
「35Rのチューンは何が良いか?」をブログアップしたところ、その後いろんな方からメールをいただきました。
今日は説明が長いので、興味のない方はスルーしてくださいね。
そのやり取りの中で感じたことは、殆どの方がパワーアップについて各要因を分けて考えずに、何となく総合的に捉えていることです。
そしてショップの言うパワーの“数値”を異常?に気にしていますね。
前にも書きましたが、これはシャシダイの違うお友達と“数値”を競うものではなくて、自分の車がどうしたらどうなったかの変化を知ればよいことです。
シャシダイが甘くても辛くても、まして係数がどうとかは関係ありません。
35Rについては、タービン交換やカムを変えたり排気量を大きくしたりのチューニングは別として、ノーマル車の限界についてもう一度考えてみます。
35Rはノーマルタービンの風量では、何をしても壊れない車だという前提です。
まず、全くのノーマル車の限界値はどんな条件で発揮されるかを知っておくことが重要です。
他の条件が同じなら、35Rのパワーは過給圧の数値に連動します。
ということは、最大パワーは過給圧の制御をせずに、タービンの能力を常に一杯に使うことです。
(私はこのようにしている。)
このやり方では下も中間も上も最大のパワーです。
どんなに優れたEVCのマップも、プログラム書き換えで過給圧の制御を変更しても、この「制御なし」には敵いません。
ここが一番大事なことです。
EVCはブーストを上げるためのものではなくて、ブーストを抑えるためのものです。
ショップがEVCは現車合わせでパワーは最高ですと言っても、それはあまり意味のないことです。
このようなアッピールは35Rの丈夫さが分からなかった初期の段階で、ブーストは1.1kに抑えておこうというような時に、EVCの設定で立ち上がりやオーバーシュートのさせ方等で、チューナーの考え方で違いが出ました。
でも今は1.7kでも壊れない35Rですから、6500回転で1.0kも上がらないノーマルタービンでは、どのチューナーも目一杯ブーストを上げる設定にしている筈です。
もしそうでなかったら、他のショップよりもパワーで劣ることになりますからね。
またショップの営業妨害みたいなことを言いますが、EVCは“制御なし”のような設定にするのがパワーにとっては最良と知っている筈です。
もっと確実なパワー重視の設定は、EVCなど付けずにアクチュエーターに入るホースを遮断することです。
ここまで本当のことを言ってしまうと、EVCは売れませんよね(^o^)。
だからブリッツのEVCでも、HKSのEVCで現車合わせしても、パワーには何も関係ありません。
これでパワーについてはEVCは外付けであっても、プログラム書き換えであっても同じだとお分かりいただけたと思います。
次にもう少しパワーアップさせるには、パワーは過給圧アップで得られるから、キャタやマフラーを交換することで過給圧アップを期待する。
これは確実に効果があります。
また過給圧は変わらずとも、少しパワーアップが期待できるのは、プログラムマップの書き換え(パワー寄りの燃調に書き換える)です。
これと同じことはサブコンでもやれますね。
まあ、あまりお金を掛けないポピュラーな35Rのチューンはこの辺までですね。
だから今はどこでチューンしても違いは出ないのです。
もう上限に張り付いていますから、その上限のパワーを590と言ったり600と言ったり、ショップの“方針”ですね(^o^)。
勿論5psや10psの個体差もあります。
各メーカーもショップもお客には色々親切に説明しますが、ターボ車チューンの原理を良く理解しておいて、自分の正しいフィルターで受け取るようにしたいです。
基本の原則は、他の条件が同じなら過給圧が高い方がパワーは大きいこと。
他の条件が同じなら、日産の安全重視のマップよりもパワー指向に書き換えた方がパワーは出る。
この2点です。
arieru号の仕様はサブコンなし、ECU書き換えなしですから、このパワー指向の書き換え分だけ他のショップの書き換えタイプよりも低いです。
これはEVCのセッティングや他の方法で逆転できるものではなく、勿論HKSの技術が低いからでもありません。
燃調でのパワーアップ分を、安全のマージンとして残しているだけですからね。
書き換えタイプよりも、実測パワーが出ると言ったのなら、これはおかしいですね。
インジェクターや燃料ポンプや強化アクチュエータについては、別に説明します。
ここからは余談になりますが、
もし私が14yを買ったらどう弄るかは、何となくイメージが出来上がっています。
まず、外付けか書き換えかはどちらでも良いのですが、リミカだけします。
そして上にも書いた、ノーマルアクチュエータに入るホースの間に通路遮断用の電磁バルブを入れて、車内にノーマルとの切り替えスイッチを付けます。
これで20万以下で、下から上まで最強パワーの14yの完成です。
EVCを付けた車よりも、強化アクチュを付けた車よりも確実に速い車になります。
私は何か買ったり、何かした時に“高かった”と自慢するよりも、どうだ!こんなに安かったんだと自慢したいタイプなので、完全に私にぴったりのチューンです(^o^)。
そして、次に進むとすればHKSの800タービンに換装します。
問い合わせてみると、排気系ノーマルは特殊な使い方らしいですが、パワー的には5%ダウンと言われました。
と言うことは40psロスして、760psです。
こんな誰もやらない仕様を密かに狙っています。
まあ、それまで生きてればのことですけどね(^o^)。