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風魔 小太郎のブログ一覧

2016年09月25日 イイね!

弱者

弱者弱きものはより弱きものを見つけそれに勝利し自己満足する。

強きものはより強きものを見つけそれを越えるべく精進する。

ソースです。

乗客はなぜ暴力を振るい暴言を吐くのか
碓井真史 | 新潟青陵大学大学院 臨床心理学研究科 教授(社会心理学)
2016年9月22日 2時55分配信

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日本民鉄協会「STOP暴力!キレたとかムカついたなんて理由にはならない」ポスター

乗客と口論になった鉄道職員が線路に降りさらに高架線から飛び降りる事故が起きました。前の記事「車掌はなぜ制服を脱ぎ飛び降りたのか」に続き、今回は乗客に関して考えます。
■鉄道職員が受ける暴力

国土交通省の調査によれば、2014年度中に発生した鉄道職員への暴力行為は、全国で887件でした。大手民間鉄道16社の日本民営鉄道協会の調査では、2015年度には792件の暴力事件が発生したと報告されています。

多くの鉄道職員が、乗客による暴力暴言に悩んでいます。
■いつ、誰が、なぜ

上記民鉄の調査によれば、加害者の72パーセントが酒気帯びでした。曜日で最も多いのが、金曜日。次に多いのが土曜日と日曜日でした。時間帯では深夜22時から翌午前5時までが最多で、月別では12月が最多でした。年代別では、どの世代でも見られますが、最多は60代以上でした。

事例としては、携帯電話を注意して殴られたり、自動改札口を通れなかった客に殴られたりしています。終電を逃した乗客に殴られたり、寝ていた乗客を起こしていきなり殴られることもあります。そして国交省の調査では、暴力行為の3割が「理由なく」でした。
■酒と暴力

アルコールは、自殺や暴力など、様々な問題行動に影響を与えています。アメリカの研究では、傷害事件の 20%、性犯罪の 16%、暴力犯罪全体の 19%が酩酊下での犯行でした。酒は、理性を失わせ、衝動性を高めます。

鉄道職員への暴力統計を見ると、週末や年末の夜、酔った乗客による行為が目立ちます。店では機嫌よく飲んでおり、店員も酔っ払いの相手をすることこそが仕事であり、あるいはトラブルが起きそうな時は仲間が防いでくれることもあるでしょう。

ところが駅では、酒を飲んで座っていれば良いのではありません。なんとか電車に乗って1人で帰宅しなければなりません。これはストレスです。居酒屋と違い、駅は酔っ払いのためにあるわけではなく、守らなければならない規則もあります。このような状況でイラつく人も多くなるのでしょう。

日常的にストレスを溜めている人は、酒が入るとストレスのはけ口として暴力暴言が出やすくなります。たまたまその矛先が駅員に向くこともあるでしょう。

もっとも、酔ってもいないのに暴力暴言をふるう人もたくさんいるわけですが。
■鉄道職員はなぜ狙われるのか

ストレスのはけ口として、なぜ鉄道職員が狙われるのでしょう。ストレスがたまった人の中には、誰から構わず、攻撃を向けてくる人がいます。ただそうは言っても、反撃される人には向いにくいでしょう。そこで、通りすがりの店の看板を蹴飛ばす人もいますし、絡んでくる人もいます。

鉄道職員は、反撃してこないために、攻撃のターゲットとされやすいでしょう。さらに、駅員や乗務員は、制服を着て、ルールを守らせようとする存在です。これは、ストレスがたまった人からは、気に食わない存在になりやすいと言えるでしょう。

時として、制服職員は、自分を締め付ける社会の象徴となってしまうのです。

ストレスでイライラした人だけではなく、うつと暴力事件には相関があるという研究もあります。幸福感がなくなり、気持ちが沈みこんでいる状態も、暴力が出やすくなります。
■高齢者の暴力暴言はなぜ多いのか

高齢者の犯罪は増えています。人口の割合増加以上に増えています。万引きも、今や少年ではなく高齢者の犯罪です。高齢者の犯罪の背景には、孤独と不安があると言われています。

