• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

かめい堂のブログ一覧

2006年09月04日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 文豪の旅籠

鬼嫁ツーリング日記 ... 文豪の旅籠積善館
案内された部屋は、Elvis Aron Presley が誕生した年に造られた佳松亭山荘と呼ばれる、古風なる建屋の中にあった。
昭和10年(1935年)築であるのだから、もう70年は
経っているわけだけども、その数字から想像される
ほどに古臭くないのは、日々の掃除と保守が
行き届いているからだろうか。
高い天井と立派な梁に大正時代のゆとりが息づく。
八畳の部屋であったはずだが、思いのほか広く感ずるのは凝った細工が施された障子の奥に
隠された広縁のおかげだ。

マンション住まいでは望んでも手に入れることはできない、この無駄な空間。
しかしそこは部屋の内と外を繋ぐ緩衝材であり、心理的な豊かさを演出する中間領域でもある。
合理的な現在であれば、広縁を造るよりもその分を部屋の広さとして使ってしまうのが常だけど。
やはり無駄とは、贅沢の裏返しなのだね。

窓には松の老木が手の届きそうな位置に枝葉を伸ばす。
蝉の泣き声と小川のせせらぎを耳に、畳に寝転んで外を眺める。

あぁ、極楽なり ほっとした顔

四万を愛した、
謝野昌子、高村光太郎、太宰治、若山牧水、斎藤茂吉、井伏鱒二、柳原白蓮などなど。
大正から昭和にかけてこの地に足跡を残した歌人や文人も、こんなふうに外を眺めたのだろうか?
そんなことを想うのもここが、当時のままに使われている旅籠だからかな。


そうそう、女将が部屋まで挨拶に訪れてくれたのには驚いた。
なんたって僕らは。
常連でも、上客でも、団体客でもない、インターネット割引プランで予約した、ただの一元さんだ。
そんな得体の知れぬ客でも一期一会、とってもハートフルな、丁寧なご挨拶なのである。
恐縮するも、三つ指をつく女将から目が離れない。
だって、すごい美人なんですよ。
いや、マジで。
Posted at 2006/09/14 20:58:15 | コメント(4) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月04日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 四万温泉へ

鬼嫁ツーリング日記 ... 四万温泉へ四万の病に効くと伝えられる四万温泉。
草津の上がり湯とも言われる四万温泉。

その歴史は桓武天皇の時代、坂上田村麻呂まで遡るという。
開湯依頼、1,200年は優に経つこの地は、平成の今でも昭和の香りがする希有な温泉街であると思う。
昔の昭和を知らぬ昭和生まれの僕でも、
大正から昭和に移り行く時代の雰囲気みたいなものが感じ取れるのは、この街で使われる時間の歩み方にあるのかもしれない。

そんな懐古的な温泉街にあって僕らが選んだ旅籠は元禄四年よりこの地で湯宿を営む、積善館である。あの綱吉の頃に開かれたこの宿は、その当時の建屋をそのまま利用しているというのだから驚きだ。
江戸の大工が築いた単なる旅籠は、権力を象徴する城や人々が崇める神社仏閣でもないのに、
300年もの歳月に耐えうる頑丈さを持っていたのだろうか。
宿とは、泊まる客の時代時代のニーズに合わせて造られるものだ。
なのに江戸の時代に考えられたアメニティが、平成の今でも通用するのだろうか?

明治、昭和、平成と、その時々で宿を建て増しているのです、と番頭さんが申された。
だから元禄の建屋を温存することができたとも言えるのです、と。

なるほどねぇ 考えてる顔

日本最古の湯宿建築は、朱に塗られた欄干越しに僕らを魅了する。
アーチ型の窓が大正浪漫なモルタル壁の中は、国の登録文化財たる元禄の湯、だ。

あぁ、素晴らしきかな四万温泉
Posted at 2006/09/12 18:56:29 | コメント(5) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月04日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... のどかなり

鬼嫁ツーリング日記 ... のどかなり渋川伊香保ICにて国道17号線へ合流した僕らは、
国道353号線へ抜けて上州の名湯まで走るのだけれど。やはりここまで来たからには、ちょっと寄り道をして水沢うどんを食べないわけにはいかんだろう。
というわけで、高級料亭の趣を持つ田丸屋さんへ。
UDONよりは蕎麦な僕だけど、400年の伝統を誇るという水沢うどんの美味しさは理解できる。
旨いと思うけれど同時に高い、とも思う。
でも ...
この味と値段を秤にかけたら讃岐うどんの方が旨いのでは?

伊香保温泉の途中から国道353号線へ抜ける県道があることを地図で知った僕らは、
名も無き道へと MINI を進めた。
左右に広がる田園地帯、抜けるような秋色の空と黄金色に染まりつつある
稲穂のコントラストが美しい。
雀やカラスを追い払うのに疲れてしまったような案山子がなんとも、のどかなり。
旅の目的地にはまだたどり着いていないけれど、すでに大正ロマンな風景は始まっていたのだ。

カントリーロードを駆け抜ける Cooper S は、その固められた後脚が気にならぬほど滑らかに走る。
工事が繰り返される都内の荒れ果てた舗装路では考えられないほどに。
ここが英国の丘陵地帯のように思えてくるのは、
ポストモダンな MINI のデザインのおかげであろうか。

ワイドテレビの、16:9の黄金比率なる MINI のフロントウィンドウから、遠くに見える山々の、
その麓に。
僕らの求める大正ロマンが待っている。
Posted at 2006/09/12 18:54:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月04日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... JCTのワナ

