上杉謙信公の能登(今の石川県能登半島部…そのままですww)侵攻と呼応して、織田信長公に背いたものの、謙信公は手取側で織田方の猛将、柴田勝家の軍勢を蹴散らした直後、上杉勢はあえなく兵を引いてしまい孤立、そのまま籠城の末に爆死した松永久秀のお話では無くて^^;
朝霧の種馬さんがセルフ店にて携行缶給油を断られて、トラブルになったお話がきっかけで思い出した事です。
あちらにではガソリンの危険性と責任問題のお話に的を絞った(それでもかなりの長文になってしまいましたm(__)m)ので、事件の背景を中心に書いていこうと思います。
【事件概要】(注…Netの過去ログから転写しました)
2003年9月16日午前10時過ぎ、運送業・別府昇(52歳が)が名古屋市東区のビル4階にある運送業「軽急便名古屋支店」に押し入り、ガソリンをまき8人を人質にして立てこもった。
同日午後1時10分、爆発。別府と、人質として残った吉川邦男支店長(41歳)、説得の現場にいた愛知県警機動捜査隊の村瀬達哉巡査長(31歳)の3人が死亡。ほかに警察官や消防隊員ら10数人と、通行人やマスコミ関係者ら計41人が負傷した。(うち5人は重傷)
別府昇
【別府について】
大阪市内の中学を66年に卒業後、建具製作会社に就職。81年に退社後、4社の運送会社に勤めたという。この時の運送会社関係者の同僚は「同僚と酒を飲みに行くことはあまりなく、常に一人だった」と振り返った。
別府について近所の人の印象は「まじめそう」「おとなしそう」「無口そう」というものばかり。つまり別府は近所での付き合いというものほとんどなかった。
2003年1月、運輸会社4社を渡り歩いた別府は「自分で仕事を始める」と軽急便の新規運転手として契約する。
3月、軽急便で仕事を始める。
軽急便関係者は事件後、別府について、「割のいい荷物だけ運ぼうとしていた」「よく『道を知らない』など顧客からクレームがあった」「『日曜の仕事は眠い』などと仕事を受け付けないことがあった」と話している。一方で別の軽急便関係者は、別府について、「超まじめ。顧客や社とのトラブルも聞かなかった」と話す。
9月11日、別府、会社に「辞める」と話す。
【篭城、爆破】
2003年9月16日午前8時40分頃、別府は名古屋市内のガソリンスタンドでガソリンを大量に購入。新しいポリ容器を2缶出してガソリンを入れたあと、「まだ使い道がある」と言って、ポリタンク6缶にガソリンを入れた。全部で144リットル購入している。この時、別府は店員に「機械の部品を洗うのに使う」などと説明。クレジットカードで支払いを済ませた。その後、軽急便の配達に使っていた軽トラックで、JR大曽根駅の北東側にある「軽急便名古屋支部」に向かった。
午前10時過ぎ、台車に1.8lのガソリン入りポリ容器2個のポリタンクを乗せ、自身は「刃渡り25cmのサバイバルナイフ、ボウガン、出刃包丁、火炎瓶などを持ち、ビルに到着。軽急便の営業所内に入った別府はガソリンを撒き始める。当時、営業所内には33人の社員らがいた。男性社員の1人が制止しようとしたが左手首を切りつけられ、切り傷を負った。まもなく別府は怪我をした社員を含む25名を解放した。
別府、ソファ、カウンターなどを動かして出入り口を塞ぎ、篭城始める。まもなく入り口付近のドアの外から警察官が説得を始める。別府は立てこもった後、吉川支店長に本社に電話をかけさせ、「7、8、9(月分)の給与を振り込め」と委託運送代金の振り込みを要求した。同社は要求に応じ、同日昼ごろ別府容疑者の口座に振り込んだ。同社によると、契約料は2カ月後に支払う約束で、同容疑者には7月分を9月29日に支払う予定だったという。
正午すぎ、要求に応じて指定口座に25万円を振り込むと態度を軟化。
午後1時ごろ、警察が説得を続けていたが、「警察官を一人でもみたら火をつけるぞ」とガソリンをまいた。その後、吉川さんを除く社員7名を解放した。吉川さんは別府とは面識がなかった。人質になったが解放された人によると「容疑者はすごく落ち着いていた。殺気だったものは感じず、かえって不気味だった」とのこと。直後、別府はふたたびガソリンを撒きだし、爆発が起きる。別府、吉川さん、説得にあたっていた機動隊・村瀬巡査長の3名が死亡。消防隊員、警察官、マスコミ関係者、通行人など41名が重軽傷を負った。
【事件後】
軽急便は会見で「世間に迷惑をかけて申し訳ない」と陳謝するとともに、「別府容疑者は客からのクレームが多く、今月で仕事を辞める予定だった」と説明した。
軽急便は個人事業者を会員とするかたちで契約し、荷物輸送を委託。会員は登録料7万円、指導料7万円を支払う。また自家用車の持ちこみは禁止されており、100万円前後の専用車両を購入しなければならない。別府容疑者は1月に契約して3月から荷物の配達を開始。会員は月に40万~50万円の収入が可能とされるが、別府容疑者の売り上げは7月から9月までで約25万円にとどまっていた。さらに売り上げから16―20%を手数料として支払い、保険料や燃料代は自分で負担しなければならなかった。
