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キアロのブログ一覧

2014年03月19日 イイね!

ひこうき雲

太郎は、日本に来たトムを

観光案内することになりました。

---

「こんにちは、太郎さん」


「こんにちは、トム。日本にようこそ」


「ここは成田空港ですか」


「はいそうです。ここは日本の成田空港です」


「私は、明日、京都で芸者と遊ぶでしょう。

 そして、今日の夜には、成田でピンクコンパニオンと

 過ごさなければならない」


「おお、それは本当ですか。

 私はあなたが、日本の歴史に興味がある人物であると

 見なしています。

 今日は、わたしが、成田の歴史を案内するつもりです」


「私は、しばしば成田の歴史に興味があります。

 しかし、私は、成田の寺や参道には

 あまり興味を持っていません。

 あなたは、私の興味を満足させる必要があります」


「私はそれを知っています。

 さあ、一緒にでかけましょう」



---


―という訳で、太郎に代わって、居丈高なトムを

成田の歴史散策に案内してみましょうか。



白い壁に囲まれた、ちょっと不思議な道。

ここは、成田の東峰地区ってところです。

この壁の向こうは、じつは空港の敷地。

しかも、滑走路なんですね。

で、この異様な道の先にあるのは、これ。

神社ですよ。




ここは、成田空港の2本目の滑走路の南端です。

この先は、2500mの滑走路が続いている。壁で見えないけど。

実は、成田空港には、長い長いすったもんだの歴史があるのです。





3本の滑走路を造ろうって計画された成田空港ですが

1978年の開港時には、1本しか作れなかった。

人が何人も死ぬほどの反対運動があったんですね。


2本目の滑走路が、中途半端ながらも何とか完成したのは

それから24年後の2002年のこと。

四半世紀。いや、ホントなんだって。


その2本目の滑走路の端にあるこの神社は

反対闘争のいわばシンボル的な存在なんですね。




今朝は、いつもの海じゃなくて、なんとなく飛行機を撮ろうと思いまして。

でも飛行機を撮るには、上手な人や得意なカメラがあるのは

重々承知してる。そして自分のカメラじゃ、あんまりだってことも。

それでも、自分じゃないと撮れない場所、GRじゃないと撮れない写真が

あるんじゃないのかな、って思って、ここに来た。





ぐおっ。

頭上すれすれに、轟音を響かせながら飛行機が行く。

轟音、なんて簡単に書いてるけれど、尋常じゃない。

やばい、って思う。

人がいちゃいけないところだ、って思う。

ゴジラが、ビルをもぎ取って、ブンって投げる。

そんな感じで、飛行機は飛んでくる。



ここで、不思議な風を見た。

飛行機の翼の先に、人の腕くらいの太さの

半透明の“たなびく何か”を見たんです。

2mくらいの長さかな。もっとあるかな。


「あ、燃料が漏れてる」

って思ったけど、違う。

飛行機が行き過ぎても、その半透明な何かは

風に吹かれてたなびいていて

数秒で消えていった。

よく漫画である、翼の先端からのびる

飛行機雲なんでしょうかね。

調べたら翼端渦、ってのらしい。

見ちゃいけないものを見た感じで

場所が場所だけに、ちょっと不気味。



日が昇って、朝日に梅がきれい。

ここで飛行機を待って写真を撮ってたけど

壁の向こうには警備の人がいて、しっかり監視されてる。



うかうかしていると私服警官の職質にあう。

私自身が、その警備の人から「私服警官」だと

勘違いされたくらいですから。

「あ、ごくろうさまです。私服の方ですね。いま二人ほど

航空機の写真を撮ろうとしている人が…」とか言われた。

ちがいます、私もその写真を撮る人の方です。

まだ、反対闘争は続いてる。





神社を後にして、今度は東峰地区にむかう。

ここは、いまだ空港建設に反対して

敷地内に住む人たちの集落。

計画では滑走路になってるはずの場所ですよ。



この人たちがここにいることで、2本目の滑走路は

反対側に延ばさざるを得なかった。

莫大な費用と膨大な時間をかけて。


Google Mapで見ると判るけど

ホントに空港の真ん中に人が住んでる。

え、まじで、って感じ。



堆肥のにおいと、梅の香りと、ラッキョウのニオイ(工場がある)。

ヒバリの鳴き声がうるさいくらい。

一見のどかな感じはするけれど

突然の轟音とともに

あり得ないくらい低く飛行機が飛ぶ。



ぐわっ。

一瞬にして非日常の空間。

うわ、ここに住んでるのか。



