
KSR110のエンジン組付けの続き…。
今回は「腰上」(ピストン・シリンダー・ヘッド周り)の組み付けと車体にエンジンを取り付けてキャブ調整まで行います。
今回の腰上は、シリンダ+ヘッドを社外品に交換します。
いろいろ調べてパーツをチョイスしましたが、KSR用の部品ってモンキーほど種類がないんですよね。
結局今回も「武川」一色になっちゃいました…。
まずは、「シリンダ」周りから…。
自分のモンキーに装着したモノと同じシリーズの「武川 スカットシリンダ」です。
相変わらずピストンは大口径!
そして、スカート部分がない…。
これを見るといつも大丈夫?って不安になります。
まずはピストンに「ピストンリング」を組付け、「コネクティングロッド」にピストンを取り付けます。
「サークリップ」がクランクケースに入らないようにウエスなどで蓋をして作業をします。入ったらもう一度組み直しです…。

この辺りの作業には、初期始動に向け「エンジンオイル」をたっぷりつけながら組んでいきます。
「ピストンピン」や「コネクティングロッド」などの力のかかる箇所には「モリブデングリス」をつけていきます。
「シリンダ」の内壁にもオイルを塗ってピストンを挿入します。
次は「シリンダヘッド」を組付けていきます。
「シリンダヘッド」もやはり武川製で「Super head + R」です。
今回取り付けるタイプは「吸気1バルブ」・「排気1バルブ」の2バルブのヘッドです。
ちなみに、モンキーには4バルブのヘッドが付いています。当方メカ好きなんで4バルブを付けましたが普通に走る分には2バルブで十分でしょ。
このヘッドには「ロッカーアーム」と「カム山」との摺動部にベアリングが入っていてフリクション低減が見込まれる構造となっています。これがお気に入りでいつもこのヘッドを買ってしまう。
すごく高いんだけど…。
ヘッドの組み付けは純正部品を多用するので、純正ヘッドから部品を取り外しながら確実に組付けていきます。
エンジン本体に組付けます。当たり前のことですが、締付けトルク管理をしっかりと…。
やっと形なってきました。
このキットはデコンプ付きのヘッドです。カムスプロケットを組むときに「デコンプ」機構も一緒に組付けます。
大排気量になると圧縮圧力が大きくなるのでキックによる始動が重くなります。キック位置を考えないでキック始動するとひどいケッチンを食らいます。打撲必至…w
ちなみに、デコンプ機構とは、キック始動時に圧縮工程の時に圧縮圧力をちょいと逃がしてやってキックの力をキック力を小さくしてやるモノです。
自分のモンキーもデコンプ付きなんでこのありがたさは良くわかっています。
あとは、バルブクリアランスを調整して(シクネスゲージが錆びていた…)組み付け終了です。
車体に組み付けて、キャブとマフラーを取り付けます。
キャブは「VM26」です。
こいつは個人的にセッティングが出しやすいので好きです。少々のエンジン変更してもそこそこ走ってくれます。
でもこのキャブは、「スロー系」や「ニードル系」を変更すると特性変化は現れるけど、なぜかメインジェットをいくら変えてもあまり変化が見られない不思議なキャブ…。
こんなのだからセッティングが出しやすいと感じるのか…?
所有者さんはこのバイクで通勤使用するみたいなので純正エアクリーナーを取り付けました。
リアブレーキペダル回り・チェーン周り・外装周りを組付けします。
これで完成です!
いよいよエンジン始動です。
いつもそうだけど…。エンジンを全バラして組んだ時の始動は緊張しますね。
エンジン周りをもう一度チェックして…、オイルを入れて…、プラグを外してキックでクランキングを数回してオイルを回してやります…。
エンジン始動…!
「キック」「キック」「キック」…
3回キックくらいで無事かかりました。
成功みたいです。
しばらくは組み付け時塗りたくったエンジンオイルで白煙吐きますが、しばらくすると消えます。
純正エアクリーナーが付いているんで音は静かです。
十分な暖気を行い試走しました。
やはり、このキャブはポン付けでもスローをちょっといじるだけでそこそこ走ってくれます。
慣らしなんで上まで回せませんが、ボアアップはトルクがハンパないです。乗りやすい。やっぱり良いバイク…。楽しいです。
結局キャブ調整は、純正エアクリーナー仕様で、「パイロットジェット」は工場出荷状態。「エアスクリュー」をチョイ開け(薄く)。中域のニードルを1段階薄め。高域は慣らしで回せないんで後日。でもこのキャブは多分このままでいけるはず…。
低中域での繋がりはいいみたい。
ちなみに、純正エアクリーナーを取っ払って下の写真みたいにキノコ型の「エアフィルター」も持っているんで試しに取り付けてみました。
音は爆音になりいくら調整しても低域トルクはスカスカになりました。街乗りには吸気から排気まで抜けが良すぎるんでしょう。
多分こっちの方が上は回るんで楽しいんでしょうが、音が爆音なんで所有者さんNGでしょう…。
約1.5ヶ月かけて修理をしたKSR110がまた元気になって復活しました。
エンジンの全バラは久しぶりで楽しませてもらいました。
モンキーなどの「ホンダ横型」と作りは一緒ですが、やはり排気量は倍以上なので作りはしっかりしていました。
バイクの乗り味もモンキーの10インチに比べ12インチのタイヤはやはり安定感が違います。
ベース車両としては楽しいの一言です。
やはり手放すんじゃなかったか…?