
いま最も注目されているクルマといえば、Zでもなく
ましてやGT-Rでもなく・・・ホンダインサイト、かもしれません。
なぜそう感じたかというと、自分が3年近く前に書いた次の記事が、
いまになって毎日アクセスされているから。
ホンダの小型ハイブリッド
これってやっぱりホンダのハイブリッド専用車=インサイトが
注目されているってことですよね。
インサイトといえば、初代は2シーターで後輪が半分隠れているデザインの、
こういっちゃなんですが、実験車のようなクルマでした。
そのインサイトが今度は5人乗り、5ドアハッチバックとして
ライバルと目されるプリウスに真正面から挑戦状を突きつけて登場しました!
そのインサイトの発表展示会が本日あり、さっそく試乗してまいりました。
インサイトはガソリンエンジン車としては1300ccのエンジンを積んでます。
そこで、動力性能や乗り味を比較するために、同じホンダの1300ccを積む
フィットにも試乗をし、比較してみました。
もちろん、ディーラーに行ったので商談もしてきましたよ。
189万円からというハイブリッドの価格破壊といわれるインサイトに
ホントに乗ろうと思ったらいくらかかるのか?
その辺もふくめて、続きをお読みください。
(フォトアルバムは後ほどアップしますね)
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さて、まずはインサイトのディメンジョンから。
先ほど述べましたが、今回のインサイトは5ドアハッチバックです。
しかも5ナンバー。
現行シビックよりもコンパクトなんです。
これはエライと思います。
大きさから言ったら、あの初代プリウスとほぼ同じです。
初代プリウスはあのサイズで大人4人が普通に乗れて、
トランクも実用性があり、燃費も当時として素晴らしかったから
偉大なんだと思います。
バッテリーの技術も日進月歩で進化して、
よりコンパクトなサイズで同じことが可能になったはず、なのに・・・。
現行プリウスは3ナンバー。
しかも次期プリウスはさらに大きくなるようです。
プリウスも「燃費さえ向上すれば大きいほうがいいに決まってる」
とばかりに、どんどんサイズもエンジンも大きくなっていきます。
いつかシビックのように、ユーザーにそっぽ向かれるかもしれないなぁ。
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さて、インサイトに話を戻しますと、
「コンパクトなサイズで新しい実用車を安く」
というホンダらしい気概を久しぶりに感じました。
ただ良い事ばかりでもありません。
インサイトの車内は意外に狭いんです。
全幅は5ナンバー枠いっぱいに収まっており必要十分、
狭くなんて感じません。
何が足りないかというと全高です。
フィットと比べると約10cmも全高は低いのです。
これがどのくらいかと説明すると、身長170cmちょうどのぐらんどばんが
運転席に座ると頭上には、握りこぶしギリギリひとつぶんくらい
余裕があります。
前席をそのままの位置で、後席左右に座ると、髪の毛が天井に
ぴったりつきました。
後席中央ともなると、少し盛り上がっていますので、頭を少し斜めに
傾けないと座れない状態です。
これが2+2のスポーツカーならいざ知らず、
ファミリーカーとして使われることもあるインサイトとすれば、
あまり褒められたものではありません。
比較試乗したフィットの場合、全高が10cm高いおかげもあって、
前席後席ともに頭がつかえるなんてことはなく、余裕でした。
全長などインサイトよりも短いですが、足元もそれほど狭くは
感じませんでした。
フィット恐るべし!
トランクスペースは、インサイトはハイブリッドの宿命で、
後部にバッテリーを積んでいるので狭いかな?と思いましたが
深さがそれほどないものの、奥行き、幅共に十分な広さでした。
こちらはさすがにフィットでも全長が短い分、若干狭め。
ただし、トランク深さはフィットの方が2重底が深めでした。
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インパネの雰囲気は最近のホンダ車に共通する2段メータです。
上側にデジタルの速度計、ステアリング内側から見える位置に
回転計、その中央にエコ度や燃費計などの表示が出ます。
運転席から見える視界では、前方向、横方向に関していえば、
オデッセイやストリームに近い感じです。
フロントウィンドウがかなり寝ていて、ガラスエリアはだだっ広く
遠くにガラス下端がある感じ。
対して、後ろはCR-Xみたいなハッチバックのつなぎ目が邪魔で
ルームミラーから見て、最初はかなり気になると思います。
インサイトって・・・5人乗りにはなったけど、
やっぱり初代と同じように、実はちょっとクーペっぽいのかも。
ミッションはフロアからシフトレバーが出ているATタイプ。
HMM(ホンダマルチマチック)と呼ばれる、CVTです。
こいつはD、またはSレンジに入れておくと、
ブレーキを踏んで車速が0になるとアイドリングストップ、
エンジンが止まります。
まったく無音に包まれて、こいつは中々楽しい感じです。
逆にこれ以外ではホンダのハイブリッドは常にエンジンが
動いてますので、プリウスのような電気自動車的感覚は
味わえないかもしれません。
インサイトは1300ccのガソリンエンジンを積んでますが、
アクセルを踏んだ感覚も、坂道でのパワー感、エンジン音についても
フィットの1300ccとほとんど変わることがありません。
それもそのはず。
エンジン単体だけでいえば、インサイトが88ps/12.3kg・mに対し、
フィットは100ps/13.0kg・mで、若干パワフル。車体も軽い。
インサイトは図体が大きい分の穴埋めをモーターでやっている感じかも?
大きくても、車内はフィットに比べてそれほど広くはないのですが・・・。
ステアリングの操舵フィールは特別過敏でもなく、ゆったり自然な感じ。
幅が5ナンバーサイズっていう安心感もあって、大きさを感じさせないのは
嬉しいところ。
フィットはインサイトと横幅は同じですが、鼻先が軽い分、軽快に走れる感じ。
足もフィットの方がやや固めかも。
まぁこれはお好み次第ってところです。
で、肝心の燃費です。
インサイトの燃費計では14.0km/Lくらいでした。
まぁ、国道の信号待ちと上り坂下り坂だけの1~2kmのコース。
まだおろし立ての新車ですし、あまり参考にはなりませんが。
でね。
自分は燃料タンクの大きさと実用燃費はすごく関係していると思ってます。
つまり、タンクが大きなクルマは、いくらカタログ値がすごくても
そんだけ実燃費は悪いってことです。
で、インサイトのタンク容量はというと、40L。
そしてフィットのタンク容量は42L。
ほとんど同じですが、燃費がいいと実績のある、フィットの容量と比べ、
若干とはいえ小さいし、軽自動車のコペンとも同じくらいなのだから・・・
やっぱりインサイトの燃費はいいのかもしれませんね。
もし25km/Lくらいの燃費が出たら、無給油で1000km近く走れちゃうのかも。
ただねぇ。
ハイブリッドとして安いとはいえ、価格が・・・。
続きは商談編で。