こんばんわ~
今回からようやくエンジンの組み立てへと
進んでいきます。
長い長い分解、洗浄、調整からようやく解放され
ついについに・・・
エンジンを組み立てるにも
しっかりとした「部品の洗浄」が大事です。
戸田レーシングのスタッフからのアドバイスを
紹介しますが、
「我々はよそから見ると特殊なことをしている、すごい技術を
持っていると思われてますが、エンジンを組み立てることに関して
何の特殊なことはしておりません。
修理書に書いてある通りに基本に忠実に作業しているだけです。
なので、分解した部品はしっかり洗浄してください。
そして修理書に忠実に作業をしてください」
と教えていただきました!
だいたい破損して戸田さんに入ってくるエンジンの
主な故障の原因は洗浄不足だと聞きました。
後、組み付け時のほこりやゴミなど。
今回はちゃんと部品の洗浄ができてるので、
後はしっかりトルク管理、クリアランス管理を徹底して
エンジンを組み立てるだけです。
さて今回はクランクシャフトの親メタルの
オイルクリアランスの調整です。
まずメタルの組み付けの前に確認することがあります。
修理書のベアリング選択方法の表を見ます。
①シリンダーブロックの
クランクシャフトベアリング下穴径です。
写真の5ケタの数字(22222)とあります。
左から1番ジャーナルで順にそれぞれのジャーナル径を
表しています。
②クランクシャフトジャーナル径で
クランクシャフトの赤文字辺りに番号があります。
左の1番ジャーナルから(01011)
この2種類の数字を足して出た答えがメタルの厚さとなります。
なので
クランクシャフトベアリング下穴径+クランクシャフトジャーナル径=
メタルの厚み
1番ジャーナル部 2+0=2
2番ジャーナル部 2+1=3
3番ジャーナル部 2+0=2
4番ジャーナル部 2+1=3
5番ジャーナル部 2+1=3
よって選定するメタルの番号は
(23233)となりました。
これは修理書通りの計算ですが、
今回のクランクシャフトジャーナル径は実際に計測したところ
違うことに気付きました。
このことは以前のブログで書きましたが↓
AE111エンジン 部品測定検査③ クランクシャフト カムシャフト
https://minkara.carview.co.jp/userid/1583230/blog/31335713/
実際は(01000)になります。
しっかりエンジンを組みたい方は
クランクシャフトジャーナルもきっちし測ってメタル合わせを
したらいいかと思います。
実数値のかん合符号からメタルの番号を計算すると
1番ジャーナル部 2+0=2
2番ジャーナル部 2+1=3
3番ジャーナル部 2+0=2
4番ジャーナル部 2+0=2
5番ジャーナル部 2+0=2
(23222)になります。
ここからが本題ですが、
今回、メタルのオイルクリアランスを少し広めに
取ろうと考えています。
そこでどうクリアランスを選定するかですが、
一番いいのはクランクベアリング下穴径をボアゲージで
計測し、メタルの厚さをマイクロメーターで計測して
クランクジャーナル径からオイルクリアランスを算出するんですが。
持っているマイクロメーターでは計測できないので新たに計測機を
買わないといけません。2種類ほど・・・
買えないので別の方法を考えます。
考え付いた方法は計算で出たメタルの番号
(23222)から一つ小さい(12111)
のメタルを買って合わせてみる方法を考えました。
では実際にやってみます。
買ってきたメタルです。全部で5セットです。
まずボーリング加工から帰ってきたままのシリンダーから
クランクキャップを外します。
外したベアリングキャップのメタルが付く部分を脱脂します。
シリンダーも同じく脱脂します、そしてほこりがのらないよう
気を付けます。
これがメタルですね。穴と溝がある方がシリンダーブロック側
になり、平らな方はキャップにはまります。
これがメタルの番号です。1番ですね。
メタルには錆止めのオイルが塗ってありそれをキレイに
脱脂します。が、番号はどうやら印刷らしく消えます(笑
まず溝が付いたメタルをブロック側に取り付けます。
絶対にメタルの裏側とブロックの間にホコリやオイルが
付かないよう気を付けます。
ブロック側は準備完了です。
次はキャップの方にメタルを取り付けます。
ブロックと同じように油分、ホコリに気を付けて取り付けます。
手前を指で押さえながら奥側をはめ込んでいきます。
途中メタルとキャップが当たって削りかすが出ますが、
削りかすをしっかり落として下さい。
準備完了です。
次はクランクシャフトです。
クランクもジャーナル部分をきれいに脱脂してホコリを落とします。
クランクをブロックに載せます。
この時はまだオイルをメタルには塗りません。
メタルのクリアランス測定では、ジャーナルのオイル穴を
ベアリングのアイル穴の位置に合わせて測るというのを
見たことがあるのでやってみます。理由は分かりませんが!