飛行機が飛び去って、一拍おいてから強い風が吹く。

それが収まって、さらに少ししてから

ぴゅ~って不気味な音とともに、今度は鋭い風が吹く。

風が吹く気配がまるでないのに、風が吹くのって

ものすごく、不気味。

これは言葉では説明できない。

背中に不安が這い上がってくるような

おそろしいほどの不自然さ。



ほら、これ。

あんまりな写真だけど

この翼からのびてるのが翼端渦。

わかるかな。

田んぼにあるカエルの卵の

卵がなくて、ゼラチンだけみたい。

こんなのが、10mくらい先に見える。

不気味でしょ。






東峰地区は、空港の敷地に隣接してるから

あちこちに「入るな」の看板がある。

これなんか、民営化前の空港公団のころのロゴマークだ。



柵が倒れてたのをいいことに

人気がないことをいいことに

少し奥まで進んでみよう。





ここ、歩いていいのかな。

地区住民の土地なのか、空港の地所なのかわからない。





行き着いた。

明らかにこの先は、行ってはいけない場所。

誘導灯があるだけだ。





建設に反対しているひとも

それに乗じている極左のひとも

お国も空港会社も

最早、まるきり話がかみ合わない。

話し合いをする余地なんてない。

落としどころがないんだから当然だ。


ただただ、飛行機の両翼からのびる

翼端渦みたいに、ずうっと平行線。

ひこうき雲みたいに、伸びるだけ伸びて

いつかは消えてくんだろうけど。


どちらが良いとか悪いとか

歴史がどうとか、手段がああだとか、信頼がこうだとか

そんなのもうわからない。

ただ、こうして異様な光景はある。






集落の近くにはバス停があった。

市内を巡る循環バスも走ってる。

非日常な環境ではあるけれど、行政は集落として対応してる。






成田には、歴史ある寺や、世界に誇る空港のほかに

こんなところもある。

トム、わかったかい。

---
♪ ひこうき雲 荒井由実


Posted at 2014/03/19 00:13:45 | コメント(3) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2014年03月13日 イイね!

サヨナラCOLOR


箱が届いた。




開けると箱。見慣れたデザイン。




並べてみると、ちょっとちがう。




開ける。




こちらも見慣れたデザイン。



並べてみると、ちょっと違う。




リコーGR。

28mm単焦点のコンデジ。

買っちゃった。



リコーのGRは、フィルムカメラの

GR1sからのお付き合い。


その後、デジカメになったGRの2代目

GRDigitalⅡを2年前に買った。

去年、4代目のGRDigitalⅣに買い替えた。

そしてこれは5代目。

でもGRDigitalⅤではなく、GRって名前。

大きく中身が変わったことの現れです。


フィルムから数えて17年。コンセプトも形状も

大きく変わることなく、熟成を続けてきたカメラ。

ヤマハの単気筒バイクのSRみたいに一途。

こういう工業製品って、貴重だ。



デジタルのGRはでも、ちょっと画がしっくり来なかった。

その他の部分は大満足なんだけど

なんだか、写真から醸す空気が、ちょっと。


だから、大きく変わった今回のGRは

ずっと気になってた。

ちょっと思い切って、日々の思考の舵を切る必要もあって

買った。金はないけど、買ってやった。




で、撮ってみた。

時間がなくて、仕事に行く前の5分、10分で試した。


雑に撮ったけど、バタバタやっつけ撮影だけど

ああ、この空気感が欲しかったんだ。





絞りは解放。

そういえば好きな子をみると

きらきら眩しく見えるのは

気のせいじゃないって聞いた。

瞳孔が開いちゃうからなんだってさ。

絞り解放。

露出オーバーになるんだ。



だから、きっとピントも浅くなって

周りの景色がボヤケて

その子だけがぐっと浮き出て見える。

んだろうな、写真の理屈からいうと。



そういう用途に使ってみたい。

ま、いいけどね。



ともあれ、こないだまでの、大好きだったけど

よく考えるとちょっと違ったのかもね、って色に

これでお別れできる。



バイバイ。

サヨナラからはじまる。



---
♪ サヨナラCOLOR SUPER BUTTER DOG



Posted at 2014/03/13 00:02:47 | コメント(4) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2014年03月07日 イイね!

