【今朝の三枚おろし】シリーズ:その1
ヒットメーカーの寿命
高澤 秀次
東洋経済新報社
この本は、作詞家・阿久悠さんに関する評論本なのですが、
氏の往年のヒット曲ネタがたくさんのっており、
当時をよく知る者にとってはたまらない魅力がある本になっています。
ただ、ヒット曲ネタ以外の評論部分には、個人的に興味はわきませんでしたが・・・。
では、そのヒット曲ネタを紹介してみまーす。
◆『わたしの青い鳥』桜田淳子
武田鉄矢論では、阿久悠氏は桜田淳子こそ第二の「美空ひばり」なりえると考え、
帽子をかぶらせ、中三トリオの真ん中にさせた。
「青い鳥」とは「ひばり」をもイメージした歌だったのでないのか?
しかし、しかし、第二のひばりになりえたのは、その隣にいた
デビュー当時はちょっと暗いイメージがつよかった
「山口百恵」の方だったのだー!!!!!
◆『また逢う日まで』尾崎紀世彦
「明るい別れの歌」を作りたいという、阿久悠から演歌へ挑戦。
「別れ=暗い」というイメージを、この曲が根本から覆したといえる名曲。
◆『個人授業』フィンガー5
◆『せんせい』森昌子
「個人授業」は自分の曲でもある「せんせい」意識して作った対極のパロディソング。
純朴な少女と沖縄のチョい悪少年との違いを「せんせい」を通してうまく引き出している。
◆『北の宿から』都はるみ
阿久悠にとってこの歌は不本意な作品だったのではないか?
この歌が正統派演歌として評価されたのが、阿久悠は不満だったのかもしれない。
◆『津軽海峡・冬景色』石川さゆり
阿久悠としての演歌への再反撃の歌である。
◆『舟唄』『雨の慕情』八代亜紀
「北の宿から」の「女ごころの未練」は「舟唄」の「未練が胸に舞い戻る」に収められている。
◆『ペッパー警部』ピンクレディ
「ピンクパンサー」のクルーゾー警部と「若いおまわりさん」と
「くしゃみ講釈」と「ドクターペッパー」と「サージェントペパーズロンリークラブバンド」
を含んだパロディソング。
ピンク・レディーとは、ひとつのプロジェクトだったのか?
阿久悠はピンクレディに代表される「短期決戦型アイドルの製造請負人」だったのか?
武田鉄矢論では、ゆえに山口百恵のスタッフは、絶対に阿久悠に作詞を頼まなかったという。
そのスタッフの名は・・・?
◆『勝手にしやがれ』沢田研二
男のやせ我慢の美学をカッコいい歌にしたかった。
去っていく女の「怨念」や「情念」よりも、それを見送る男の前向きさのやせ我慢を
より格好良く見せることに成功した。
◆ VS 山口百恵
山口百恵のレコード大賞をことごとく阻止していたのは阿久悠である。
1976年 「北の宿から」VS 「横須賀ストーリー」
1977年 「勝手にしやがれ」VS 「イミティションゴールド」
1978年 「UFO」 VS 「プレイバックpartⅡ」
阿久悠の存在によって山口百恵は無冠の女王となってしまった・・・。
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この本を読んで、武田さんがラジオでいわれた、
山口百恵を育てたといわれる名プロデューサー
「酒井 政利」さんについて俄然興味がわいてきたので、
「酒井 政利」さんの著書「神話を築いたスターの素顔」
をつい買って読んじゃたよ。
いやー、 本ってホントに面白いですねー。
より詳しく内容を知りたかったら、この本を買って読んでみてくださいねー。
Posted at 2009/03/13 00:17:25 | |
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