
充電制御システムとバッテリーな考察の最後話です。
バッテリー交換を検討するに辺り、充電制御システムに行き当たった件は以前上げました。
この仕組みを念頭に機種選定し、また交換前後で体感出来そうな差について観察してみました。
さらに電気配線図とDラーさんより手に入れた4GR-FSEの制御概要資料を併せ、はてはWEBで特許技術等を読み漁って理解に努めてみました。
けれど‐
私やっぱり頭悪くて理解出来ません
‐と言うのが判った記録です。
交換前のバッテリーは納車時より装着されていたGS YUASA製(国産)55D23L 約4年3万km使用品。
白羽の矢を立てた交換品は性能ランク最高峰と謳われるBOSCH製(独国じゃなくて
K国製)115D23L、それも
18kg‐
大事な所なんでもう一度掲げておきます、
BOSCH
Hightec Premium HTP-Q-85/115D23L
はMade in Korea で 重量18kg‐
Made in Korea は本体にしか記載がありません、外箱にも書いてません。
重量18kg はカタログに記載がありません、外箱のみに掲げられてます。
BOSCH
Hightec Premium HTP-Q-85/115D23L はMade in Korea で 重量18kg‐
お忘れなきように・・・
ま、瞬間放電力も容量も、(恐らく)受入れ充電電流値も大幅に数値UPが見込まれる品でした、が‐
結論を先に上げると予想以上に何もかも変化が体感出来ませんでした。
ハッキリ断言出来る事は
重量差3㎏も自重を上げてしまった失望感・・・でしょうか。
一応上げておきますが、純正品に不調・劣化兆候を感じていませんでしたからBOSCHが悪い訳ではなくて、4年落ちの純正品が優秀であったのだと考えます。
結果論として、メンテナンスフリーとは言え、電解液の補充でもしておけば後1年位は使用出来た気がします(但し私が住んでいる場所が寒冷地ではない上で‐です)
まぁ、今回交換した事で4~5年位使えるとイイよねぇ~と思うことにします。
(
重い(し、
K国製な)ので3年で交換になっても文句ないけれど・・・)
充電制御システム‐
色々調べてみたものの、1点どうしても判らなかった点があります。
燃費向上を目的とした充電(電圧)制御中にバッテリーは電気負荷に対しどの位関与しているのか??
各バッテリーメーカーは、この間の電気負荷についてバッテリーの放電により支えているように受け止められる解説があります。
一方でトヨタの系統概要資料ではオルタネータの発電電圧を下げているものの発電そのものは継続されていると解説されており、Dラーの整備士さんもそうであるとおっしゃってました。
(私は当初休電していると勘違いしていたのですが‐)
仮にバッテリー電圧と等しい値までオルタネータの電圧を下げていると仮定すれば、そのいずれの解説記述にも矛盾がないように感じます。
それにしてもそんなに厳密に電圧調整されているように感じられないのもまた交換前後で観察したダイアグ表示の電圧値に変化が感じられないからです。
確信が持てませんのでオルタネータとバッテリーの電圧は等しくなる‐と思う事にしますが、そうなると某バッテリーの売り文句である音質が向上する事は常時ではありません。
(むしろまったく影響しない‐とすら思えます、バッテリーのみに依存する条件でなければ、その理屈が合わない気がします)
また仮に音質が向上するとして、走行中に音質が良くなったり、普通になったり、が頻繁に繰り返されるのでは聴きごたえが悪い事にならないのだろうか??‐など要らぬ心配をしてしまう私です。
ちょっと意地の悪い表現となりますが、私は音質が良くなるのは理論値の誇張であり、バッ直等の配線をしない限り純正配線のままでは、全く体感出来ず、なにより音質向上がバッテリーの付加価値だとは到底思えないと考える派です。
ま、感性に依存する領域として、鈍感な私には永遠に感じ取る事が出来ない部分だと諦めます。
(実は、妻子を無垢の検体にしてモニターしてみましたが‐何も変化が無い‐と言う凡人一家である事が立証されました)
それでは以下、充電制御システムがどのように観察できたのか、またそれはどのような仕組みで制御されているのか、理解した範囲の事を残しておきます。
(相変わらず信憑性はありませんよ)
かなりざっくり表現すると下記のようになり、街乗りでは頻繁に電圧が切り替わります。