ピックを通して位置を合わせます。
穴がずれてるとメタルに傷が入ります。
メタルのオイルクリアランスを測る
プラスチゲージを使用します。緑色を使います。
ジャーナルの幅に合わせて5個切ります。
5ヶ所のせてキャップを取り付けます。
キャップとネジの頭が接するとこにオイルを塗布、
同じくネジのタップにもオイルを塗布します。
軽い力で止まるとこまでネジを締めます。
トルクレンチで締め付けていきます。
1回目は45Nmで本締めで65Nmで締めます。
キャップを外していきます。
1番ジャーナルは0.053㎜
2番ジャーナル0.049㎜
3番ジャーナル0.053mm
4番ジャーナル0.049㎜
5番ジャーナル0.049㎜
ざっと目分量ですが0.051㎜のゲージから少し狭い、少し広い
ってな感じです。
つぶれ方が広いとクリアランスは狭い。
つぶれ方が細いとクリアランスは広いということになります。
修理書に書いてあるオイルクリアランスを見ると
0.015~0.045㎜と書いてあります。
完全に外れています。
が、この修理書はAE101初期の修理書で
今回のエンジンはAE111初期のエンジンです。
あるものを見つけたのですが、
トヨタテクノクラフトTRDが5バルブの組み付けを紹介した
本を読んでたんですが、そこでオイルクリアランスの
基準範囲が違うことに気が付きました。
AE111では0.012~0.049㎜になっていました。
クランクシャフトだけではなく、
コネクティングロッドのベアリングオイルクリアランスも
0.021~0.051㎜が
AE111では0.015~0.025㎜へと変更されていました。
その他締め付けトルクも変更がされていました。
いつの時点で変更されてるかは分かりません。
AE111前期の修理書にも載っていませんでした。
話を戻しますとクランクベアリングオイルクリアランスは
多少範囲が広くなり今回の数値もベアリングを換えれば
なんとか合わせれそうです。
1番ジャーナルのベアリングを1番から2番へ
3番ジャーナルのベアリングを1番から2番へ
換えてみます。
さっそく頼んだ部品です。2番を2セット。
脱脂します。
ブロックに取り付けスコヤを使って
クラッシュハイトをしっかり出します。
オイル穴を合わせます。
ベアリングキャップのクラッシュハイトもしっかり合わせます。
メタルの爪が無い方を面一にします。
プラスチゲージです。
クランクを載せます。
これで準備完了。
2回目のクリアランス調整を行います。
規定トルクで締め付けていきます。
締め付けた後キャップを外します。
きれいに潰れていますね。
1番ジャーナル0.050㎜
まあ良しでしょう。
3番ジャーナル0.049㎜
その他のジャーナルも計測し合格となりました。
これでメタル合わせが完了しました。
お金と時間がかかる作業ですが、しっかり丁寧に
作業すれば必ず成果は出ると思います。
この次はピストンのクリアランス測定をします。
それではお疲れ様でした。
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