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かめい堂のブログ一覧

2006年09月05日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 長寿の宿

鬼嫁ツーリング日記 ... 長寿の宿屋根に苔が生えてる!
のは、この本館の屋根が杉皮葺きであるからだ。
明治8年、1875年。
実に131年も前の建屋であるのだからして、
藁葺きでも良かったはずなのに杉の皮、である。
神社仏閣でもあるまいに
杉の皮を奢ってしまうあたり、宿を開いた当主は、
相当にハイカラさんだったのか?

苔むす緑にこの宿が歩んできた歴史を感じながら、行き止まりの小路を散策してみる。
国道17号から分岐した法師温泉へと至りし専用路は文字通り、この旅籠で尽き果てる。
これ以上、進むべき道がないというのは何故か僕を不安にさせるのだけれど。
明治8年製の本館に迷いはない。
進歩とはなんなのか?
そんな問いを投げかけているようにも思える風格ある柱や梁には、三国山麓の、標高800mの、
厳しい自然に耐え抜いてきた傷跡が残るのだ、が。
だけどもこれに比べたら現代の鉄筋コンクリートで武装されたビルも、なんとなく頼りない。
たかだか30年程で痛々しく見窄らしくなってしまうのは、何故なのだろう。

建てると決意した当主が100年先のことを考え、
建てる作業に携わった人々が持てる技術の全てを駆使し、
建てられた館を後世に残すべく愛情を込めて使ってきた代々の人々がいて、
この宿の今がある。

江戸の面影を今に残すこの旅籠、まるで時が止まってしまったかのような法師温泉、長寿館。
大正浪漫を通り過ぎてこれは。

文明開化、だね 考えてる顔
Posted at 2006/09/26 17:16:02 | コメント(1) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月05日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 法師温泉へ

鬼嫁ツーリング日記 ... 法師温泉へ行き止まりの宿。
この先に道はない。
人の住む里もない。
あるのは深い緑に覆われた山々と清らかな渓流と
この宿だけだ。
法師温泉 長寿館
明治8年に造られた玄関が厳かに僕らを迎える。
ついに来たのだ。
この、山間の秘湯へ。

長らく憧れていたのになぜか、今に至るまで来ることはなかった法師温泉。
江戸と越後を結ぶ三国街道が傾斜を上げ始め、人と物の交流を拒むように立ちはだかる
三国峠が難所であった頃とは違い今は、国道17号が、関越自動車道があるというのに。
盲腸のように途切れてしまうこの道が、地の果てをイメージさせたのか。
それとも。
時が止まってしまった旅籠の存在が、エアポケットのようであったのか。
とにかく。
もの凄く遠いところにあるような気がしていたのだ。

実際には、東京からわずかに200Kmと少しの距離であるのだし、3時間程度のものだ。
こんなに近いのに、優に100年は時を遡ることができる。
ならば、先代 mini の時に来るべきであった。
本物のレトロカーでこの宿に訪れてみたかった。
現代の MINI を撮りながらそう思ってしまったのは、やはり。
この宿に漂う、大正浪漫な香りのためであろう。

   草まくら手枕に
   似じ借らざらん
   山のいでゆの
   丸太のまくら
Posted at 2006/09/15 23:49:07 | コメント(2) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月05日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 舞台が必要だ

鬼嫁ツーリング日記 ... 舞台が必要だオンナにはステージが必要なのよ
そんな言葉を残して彼女は、
お立ち台へと上がっていった。
男と女が織り成す欲望を単調なるユーロビートが
増幅する週末のジュリアナ。
ダンスフロアに一人残された僕は、こう考えた。
そもそも人様にお見せできるパンツなのか?
そんな了見の狭い保守的な思考はやがて、
手痛い失恋という結果を生むのだけれど。
確かに見上げる彼女は、美しく光り輝いていた。

人生にスポットライトは必要なのかもしれない

ケとハレ
日常と非日常。
常日頃の生活空間とは異なる疑似空間にいることはそれだけで、心躍るものである。
それはオンナに限らずオトコも、そして、MINI も。

四万温泉の先、奥四万湖には周囲を取り巻くようにワィンディングロードが整備されている。
とは言え、タイヤを鳴らし自らの腕と度胸を試す道ではなくあくまでも、観光用の穏やかな道だ。
クルマよりもトレッキングに適しているかもしれない、狭いけれどカーヴも起伏もそれなりに
揃っているこの周回路は、英国に生を受けた MINI が一瞬、故郷を思い出す道のようでもある。
舞台装置は揃っているではないか。

