こんばんは!
今回はクランクシャフトの組み付けをします。
エンジンを分解することから始まり、洗浄
加工、調整と時間がかかりましたが
ようやく組み付けまでたどり着きました。
楽しくエンジンを組んでいきたいと思っております!
まずはクランクを載せる前にシリンダーにある物を取り付けます。
オイルノズルです。これはピストン裏にオイルを吹きかける為の
物です。これを付け忘れるとオイル圧が上がらず、
ブローしてしまいます。
ボルトの締め付けトルクは記載がないので、
修理書のボルト把握表、締め付けトルク表を参照しました。
ボルト強度区分は4Tとし締め付けトルクが3Nmとしました。
このオイルノズルは3番シリンダーのノズルだけ形が
少し違うので組み間違いがないように管理しましょう。
取り付け終了です。
最終確認でシリンダー内にゴミ等ないかしっかり見て、
メタルもクリーナーで脱脂をします。
これでクランクの組み付けができます。
スラストベアリングを準備します。
2ヶ所浅い溝が彫られてますがこれはオイルラインです。
スラストベアリングを3番ジャーナル部のサイドに取り付けます。
油溝を外に向けて組み付けます。オイルは塗布しません。
メタルにオイルを塗布していきます。
指で広げて準備完了です。
クランクを載せました。
緊張してきました(笑
クランクキャップです。
メタルにホコリやゴミが付いていないか確認をします。
ボルトも締め付けに使ったオイルをきれいにふき取ります。
クランクキャップを1番から取り付けていきます。
キャップ上面には方向を示す矢印と
フロントからの(クランクプーリー側)組み付け順を示す
数字が打刻されているので間違いようがないですが
気を付けて組んでいきます。
3番ジャーナル部のキャップにスラストベアリングを
取り付けます。油溝に注意。
スラストベアリングが変な角度でハマらないよう慎重に取り付けます。
クランクキャップボルトにオイルを塗布します。
ボルト穴の周りにもオイルを塗布します。
これは締め付けトルクが均等に行えるように
するためオイルを塗ります。
ボルトが回らなくなるまで締め込んでいきます。
これから本締めをします。
1回目は45Nmで締め付けます。
2回目は65Nmで本締めをします。
フロント側⑦③①⑤⑨
⑧④②⑥⑩
の順番に締め付けます。
前回も言いましたが、101の修理書の締め付けトルクと
111エンジンでは締め付けトルクが違うので注意です!
クランクキャップは101では61Nm
111では65Nmに変更になってます。
次はスラストクリアランスです。
ダイアルゲージを使ってクランクシャフトのスラスト
の振れを見ます。
101修理書ではクリアランスは0.02~0.22㎜で
限度が0.3㎜までとなっております。
実測値は0.07㎜で問題なしです。
スラストベアリングにオイルをしっかり塗布します。
ちゃんとクランクが回るか確認です!
緊張の一瞬です。
最初回るまではとても硬いのですが回り始めると
スルスル回ります。この抵抗感の無さ!感動です!!
勢いをつけたらある程度自力で回りますが、止まると硬い。
おそらくメタルとジャーナルの間のオイルが面密着した結果
回し始めが硬いんでしょうね。
クランクの振れを極限まで減らしたことと、
ベアリングのラッピングによりきれいな面が出た
事によるメタルとの均等なオイルクリアランスだと。
と信じたいです(笑
ということでクランクシャフトの組み付けは
これで終了です!
次はピストンの組み付けをします。
こんばんは~
今回はオーバーサイズピストンを入れるために
シリンダーブロックをボーリングしましたが、
シリンダー内径とピストンの外径を計測し
クリアランスを確認しなくちゃいけません!
忘れていました(汗
ではさっそく始めます。
以前、シリンダーボア測定をブログでUPしてるので
詳しいことはこちらを確認ください!
AE111エンジン 部品測定検査② シリンダーボア
https://minkara.carview.co.jp/userid/1583230/blog/30792458/
まずバイスに50~100㎜のマイクロメーターをセットし
ボアゲージのゼロ合わせをします。
ゼロ合わせ完了です。
だいたい8㎝下、ピストンスカートが来る辺りのラジアル、スラスト
方向のボアを測定します。
ちなみに上面付近ではボアは狭く、下に下るほどボアが
広くなります。これがテーパー度ですね。
測定結果は
1番シリンダー
ラジアル方向(クランクシャフト方向)81.535㎜
スラスト方向81.532㎜
2番シリンダー
ラジアル方向81.536㎜
スラスト方向81.538㎜
3番シリンダー
ラジアル方向81.545㎜
スラスト方向81.538㎜
4番シリンダー
ラジアル方向81.536㎜
スラスト方向81.538㎜
基準値81.395~81.425㎜
まあまあデカいですね(笑
次はピストンの測定です。
ピストンの一番下、スカートを測ります。
修理書ではピストンピン中心から8㎝上辺りを
測定と書いてますが、嘘です。
ピストンはオイルリング下からスカートにかけて
広がるような形状をしています。
それと冷えた状態は真円ではなく楕円形をしています。
熱が入るとようやく丸くなる仕組みになっています。
なので冷間時は一番広いとこを測定するようにします。
外径測定結果
1番ピストン
81.5㎜
2番ピストン
81.5㎜
3番ピストン
81.5m
4番ピストン
81.5㎜
ばっちし揃ってますね。
基準値は
81.5~81.53㎜です基準内ですね。
シリンダーボア基準と
ピストン外径基準を
見てみると
シリンダーボア
基準値81.395~81.425㎜
ピストン外径
基準値81.5~81.53㎜
むむ?シリンダーボアより
ピストンの方が大きい!
