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キアロのブログ一覧

2013年12月22日 イイね!

宙船



夕暮れを撮りに東京湾側を南下する。

いつぞや行った、塔のある海浜公園にでも行こうかな。

冬の夕暮れはまた格別だ。

幸い天気は良くて雲も少ない。



おや。

途中で小さな港を見つけた。

でも知ってる港のイメージじゃなくて

ただ船が接岸しているばしょ、って感じ。

その船も、無骨で、見たことがない。

工船だ。








船はどれもひと気がなくて

辺りには誰もいない。

水がコンクリの岸壁を打つ音がして

船をもやうロープが軋む。




ぎぎぎぎ・・・

ぎりぎりぎり・・・

ちゃぷん。

ききききき。

すげえ、不気味。












いろんな船があるけれど

こんな、仕事場が、工事現場がそのまま

浮かんでるってのも、不思議なかんじだ。

同じ仕事船でも、漁船は男のロマンの風情というか

お祭りの神輿みたいな雰囲気があるけれど

これは、そんなセンチなものは、一切ない。

労働力のカタマリだ。












親父の形見の船だとか、兄弟船だとか

情の入り込む余地はない。

きっと演歌の題材にもならんのだろう。













船は、人生とか旅とか、いろいろなものに

喩えられるけど、それは客船やレジャーボートや

まあいっても漁船や連絡船くらいなもので

さすがに工船ではないだろう。

でも、もくもくと仕事して、港と現場を

行き来するだけの毎日なら、その人生は、

船旅は、工船なのかもよ。





せっかくなので、工船をバックにパチリ。

夕日をあびて、パチリ。

わたしのスプラウトは、どんな船だろう。

非日常を見せてくれる宇宙船か。

どこかに沈んでいく泥の舟か。










向こうの工場をバックにしてパチリ。

すげえ煙。

今日は晴れだからそんなでもないけど

曇りや雨の日は、まるで雲を作ってる工場みたいに

見える。



あんなふうに、げろげろと好き勝手に

思いのたけを吐き出せたら、さぞ楽だろう。

環境がどうだとか、未来がどうだとか

言われた人の身がどうだとか

そんなのは、どうでもいいことにして。




ボヤカしてしまえば、でも

そんな煙もなんもわからなくなる。


古いレンズだけど、まずまず。


---
♪ 宙船 TOKIO


Posted at 2013/12/22 16:08:33 | コメント(4) | トラックバック(0) | カプチーノ | 日記
2013年12月15日 イイね!