失格


10年ぶりに訪れた街の写真を撮った晩

ガッキーの次に好きだったコに

冷たくあしらわれたので、凹んだ。

まあ、仕方ないことだし、当たり前なんだけど。




でも、ガッキーに冷たくされた訳じゃないので

大丈夫、まだいける。





そんなわけでため息ばかりついてたら

スプラウトのヒーターもため息交じりになって

しまいには青息吐息になった。


その吐息も薄れて、あっという間に

いまわの際のそれみたいになった。



あのほわりと温かい呼気がなつかしい。





寒さは彼岸までらしいので

いろいろと寒いことばかりなんだけど

あとすこし我慢して今シーズンは乗り切ろう。


何なら新しいカメラでも買って

違った目で世界を見てもいいや。

お金なんて何とでもなる。

時間と人の気持ちは何ともならんけど。



週末久しぶりに会ったコは

分子レベルで全取っ替えされてて

まえよりちょっと美人だった。


流れて失せた分子を集めれば

もうひとり作れるかな。

リケジョの小保方さんあたりに

ぜひ頑張って頂きたい。



でも出来たとしてもきっと

そこにはタマシイはないってオチで

マネキンみたいなんだろう。


まあ、それでもいい気がする。




けれど、それはそれで問題だ。

タマシイはなくても、なんとなく香った

あの優しい感じの匂いがあればいいやとか。


いろいろ、失格。



---
♪ 失格 橘いずみ



Posted at 2014/03/07 23:55:47 | コメント(4) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2014年02月27日 イイね!

