状も初期から中期、後期と実に7種類確認しております。
しかしバルブのサイズは実は初期の479ccから600ccまで変わらず・・・爆
126の中期になってようやくインテークバルブのみ1mm大きくなってますが・・・汗
どうやら60年代中期まではしっかり進化の道をたどってるように思うのですが、60年代後期以降70年代は・・・
単にボアだけ大きくしてトルクを稼いだエンジンのようです。
もともとが360度クランク
2気筒のピストンが同時に上下するので上に行くにも下に行くにもピストンコンロッド分の相殺するおもりが必要でクランクシャフトがへんてこな形になっています。しかし単に静荷重だけバランスとっても低回転~高回転までバランスが取れる構造では無いため、どうやってもアンバランスになります。
現代に製造されてる2気筒エンジンのほとんどはバランスを取るためにもう一本バランサーシャフトなる4気筒の2個ピストンが上に行ってる時2個は下に行ってるみたいな(簡単に言うと)疑似おもりの付いたシャフトをクランクと同時に回してエンジンの不快な振動を打ち消し合っています。
クラシック500のエンジンにバランサーシャフトを入れる必要はありませんが(あえてその振動が好きな方が多いですから)そのアンバランスゆえにバランスが取りきれないエンジン。チューニングにゴールが見えないエンジンになってると思います。
だから追及して組んでいく輩からすれば終わりが見えない楽しさが最大の魅力なのかも知れません。
同じFIAT2気筒エンジンには70ストロークと同じなのに全く形状の違うクランクシャフトも存在します。これは全く違う設定のエンジンなのでおそらく重量が欲しいのに構造上逃げを作る為にこういう形状になったと思われます。しかしこの総重量差とバランスの違いに着目すれば、おのずとこれに見合うピストン+コンロッドが想像出来ます。
ノーマルピストン+コンロッドがこんなクラシックな形状をしているのに対して
こんなにいかにも軽量なものでも使えるように出来ます。
そして軽量にだけこだわってもバランスを無視するわけにはいかないので、あえて少し重いバージョンも作ってみたり。楽しいわけです。
シリンダーヘッドもOHVなのでプッシュロッド、カム、ロッカーアームと交換パーツや加工、変更もしやすいためノーマル系ヘッドから様々なものへと仕上げれます。
さまざまなバリエーションが出来るためにすべての組み合わせをテストしない限りどこがどのように影響するかなんてわからないくらいアンバランスで4気筒エンジンの常識から外れた変な物が出来あがったりするのですね^^
シンプルがゆえに奥が深い。
あ~~もう絶対抜け出せない(爆)
3ピースクランクシャフトや
もう・・・
Posted at 2013/02/18 00:53:42 | |
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