2012年12月23日
羽田トンネルの天井板撤去工事に駆り出されていました。
天井板、吊金具の撤去は終わり、後は剥き出しになった躯体の点検、剥落しそうなところの剥落防止工です。
天井板自体に不具合も無く、吊金具も天井板を載せているT型鋼の一部が腐食していたくらいで、吊金具は錆なし。
アンカーボルト周辺の躯体も、クラックや打音点検での空隙音なんかは無し。
天井板留めてたスタットボルトは細すぎてあまり役に立っていませんでしたが、吊金具の間隔<天井板長さなので落下の恐れはありません。
腐食は有りましたので、このタイミングで取っ払ってしまって正解だったと思いますが。
1か月早めたからどうこう、というものでもないんですけど。
アンカーボルトが破断していたところは、恐らくアンカーボルトの埋設位置がRC打設時に微妙にズレ、T型鋼の孔位置に合わず、孔自体にも余裕が無く、アンカーボルトを曲げて無理やり付けていたものと思われます。
そこに振動などが加わって、躯体が丈夫だったのでボルトが負けたんでしょうね。
どこかのブログで、ボルトが破断しないと躯体に影響が出る、なんて指摘をしていた方が居ましたが。
残りのボルトは曲がりはほぼ無く、大丈夫そうな感じ。
施工性を考えない設計だった事、合わないのに再製作や改良をしないまま取り付けた事が破断の原因だと思います。
錆びていたところは、排水樋の近く。
排水樋の近くに金物付けるなよ、錆びるだと、と思うわけですが。
50年近く経っている割には錆びてはいなかったかなと。
層状剥離した錆が大量に付着していたので、一般の方が見たら受けるインパクトはかなりの物かと(笑)
母材自体の減厚は大したことなかったので強度的には問題ないレベルでした。
50年近く経った海底トンネルがこれで、35年の山中のトンネルがダメとか。
余程酷い施工していたのかな、という感想を持ちました。
天井板落下の直接的理由は何れ解明されると思いますが、そこに至った原因が何なのか、早急に解明されることを願います。
責任問題になるから有耶無耶、とかは勘弁してほしいな。
補修屋さんとしては、今後の仕事に非常に参考になり安全確保に役立つと思いますので。
Posted at 2012/12/23 20:43:44 | |
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