ただ今、映像では、
衆議院予算委員会の模様をお伝えしています。
民民党の山岸淳士議員の質問です。
床屋の接客についての細かな質問が続いています。
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山岸「では大臣、重ねて質問いたします。
床屋でイスにすわる、ここまではいいですね。
ここで殆どの店員はこう聞きます。
『どのくらいカットしますか』
いいですか、大臣。
たとえばレストランで、メニューも出さずにですよ
『なにを食べますか』と聞きますか。
出すでしょう、メニューを、普通。
どうなんですか、このへんは」
議長「高山文部科学大臣~」
高山「えー、その点につきましては、店内にカット料金として
うー、掲示されているので、それで問題ないという
おー、認識でおります」
議長「山岸淳士くん~」
山岸「大臣、おわかり頂けてないようですね。
床屋で『カット3,000円』と掲示されてるのはですね
レストランでたとえると
『定食800円』と書いてあるのと同じだと
こう申し上げたいのですよ。
和食か洋食か、何が、どの程度含まれているのか。
ご飯の量はどうか、白米なのか、おかずは何か
焼き魚の種類は何か、そういう情報がですね
まったく盛り込まれていない。
この状態でですよ、
『どのくらい食べますか』と聞かれてもですね
すんなり答えられない、と言ってるんですよ、私は」
議長「高山文部科学大臣~」
高山「えー、その点につきましては、床屋はレストランとは
うー、業種業態が異なるという
おー、認識でおります」
議長「山岸淳士くん~」
山岸「どうも大臣はお判りになっておられない。
このあとお客が、苦悩の末に絞り出す回答はこうです。
『あ、1センチくらいで…適当に…』
すると、すぐさま次の質問ですよ。
『じゃ、耳は出しちゃっていいですか?』
『耳…。 えっと、そんな感じで』
ってな風にですね、曖昧な要望しか
伝えられないのですよ。
これはね、メニューがないからなんですよ、大臣。
レストランだってメニューがなかったら同じですよ。
『あ、1センチくらいにぶつ切りで…適当に…』
『じゃ、ハラワタは出しちゃっていいですか?』
『腸…。 えっと、そんな感じで』
ぜひともですね、床屋に詳細なメニューを
写真入りのですね、用意して頂きたいと
こう思います。
次の質問ですが、大臣。
カットが進むとですね、突然店員がこう聞きます。
『襟足ともみあげは、自然な感じでいいですか』
だいだいね、大臣、不自然なもみあげってあるんですか。
不自然な襟足とか。
誰が好んで不自然にするのか。
『いえ、不自然がいいです、思い切り不自然にお願いします』なんて
強気な答弁を誰ができるのか。
こういうですね、答えを誘導するような質問をですね
野放しにしていいのか、その辺をお伺いしたい」
議長「高山文部科学大臣~」
高山「えー、自然という表現についてはですね
うー、あくまで一個人の感覚的な表現でございまして
おー、業界団体として推奨しているものではない、
という認識でございます」
議長「山岸淳士くん~」
山岸「あくまでも、イチ店員の表現であると。
こう仰りたい訳ですね、大臣。
こういうトカゲの尻尾切りのようなことはですね
あまりなさらない方が良いと思いますよ。
ご忠告方々、申し上げておきます。
では、これはどう申し開きをされるのか。
頭を洗いますね。必ず聞かれますよ。
『かゆいところはございませんか』
人生においてね、大臣、親でも恩師でも恋人でもいい
他人から「どこがかゆいか」なんて
ものすごくプライベートな質問を投げかけられる経験
ありますか、大臣。
わたしは寡聞にして知らない。
そんな、極めて私的な質問をですよ
しかも、下を向いて無防備な姿の状態でですよ
さらっと聞かれる。
答えられますか?これ。
どうなんですか、大臣」
議長「高山文部科学大臣~」
高山「えー、この点については、医療機関での問診の在りかたを
うー、参考にするなどいたしまして
おー、前向きに検討してまいりたい、という認識でおります」
議長「山岸淳士くん~」
山岸「大臣、答弁ありがとうございます。
ぜひとも前向きな検討をお願いいたします。
さて、カットが進んでいよいよ終盤になる。
すると、大臣、店員はこういいますね。
手には折り畳みの鏡を持ってますよ、たいがいね。
『いかがですか』
ここでですね、たいがいの客は
「あ、いいです」とか「あ、はい」とか
そのくらいしか言えない。
なんか違うけど、でもどう指摘していいのかわからないんです。
完成しちゃってから、どうこう言う訳にもいきませんよ、今さら。
わたしはね、この事後承諾がどうにも納得がいかない。
「いや、ちょっとイメージと違うんだよなあ」とか
「やっぱり、刈り上げてくれません?」なんて言えますか。
いえませんよ、シャイな日本男子は、ふつう。
あるがままを受け入れる、仏陀のような心境ですよ。
「私だけが我慢すればそれで丸く収まる」そんな心持ですよ。
だから床屋に行くのが憂鬱になるんです。
私はね、大臣、この床屋が憂鬱だというのがですよ
おおきな業界全体で取り組むべき極めて喫緊の課題だと
そう、常々思っているんですよ。
だいたい、あの
「カットしました~」
って髪型、どうなんですか。
襟足なんか、芝の植え込みみたいにキッチリ刈り込んで。
誰が望むんでしょうか。
それこそ不自然だと申し上げたい。
さらにですよ、頭を洗って顔をふく段でですね
『なぜ客にタオルを渡さないか』
と思うんです。
なぜ他人の顔を拭こうとするのか。
それも背後から。
無理があるでしょう、どう考えても、後ろからですよ。
微妙に気をつかって、微妙な力加減で拭かれる訳ですよ。
鼻の孔なんて拭きたくもないでしょう。
こっちだって拭かれたくはありませんよ。
拭いてる店員も、拭かれてる客も、互いに遠慮しあっている。
なんとも不幸な状況です。
顔ぐらい自分で拭かせるようにご指導いただきたい。
最後に、もう時間がありませんから
申し上げるだけ申し上げておきます。
「今日、お休みですか」とか
「連休、どこいかれました」とか
「巨人、勝ちましたね」とか
そういう情報は髪を切るのにどれだけ必要なのか、と問いたい。
そんなことよりも、私はプロとしての話がききたいんですよ。
「傷んでるから、こうしたらいいですよ」とか
「こんど、短くしてみたらどうですか、バッサリ」とか
「最近、こんな髪型人気あるんですよねえ」とか
そういう会話なら喜んで聞きますよ。
休みの日に床屋に来ているのに
「お休み、おでかけするんですか」
じゃないと思うんです、大臣。
床屋は、歴史ある業態ですよ。
でも旧態依然のままではいかん、と
伸びちゃったから、切るか、で足を運ぶ客を頼りにしては
やはりいかんと、そう思うのです。
私は、ここで提案したい。
義務教育の家庭科に調理実習があるように
床屋の注文の仕方もカリキュラムとして加えて頂きたい。
大臣、ね、いかがですか。
ひとことだけで結構です、答弁をお願いします」
議長「高山文部科学大臣~」
高山「あ、はい。あ、いいです」
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♪ 夏の扉 松田聖子
Posted at 2013/07/09 22:14:24 | |
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