2009年09月25日
少し前になりますが、大阪市の駐車場で消火器爆発による人身事故がありました。
ニュース等でご覧になった方もおおいでしょう。
私も消防設備に携わる仕事をしている身としてこのような事故が起こったことは残念ですし、被害にあわれている少年の回復を願うばかりです。
このニュースを見て不安を感じ、古い消火器を処分しようとした方が同様の事故にも遭われているようですので消火器の取扱には十分気をつけていただきたいものです。
さて、今回事故が発生した消火器は「粉末加圧式消火器」と呼ばれるものでごく一般的なものです。
ホームセンターなどで販売されているものもほとんどはこのタイプでしょう。
事故の原因を知るにははこの消火器の構造を知らないといけません。
簡単に解説しますね。
この消火器は内部に消火薬剤と小さなガスボンベ(二酸化炭素または窒素)が入っています。
通常、消火器内部は大気圧とほぼ同じ圧力になっています。
安全ピンを抜き、レバーを握ることでボンベに穴をあけ、消火器内の気圧を上げることにより薬剤を放出するというからくりです。
と、いうことでボンベに穴を開けない限り爆発はおろか、薬剤の放出も起こらないはずです。
ボンベも基本的にはレバーを握らない限り穴が開くことはありません。
ではなぜ今回の事故が起きたのか?
今回事故が起きた消火器は89年製のもので90年代から雨ざらしの状態で置かれていたといいます。
消火器は塗装されており、これが本体容器の腐食を防ぐようになっています。
しかし、雨ざらしの状態で置いていると地面と接している底部に錆が発生することがあります。
これを長年放置していると腐食が進行していきます。
特に底部は溶接によりとじられていることが多く、特に腐食しやすい部分であると認識しています。
このような消火器を放出させ本体容器の内圧が急激に上昇すると腐食した底部へ負担が集中し底が抜けて消火器はロケットのように飛んでいくことがあるのです。
放出時、内圧は瞬間的に1.5MPaほどまで上がるといわれています。
乗用車のタイヤの空気圧は概ね0.2MPaほどですので相当な圧力であることは想像がつくと思います。
消火器工業会の実験では破裂した消火器が2階建て民家の屋根くらいまで飛び上がることがあるとされています。
そんな勢いで鉄の塊が頭部を直撃したら…
とはいえ前述の通り粉末加圧式消火器は内部の加圧ボンベに穴を開けない限り本体内圧が上がることはありません。
一般的にはレバーを握らなければ加圧ボンベに穴が開くことはありません。
また、安全ピンが刺さっていればレバーを握ることができないはずです。
ではなぜ放出されたのでしょう?
仮説その1
時々「安全ピンがきちんと刺さっていない」消火器を見かけます。
安全ピンを抜くと、もう一度刺すときにコツがいります。
これを無視してただ刺しても安全ピンは機能しないのです。
「事故の消火器の安全ピンはきちんと刺さっていたのか?」
子供なら当然そんなものの確認はしないでしょうから消火器を放出する真似をしているうちに安全ピンが機能していない消火器のレバーを握ってしまったということは考えられないでしょうか?
仮説その2
安全ピンを抜いた後、消火器を握ろうとすると実は結構な圧力を必要とします。
ましてや10歳の小学生の手の大きさではレバーを握りきることができないかもしれません。
安全ピンは脱落防止のためにちょっと引っかかりがあります。
現在、安全ピンは上方に抜くように統一されています。
レバーに手を添えて安全ピンを「エイッ」と上に抜くとその反動でレバーを下に押すことになります。
この抜き方による誤放射という例も聞いたことがあります。
この小学生も安全ピンを抜いたときにレバーを握ってしまったとは考えられないでしょうか?
仮説その3
レバーを握らなくても消火器が放出されてしまうことがあります。
学校の体育館でバスケットボールが消火器に当たった途端に薬剤がぶちまかれてしまったことを見たことはないでしょうか?
消火器に衝撃を与えるとまれに加圧ボンベに穴が開いて薬剤放出のきっかけになってしまうことがあります。
特に消火器を落下させたときなどはこのような事故が起こりやすいのです。
事故のあった消火器の重さは5~6kgと考えられます。
小学生なら持てる重さですがちょっと重いかもしれません。
持ち上げたあと、誤って落としてしまいこれが引き金になったとは考えられないでしょうか?
いずれにしてもその消火器が腐食していなければ今回の事故はここまで大事にはならなかったはずです。
このような事故が起こらないために皆さんも以下のことを心がけて欲しいと思います。
1.消火器は屋内に設置する
消火器の容器は金属でできています。
アルミやステンレスなど腐食しづらい材質のものもありますがやはりスチール製のものが一般的です。
屋外や湿気の多いところに設置してあると本体容器が腐食してしまうことがあり、いざ放出した際に破裂事故を引き起こすことがあります。
また、屋外に設置した消火器は人目につきやすく、いたずらをされることもあります。
やむを得ず屋外や湿気の多いところに設置する場合は格納箱に入れたり壁掛にするなど腐食対策をするようにしましょう。
2.古くなったり変形した消火器は業者などに依頼して廃棄してもらう
消防署では相談に乗ってくれますが基本的には引き取ってくれないと思います。
イベントなどがあるときは消防署などでも引き取ってくれることがあります。
基本的には消火器を販売している店、業者に廃棄をお願いしてください。
また、消火器そのままではゴミ回収には出すことができません。
「ただ廃棄するのはもったいないから野原で放出してみよう」という考えは絶対にやめてください。
古い消火器を放出させることは「破裂事故」をさせてみようと考えることと同じと思ってください。
(ちなみに私も業者として消火器を取り替えるときに古い消火器での消火訓練を依頼されることがありますが、きちんと点検をして危険がないと判断したものを使用しています。)
3.怪しいものには手を出さない
空き地や土手などに消火器が放置されているのを見たことがあります。
このような消火器は腐食していることが多く、破裂事故を起こしやすいと考えます。
速やかに廃棄することをお勧めしますが取扱には十分注意してください。
Posted at 2009/09/25 12:04:12 | |
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2009年09月25日
日曜のソフトボールを追え帰宅しようとクルマに乗ったとき、それは突然現れました。
オーディオの音が途切れます。
CDやMDのトラックタイムは進むので音飛びではなさそう。
ましてやラジオでも現象がでます。
で、症状はますます進行して途切れるどころか全然音が出ない状態が続くようになっちゃった…
ユニットのアンプが逝っちゃったかなぁ?
修理するか?適当な中古品探すか?
どーしましょ?
Posted at 2009/09/25 00:42:04 | |
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2009年09月19日
仕事で市の文化センターあたりを通り掛かったら機動隊のみなさんがなにやら規制の準備中。
このものものしい雰囲気は…
「右」側の人達の集会でもあるのかな?

Posted at 2009/09/19 09:54:19 | |
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2009年09月10日

先日受験した第二種電気工事士試験の結果通知が来ました。
技能試験の手応えから余裕をかましていましたが同僚が不合格との話を聞いてビクビクしていました。
で。
結果は…
合格でぇす。
あとは免状交付の申請をするだけです。
まずは一安心だす…

Posted at 2009/09/10 20:15:43 | |
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