関係者の話によると、軽急便では軽貨物の運賃について「1個あたり約450円」と説明しているが、現在の軽貨物におけるドライバーの取り分は、「1個あたり100円強だが、中には90円や80円の時もある」というのが現状のようで、求人広告などに明記されている「30万円以上の収入可能」というのは、実際には「20人に1人いるか、いないか」という状況であるという。
こうした苦しい条件のもと、別府は挫折し始める。しかし、業績が上がらなくて辞めようにも2年間は解約できず、退会するのにも違約金がとられた。
同社は「収入は完全出来高制で、本人次第。紹介した客に働きぶりが気に入られれば、次から指名されるようになる。最低保障がないことは、契約時に説明している」と強調する。
別府が所属した軽急便・名古屋南営業所は、所長1人で約160人の運転手を抱えている。募集広告で「万全サポート体制」とうたっており、和田憲治常務は、「重大な事件が起きたという結果から見れば、もっと密にコミュニケーションをとっていれば良かったとの反省はある」と漏らした。
次は別のニュースの転写です
「軽急便」、労基署が業務実態などの調査始める
名古屋のビル立てこもり爆発事件で、名古屋北労働基準監督署は、立て
こもりされた運送会社「軽急便」の委託契約や業務実態に
ついて問題がなかったかどうか調査を始めた。
死亡した別府昇容疑者(52)は今年1月に同社と契約、3月から仕事を始めた。
愛知県警の調べによると、売り上げが伸びず「定期的な収入がほしい」などと、
たびたび同社に訴えていたという。
同労基署は、安い委託料など契約内容に問題がなかったか事情を聞くとともに、
爆発死傷者の労災認定についても調べを進める。
一方、「軽急便」社内で、会員の契約運転手と社員とのコミュニケーション不足が
問題として指摘されていたことが分かった。「十分な仕事がない」などと不満を
漏らしていた別府容疑者に対しても、担当者は数回電話で話しただけで、県警特捜
本部はこうした人間関係の希薄さが、事件の引き金になった可能性があると見て
調べている。
同社では、各地の営業所が会員から業務上の様々な相談を受けるシステムを
取っている。しかし、別府容疑者が所属していた名古屋南営業所の担当者は
実質所長1人にもかかわらず、約160人の会員を抱えるなど、多数の会員を少数の
営業所員が担当していた。
小泉前首相が、景気回復を謳っていますが、日本中をかけめぐっているお金は一定のままです。
この前も日本を代表する大手企業が、派遣労働者を違法に働かせていた容疑でニュースを騒がせていた様に、大企業が非正社員を主力にし、人件費を抑えたことが今の好景気に繋がった訳ですから、貧富の差に関しては、むしろ広がりつつあるといえます。
軽急便は、ドライバーを直接雇用するのではなく、
個人事業主として
業務委託契約をむすぶやり方で、
元締め会社が
損しないフランチャイズ事業で
大きくなった会社です。
個人事情主ゆえに、売上の保証は一切無いのは確かですが、「独立すれば30万~50万/月は固い」という誇大広告(実際の別府さんが
軽急便から貰った仕事の売上は参ヶ月で約25万円…そこから経費や軽急便の取り分を差し引くと、完全に赤字です)で多くのドライバーを集めるやり方は、いただけません。
改めてこの日記を書くにあたって、Netの過去ログを検索すれば「軽急便は本業の宅配業務より、加盟店の募集に力をいれていた」とのログが沢山ヒットします。
これでは、こう陰口を叩かれても仕方無いかもしれません
この事件が起きる前に、似たような会社が
民事で訴えられ敗訴しています。
そして役員には
かつては名古屋弁護士会の会長職を襲名した那須國宏氏
そして名古屋市中村区の人権擁護委員の稲川守彦氏が
名を連ねています。
資本主義社会は、稼いだものが偉い社会ですが、役員に弁護士や、人権擁護委員をいだく企業が、壱年前に敗訴した事業に酷似し、かつ
一切労働者の雇用責任を問わなくてよい経営方針のままここまで来たのは、不思議でなりません。
そしてこの事件であらたに責任を問われ、営業活動にさしさわることとなったのは、販売したガソリンスタンドとその従業員。
その結果、責任を問われたくない販売サイドと、従前のサービスを求めるお客のあいだでは、トラブルが絶えない様です(余談ですが、あれだけ多くのお友達を持ち、サーキットでは皆さまの人気(と、レースクイン( ̄ー ̄))を独占状態に出来る程、魅力的な種馬さんが思わず口論してしまったスタンドって、余程従業員が失礼な発言をしたのだろうと勘ぐってしまいますーー;)
あれから参年経過したものの、この事件のきっかけのひとつとなった「企業が雇用責任を取らなくても良い新たな業務請負契約」に関してはマスコミは忘れています。
悲しいことに、続編有るのです、この話には(T_T)
いずれあの業界も血みるだろうね(--;)
今回も長文最後まで呼んで頂き、ありがとうございましたm(__)m
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Posted at
2006/11/07 22:16:57