That Feel



今日は新しいカメラとレンズのデビュー戦。

いつもより少し足を伸ばしたところまで

朝の海を撮りに行く。



海べりには、薄暗いなかで焚き火をするおじさんがいて

「こんな湖みたいに静かな海はめったにない

きっといい写真が撮れるよ」っていう。



ほんとだ、ゆっくりとうねるばかりで

サブザブとした感じがない。

でもちょっとプレッシャーだ。



カメラはともかく、レンズは30年位まえのやつなので

撮るまでにちょっと作法がいる。

それからピントを合わせる。

でもそれが愉しい。

けどちゃんと撮れるかな。

いつものRD-1sも儀式のいるカメラだけど

これはまた別の儀式だ。





日の出が近くなって、曙な感じになって

釣り人の様子も見えるようになる。

水平線の彼方には船の姿もみえた。




やおら、海面にもやもやと靄が立ち込めて

それが風に乗ってこちらにやってくる。

あっという間に靄が足元をすぎる。

ドライアイスの煙を、ふっと吹いたみたいな

あの感じ。



デビュー戦のカメラは、ちょっと戸惑うこともあるけれど

総じてとてもいい。

金属のレンズをすーっと回して

ピントをすっと合わせる。

露出を調整したいときは

シャッター速度をちょっと変える。

フィルムカメラでよくやってた、あの感じ。

いろんなあの感じを思い出した。



むかし、バイクに乗ってた頃

毎度毎度、「今日死ぬかもしんないな」と思って

エンジンを掛けていた。

バイクを降りて、家庭用のクルマに乗って

そんな気持ちはもう忘れてたけど

カプチーノに乗るようになって思い出した

今日事故るかも、のあの感じ。


日によってエンジンの回り具合が違って

たまさか、ワケもなく、ものすごくスムースに

回転してくれるときの、ご褒美みたいなあの感じ。



メールの返信を待って

そろそろ来る頃かな、と思った時に

すっと届く、あの感じ。



一年前の今日、初めてここに海を見に来た。

寒さも、光の加減も似てるけど

でも、あの感じとはちょっと違う。


凪いだ、今朝の海みたいな気分。




日が昇って、海の色が真っ白になった。

こんな色味の海は初めてだ。

焚き火のおじさんもしきりにキレイだという。

まるっと1年通ってた褒美かね。


向こうの防波堤が

波間をゆく軍艦の舳先みたいにみえた。




新しいカメラは、なかなか気が合いそうで

よかったよかった。



---
♪ That Feel Tom Waits(& Keith Richards)



Posted at 2013/12/15 13:03:09 | コメント(2) | トラックバック(0) | カプチーノ | 日記
2013年11月23日 イイね!

紅灯の海



今朝はひと月ぶりに九十九里へ。

クルマのドアを開けると、むわっと海の香り。

牛小屋みたい。

生き物の発する強いニオイ。



今月の朝日を撮れば、この1年、日の出見物の皆勤だ。

東京湾だったり太平洋だったり

月によって違うけど、日の出は日の出だ。

晴れの日ばかりじゃなかったけど、朝は朝だ。

さすがにそんだけ通ってると

撮る写真も似たり寄ったり。

そろそろ河岸を変える、潮時なのかもね。





じきに今年も終いです。

今年はいろいろあったなあ。

交わらないはずの線が交差したり

二本の線はずっと平行だったり。

お陰で朝っぱらから海に来る癖もついた。

端緒は、ふんぎりをつけにきたはずなのに。

忘れたほうがいいことがあったのに。



パチパチ写真を撮ってたら

サーフィンの人から声をかけられた。

キレイだからいい写真撮れそうですね。

突然のことなので口をついて出たのは、

寒くないんですか、なんてありきたりの質問。

今の季節は海の中の方が温かいですね

砂浜は尋常じゃないですけど。

足でかき氷食ってるみたいです。


詰まらない問いかけに

真摯に応えてくださり、ありがとうございます。



そうか温かいのか、海は。

銭湯の脱衣所から

湯船に向かうようにざぶざぶと

どうりで抵抗なく進んでいくわけだ。



サーフィンのひとは海に通うたび

波乗りがうまくなるんでしょう。

こっちはどうか。

写真は相変わらずで、踏ん切るべきことは抱えたままで

むしろそのことをちょっと喜んでたり。









今朝の帰りはオープンにした。

みん友のこざっち号を偲ぶのだ。

いつも青天井だったあのクルマを。

で、彼の復活を期待してみるのです。




屋根を全部取るのは一年ぶりくらい。

やっぱり、オープンは、素肌にズボンをはく

直接ズボンのあの感覚によく似てる。

通るはずのないところに風が抜けて

ちょっと自意識過剰で、気恥ずかしい。

おまえがノーパンだなんてことも

ふんぎらずに変わらず抱えてることも

誰も気づいてないってのに。



---
♪ 紅灯の海 竹中直人



Posted at 2013/11/23 23:09:42 | コメント(3) | トラックバック(0) | カプチーノ | 日記
2013年11月17日 イイね!

