
家族写真なる、
こっ恥ずかしい習慣とは無縁の昭和な時代、
恋人同士のようにフレィムに収まる兄と妹は
成熟した文化圏の豊かさを象徴するものであり、
針を落とした瞬間に広がる音の柔らかさは
ベトナムと無縁の穏やかさに満ちていたような。
ビートルズの解散と共に幕を開けた、1970年。
混沌とする時代を照らし始めた一条の光。
そこにアメリカを感じた、
Carpenters 。
ラヂオから流れる、ビートルズとは違う声の、ビートルズの曲を聴いたのは確か、
ビートルズの解散が正式に決まり、意気消沈していた頃だったと思う。
Ticket to Ride 、涙の乗車券
歌詞の意味はわからなくても良い曲だと理解できた小学生の僕に、
シャウトするジョンとは異なる、ソフィティスケイトな女性ヴォーカルは妙に、セクシィであった。
この人は、だれ?
今ほどに情報が豊かではなかった昭和の時代、
魂のロックを心のポップスにアレンジする才能豊かなグループの詳細はよくわからず、唯一。
カーペンターズと名乗る、アメリカ出身の兄妹が唄っていると、知れたのであった。
がしかし、ロック小僧への道を歩み始めた僕にとって彼らのサウンドはメロウに過ぎたから、
特にレコードを買うまでは至らなかった、のだけど。
Long ago and oh so far away ... ♪
その翌年であったか、やはり。ラヂオから聞こえた、Superstar 。
少し重苦しく、ちょっと物憂げなこの曲が、僕のハートに灯をつけたのであって。
それもそのはず、もともとはレオン・ラッセルの曲であったのだから。
歩き出したロック小僧が必ず通る、道。
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、
ジミー・ペイジ。
ヤードバーズの歴史をそれぞれに刻んできた、いわゆる三大ギタリスト。
彼らの交友関係を探るロックの道は、枝分かれした先々で素晴らしいミュージシャンを
教えてくれるのだけど、そんな中の一人が、レオン・ラッセルだったのだ。
レオンについては語りたいことがたくさんあるから、また、別の機会にするとして
とにかく、カーペンターズ。
1969年のデビューであるから僕が彼らの存在を知ったのは、1年後ということになる。
Ticket to Ride を皮切りに、We've Only Just Begun、Close to You、,,,
立て続けにビルボードを席巻した彼らの歌を聴かない日はないくらい日常には
カーペンターズが溢れていたから、ちょっと食傷気味になったこともある。
でも、今、思い返すと。
南部の泥臭い感じが素敵なレオン・ラッセルを、
東部13州が似合う都会的な曲へと仕上げたリチャード・カーペンターの才能は並外れているし、
ダミ声が暑苦しくも秀逸なレオン・ラッセルを、
恋を語り合いたくなる曲へと歌い上げたカレン・カーペンターの声も桁外れに素晴らしい。
単なるポップスグループではなかった、と思う。
品行方正なるカーペンターズは、
アメリカの良心を表していたのだろうか?
アポロが月に辿り着き、ニクソンショックに経済は翻弄され、サイゴン陥落までは間があった、
1971年。
自衛隊機と民間機が空中衝突し、マクドナルド1号店がオープンし、浅間山荘までは間があった、
昭和46年。
Love & Peace な時代、カーペンターズの歌声は僕の心に深く、刻まれたのかもしれない。
だから時折、ラヂオやTVから流れる彼らの曲を耳にしてしまうと。
昭和が優しい時代だったような錯覚を覚えてしまうのだ

Posted at 2007/12/01 16:40:33 | |
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