縁あって、帰国子女とお付き合いすることになりました。
や、正確に言うと、ゲルマン民族の方で
日本に帰化されて、信州長野で生まれたひとです。
帰国子女とは言わないのか、そういうのは。
カールツァイスってドイツの名家の出で
プラナーという名前の娘。
昨年暮れに買った一眼に、これぞというレンズが欲しくて
ずっとずっと、ずっと探してた。
ディスコンで、なかなか出物がないんです、このレンズ。
てことで、初デートに行ってまいりました。
出向いたのは、工場地帯の晩秋の海。
実は、このレンズ、同じ名前で同じスペックのものを
10年前に使っておりました。
初めて買った一眼レフとセットで揃えたもの。
もっともそれは京セラが作ったもので
CONTAXってカメラ用のレンズだったけど。
CONTAXのカメラは、そりゃもう格好良くて
2台もボディを持ってた。
レンズは2つしか持ってなかったけど。
そのうちが、Planar 50mm F1.4 だったんです。
でも、使いこなせなかったなあ。
で、今の一眼を買った時に、コシナ製のプラナーがあるって知った。
これは、もう、リベンジするしかないでしょ。
ピントリングを回すと、ぼやけたファインダーの向こうに
像が立ち上がってくる。
カメラは、光を測ったり、時間を計ったりする装置だけど
この距離を測るのがいちばん楽しい。
マニュアルフォーカスはだいすきだ。
プラナーは、ボケ味が素敵。
やさしい、とろけるみたいなアウトフォーカス。
風呂あがりの綾瀬はるかみたいなかんじ。
そのかわし、ピントが浅いので
カミソリピントなんて言われてて
ピンボケを量産しちゃう。
工場の海は、釣り人が沢山いて
写真を撮ってるのは私ひとりだけ。
みんなこぞって海を見つめてるけど
私だけが、彼女のガラス製の目玉越しの景色を眺めてる。
ずっと長らく欲しかったレンズが手に入った。
もう、ほかにレンズはいらない。
物欲にギブスをはめて、ぎゅっと固定しちゃう
そんなことができる稀有なレンズだ。
さあ、いろんなものを写真におさめて
古くしちゃおう。
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♪ ギブス 椎名林檎
Posted at 2014/10/26 02:36:46 | |
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