また高齢者は、長年親しんできたルールや習慣があります。それなのに、自分がよく分からない新しいルールや習慣によって注意されると、自尊心が傷つき、暴力的な態度に出る人もいるでしょう。

また、鉄道職員等は非常にしっかりとした態度をとるべきだと感じている高齢者もいます。自分の考える規律とずれることをされると、腹が立ち、説教や暴言暴力が出てしまう高齢者もいます。鉄道職員は、言い返してこないためにちょうど良い説教相手になってしまうこともあるでしょう。
■穏便に済まそうとする態度

暴言暴力を受ける現場の職員は悩んでいます。しかし、乗客を次々と告訴するということにはなっていません。暴力をふるっても、翌日家族とともに謝罪に来れば、それで事は済んでしまったりします。

鉄道会社としては、乗客をやたらと告訴しないでしょう。それは間違ってはいないとは思うのですが、乗客による暴力がなかなか社会問題化しない理由の一つにもなっていると思います。時には、鉄道会社による断固とした態度も必要でしょう。

客でも、酔っていても、暴力も暴言もゆるされない社会を作らなければなりません。
■事故、列車の遅れに際しての乗客のストレス

これまでも、事故などで列車が遅れたために暴言暴力が発生した事例がいくつもあります。ストレスがたまり過ぎれば、人は爆発します。このような爆発を防ぐためには、適切な情報が必要だとされています。

電車が遅れているのに、何が起きたのか、いつ列車は動くのか、全くわからない状態では、ストレスが非常に高まります。どこで何が起きて、この後どうなるのか。適切な情報を与えることが、暴言暴力、暴動などを抑える効果があります。

さらに、その時々の状況によっても、乗客の態度は変わるでしょう。時間帯、混雑具合、地域性、いろいろです。ある地域のある路線では、列車が5分程度遅れても、誰も何言わずに静かに待っています。ところが、別の地域の別の路線では、5分の遅れに暴言が飛び交うところもあります。
■怒りっぽい人、乱暴な人の特徴

心理学的には、いつも怒りっぽい人は、不安定で、自分を守ろうとしていると言われています。自己存在の希薄さが、他者への暴言暴力となるのです。また、怒りやすい人は、他者の行動を悪意あるものとして感じやすく、さらに、自分の行動の理由を他者に向けてしまう特徴もあります。

つまり、寝ていたのを起こしてくれた善意の鉄道職員なのに、悪意ある人に感じてしまうことがありますし、自分が終電に乗り遅れたのは駅員のせいだなどと感じてしまうこともあります。

普通は、大人であるなら感じても我慢をするのですが、鉄道職員相手に、我慢できない、我慢しなくても良いと考えてしまう人もいるのでしょう。
■乗客からの暴言暴力を防ぐために

鉄道職員たちは、すでに十分注意しています。職場での研修で、トラブルを起こしにく声のかけ方などを学んでいます。

強い感情は、多くの場合ほんの一瞬です。たとえば、乗客に強い怒りが湧いても、10秒暴力を抑えることができれば、その後も暴力が出ないこともあります。

今回近鉄で起きた事故(「車掌はなぜ制服を脱ぎ飛び降りたのか」)で、何が起きたのかは不明です。

ただ一部報道によると、乗客と車掌が「口論」になったと言われています。この報道が事実であるとすれば、口論になった時点で、乗客対応に失敗してしまったと言えるでしょう。

あるいは、乗客に人として許せない発言や暴力的な態度があったのかもしれません。乗客も批判されるべきなのかもしれませんが、何が起きたのか、事実は全くの不明です。そして何があったとしても、口論になったとしたら、それは問題を悪化させるだけでしょう(別の報道では、単に「対応中」という表現をとっていますが)。

安全な交通のためには、ハードの整備とともに、働く人の心の健康が必要です。もしも職員側にもっと心の余裕があり、違う対応になっていれば、結果は違っていたかもしれません。

2005年に発生した福山線脱線事故の原因は、運転手が自分のミスで「日勤教育」と呼ばれる研修(罰)を受けたくない一心で、車掌と運転指令所の会話に気を取られ、ブレーキが遅れたこととされています。