但し、スモールライトを点灯した時点で電圧制御モードは休止し、定電圧発電モード(オルタネータの発電電圧が上がりバッテリーは常時充電される)になりますので‐昼間‐としておきます。
(くどいですが、この事よりライト点灯時は音質改善は見込めないと考えます)
①始動直後一定時間バッテリーは補充電される。
②補充電完了に伴いオルタネータ電圧はバッテリー電圧相当に低下する。
③巡航時は②の状態が維持される。
④減速(アクセル≒スロットル閉)と共に①相当の電圧にオルタネータ電圧が昇圧される(充電開始)
⑤停止と共に②の状態となるが、シフトをNレンジにすると①同様となる。
⑥加速(厳密にはシフトDレンジ)と共に②の状態となる。
①を
バッテリー充電、②を
バッテリー放電と仮定すれば‐
始動②‐
始動直後①‐
巡航②‐
減速・停止①‐
待機①‐
発進・加速・巡航②が繰り返されるのが観察できます。
この挙動を最初に現認したのはバッテリー交換前でした。
(整備手帳参照下さい↓リンク貼ってます)
垣間見る充電制御ギミック
整備手帳でも上げましたが、私はそれなりに劣化したバッテリー故に、ほぼ充電が継続されると思っていたのですが立派に充電制御されていました。
バッテリーメーカーの解説では、充電制御システムにおいてバッテリーは満充電されず充放電を繰り返す過酷な条件である‐とありましたので、新品のバッテリーは事前に満充電リフレッシュさせて万全を期して交換する事としました。

14V6A(※これは取説で記載された受入電流値より決定)で開始、3時間程で満充電となりました。
この時の単体測定で12.93V、この状態でダイアグ・モード読みが11.9Vでした。
ダイアグ表示は1Vの誤差、若しくは系統電圧降下があると予想します。
ちなみに交換(取外し)直前の純正バッテリーはこんな値でした。
単体測定で12.48V、ダイアグ・モード読みで11.2V

電圧値では健全性は測りにくいですね。
交換完了にて最初の始動‐体感にまったく変化無し(これは想定していました)
オルタネータによる始動分の補充電が開始されました。
直読みで14.1V、ダイアグ読みで13.5V この値はオルタネータの発電値となります、これも交換前後で(当然)変化無しでOKです。
差は0.6V程に縮まっていますが、この先ダイアグ値が13.5V表示の時はオルタネータが14V Overで高発電していると読み取る事にします。
この後、補充電完了(電圧制御モード開始)までの時間を計測しました。
想定では短縮されると考えましたが、ほぼ同じ時間です。
外気温度10℃において、概ね8分~12分程度補充電が続きます。
電圧値が下がり出した瞬間です、この後11.9Vまで下がります。
※私の想定ではこの時間が短くなるのではないかと予想したのですが、交換前後で明確な差は感じられませんでした。
むしろ交換直後はナーバスになっていた為、この時間が長くなってしまった様に印象したのですが複数回、数日間に渡って観察を続けた所、それは気のせいであり、早ければ始動後8分程、長い時でも12分程で充電制御モードに移行し、交換前後で変化はないと考える事にします。
ある意味、バッテリーのカタログスペックたる受け入れ充電電流値が大きかろうが小さかろうが車両側の制御は変わらないって考える事も出来そうです。
この後、充電制御モードになるとダイアグ表示の電圧は
11.9Vとなります。
(端的にバッテリー単体測定電圧と同位であるとも言えます)
減速時は補充電が始まり
13.5V表示
(始動後補充電時と同じ値)
Dレンジ停止中は再発進に備え、
11.9V
Nレンジ停止では補充電となり
13.5Vになります。
全ての状態でバッテリー交換前後で差はありませんでした。
遷移過程での変化値は別として
13.5Vと
11.9Vの2段切替と言っても良いと考えます。
数値から想像するには13.5V表示時はオルタネータが系統電源を支え、11.9V表示の時はバッテリーが支えている‐とも思えるのですが本当の所はどうなのか電流計がない私には判りません。
街乗りはともかく、長い巡航が続く高速道路走行等ではどのような制御となるのか?‐素朴な疑問を持ちましたがDラーさんから頂いた概要資料のコピーにその制御が記載されていました。
それでは以下、充電制御システムの概略を掲げます。
①まずこの図をご覧あれ‐
4GR-FSEの充電制御システム図です。
コレでかなり理解を深める事ができた様に感じます(WEB上で3GRのモノは拾えましたがいくつかあった疑問が解決した図でした)