基準値だけでみても明らかに入りそうもない
数値だが、最近のエンジンはゼロクリアランスって
のがあるらしく、ピストンを押し込むとき少し変形
して入るから問題ないのよ!的な感じらしい。
今回の内径、外径からクリアランスを
算出すると、
1番シリンダー
0.035㎜
2番シリンダー
0.038㎜
3番シリンダー
0.045㎜
4番シリンダー
0.038㎜
結果は標準と言ったら標準ですね。
修理書だと101が0.095~0.115㎜
最近発見した111の規格だと0.1~0.12㎜
だいぶグサグサですね。
走りこんだエンジンのスラストが減りまくってるのは
このクリアランスのせいでしょうか?
さておきクリアランスは温間ではピストン
形状が変わりクリアランスも適正な数値に
変わることを見越してシリンダーボーリング
してもらってるのでこのまま組みたいと思います。
次はクランクシャフトの組み付けです!
こんばんは、今回はピストン、コンロッドその他の部品の
重さを量り各ピストンの重量差を減らす作業をします。
物質には質量があり、それを動かすには
質量に応じたエネルギーを必要となります。
エンジンの中でとりわけピストンやコンロッドが
上下に激しく動く部品で、
爆発で押し下げられたピストンは、下死点付近では下がるエネルギー
が止まり下死点を過ぎた時には上昇するエネルギーが加わります。
特に4Aエンジンはショートストロークなため
圧縮点火からの爆発エネルギーをピストンが
受けそこからピストンは加速するんですが、
マックススピードに到達する時間もロングストロークより
速くなります。
ショートストロークはクランクピンの円軌道が
小さいため急激に加速したピストンを小さい軌道で
上昇させるエネルギーに転換させないといけないので
凄まじい力がコネクティングロッドにかかるわけです。
理論的にはピストンは下死点では一瞬止まるみたいです。
急加速して急停止の連続が4Aエンジンの持つウィークポイントですね。
ホンダのロングストロークの高回転はほんと理にかなってると思います。
激しく上下するピストンやコンロッドもできれば軽い方が
いいので削って軽量化もいいのですがすが。
ピストンは削るところがないぐらい完成度の高い
ピストンと言えます。
唯一削れるとしたら文字とか
ピストンピンがはまる部分、左の側の削ったとこが
無難ではないでしょうか。
理論上ここはあまり力が加わらないみたいです。
このピストンは実験用です。
コンロッドに限っては強度を高めるのに表面に
特殊なコーティングを施してコンロッドの強度を上げてる
らしく、それを削ると著しく強度が落ちるみたいです。
実際に削ったら中は柔らかい素材だった。
と云う記事も読んだことがあります。
コスト減の時代のエンジンですね。
なので今回は無加工でできるだけ部品の重量バランスを
取っていたいと思います。
まず準備ですね。
測りは0.1gまで計量可能な秤を用意します。
計量する部品は
オーバーサイズピストン
ピストンピン
スナップリング
コネクティングロッド
メタル
ピストンリング
です。
上下運動するすべての部品をバランスさせていきます。
それぞれの重量差を極限まで揃えていくことが
チューニングの基礎ですね。
コネクティングロッドには番号を書きます。
この番号は付いてあったシリンダーの番号です。
部品番号を載せておきます。
ピストンにも番号ですが、これはシリンダーの
番号にもなります。
ピストン径に応じてシリンダーをボーリングしてるので
ピストンを入れ替えることはできません!
なのでピストンに重量を合わせていくかたちになります。
ピストンとセットになってるピストンピン、スナップリングにピストンと同じ
番号を書きます。
さっそく計量です。
計量終了です。
メタルはTRD製で同じ重さでした。
これから選別していきます。
まずピストンを重い順、コンロッドを軽い順で並べて
重いピストン、軽いコンロッドというセットを作り、
その要領でその他の部品も
合わせていったのですが、誤差が1g以上になったりと
思うようにいきませんでした。
そこで順番を変え
最も重いコンロッドを基準に合わせていくことにしました。
コンロッドは結構バラつきが激しいので
まずコンロッドとピストンピン
そしてピストンとコンロッドという順番でやってみました。
表を作ったので順番やらを参考にしてください。
まず表の一番上が重量測定値になります。
左から順に部品を掛け合わせていきます。
コンロッド単体の誤差から、ピストンピンを合わせたことで
各コンロッド重量差が大分減ったと思います。
その次でやっとピストンです。
ピストンとコンロッドが終わると次は下の段に移って
計算していきます。
最終的な重さが赤文字で記してあります。
結果はその下に表記してあります。
1番4番合計重量
2番3番合計重量がぴったしになりました。
これで上下する部品の重量誤差がなくなりスムーズに
動くに違いありません。
次はシリンダー、ピストンのクリアランス測定に移っていきます。
エンジン下りたぞいな カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2014/01/02 11:10:22 |
![]() |
AE111エンジン クランクシャフトメタル合わせ カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2013/12/07 02:01:40 |
![]() |
AE111エンジン シリンダーヘッド③ カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2013/11/27 00:13:42 |
![]() |
![]() |
トヨタ スプリンタートレノ ファミリーカー エンジンAE92後期 田戸ハイカム ソレックスキャブレターファンネル使 ... |
![]() |
はーえー86 (トヨタ カローラレビン) AE111へスワップ予定 現在 エンジン86純正 強化マウント TODA製エキマニ4- ... |
![]() |
ADVAN森本RED☆BOXインテグラ (ホンダ インテグラタイプR) ホンダ インテグラタイプRDC2で中国地区ジムカーナに出場してました。 |