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2013年08月07日

'70年代Vintage cars of Japan ’70








プリンス R380 (PRINCE R380Ⅰ)







'63年3月に開催されたた第1回日本グランプリで、


出場要項を厳格に守り市販車同然のグロリア


スカイラインで出場したプリンス自動車は


予想外の大敗を喫した



続く‘64年の第2回GPでは


4気筒1,500ccのS50型スカイラインのノーズを200mm延長し


グロリア用のG7型6気筒OHCエンジンを


押し込んだスカイラインGT(S54B)で乗り込んだが


突如現れたトヨタのワークスドライバー式場壮吉の


ポルシェカレラGTS904がスカイラインの行く手を阻んだ




このレースでドイツ製レーシングカーに食らいつき善戦した


スカイラインに多くの日本人は感動し


スカイライン神話が生まれたが


先進技術と高性能を売りにしていたプリンスが


場外の駆け引きは別にしても優勝出来なかった事は事実




‘64年9月、2連敗したヒコーキ屋達は櫻井 眞一郎をチーフに


打倒ポルシェを目標に次のプロジェクトを始動させた


これが国産初の本格的レーシングカーR380だった


















同年6月に設計部長の田中次郎が


ヨーロッパで手に入れた


ブラバムBT-8の鋼管スペースフレームを強化し


アルミ製のボディーはデザイナーが造った物ではなく


空力を追求した結果を形にした物だった



この思考は矢張り中島飛行機のDNAなのだろうか?




フレーム以外にもクラッチや


ミッション、ダンパー、ブレーキ等は殆ど


ヨーロッパの一流メーカーの物を


バランスさせて使っていたが


エンジンは完全に自前でS54Bに乗せていた


G7型エンジンのボア・ストロークを75mm×75mm 1987cc


4バルブDOHC 82mm×63mm 1996cc に変更し


潤滑方式もコーナリング中のGで


オイルが偏る事を防ぐ為ドライサンプに変更した



こうして出来上がったGR8型エンジンは殆ど新設計で


出力もS54Bの125Psから200Psと大幅に向上した





打倒ポルシェを目指したマシンは完成したが


’65年5月の日本グランプリは中止となり


戦いの場を失ったR380ⅠAは


その年の10月谷田部の自動車高速試験場に持ち込まれ


国際スピード記録に挑戦した




10月6日午前10時、杉田幸朗のドライブでスタートし


国際自動車連盟FIAの規定による


Eクラス(1500cc~2000cc)の記録を


次々と更新しながら52周した11時15分頃


時速230Km以上で走っていたR380の左前輪がバーストし


車はコースを外れとボディーを大破したが幸い杉田は


左手に軽い怪我を負っただけで済んだ


あと8周すれば200マイルの記録更新が見込まれたが


ボディーだけではなく左前輪のシャフトも破損していた為


この時点で中止となった




その1週間後、再び世界記録に挑戦したが


今度はトランスミッションのトラブルが発生し


記録更新とはならなかった






この日の記録は以下の通りであるが


谷田部のコースはFIAの公認コースではなかった為


正式な記録とは成らなかった
















谷田部で国際スピード記録に挑戦した

R380ⅠA型 










国際スピード記録に挑戦したⅠA型のエンジンルーム


手前のパイプが燃料補給口







前輪シャフト破損








左手負傷したドライバーの杉田幸朗     
           

 R380の記録(国内) 



       Eクラス国際記録    R380ⅠA型 記録

50Km      230.51Km/h       238.15Km/h

50mile    237.21Km/h       234.40Km/h

100Km    239.35Km/h        234.69Km/h

100mile    229.36Km/h        234.88Km/h

200Km    229.18Km/h       234.93Km/h

1Hr       229.23Km/h       235.06Km/h













’65東京モーターショーに展示された記録更新車  

 

第3回日本グランプリは1966年5月3日に場所を


鈴鹿サーキットから富士スピードウェイに変えて行われた


この年の8月1日


日産に吸収合併される事が決まっていた


プリンスは並々ならぬ決意でGPに臨んだ


R380は更に進化し


フレームは鋼管の径を大きくしブラバムを基にした新設計で


ボディーのフロント部をアルミからFRPに変え


リアサイドのエアインテークの


形状等デザインも細かな変更を施した


櫻井 眞一郎を中心とするチームはマシンの性能だけではなく


連日富士スピードウェイを借り切りテストランを重ね


ピットの支援体制も背水の陣を張った


ここで画期的だったのは燃料の補給方法


燃料をポンプで送るのではなく


高い位置に据え付けたタンクから落差で


一気に流し込む方法だった


そのシステムにより通常1分ほどかかる給油が僅か


15秒に短縮されロスタイムの短縮に大いに貢献した




 
この大会でも予想外の強敵が現れた


滝レーシングチームのポルシェ カレラ6だった


国産各社が威信をかけて戦う場に


プライベートチームがしかも高価な最新レーシングカーで


急遽参加表明することに少なからず違和感を覚えたが


日産のフェアレディスペシャル等の改造車やその殆どを


ヤマハが手がけ市販を前提とした








トヨタ2000GTなどの国産車だけを相手に勝っても意味がない







日産との合併でプリンスとしてだけでなく


レース活動そのものが最後になるかも知れないチームは


何が何でも優勝する事を誓った



プリンスは4台のR380をエントリーし


対するカレラ6はプライベートチームで


練習時間も短いハンディは有ったがレースの


経験値は格段に上だった


レースは絶対負けられないプリンスは


ピットのサポート体制も万全で


カレラ6行く手を生沢が阻む作戦で砂子が


3周の差を付けてフィニッシュ


2位に大石、3位に横山が入った



純粋に車の性能だけで勝負したらプリンスは


ポルシェに叶わなかったのではと思われるが


これまで散々辛酸を舐めてきたプリンスは


その名が消え去るほんの数ヶ月前に多くの日本人に


誇りと希望を与えてその役目を終えていった






































‘66年日本グランプリで優勝したR380Ⅰ型










 トヨタ博物館に展示されているR380












1996年に復元されR380Ⅰ

河北新報より 









ブログ一覧 | 歴史 | クルマ
Posted at 2013/08/07 20:44:06

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この記事へのコメント

2013年8月7日 21:00
まさにイイね!
当時の自動車メーカーの方が熱かったと思います(^o^)/
コメントへの返答
2013年8月11日 21:02
逆にニッサンが取り込まれてた・・・

らどうなってたんだろう(^^

スカイラインはもっと飛躍してたかもね~♪
2013年8月7日 21:20
こんばんは♪
昔のクルマには、色々ドラマが有りましたが、今のクルマにはそういうのって有りませんよね~(笑)
コメントへの返答
2013年8月11日 21:06
かえるGOさん始めまして(^0^)/

確かに今の車って魅力感じませんよね~

60年から70年代の車が一番躍動感があるん

じゃないかなぁ(^^

そんな日本車が好きな堕天使です♪

またスポーツカー全盛期が来るとイイなぁ(//▽//)

プロフィール

「日産 サニー ロータリークーペ? http://cvw.jp/b/1553683/48560617/
何シテル?   07/24 15:03
昭和の堕天使とイイます 古き良き昭和を愛する方々と お話が出来れば幸いです(*^-^*) な~んて言ってるけど21世紀モノも好きで~す!...
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