以下概要の転記です。
パワーマネジメントコントロールコンピュータは、アイドリング時や定速走行時には発電電圧を下げ,減速時に発電電圧を上げることで、オルタネーターの発電によるエンジン負荷を低減し、エンジンの低燃費化をはかります。
なお、加速時には、電流積算値(電流センサーで検出したバッテリー入出力電流を積算した値)を一定にするための発電電圧を算出し、それに基づいた発電電圧指示信号を送信します。
②電流センサーについてはWEB上に解説がありましたので引用しておきます。
バッテリーのプラス側ターミナル部に取り付けられ、バッテリーの充放電電流量を検出してパワーマネジメントコントロールコンピューターに信号を送ります。
この信号をもとに、パワーマネジメントコントロールコンピューターはバッテリー容量を算出します。充放電電流量の検出にはホールICを用い、バッテリー充放電電流によってコア部に生じる磁束密度の変化量を、電圧に変換して出力します。
因みに4GRの電流センサーはAssyとしてバッテリー温度センサーが内蔵されている様です。

3GRには別途バッテリー側面に温度センサーが配置されていた様です。
③フェールセーフ作動について
センサー類が故障した場合やバッテリーの状態、電気負荷の作動状況などにより、パワーマネジメントコントロールコンピューターは、オルタネーター充電制御を中止し、定電圧発電モードへ移行します。
④センサーについては以下が列挙されていました。
・電流センサー
・温度センサー
・スロットルポジションセンサー
・車速センサー
・クランクポジションセンサー
・ストップランプスイッチ
・シフトポジションスイッチ
⑤定電圧発電モード(充電制御モード停止)移行条件
(1)
バッテリー低容量、バッテリー温度 低・高温時
バッテリーの容量や液温によって充電状態を判断し、過充電・過放電時には充電制御を中止し、バッテリーを保護するとともに容量低下を防ぎます。
※ここが大事かもしれません、昼間走行でオルタネータの発電が継続する様になれば、バッテリー寿命が近いと言えるかも。
(2)
ワイパー作動時ヘッドランプ点灯時またはブロワーモーター高負荷作動時、特定の電気負荷が作動している時は,充電制御による電圧変更を中止し,電圧変動による電気負荷動作の違和感を防止します。
※私が実際に試した中ではポジションライト点灯以上では充電制御モードは停止(定電圧発電モード)になりました。
逆にエアコン、フロント・リア・デフでは停止されませんでした。
(3)
エンジン始動時車両の放置によるバッテリーの容量低下を防ぎ、バッテリーを保護します。
※防ぐと言うよりも暗電流の消費分を含め、始動放電量を回復すると言う事でしょう。
(4)
充電制御中2時間経過時
定期的に充電容量を確認して、長時間の充放電に充放電により生じる電流積算値の誤差を修正することにより、バッテリー容量の低下を防ぎます。
※高速道路走行の継続などはこれで補正するのでしょう。
(5)
運転時間の累積が20時間経過時
定期的に十分な充電を行い、充放電を繰り返すことによるバッテリーの寿命低下を防ぎます。
ここで4GRのオルタネータの仕様も転記しておきます。
定格12V
定格出力130A
調整電圧
・充電制御なし:13.2~14.0V(5000rpm,10A,115℃)
・充電制御あり:12.2~15.3V(5000rpm,10A,25℃)
まとめ
ようするに‐
良く出来ている‐
素人がくよくよ悩む必要はない。
ま、
ダイアグ・モード表示は純正NAVIのみ表示可能ではあるもののOBDⅡ端子を経由させレーダー等にも電圧値は表示された筈です。
定期的に電圧値の変化タイミングを把握しておけば、バッテリーの消耗度の判断材料になるかもしれません。
バッテリーはずっと充電されている‐と思い続けていた私的には興味深い考察の日々でした。
ただですね、こんなに真摯に勉強したのにね、ボクは大いなる選択ミスをしたと思ってますし、この件では‐銭に糸目をつけるなかれ‐と言い続けていた嫁さんから猛烈になじられ中デス。
“ええもん、買えっちゅ~たろがぁぁ~っ!!!!!!”
今回学んで明日の私へ残す事
・ひ孫の代までBOSCH買うなかれ
(くれぐれも‐重いからです、生産国詐称だからじゃありません)
・BDレコーダーはPanasonic、
カーバッテリーはGS YUASA、
・CAOS≒混沌≒混ざって混乱してハッキリしない、