満月小唄

おお、いい月。

それじゃ、月を撮りに行きましょう。

で、真夜中、3時前に家を出た。



太平洋か東京湾か迷ったけど

月が沈む様を見てみたかったので

東京湾に。

いつもの工場地帯の脇。

いや、こっちのほうが人気(ひとけ)があるんですよ。

夜釣りのひとがいる。

真夜中の海は不気味ですから。





それでも人はまばら。

ひとり、防風松の林を抜けて

小さな工場の脇を歩く。




わたしの愛用の単焦点レンズは

オールドレンズみたいな味がウリなので

光源を撮ると、もやりと光が揺れる。

だから、ほんとは月を撮るのは

キレっキレの最新レンズが良いんだろうけど

まあいいや。

そういうのは、誰かよその人が撮ってくれる。



真っ暗け。

月のあかりと、遠くの工場の灯り。

公園の街灯が少し。

何かの気配がして、なんども

なんども後ろを振り返りながら撮りました。



少し歩くと、明るい所にでた。

夜釣りをする人たちがチラホラ。

みんな柵を乗り越えて

波打ち際のほんの少しの岩場で

釣りをしている。

これは脇差しカメラ(GR Digital Ⅳ)の絵。




夕日みたいに沈む月を眺める。

じわりと沈んでいく。

月が沈むのを見るのは初めてだ。



橋の向こうは、釣り用の桟橋。

朝にならないと営業しないので

夜中は渡れない。

あそこに行ったらきっとスゴイ絵が撮れるのにね。



ロシア人の肌みたいな色をしていた月が

沈みかけると赤くなる。

こんなに赤くなるんだ。

望遠で撮ったらさぞ。

でも、いいや。

そんなのもきっと他所の人が撮る。

自分の好きな機材で

それで撮れる写真を撮ればいいのです。



月の赤みは増していって

同時にどす黒くなる。

闇にまぎれてく。

こうやって沈むのか。

赤色巨星みたいだ。

死んでいく星みたいだ。







カプチーノを停めたところまで歩く。

さっききた道を戻る。

しらじらと夜が明ける。

もう、後ろに誰かの気配はありません。





月が沈んだり

日が昇ったり

夕日が沈んだりすると

帰るタイミングだって思う。

だから、夜の真ん中らへんだけ

撮影に出かけたとしても

帰るタイミングが掴めなくて

なんだか困りそうな気がする。







そうそう、カメラバッグを新調したんですよ。

今夜はだから、本格デビュー戦。

今までのも同じメーカーのやつだったけど

いい加減ヘタったし、ちょっと手狭なので

気持ち大きめのものを買った。

中が赤いと、諸々よく見えて助かるんです。

腹黒いと色々見えないのと一緒。



今季の、冬期用運転グローブも投入しました。

デザイン悪いけど、使い勝手はいいです。

撮影にも使えたしね。



てな文章を書いてたら

窓の外に月が昇った。


なんつーか

行きの電車で乗り合わせたひとに

帰りの電車でも会った気分。

---
♪ 満月小唄 たま


Posted at 2013/11/17 17:24:55 | コメント(3) | トラックバック(0) | カプチーノ | 日記
2013年11月10日 イイね!

泥沼に浮かぶ花

休日の夜明け前。

雨降りではないけれど

海に出向くほどの天気でもない。

かといってろくな丘もない。

山は成田山くらいしかない。

さしたる河もない。

さて。



そうだ沼、行こう。

沼があるんだ、ここには。

全国でイチニを争う汚さだけど。



沼べりに行くと、そこには

海とは違う独特の生臭ささ。

行き止まりの水溜まりのニオイですね。



漁業関係者の小舟が浮かんでる。

こんな沼だけど、雑魚をとって

佃煮にして、寺の参道なんかで

お土産として売ってる。

生業としてる人がいるんだ。



人気はなくて、鳥と沼魚の気配だけがする。

天気の悪さがなんだか似合う。

もやっとした天気に、もやっとした水溜り。





今朝はだから、こんな感じの田舎道を

沼にそって走った。

地元のクルマが煽る、煽る。



悪いね。

あんたみたいに、この先のカーブに

だーれもいないなんて知らんからさ。

痴呆が進んだトメさんが

日課の散歩に出る時間じゃないか、とか

最近野球をはじめた孝くんが

自転車で朝練に向かうんじゃないか、とか

そんなふうに考えると

あんたみたいに馬鹿に飛ばせない。






印旛沼は、2つに分かれていて

北側のほとりに着いた。


あらら、いつの間にか秋も終わりですよ。

めっきり冬の景色ですよ。



思えば、海には冬と夏しかなくて

秋と春はよくわからない。

たまに違うところを走るのは

だからいいもんだ。



海みたいに解放されてなくて

淀んで澱みたいで

生活の臭いが漂ってて

ドラマチックなことなんかない。

地味な沼に、ちょっとグッときた。



また来ようっと。

ひとりで来るのが愉しいところだ。

ひとりでないと愉しくないところだ。




---
♪ 泥沼に浮かぶ花 清春


Posted at 2013/11/10 16:35:45 | コメント(2) | トラックバック(0) | カプチーノ | 日記

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