ドライヴィングシートを取り戻す。
手応えのあるステアリングを山肌に沿うように傾ければ鼻先は、思った通りの位置に向きを変える。
路面とタイヤの間はクリーンなのか、それとも、砂埃が挟まっているのか、がわかるほどに。
ステアリングのインフォメーションは豊富にして繊細だ。
ドライバーが右足に込めた走る意志とエンジンに反発する負荷とのせめぎ合いの中で機械が考え、
選択したギアのまま、加速しながらエイペックスを通過する。
まるで後輪に駆動力があるかのように外側のリアに荷重を残しコーナーを抜ける MINI は、
乗員への不安感を微塵にも感じさせない。
まごう事なき、一級のコーナリングマシーンだ。

ハレの舞台で。
我が意を得たりとばかりに駆け抜ける MINI を操りながら僕は考えた。
なぜ、この歓びを。一周分しか分かち与えてくれぬのか?
そうなのだ、次なる浪漫の地まで。

助手席が再び、僕の指定席なのだ 冷や汗2
Posted at 2006/09/15 23:22:44 | コメント(3) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月04日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 元禄の湯

鬼嫁ツーリング日記 ... 元禄の湯白いペイントと真鍮のノブがなんとも大正浪漫な
そのドアを開けた瞬間。
失礼ながら僕は、一歩、退いてしまった。
タイルの床を濡らす水分がホルマリンのように
思えたからだ。
五つに掘られた浴槽、と言うよりも、
プールのようなそれには
何か見てはいけないものが
浮いているのではないか?

そうも考えてしまった。
アイボリーとベージュに塗り分けられた壁に分度器のごとく綺麗な円弧を描くアーチ状の天窓が、
ロシアの病院のようだ。

これが元禄の湯 冷や汗2

話には聞いていた、写真でも見ていた。
しかし実際に見るこれは、浪漫を通り越して奇々怪々だ。
新しい元号が始まって5年、
まだ大正の記憶が新しい時代に設計されたここは、当時の人々が考えるモダンだ。
その源は西欧のメトロポリタンにあったのだろうか。

元禄の湯
昭和5年に造られたこの湯屋は国の登録文化財であり、積善館の誇りでもある。
そろそろ80年を迎えようかというのに、消費した歳月ほどに痛んではいない。
偽者でないことを証明するかのように風化した設備がむしろ、雰囲気である。
隅々まで清掃が行き届いている湯屋に備えられた五つの浴槽には
同じ源泉からの湯がひかれるが、それぞれに温度が違うと言う。
手前より順に入ってみるが、その違いは正直、よくわからなかった。

泉質はナトリウム・カルシウム塩化物硫酸塩温泉、とのこと。
舐めればほんのりと、しょっぱい。
非常にあっさりとした感触は草津の上がり湯と言われるだけのことはあって、肌に優しい。
ここは四万の病に効く、癒しの湯なのだ。
やはり温泉とは、いいもんだ。
病院のように思えた奇々怪々が大正ロマネスクに見えてくるから勝手なものだね。

壁面の、アーチ上の扉の奥には、蒸し風呂があるらしい。
閉所恐怖症の人は絶対に入ることのできぬ、真っ暗な、小さな小さな部屋。
中で存在を主張するタイルが張られた寝椅子のような物体の、その下には
源泉が走っているという。
つまりはこれぞ、大正の人々が考えたサウナに他ならない。

すごすぎる ふらふら

こればっかりは実際に体験してみないとわからない。
元禄の湯。
そこは時の止まった、不思議な空間である。
Posted at 2006/09/14 21:02:59 | コメント(4) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月04日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 軍事オタクの妄想

鬼嫁ツーリング日記 ... 軍事オタクの妄想宿を紹介するパンフレットの中に、一枚の写真を発見した。
丸眼鏡の奥に宿る鋭い眼光と立派な口ひげ。
東條英機?
そうなのだ、
あの陸軍大将にして第40代内閣総理大臣の東條英機だ。
軍事オタクを自認する(と言っても余り詳しくないけど)僕の記憶に間違いはない。
戦争犯罪人として語られる東條大将がなぜ、
この宿の資料にあるのだろう。
古ぼけた写真を仔細に見れば。
大将のいる部屋は、いま僕がいる部屋とそっくりだ。
大将の座る椅子は、いま僕が座っている広縁のソファと同じだ。
大将は、この積善館に、この佳松亭山荘に泊まっていたのだ。

もしかして僕は、同じ部屋にいるのだろうか?

残念ながらそれは、わからない。
でもこの建屋に居たことは確かなのだ。
それが戦う前の話なのか、戦っている最中の話なのか、わからないけれど。
とにかく首都から離れたこの地で、この宿で、何かを考えていたのだと思う。

この椅子で。
時の宰相は日本の行く末に何を夢見ていたのだろうか?
Posted at 2006/09/14 21:00:47 | コメント(3) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域

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東京の下町で暮らしております。 ノスタルジー香る街並みに巨大な電波塔が完成し 足下の住民は悲喜こもごもでありますが ... 昭和の情景にも平成の風景にも違...
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