ミスもトラブルも、防止するためには、私たち乗客と職員の心の健康と余裕が必要です。職員もストレスがたまり、乗客に乱暴な態度等をとってしまえば、さらにトラブルは広がります。

「心の不調が、人間関係を悪化させ、環境を悪くし、それがさらに心を苦しめる。この悪循環を断ち切らなければなりません」(「心の健康の守り方」Yahoo!ニュース個人有料)。

鉄道職員と乗客が協力し、暴言暴力のない、安全な鉄道を作っていきましょう。

(一部誤字を訂正。13:20)

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碓井真史 新潟青陵大学大学院 臨床心理学研究科 教授(社会心理学)

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。


引用おわり。

弱い犬ほど良くほえるとは良く言ったもので、過剰サービスを要求するようなモンスターは結局「弱者」ってことです。

大企業の創業者社長とか、大手某力団のボスってジェントルマンぞろいでしょ♪

って続編なのですが一言で終わってしまいました。

努力して「強者」になろう♪



 
Posted at 2016/09/25 02:33:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | ニュース | ニュース
2016年09月22日 イイね!

職場放棄の結果

職場放棄の結果






珍しい出来事です。



ソースです。

車掌はなぜ制服を脱ぎ飛び降りたのか
碓井真史 | 新潟青陵大学大学院 臨床心理学研究科 教授(社会心理学)
2016年9月21日 20時10分配信

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(写真はイメージ)(写真:アフロ)
■制服制帽を脱ぎ飛び降りた車掌

報道によると、人身事故のせいでダイヤが乱れていた近鉄奈良線東花園駅で、対応に当たっていた車掌と乗客が口論となり、突然車掌が制服制帽を脱ぎ捨て線路内に降り、高架線から飛び降りて怪我をする事故がありました(<近鉄>ダイヤ乱れ客と口論の車掌 地上に落ち骨折 東大阪:毎日新聞 9月21日)。

会社側は、「不適切な行動を引き起こし、心よりおわびします」とコメントしています。
■弁解はできないけれども

事実とすれば、会社側が謝罪しているように、とても不適切な行動です。乗客の安全とスムーズな鉄道の運行を仕事とする職員として、あるまじき行動と言われても仕方がないでしょう。

ただ、あまりにも非常識な行動のために、ただの叱責や謝罪だけで済ませてはいけないとも感じます。

客と口論になって暴言を吐いてしまったのなら、ただの短気な人かもしれません。泣き始めたのなら、ただの気弱な人かもしれません。まともな応対ができなかったのなら、経験不足や訓練不足と言えるかもしれません。

けれども、今回の行動は常識的には理解できません。ただ、人は時折、常識では理解できないことをしてしまいます。
■心因反応?

私達の周囲でも、突然信じられないような非常識な行動をしてしまう人はいます。ただの変わり者ではありません。違法薬物のせいでもありません。特別な病名を持っているわけでもありません。それでも、突発的な行動を取る人がいます。

そのような行動は、「心因反応」と呼ばれることもあります。
■心因反応とは

心因反応とは、とても衝撃的な出来事、大きなストレスで、心に強いダメージを受けた時に出る症状です。心因反応には、いくつかの行動パターンがあります。
1原始反応(驚愕・恐慌反応)

あまりのショックで、腰を抜かして体が動かなくなたり、逆に突然走り出したり、叫び出したりする行動です。通常の叫び声や走って逃げるという行動以上に、奇声をあげたり、常軌を逸した走り方をすることもあります。
2短絡反応

とても短絡的、感情的、衝動的になって、物を投げるなどの破壊行動をすることもあります。
3その他

一時的に、妄想的な思いに駆られたり、感情にフタをして何も感じなくなったり、精神病のような症状が短期的で出ることもあります。

普通の人、強い人でも、大きなダメージで心因反応を起こす人もいます。生まれつき過敏な人、あるいは長年のストレスで心身が弱っている状態の人が小さなきっかけで心因反応を起こす人もいます。

いつものその人なら考えられないようなことを、突然してしまうことは、まれにあります。世間的には、そのとんでもない行動が非難され、刑事責任が問われたり、仕事を解雇されることもあります。ただ、その行動から一般に考えられるような悪い人ではないことも多いのですが。
■心の健康を守ろう、より良い環境を作ろう

今回の行動は、不適切です。ただ、非難と制裁を与えるだけでは不十分に思えます。鉄道職員は、日々ストレスの中で働いています。たとえば、国土交通省の調査によれば、駅員乗務員への暴力事件が毎年800件以上発生しています。暴言は数え切れないでしょう。

鉄道の安全を守るためには、鉄道職員の心の健康を守る必要があります。ミスも、違反も、個人の責任だけを問い処罰の対象にするだけではなく、原因を探り、防止策を考えていきたいと思います。
*診断名「心因反応」について

心因反応は、伝統的な診断名ですが、かなり広くあやふやな部分があるため、現在では正式な診断名としては使われなくなりつつあります。心因反応の一部は、適応障害と呼ばれたり、ASD(急性ストレス障害)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ状態と呼ばれたりします。

今回は、報道された職員の状態を診断したり推測しているわけではなく、あえて広くあやふやな概念を使って、一般的な心と行動の問題を解説しました。どの職場でも、家庭でも、心の健康を守っていきましょう。

修正(22:30):駅名を修正しました。

予告(9/22. 0:15):「乗客はなぜ暴力を振るい暴言を吐くのか」準備中。

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碓井真史 新潟青陵大学大学院 臨床心理学研究科 教授(社会心理学)

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。



引用おわり。

運転打ち切りになり困った乗客に強く詰め寄られ、頭に来て取った行動にしては余りにも稚拙かつ無責任でしょう。

過去に、こんなことで鉄道警察が仲裁入った事件がありましたが、JR7社は乗客の言動が原因で定時運転が難しいとなるとあっさり警察出動させるのに対して、私鉄ではなるべく社員のみで穏便に済まそうとする傾向が強く、たまたまこの車掌が立て続けにクレーム処理することが多く、ストレスになっていたのかな?とも思いますが。

消費者の権利を振りかざす乗客が多い昨今ですが、ここまで怒っちゃあ駄目でしょう。鉄道という「安全」が商品の事業なら、むしろこのタイミングで職場放棄なんか言語道断。乗客の安全な誘導に腐心するべきです。

頭に来た乗客が線路に飛び出す事だってあるのだからね。それを阻止すべき人間が率先して線路に飛び降りてどうする。


 
Posted at 2016/09/22 03:28:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | ニュース | ニュース
2016年09月07日 イイね!

【スーパー耐久】情熱のマツダ・デミオ。ディーゼル・ターボ車が鈴鹿4時間で初優勝を飾る!

【スーパー耐久】情熱のマツダ・デミオ。ディーゼル・ターボ車が鈴鹿4時間で初優勝を飾る!






少し前の出来事です。

ソースです。

【スーパー耐久】情熱のマツダ・デミオ。ディーゼル・ターボ車が鈴鹿4時間で初優勝を飾る!
辻野ヒロシ | モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト
2016年6月14日 6時55分配信

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スーパー耐久のマツダ・デミオ 17号車 【写真:Garelly Type S】

市販車ベースのマシンが中心となって戦う耐久レース「スーパー耐久シリーズ」の第3戦が6月11日(土)12日(日)に鈴鹿サーキット(三重県)で開催され、12日(日)の決勝レースには予選レースを勝ち抜いた45台が出走した。午後3時15分のスタート前から怪しくなっていた雲行き。天気予報が的中し、レース中は雨が降りしきる中のウェットコンディションのレースとなったが、4時間のレースを終えてみると、45台のうち41台が完走を果たすという完走率の高い大会となった。

ヘビーウェットの中、4時間のレースが行われた。【写真:MOBILITYLAND】
ヘビーウェットの中、4時間のレースが行われた。【写真:MOBILITYLAND】
コンパクトカークラスでデミオが優勝