カーニバル

「やあ、お変わりなく」

なんつって、久しぶりに会う人に言うけれど

一年もすれば、カラダを構成する分子は

ガラリと入れ替わってて、

お変わりありまくり、なんだって。


肉も骨も歯も、思考以外の部分はみんな入れ替わってる。

以前と同じような佇まいがそこにあるから

変わらないように見えているだけで

分子レベルでは別物なんだ、って本で読んだ。





春になって、桜が散ると、川に花びらが流れてて

淀みにそれが溜まってるのを見かける。

淀みから下流に、少しずつ花びらは流れて行くけど

それを補う花々が流れ着くので

淀みの花びら溜まりは、なくならない。

この淀みが、きっと、生命なんだと思う。


花びらには、淀みに溜まる義理はない。

流れて行っても別に問題はない。

だけど、なぜか、そこに淀む。

なぜかしら。

それが、生命のシンピってやつなんでしょう。

やがて流れて消えていくけれど。





今週末に、ちょっとぶりに会う人がいて

その人に俺はきっと「変わんないね」って言う。

でも、実は、半年前のそのひととは、別の分子のカタマリだ。

俺もそうだ。

だから、なんだって訳じゃないけれど

会わない間に、何が流れて消えて、何が残って

何が溜まったのか、ちょっと気になる。





カラダを構成する分子の、またそれを形作る原子は

カラダを作るために生まれた訳じゃなくて

以前は、何か別のものの一部だったんだって。


それは、宇宙の星の屑かもしれないし

車にはねられて死んだ猫の皮かもしれないし

新垣結衣の吐息かもしれない。


リサイクルの果てに、なぜかしら、ここで淀んで

私をかたち作っている。


そんなふうに考えると

諸行は無常なんだなって思う。

わが世誰そ常ならむ、ですよ。


そのうち私も、何か別の物になる。

惑星の残滓とか

ボールペンのインキだとか

新垣結衣のゲップとかに。


別のものになる前に

できることはしとかないとって思う。





そんなことをつらつら考えながら

The Birthdayの「カーニバル」って歌をきいて

週末に思いをはせる。


君と一緒にどこかへゆこうって歌。

ねずみ色のマフラーをして

しけた塩味のクラッカーを持って行こう。


私も行きたいな、ういのおくやまけふこえて。

そしてきっと、浅い夢をみて酔っぱらうのだ。



最後にチバはこう叫ぶ。

『夢はひとつ 朽ち果てて 砂になって 宇宙の塵さ』


チリになっちゃうのは、もう少し先でいいな。


---
♪ カーニバル The Birthday


Posted at 2014/02/27 23:40:34 | コメント(6) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2014年01月25日 イイね!

スペイス・オディティ

スプラウト号が完治するまでは、遠出は控えているので

写真を撮りにでかけられない。

なので、趣味ネタです。

写真だってカプチーノだって充分趣味ですけど。


---


さて、SFが好きなわたしが、最近心震えたショートムービーをふたつご紹介。

まずはこちら、スペインの映像プロダクション「Big Lazy Robot」が作ったやつ。

『keloid(ケロイド)』。





これ、実写が一切ないんですって。

CGに驚かなくなって久しいけれど、さすがにこれは。

センスもいいし、雰囲気がとてもすき。

でも意外と長編映画になると詰まらないんだろうな。



もうひとつは、これ。『JUNK HEAD 1』。

日本の個人クリエーターがひとりで

4年間かけて作った、ストップモーションアニメ。





こういう、職人みたいなクリエイターが

不意に現れるから面白い。

アップルシードの士郎正宗も、そんな感じだった。

いきなり単行本デビュー、でしたから。

製作している堀さんは、続編を作る資金を募ってます。

わたしも微力ながらお布施をば…。



SFは、マニアじゃないけど、結構好き。

そのルーツになったのが、中学校の時に買ったこの本。



ハインラインの『宇宙の戦士』ってやつ。

ガンダムの元ネタと言われる小説ですよ。

当時、地元の本屋には売ってなくて

初めて一人で電車を乗り継ぎ、神田の三省堂に行って買った。

ビルの本屋ははじめてで、そりゃもう大興奮でした。

やばそ―な本が沢山売ってて、ええっいいのか~!って。


↑やばそうな本

中学生の純なハートはもう、鷲掴みですよ。


宇宙の戦士は大好きで、あれから何度も読み返してる。

だから、わたしの机には機動歩兵がいる。

あの頃の、未来が茫洋と開けてたときを思い出す、呪具です。






SF好きとなるルーツは、でも、もう少し遡ることができる。

小学校のとき夢中になっていた、「SFこども図書館」シリーズ。

これね、有名なSF作家の作品が目白押しなので

お話が面白いのはもちろんなんだけれど

なんつっても装丁が素晴らしい。



超一流のデザイナーたちが描くSF世界がずらりと。

なので、今は古書店でもヤフオクでも高値がついていて

ちょっと買えない。好事家たちはいるんですよ。

同じタイトルのものが、再販されてはいる。

けど。




台無し。



昭和の大人は、きっと

子供に伝えたいことがあって

あの装丁にした。

平成の大人は子供に迎合するので

こんな装丁になる。


だからせめて

よい昭和の残滓をひとつひとつ

拾い集めて、自分の子には与えよう。


なんてことをやってたら

ウチの子の愛読書は

吾妻ひでおだったりする。



ちょっと失敗。



今回のタイトルはデビッド・ボウイの曲。

宇宙飛行士と管制官との交信を描いたものなんだけど

それを、実際の宇宙飛行士が宇宙で歌った。

映像も宇宙で撮った。

それはそれは、とてもとても素敵。

---

♪ Space Oddity クリス・ハドフィールド(デヴィッド・ボウイ)



Posted at 2014/01/25 09:49:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | その他 | 日記

プロフィール

「カプチーノ http://cvw.jp/b/1573295/43008224/
何シテル?   06/30 07:22
毎度ブログのタイトルは曲名でございます。そのうちプレイリストになるかも。
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