鬼嫁ツーリング日記 ... JCTのワナ未だ首都高での運転に自信のない鬼嫁、というよりも
あの殺意みなぎる高架線上で命を預けるほどには
まだ彼女の運転技術を信じていない夫がいるために
最初のポイントである関越道、三芳パーキングまでは
僕がハンドルを握ることにして四つ木ICからの旅は始まった。

通勤時間帯の終わったS1川口線は外環道と交差する川口ジャンクションまで、交通量は多いなりにも順調だ。
コンプレッサーの威力を発揮するまでもない交通状況にスロットルを踏む僕の右足は所在もないが、これから始まるスペシャルステージを前にした、
リエゾン区間と思えば制限速度内の流れに身を任すのも悪くない。
なんたってこの先、僕の指定席となる助手席は、首都高以上の緊張が待っているのだろうから。

三芳PAで席を交代した鬼嫁は久しぶりの高速ツーリングに身も心も軽い。
ドライビングシューズの重みに気持ちを加えて加速する MINI はいつの間にやら、
藤岡JCTに差し掛かる。
そこで僕は驚愕の事実を知ったのだ。
我が鬼嫁は ...

上信越自動車道を関越自動車道の続きと思っていた げっそり

左レーンを分岐し、長野へ向かおうとする MINI。
しかしぼくらの目指す大正ロマンは、小布施ではなく群馬にある。
高崎を、前橋を、渋川伊香保を目指さなくてはいけないのだ。

違う、右に戻せ!

え”ぇ~ がまん顔

うろたえながらもステアリングを右に切り、関越道の走行車線に戻ったのはいいが、例によって。
後方確認は十分ではない。
強烈なる排気ブレーキの音を聞いた(ような気がした)僕は、サイドミラーに迫る大型トラックを確認した。
これはマズイのか?

不味いのだ、とっても。
そして鬼嫁殿は、我関せず、だ。
頭に血が上っている(であろう)トラックの運ちゃんの血圧を下げるべく僕は、
助手席より右手を伸ばしハザードを一瞬点灯し、申し訳ないという意志を伝えたのだ。

車線変更時は必ず!後方確認 ちっ(怒った顔)

いきなり右だ~、なんてアンタが言うからでしょっ ぷっくっくな顔

うん、確かにそうだけど。
そもそも車線を間違えたのは誰だ?
素朴な疑問は口に出すまでもなく、心の中に呑み込んだ。
そんなことを言ってしまっては、
ナヴィゲーションしない、アンタが悪い!
と言い返されるに決まっているから、だ。

助手席に座る者はやはり、助手なのだ。
我が家に限っては ...
Posted at 2006/09/12 18:51:05 | コメント(8) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域
2006年09月04日 イイね!

鬼嫁ツーリング日記 ... 大正ロマンを求めて

鬼嫁ツーリング日記 ... 大正ロマンを求めてなぜこの時期に旅に出たかと言えばそれは、
同じ大根なら1円でも安く買わないと気が済まぬ
鬼嫁の経済学による、からだ。
夏のバカンスシーズンと秋の紅葉シーズン。
ふたつのハイシーズンの合間にある9月の、それも平日は

宿泊代が安いのだぁ~ 目がハート ... 、と。

二割増以上の宿泊料を取るハイシーズンには、高原の爽やかな空気や、燃えるように染まる紅葉のそれ相応の自然のおもてなしが旅先に控えてはいるのだけれど。
宿が同じであれば、リーズナブルに泊まれる今の方が
ワタシは嬉しいと申される彼女は、ロマンのかけらもない、実に現実的な女なのである。
だけども、今回の旅のテーマは。
大正ロマンを求めて、ではなかったか!

そう、大正ロマン。
はいからさんが通った道を歩き、文豪の愛した旅籠に泊まる。
川のせせらぎを耳に、大正の息吹を肌で感ずる湯宿で、何もしない時を過ごす。
そんな贅沢を味わうために
MINI を走らせたのだから、どんな時季であれ問題はないのかもしれない。

Premium Compact で行く旅は、それに相応しい高級リゾートを選択するは当然であろうけど。
擬古典なる MINI に乗る者として、本物の古典に出会う旅をしてみたいと思わせたのは、
初夏の東北におけるグランドツーリングで一夜を過ごした蔦温泉にあったのかもしれない。
今の僕らに、星野リゾートは気分でなかったのだ。
ドイツにバウハウスが誕生した1919年、日本は大正ロマネスクの時代。
だから晩夏のグランドツーリングは、北関東の名湯と秘湯を目指す。

終わりゆく夏を惜しむセミの鳴き声と、これから始まる秋を待ち焦がれるコオロギのむせび泣き。
開け放した窓から聞こえる季節の変わり目に僕らは、いや、鬼嫁は。
アクセルを力強く踏んだ。
全行程の8割を鬼嫁の運転で走る、MINI の旅。

さてさて、どんな旅となるのやら ... 冷や汗2
Posted at 2006/09/08 19:11:57 | コメント(7) | トラックバック(0) | 温泉紀行 | 旅行/地域

プロフィール

東京の下町で暮らしております。 ノスタルジー香る街並みに巨大な電波塔が完成し 足下の住民は悲喜こもごもでありますが ... 昭和の情景にも平成の風景にも違...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

愛車一覧

ミニ MINI Clubman ミニ MINI Clubman
遡ること5年前の秋 品川インターシティにてお披露目された New MINI のバリエーシ ...
その他 自転車 その他 自転車
伊コルナゴ社のクロスバイクです。 フレームの美しさに惹かれました。 東京の東側から西側へ ...
ローバー ミニ ローバー ミニ
59年の誕生以来、姿形を変えることなく造り続けられた mini が遂に生産終了となったの ...
ミニ MINI ミニ MINI
BMW が Rover を買収してから7年後の2001年、似て非なるミニが誕生するわけで ...

過去のブログ

ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation