今日は新しいカメラとレンズのデビュー戦。
いつもより少し足を伸ばしたところまで
朝の海を撮りに行く。
海べりには、薄暗いなかで焚き火をするおじさんがいて
「こんな湖みたいに静かな海はめったにない
きっといい写真が撮れるよ」っていう。
ほんとだ、ゆっくりとうねるばかりで
サブザブとした感じがない。
でもちょっとプレッシャーだ。
カメラはともかく、レンズは30年位まえのやつなので
撮るまでにちょっと作法がいる。
それからピントを合わせる。
でもそれが愉しい。
けどちゃんと撮れるかな。
いつものRD-1sも儀式のいるカメラだけど
これはまた別の儀式だ。
日の出が近くなって、曙な感じになって
釣り人の様子も見えるようになる。
水平線の彼方には船の姿もみえた。
やおら、海面にもやもやと靄が立ち込めて
それが風に乗ってこちらにやってくる。
あっという間に靄が足元をすぎる。
ドライアイスの煙を、ふっと吹いたみたいな
あの感じ。
デビュー戦のカメラは、ちょっと戸惑うこともあるけれど
総じてとてもいい。
金属のレンズをすーっと回して
ピントをすっと合わせる。
露出を調整したいときは
シャッター速度をちょっと変える。
フィルムカメラでよくやってた、あの感じ。
いろんなあの感じを思い出した。
むかし、バイクに乗ってた頃
毎度毎度、「今日死ぬかもしんないな」と思って
エンジンを掛けていた。
バイクを降りて、家庭用のクルマに乗って
そんな気持ちはもう忘れてたけど
カプチーノに乗るようになって思い出した
今日事故るかも、のあの感じ。
日によってエンジンの回り具合が違って
たまさか、ワケもなく、ものすごくスムースに
回転してくれるときの、ご褒美みたいなあの感じ。
メールの返信を待って
そろそろ来る頃かな、と思った時に
すっと届く、あの感じ。
一年前の今日、初めてここに海を見に来た。
寒さも、光の加減も似てるけど
でも、あの感じとはちょっと違う。
凪いだ、今朝の海みたいな気分。
日が昇って、海の色が真っ白になった。
こんな色味の海は初めてだ。
焚き火のおじさんもしきりにキレイだという。
まるっと1年通ってた褒美かね。
向こうの防波堤が
波間をゆく軍艦の舳先みたいにみえた。
新しいカメラは、なかなか気が合いそうで
よかったよかった。
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♪ That Feel Tom Waits(& Keith Richards)
Posted at 2013/12/15 13:03:09 | |
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