
地底40mから地上20mの高架橋へと一気に駆け上がる、
R40の右カーブ。
都市のダイナミズムを雄弁に語るステアリングは、まさに
駆け抜ける歓びそのもの、だけど。
横Gに耐える犬のムスメが気がかりな西新宿ジャンクション。
旅は始まったばかり、
いらぬ緊張を強要するのも、いかがなものか?
駆け抜ける歓びは後へ譲ることにしてアクセルを2ノッチ戻す。
幡ヶ谷を過ぎ、永福を抜け、
交通量は多めながらも順調に流れる、4号新宿線。
しかし、F型情報板が告げるテキストは冷酷であった。
高井戸から先、渋滞中
なっ、なんですと
高井戸は中央道の起点、である。
0キロポスト地点から滞る車列はどこまで続くのであろう?
しかしそれはある程度、予想の範囲内である。
なんたって、週末の、中央自動車道。
山岳地帯を抜ける線形の悪さに加え、
東京を起点とする主要高速の中でただ一つの往復4車線道路(途中、6車線、ないし、7車線化
された部分もあるにはあるが)であるが故、休日の渋滞は深刻なルートでもあるからだ。
運転手を務める僕とルビーちゃん一家のパパさんには、楽観的な見通しがあった。
リッターあたりのレギュラーガソリン価格が170円を超えた今、
行楽地へと向かうクルマは少ないのではないか?
大型連休でもない、ただの週末。皆さんは家でゴロゴロしているに違いないぞ、と。
だからこの時点では、
混雑程度で抜けられるであろう、ぐらいに考えていたのである。
にしても、動かない。稲城(10kmポスト地点)を通過したのは30分も前の話であるが、
八王子料金所(25.8Kmポスト地点)は姿も名前も出てこない。
停まり続ける車内で、変化のない風景を見飽きたジジさんは、落ち着きのない行動で
外に出たい旨を意思表示する。
ジジのおしっこタイム。PAに寄って行きま~す
並行するルビー号に携帯で連絡を入れ、石川パーキング(23.3Kmポスト地点)へ。
素直で我慢強いキャバリエのルビーちゃんは、これくらいのことでは休息の必要もないらしく
談合坂で待ち合わせることに。
手早く休憩を済ませ本線に戻るも、滞る車列に走る気配は見あたらない。
事故発生の模様。渋滞は続くぞな
先行するルビー号からの連絡は、八王子料金所より先、相模湖(45Kmポスト地点)あたりで
多重衝突が起きたことを伝えるものであった。
待ち合わせ場所とした談合坂サービスエリア(55.6Kmポスト地点)は、事故現場の先。
そして。目的地である小淵沢ICは、148.9キロポスト地点。
朝、9時に家を出て既に、3時間超。
僕らの頭上、あざ笑うかのように天高くそびえる、圏央道へのランプウェイ。
どれくらいの時間を、この道の上で過ごさなくてはならないのだろう?
暫定税率復活を決めた政府与党の中には、
自家用車に乗る人はお金持ちだからリッター200円でも問題はなかろう
という持論を披露する議員さんがいらしたけれど、それは
自分で運転することのないおじさんの的外れな意見だ、と僕は思ったが。
この日、行楽地へと向かうクルマで埋め尽くされた高速道路上で過ごす数時間で、
僕の考えは間違っているような気もしてきた。
ガソリン価格の高騰以前と変わらぬクルマの数、果てしない渋滞が実証する現実は、
政府与党の目論見を裏付けるものであり、我慢強い日本人の国民性の表れ、であろうか。
200円超!時代はすぐそこに、迫っているのかもしれない。
Posted at 2008/06/10 16:17:21 | |
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