自然吸気エンジン5選!!
ベストカーWebよりコピペ(^^;
どんなカテゴリーのクルマといえども環境性能を抜きにしては語れない時代になりました
燃費や効率を追求した結果、環境には優しくなりましたが
「クルマとして面白いかどうか」にはさまざまな意見があると思います
単純に「あの頃はよかった」と
言える話ではありませんが
ただかつて日本市場には
「アクセルを踏み込むだけで幸せな気分になれた
NA(自然吸気)エンジンがあった」ということだけは確かです
本稿ではそんな、おそらくもう発売することは難しいであろう
楽しく偉大なNAエンジンを5機
(「ターボ編」に続き)自動車ジャーナリストの
片岡英明氏に選んでいただきました
■選考理由は「スポーツ性」を優先
「NA」(Natural AspirationもしくはNormal Aspiration)
と呼ばれる自然吸気エンジンは
ダイレクトな応答レスポンスと高回転まで
気持ちよく回ることがチョイスの基準になる
また、官能的なエンジンサウンドも重要な要素
とくにマルチシリンダーは奏でるサウンドを重視した
燃費と排ガス適応能力など、環境性能も重要
スポーツ性を優先しているエンジンは
ある程度は割り切って評価した
このことから分かるように、燃焼が
不安定になるキャブ仕様は避け
1980年代以降の電子制御燃料噴射装置付き
エンジンのなかから選んだ
ターボ搭載車で選んだエンジン
(前回の「ターボ編」参照)は
そのNA版も高く評価できるが
より多くのエンジンの魅力を伝えたいため
あえて今回のノミネートからは外した
当然、高級なマルチシリンダーだけでなく
量産の4気筒や3気筒も候補のなかに入れている
軽自動車のエンジンもあるが
このクラスは過給機がないと非力なので
今回は選から漏れた
できるだけクラス別に選び
名機が多い場合はその中から
スポーティ度の高いエンジンを優先して選んだ
■ホンダF20CおよびF22C型/S2000
「エンジン屋」を自認するホンダには名機が多いオートバイやレーシングカーのエンジンを
数多く手がけているから
高回転まで気持ちよく回るエンジンが多いのである
また、NAエンジンに傑作が多いのも
ホンダの特徴だ
タイプRに搭載されている
ファインチューニングしたエンジンは
いずれも魅力的である
悩んだ末に選んだのは
後輪駆動のS2000のために設計された
縦置きレイアウトのF20C型直列4気筒DOHC・VTEC
高性能だけでなく
環境性能も考えた新世代の
スポーツユニットで、コンパクト設計も話題となった
バルブ挟み角を狭めて
シリンダーヘッドをコンパクト化し
駆動システムはカムチェーンとしている排気量は1997cc
11.7という驚異的な圧縮比を採用し
平成12年排ガス規制をクリアしながら
リッター当たり出力125psオーバーを達成した
その気になれば8000回転まで無理なく
使うことができ(許容回転数/レッドゾーンは9000回転)
6500回転を超えてからの加速も鮮烈だった
2004年の北米仕様から
F20Cを元にストロークを84mmから90.7mmに延長し
排気量を2.2Lに拡大
「F22C」に改良して常用域でのトルクを増加した
登場は約20年前だが
現在まで含めて日本車史上最高峰の
NAエンジンのひとつとして君臨している
■トヨタ2JZ-GE型/A80スープラ
1990年夏M型エンジンの後継機としてデビューしたのが
2887ccの2JZ-GE型直列6気筒DOHC
ストロークを詰めて排気量を2491ccとした
1JZ-GE型直列6気筒DOHCも用意されている
こちらは日産のRB系に対抗する形で登場した
3Lの2JZ-GE型エンジンはスクエア設計で
切れ味鋭い加速を見せつける
しかも実用域でトルクが太く
扱いやすいのが美点だ
応答レスポンスが鋭く
クルージング時は静粛性も高いレベルにある
プレミアムセダンだけでなく
スープラやアリストなど
スポーティモデルにも搭載され、好評を博した
この2JZ-GE型と1JZ-GE型エンジンは
1995年に第2世代に進化している
バルブタイミングを連続的に制御し
幅広い領域で高性能と良好な燃費を引き出せる
連続可変バルブタイミング機構のVVT-iを採用し
ドライバビリティに磨きをかけた
21世紀には直噴システム(D-4)を採用した
ハイメカツインカムの2JZ-FSE型も登場する
■三菱4G92型/ミラージュサイボーグ
ミラージュは1985年から 「ミラージュカップ」と名付けられた
ワンメイクレースを開催し
このレースにホッテストバージョンを送り込んでいた
1992年10月、V型6気筒エンジンも設定する
4代目のミラージュに究極のホットハッチ
サイボーグRとRSを加えている
心臓は可変バルブタイミング機構に
リフト機構を組み合わせた「MIVEC」エンジン
型式4G92の直列4気筒DOHC4バルブで
排気量は1597ccである
最高出力は175ps/7500rpm
最大トルクは17.0kgmをなんと7000rpmで発生
ミラージュは1995年に5代目にバトンを託している
ZRを主役とするサイボーグシリーズには
モータースポーツ参戦のベース車両も用意された
搭載するのは
6000回転から上が刺激的な4G92型MIVECエンジンだ
スペックに変更はないが
全長とホイールベースを短くしているから
意のままの気持ちいい走りを存分に楽しむことができた
ホンダのシビック、日産のパルサー、トヨタのレビン/トレノと
熱いライバル争いを繰り広げ、なおその中で頭ひとつ抜き出ていた
■スズキG13B型/カルタス
20世紀を代表する スズキのホットハッチがカルタス1300GT-i
初代モデルは1986年に鮮烈なデビューを飾った
ファミリー系のエンジンは
1324ccの直列4気筒SOHCだが
モータースポーツでも使えるように
排気量を1298ccに下げている
また、高回転まで回るように
DOHC4バルブヘッドを架装し
燃料噴射装置を装着した
パワーバンドは狭く、ピーキーな特性だったが
操る楽しみがあるエンジンだ
しかも車重は730kgと軽量だから加速も冴えている
2年後の1988年
カルタスは第2世代のAF34S型にモデルチェンジ
リーダーの1.3GT-iが積むのは
進化版のG13B型DOHC4バルブだ。圧縮比を11.5に高め
インマニやエキマニの変更
プレミアムガソリン化によって115psを達成している
振動が弱点だが、8000回転まで元気に回り
驚くほどパワフルだ
が、当時のスズキはハンドリングが悪く
曲がらないから大変だった
それでもあの刺激的なエンジンは衝撃だった
■トヨタ1LR-GUE型/レクサスLFA
このエンジンは スペシャルすぎるので選ぶことを迷った
レクサスLFAは、わずか500台の限定販売車だ
当然、エンジンも限られた数しか生産していないのである
が、これまでに登場した量産エンジンのなかで
最高峰と言えるものであることは疑う余地がない
レーシングエンジンに限りなく近く
トヨタと(共同開発した)ヤマハの
叡智が詰まっている革新的なエンジンなのである
だから5機のなかに入れた
ヤマハが開発した1LR-GUE型エンジンは
レーシングエンジンのようにバンク角72度の
V型10気筒DOHCで、排気量は4805cc
コンロッドはチタンの鍛造製
ピストンはアルミ合金の鍛造製とし
圧縮比も12と高く設定している
重心を下げるため
オイル潤滑はドライサンプ方式とした
性能的に世界トップレベルにあるし
エンジン音も官能的
日本どころか世界の自動車史に
残る不世出の名機と断言できる