
一体何年使ってきたか定かでないが、KTCのOEM品と思われるFBR3というラチェットの動きがガリガリと雑になったんじゃないかと疑い始め、分解清掃しようとヘッドのネジを力いっぱい回したら・・・実は
カシメネジだったので完全にねじ山がなめてしまった。
他にもラチェットは持ってるのでしばらく放置していたが、このスタンダードなラチェットでいろんな種類のネジの限界を体で覚えているため、どうも他のラチェットはなじめない。長さと太さがキモだが近い感覚のものを一本も持っていなかった。
手持ちで近い長さならKo-ken ZEAL 3726Zだが、樹脂グリップのため握り感が全く違う。似たようなグリップ形状(磨き棒)ならSnap-on FRLF80もあるが長さが全く違う。
これはもう修理するしかない。
かしめ部分中心にポンチを打ち、ボール盤に2.0mmのドリルをセットしてカシメ部分を軽く揉む。ねじ山がなめてるからドリルといっしょにネジがクルクル回転する。思い切って力をかけると回転は止まるが、いつドリルが折れるか気が気でなく緊張する。揉み終わったらニッパでネジを銜えてやるとカシメ部分がポロリと取れる。
ねじ山はとうに潰れてるからピンポンチでネジをたたき出せばプレートが外れる。
幸いにしてプレート側のねじ山は生きていて、ネジ側の山だけが潰れてた。
ネジはM3でもともとは15mm長だと思うが、プレートと面一にするにはM3の12mmの皿ネジが必要。しかし、ホームセンターや工具屋を4件ほど探したがM3の皿ネジで売っていたのは10mmの次は15mmで、どこにも12mmが売ってない。ということでステンのM3皿ネジ15mmを購入して12mmへ削ることにした。
サンダーでなるべく正確かつ綺麗にネジの余剰分を削れるよう、ステーにネジを固定した。ナットの面までネジを削ればバッチリ寸法通りになるはず。
サンダーに36番くらいの砥石を装着して荒削りし、240->400番のペーパー砥石で磨いた。
ネジの端の角のバリをヤスリがけすると、はまっていたナットも特に抵抗も無くすんなり外れた。画像の上側2本が削ったもので、下の1本は潰れたオリジナルのネジ。
削ったネジの端面はピカピカ。
元々殆どグリスもオイルも無かったんじゃないかと思うような状態だった。
モリブデングリスにナスカルブを加えて薄く塗りこんでみた。
更に、ラチェットの空転を軽くするために爪を押さえているスプリングの高さを少し低く、かつスプリングの位置がギアから遠ざかるような傾斜へ変形させてみた。
左右を揃えないと締め付け時と緩め時の空転でカリカリ音も抵抗力も揃わない。結構何度も修正した。
もちろんスプリングは小刻みに早く回しても空振りしない程度の変更に抑えている。
空転時の感触や音に納得したら元通り組み付ける・・・が、良く考えたらカシメネジじゃないから元通りではないな。
今までの
カッチンカッチンという音から
コチンコチンという静かで低い音に変わった。空転トルクも極めて軽く、明らかにパウル式のZEAL 3726Zより回りだしが軽快!2つ爪タイプのKo-kenの3753Pが楽天の買い物かごに入っているが、こうなってしまうとたぶんもう買わない。
調子にのって空転の重さに不満をもっていた1/2のKTC BR4FLとSTRAIGHTの3/8スイベルラチェットもスプリングを作成、交換してチューンしてみた。次回に続く。
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バイク | 日記
Posted at
2015/04/20 01:01:54