
前回ブログネタで予告した通りであります。
車無し‐です。
航空自衛隊岐阜基地の“末端外周”へ寄って参りました。
ここを訪れたのは5年振り。
駐車場、トイレ、随所にベンチが完備された立派な公園になっておりました。
一見さんとして、草ぼうぼうの原っぱで立ちん棒で待ちかまえていた一昔前を想えば、感涙に咽び返りそうでございます。
さて~、日本の軍民問わず航空機の製造ってのは大半が中京地区で行われております。
今日は防衛省御用達で語りますが、戦闘機系は名古屋空港に隣接した三菱重工さん、それ以外あれこれを岐阜基地に隣接した川崎重工さんで最終組み立てが行われ進空します(概ね‐な話)
で、その様な背景もあるのでしょうが、岐阜基地には、日本で唯一の部隊が置かれています。
『飛行開発実験団(ADTW)』と言いまして、空自が使用する航空機や装備品類の開発・実験・研究を一手に担っている部隊であります。
平たく言いますと‐空自が新規に調達する航空機等は最初に岐阜へ配置される‐と言えます。
ADTWのテスト・パイロットや試験評価要員により、徹底的に安全性や性能、運用要綱等が審査され、その結果が量産型に反映されたり、調達決定されるんだと解釈します。
ま、傍から見るコア野郎な私的には、大小各種試作機やら初号機を拝めます‐って所です。
ついでに隣接した川重さん所に出入りする陸・海・空な自衛隊航空機達もバラエティーに富んで楽しめちゃうヨ‐な他基地に無い魅力溢れた場所であります。
さてADTW所属機達ですが、最初の配備‐な栄誉もあれば、ほぼ最後まで現役保有‐な点もあります。
これは推察ですが、実動部隊の運用中に、何か解析やら原因究明を要する事由が起きた時に、速やかにADTWによって実証なり検証が行える体制をとっているのではないかと想像します。
と言う事で、随分減勢して来て実働部隊でも引退間際‐な機体も岐阜では見れる可能性があったりします。
またADTWはテスト・パイロットの養成も行っております。
博学で且つ、諸元に基づいた正確な操縦が出来ないと務まらないお仕事でしょうから、きっと大変なんでしょうねぇ・・・
で、今回は“XC-2”って言う空自の次期輸送機に巡り合えるとイイな‐と立ち寄りましたが、残念ながら私滞在中は飛んでくれませんでした。

その代わり、F-2Bの2号機(試作4号機)をようやく撮る事が出来ましたので、F-2絡み話で紹介しときましょう。
古い(汚い)写真でありますが‐

F-2は新規開発機でしたから、三菱重工名古屋工場で完成した後、引き渡された先は、TRDI(防衛省技術研究本部)となります。この段階ではXF-2って言われまして“仮ナンバー”である001~004までが付与されてました。
ま、扱ってる人達は製造元、TRDI、ADTWの混成チームだと考えます。
晴れて空自に移管されて単座はF-2Aと呼ばれます。

管理ナンバーの501が付与された1号機(試作1号機)
上の画像と比してレドームが黒くなっているのは、待望のレーダーを装備されたからだと思います(最初は航空機としての評価が行われる為、艤装を全て搭載している訳ではありません)
私初号機はデジ撮影に恵まれません‐2000年撮影(の筈)
試作2号機(単座2号機)です。

最近は後方警戒センサー等のアップデート改修がされた筈であります(2009年撮影)
試作3号機(複座1号機)です。

この機体はスピン(失速きりもみ)機動試験に使われた筈です。
スピン機動の記録解析がし易い様に垂直尾翼の左側は赤、右側は白に塗られております(最初の画像を参照)
今回撮った試作4号機(複座2号機)は結構私好みの機体です。
まず、塗装が前3機と比べると地味~・・・
これは量産型の塗装を検討する上で塗ったのではないかと思います。
下面白なのは、後述する事情なのかな??‐と勝手に想像します。

複座ですが後部シートがありません(青○)
試験データの収集等に用いる機器ラック化されています。
4号機は主翼下に懸垂する装備品等の実射、切り離し試験に使用された筈です。
主翼下の様子を記録するバック・カメラが装備されてます(赤○)
また並走するチェイサー機から撮影する映像の機体姿勢解析用に随所に参照点のマーキングがあります(黄○)
胴体後部も‐弄って‐ますな。

主翼下を後方から記録するフロント・カメラが“ワンオフ”改造されてます(赤○)
参照点マーキングも所狭しとあります(黄○)
F-2試作4機の外装は、今でも当時のままの試験機らしい面影を保っています。
ほとんど外へ移動しないこれらの機体は岐阜に行かなければ見れない機体達と言えるでしょう。
今回はこれ以外にも各種の機体が撮れました。
それらについては、フォト・ギャラで紹介したいと思います。
その他はココよ
コア話にお付き合い頂き、ありがとうでございます。