カメラを新調しました。
Nikon Dfっていう、日本光学工業社の鬼子みたいな機種です。
昔のフィルムカメラの風体で、軍艦部には、ダイヤルがギッチリ。
刻まれてる数字もギッチリ。
ふふ、カメラの軍艦部はこうでなくちゃ。
最近は軍艦部なんて言葉すらないもの。
嬉しくて、シャッターの指皿も付けた。
ライカ様を持ってた頃に使ってたボッチ。
なかなか似合うでしょ。
ストラップは、これも昔、CONTAXのRTSに付けてたのを復活させた。
千鳥柄。
うん、いいぞ。
レンズは、PENTAXの時に買ったPlanarを買い直した。
アイカップも付けた。ファインダーも(デジカメにしては)ピンピンだ。
マニュアルフォーカスを愉しむことを
とことん突き詰めたカメラです。
後ろに並んで写ってるのはNikomart FTNって
もう50年くらい前の機種。
小6の頃、父親に借りて、わたしが初めて使ったカメラです。
記念なので、並べてパチリ。
自分でお金を出して初めて買った一眼レフはCONTAXだったし
その後、BESSAを買ったり、ライカを買ったり
PENTAXに寄り道したりして、ぐるっとまわって
今回、ようやく基本に戻ってきた感じがする。
Back to the Basic。
今回は、ちょっと迷ったけどキットレンズ付きのものを買った。
オートフォーカスの50mmレンズ。
普段は使わないけど、仕事用にいいかなって。
仕事って、あれですよ、家庭の用事ってことです。
入学式とか運動会とか、義務的に撮るとき用。
せっかくカメラを新調したけど、天気は生憎で
台風並みの低気圧が通って、春の嵐だった。
雨上がりの、曇りとかすかな晴れ間をぬって
ご近所でテスト撮影だ。
Dfは、発表されるまでティザー映像がさんざん流れて
煽るだけ煽っておいて、いざ発売されたら
あれ?っていう向きが多かった。
わたしもそう。
もっと銀塩カメラよりかと思ってた。
デザインとか、ファインダーの見えとか、思想とか。
でもね、開発記なんかをいろいろと読んでみると、どうも限界みたいだ。
技術的な部分もあるけれど、いわゆる「会社的」に。
コシナみたいに、マニアだけ向いて商売している会社ならともかく
世界に冠たるニッポンコウガクが、一部のオタク向けの製品を
するっと出せるわけがない。
そういう、サラリーマン的な視点から見るとこのDfは
実に良くやったんだと思う。
技術は進歩するけど、社風はおいそれとは変化しない。
だから銀塩の風体をしたデジカメは
ここいらが打ち止めかもしれないなって思うのです。
むしろ、今だにマニュアルフォーカスのレンズを売り続けたり
細々とフィルム一眼を作り続けてるニコンだからこそ
こんな戯れ事も許されたのかもしれない。
そんな大人の事情の塊を手に
近所をくるっと回って写真を撮った。
小学生のときの、はじめて一眼を手にした
あの感触は思い出せないけど
戻ってきたんだなあ、って思ったのでした。
このカメラとは
ながい、ながい付き合いになりそうです。
---
♪ Bact To The Basic 杏里
Posted at 2016/02/21 17:57:23 | |
トラックバック(0) |
その他 | 日記