
冬の寒気と春の暖気とが入れ替わろうとする桜の季節
天気予報に傘マークのつく日は多く、自転車通勤な身の上としては
何で行くか? に悩む朝がある。
目の前は晴れていても西の空に厚い雲が漂っていればこれは
John Cooper の出番であるが、そんなある日のこと。所属組織は
同じでも勤労奉仕する部署が異なる妻子持ちの後輩から、ひと声。
今日はクルマですか? ちょっと見せてください と。
そりゃ、お安いご用だが。
確か、キミは。国粋主義者ではなかった、か?
そう。件のキミが乗るは、土佐藩 九十九商会 に端を発する
岩崎弥太郎の三角菱、その末裔たる三菱グループの自動車部門が
世に問うたスーパーマシーン
Lancer Evolution X ...
で、あるからして。いかに John Cooper Works のバッヂをぶら下げていても、愛らしさが先に来る
MINI のようなプロダクトに興味があるとは思えんのだが。いや、もしかすると。
日本の国益を損なう黒船を、
(かつての同盟国とはいえ)独逸資本の英吉利生産車などというものは
愚の骨頂だ! と
諭すための、
ちょっと見せてください なのか?
定年までの残された時間、この組織内で国賊として過ごす危険を冒してまで John Cooper を
見せる価値はあるのだろうか ...
妻子を持つ夫のクルマとしては少々いかつい面構えにすぎないか? と
思ってしまう、ガンダム・ニッポンが世界に誇るカルトカー
ランエボと言えばトミ・マキネン。だったのは、'96年~'99年頃のWRC
今はどうなってるの?
今日は時間がないから ... とでも言えば
John Cooper を非公開にすることもできたけど。
我が家の掃除機は同じ三菱グループの電機部門が
製造した LAQURLI AIR TC-C3ZH である。
岩崎弥太郎ゆかりのモノを使用する者として、
ランエボくんの願いを無下に断ることもできまい。
エッジの効いた Lancer Evolution X に対し
丸みを強調する LAQURLI AIR TC-C3ZH →
岩崎弥太郎の息吹を今に伝えながらも
部署が違えばデザイン言語も異なる ...
という好例(なのか?)
まぁ、それはそれとして。このラクルリ
360度クルリと回る円筒形のボディがお掃除を
ラクにします。という触れ込みであったが、
回る本体が自身の電源コードを巻いてしまい
動きがとれなくなってしまう、笑うに笑えぬ
掃除機なんであった。
やっぱ。ダイソンにすべきだった ...

そんなこんな、で。雨のぱらつく退社時間。
日本車の技術の優秀性を論じ欧州車のそれは
張り子のトラだと疑っている(ような気がする)
ランエボくんは、花粉と黄砂とPM2.5にまみれた
John Cooper と対面したのである。
なるほど。いいサイズですね
第一声は意外にも、褒め言葉であった。
河童の川流れを狙っての賛辞であろうか ...
ランサーはちょっと。大きいんですよねぇ
僕は知らない Lancer Evolution
全長全幅はおよそ 4.5m × 1.8m もあるらしい。
そりゃ、確かに。コルシカの山岳路を走るには
ちょっと大ぶりかもネ
実はもう。ワークスとして WRC には出てないんです
なんと、な。では、
Lancer を Evolution させる意味はどこにあるの?
プライベートチームのベース車輌です
300ps / 422Nm は伊達ではなかった。
プライベーターの種車にはこれくらいないと ...

三菱自動車のモータースポーツにおける現況を
嘆きながらもランエボくんの MINI 検分は続く。
彼が感心するはボディのカタチであり、まるで
金属の塊みたいな ... と比喩した
ランサーには宿らぬある種のヌメリ感である。
連合軍を相手に戦った無骨な八九式中戦車と
流麗なるV号戦車パンター
それは金属加工品に対する日本とドイツの
感性の違い、なのかもしれない
そして。ドアを開ける。
レトロモダンな MINI の世界観を彼は、どう解釈する?
巨大なセンターメーターは柱時計に見えないだろうか ...
おぉっ オシャレ!
ランサーの室内はオヤジ然とした垢抜けないものであり、また、その質感がチープなんだ
そうである。そうか。そうなのか?
しかし、それはターマックやグラベルを走りきるために考えられた男の仕事場ではないのかぁ~
これは楽しいですねぇ ... とランエボくんが申された John Cooper の室内
運転する自分。というよりも、同乗する妻子の笑顔を思い浮かべたか

男の仕事場だけに。
運転席、助手席にはレカロが奢られ
ツインクラッチATをマニュアル制御するパドルも
ステアリングポストコラム固定で(!)装備される
けれど、プラスチック感に満たされた室内が
もうちょっと。なんとかしてくれぇ~ ということらしい。
僕は見たことがないので真意のほどは不明なれど
聞けば Lancer Evolution X のお値段は
John Cooper とほぼ、同額らしい。
なのに。この差はなんなのだ? とランエボくんは
言いたいらしいけれど、そこが
form follows function な Lancer Evolution X と
form follows emotion な MINI John Cooper Works Clubman との相違ではないか、と。
うまく話がまとまったところで、お別れしたんである。
国粋主義者であるランエボくんが独逸資本の英吉利生産車を(ほんの少し)見直したこの日、
彼を乗せて近所をひと回りしなかったのは。走り出した瞬間に
John Cooper の張り子のトラがばれてしまうかもしれない ... と思ってしまったからである。
だって。相手はターマックやグラベルを攻めるためのグループAカーなんですもの。
近頃はラリーではなく、スーパー耐久(ST-2クラス)が主戦場だとか?
JCW だって。MINI challenge に出てますよぉ~
Posted at 2013/04/12 11:36:47 | |
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