排気量や駆動方式によって6つのクラスに分かれて、それぞれのクラス順位を競う「スーパー耐久」。その中で最も排気量が小さく、親しみやすいコンパクトカーが戦うクラスが「ST5」クラスだ。このクラスにはトヨタ・ヴィッツ、ホンダ・フィット、マツダ・デミオ、マツダ・ロードスター(新型)など排気量1500cc以下のクルマが参戦。メルセデスやフェラーリのレース専用GTカーと混走する中で「ST5」クラスを戦うコンパクトカーは最もスピード域が低い。実はこのクラスは接戦のバトルが常に展開される激戦クラスだ。

そんな中、そのバトルに混じらずに淡々と自分たちのレースをし、最後には上位フィニッシュを飾るクルマがある。それは新車販売台数のランキングで常に上位にランクインする売れ線のコンパクトカー「マツダ・デミオ」。その中で「ST5」クラスに参戦する「TEAM NOPRO(チームノプロ)」が走らせるデミオは1.5L直列4気筒・直噴ディーゼルターボエンジンを搭載する「マツダ・デミオSKYACTIV-D」である。

17号車「TEAM NOPRO」の集合写真【写真提供:NOPRO】
17号車「TEAM NOPRO」の集合写真【写真提供:NOPRO】

このクルマの最大の武器は、市販車デミオが売れる理由の一つでもある燃費の良さ。3時間の耐久レースなら1回の給油だけで走り切れてしまう好燃費だ。鈴鹿4時間耐久では同チームの17号車「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」(谷川達也/井尻薫/野上達也)が燃費の良さを活かした走りでホンダ・フィットに肉薄。ベテランドライバー谷川達也の攻めの走りも功を奏してコース上でホンダ・フィットをオーバーテイクし、見事な優勝を勝ち取った。

鈴鹿サーキットのレースでディーゼル車が優勝した例はほとんどなく、WTCC(世界ツーリングカー選手権)で外国車のSEAT Leonがベースになったマシンがプライベーター向けのクラス「ヨコハマトロフィー」でクラス優勝したくらい。国内メジャーレースカテゴリーに限っていうと、鈴鹿の公式レースでディーゼル車が優勝するのは史上初めてのことだろう。

優勝したデミオSKYACTIV-D(手前)【写真:MOBILITYLAND】
優勝したデミオSKYACTIV-D(手前)【写真:MOBILITYLAND】
情熱のディーゼル・ターボ

優勝した「TEAM NOPRO」は神奈川県・三浦郡にあるマツダ・ロードスターのチューニングを得意とする専門ショップ「NOPRO」(ノガミプロジェクト)のレーシングチーム。コンパクトカークラスの「ST5」に5年前からマツダ・デミオで参戦を続けている。

野上敏彦【写真提供:NOPRO】
野上敏彦【写真提供:NOPRO】

チームオーナーの野上敏彦はルマン24時間レースへの挑戦などで知られるマツダ直系のモータースポーツ企業「(株)マツダスピード」の出身。ロータリーエンジンで耐久レースに参戦を続けた同社で活躍し、独立。プロドライバーとしてステアリングを握ってレース活動を行い、チューニングショップも営んできた。しかし、「NOPRO」はレースを休止していた時期もある。

活動再開の転機となったのは2011年の東日本大震災の直後。「世の中が色々な意味でとても暗い時期で、チューニングショップ業界も突然暇になりました。ちょうど息子(野上達也)が3年働いた大手量販店を退職し、自社で仕事をするようになり、息子と一緒にレース業界をもう一度学ぶのは良いことかもしれないと思い、レース活動を再開しました」と父・野上敏彦は語る。自らの技術力、クルマに対する知識を植えつけてくれたレース業界に復帰し、近い将来、会社を継ぐであろう息子にもレースを戦うことで技術を身につけてもらおうという親心なのだろう。

2012年から「スーパー耐久」ST5クラスに参戦を始めた「TEAM NOPRO」は軽さを武器にした先代のガソリンエンジンデミオ(DE)の持ち味を活かし、参戦2年目の2013年富士7時間耐久レースで早くも初優勝。マツダ車としてはかつてスーパー耐久ST3クラスをロータリーエンジンのRX-7が席巻した時代があったが、マツダ車としても久しぶりの優勝だが、レシプロエンジン搭載車としてメジャー耐久レースでは史上初優勝となった。
燃費を武器に、誰もやらない挑戦を

昨年から、現行モデルのディーゼル車、マツダ・デミオ(DJ)を選択。ディーゼル車でのレース参戦というのは海外ではアウディ、セアトなどメーカーとしての挑戦と成功の例があるが、「TEAM NOPRO」は単なるプライベートチーム。デミオ・ディーゼルの選択からして「レース車としての速さは論外のところから始まった」と野上は語る。

直噴ディーゼルターボの現行モデル、マツダSKYACTIV-Dを搭載したデミオを選択した「TEAM NOPRO」。エースドライバーでSUPER GT/GT500クラス優勝の経験をもつプロドライバー谷川達也は「とにかく燃費がいい。ディーゼルターボはアクセル全開でパワーの出る回転は4200回転から4300回転くらい。音が静かすぎて、(回転数表示の)メーターを見てないとわからないほどです。ヘルメットを被って居ると、街乗りよりも静かかもしれません」とその特徴を説明する。

コンパクトカークラスを争うデミオSKYACTIV-D【写真提供:NOPRO】
コンパクトカークラスを争うデミオSKYACTIV-D【写真提供:NOPRO】

燃費の良さはディーゼルターボの武器だ。燃費の強みを活かしてライバルよりもピット回数を減らすことで特に長時間レースでは勝機が見えてくる。ただ、ネックとなるのはエンジン重量に起因する車重。いくら低回転で燃費の良いベース車両といえども、レースを戦うクルマとして車重の重さはデメリット。タイヤにかかる負荷が大きくなり、第1戦のツインリンクもてぎ5時間耐久レースではタイヤがバーストし、あと一歩のところで勝てなかった。

ST5クラスの争いでレースをリードするのはホンダ・フィットRS(フィット3)。フィットはレース仕様のモデルも市販されており、ワンメイクレースに長年取り組んできたホンダは積み重ねたレース車両製作のノウハウを持っており、ユーザーたちは少なからずその恩恵を受けている。しかし、マツダは国内での主だったレース活動を長年行っておらず、ホンダやトヨタといったレース活動やレース車両の販売に積極的なメーカーとはスタンスが異なるのだ。プライベーターとして自らクルマを仕上げ、唯一のディーゼルターボ車で参戦する「TEAM NOPRO」を取り巻く環境にはクルマのポテンシャル以上の違いがある。

そんな中でも少数派の車種で参戦する理由を野上敏彦はこう語る。

「デミオはすごく売れている人気車種です。でも、ディーゼルターボのレース車両づくりは未知の世界。誰もやっていないことをやるのが好きなんですよね。ディーゼルはガソリンエンジンと違う難しさがあります。でも、今はディーゼルと付き合っていくノウハウを培っていきたい。レースを通じて学んだノウハウをディーゼルターボ車に乗るお客様にフィードバックできるようにしたいですね」

燃費の良さを活かした走りという意味で、同チームは9月の第4戦・富士9時間耐久レースでの優勝を狙っていた。しかし、ディーゼルターボ初優勝のチャンスは第3戦・鈴鹿で巡ってきた。レースがウェットコンディションになったことで、スピードで勝るライバル車との差が縮まるだけでなく、タイヤの負担も減り、さらに4時間耐久と長いレースであることからライバルは我慢の燃費走行を強いられることに。セーフティーカーが入ってライバルが燃費をセーブできるようになったのも序盤の1回だけ。マイペースで走行を続けて着実に順位を上げ、「TEAM NOPRO」は燃費を心配することなく最後の勝負に出ることができた。

ST5クラスの表彰式。中央が息子の野上達也【写真:MOBILITYLAND】
ST5クラスの表彰式。中央が息子の野上達也【写真:MOBILITYLAND】

「レース車をゼロから作って走らせて、息子には人間関係を含めてレースから経済的、政治的な事も学んで欲しい」とレース活動再開の理由を語った父・野上敏彦。ナイトチェッカーの後、投光器に照らされた鈴鹿サーキットの表彰台にはドライバーの一人として参戦した息子・野上達也の姿があった。ディーゼルターボ車初優勝を成し遂げた息子が見た、表彰台からの景色は格別なものだったに違いない。なかなかスポットライトが当たることが少ないコンパクトカークラスのレースにも、やりがいのある挑戦と他には代え難い勝利の喜びがあるものだ。

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辻野ヒロシ モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト

鈴鹿市出身。エキゾーストノートを聞いて育つ。鈴鹿サーキットで7割以上のレースで実況、ピットリポートを担当するアナウンサー。取材を通じ、F1から底辺レース、2輪、カートに至るまで幅広く精通する。またライター、ジャーナリストとしてF1バルセロナテスト、イギリスGP、マレーシアGPなどF1、インディカー、F3マカオGPなど海外取材歴も多数。ポータルサイト「All About」のモータースポーツガイドを担当。

hiroshitsujino
tsujino.racingnews


引用おわり。

結構ガソリンっぽい性格を与えられたマツダの乾坤一擲クリーンディーゼルはS耐にて国産車公式レースで前人未到のクラス優勝を達成、しかもチームはワークス系なんかじゃなく、マツダスピード出身のプロショップが達成という快挙です。

ディ-ゼルらしからぬ高回転型が災いしATの制御がトルクの出る千肆(4)百回転シフトなので、町乗りでは肆(4)速までしか使ってくれず実用燃費では他社ハイブリッド車は勿論、ガソリンフィットやヴィッツにすら負けてしまい、燃費重視だったらはっきり言ってDJデミオを選ぶ必然性は壱切ありません。

また、ボディ剛性の高さから車重もかなり重く、しかもE/G自体もかなり重いので、ゼロヨンダッシュをすればGE6(弐代目のフィットの千参百ccモデル)にすら叶わない上に、近距離で使うとE/G内部にカーボンが堆積し、大幅に性能低下を招くなど、運動性能と実用性で比較すれば価格に見合った価値は無いと判断していたのがDJ+クリーンディーゼルと言うのが私の解釈でした。

事実、緒戦ではフロントヘビーが災いし、タイヤバーストの憂き目にあっている辺り、コンパクトカーに運動性能とディーゼルが両立が難しく、まだまだ国産車は欧州車には叶わないのが現実です。

ただ、裏を返せば肆千参百回転で最高出力をたたき出すユニットと漆(6)速MTとの組み合わせはパワーバンドを外す事は少なく、ライン取りの自由度は非常に高いと言え、いざとなれば多少強引なライン取りから先行車を追い越すことが出来るので、タイヤコンディションさえよけらば結構無理が利くのと

ブン廻さず速いユニットは勿論燃費も良く、ピットイン回数が少ないぶん耐久レースでは極めて有利な条件が、こたびの快挙に繋がったと言えます。

DJは値段もコンパクトカーの常識を遥かに上回り実用的とは言い難いですが、あのボディサイズのなかでは欧州車にひけはとらないどっしりした走りが得られると言う意味では良いのではないかなと思います。

個人的にはDWの「軽量高機動」っぷりと比較すると、長いホイールベースもあいまってガソリン車ですら町乗りでは重たく、やや曲げにくい感じがしてしまいますが^^;

あと、ディーゼルでフルオプションだとまさかの参百万、価格まで欧州車なみか下手すればそれ以上、つかもう少し足したらFD買えるじゃん(売っていないけど)
 
Posted at 2016/09/07 22:33:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | ニュース | クルマ
2016年09月06日 イイね!

本日の宇宙戦艦ヤマト

本日の宇宙戦艦ヤマト






どんな困難があっても必ずここへ返ってくる。
希望を乗せて。

海上自衛隊Ver


ささきいさおVer



 
Posted at 2016/09/06 01:22:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | 音楽・映画 | 音楽/映画/テレビ

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