
【John Cooper の春夏秋冬】
20世紀に新車体験を持つ方なら律儀に守った(であろう)
慣らし と
1000キロ点検 であるが。
京都まで行って帰ってくれば慣らし終了だよ
いやいや、東名は交通量が多くてダメだ
東北道なら自分のペースで走れるから盛岡へ行くのがいいんじゃね
などという会話がデニーズで聞かれなくなって久しい今日この頃。
世紀を跨ぐと
慣らし運転も古式ゆかしき作法になってしまった感があり。
今の国産車、取説に慣らし運転の項目はないんだ、とか
従いまして。慣らしを知らないドライバーも多いんだそうで
しかし。MINI にはあった。
2,000Km までは 4,000回転以下で。という制約が。
両端が高い故障率曲線(時間経過に伴う故障率)の
初期故障期に相当する期間が 2,000Km まで。
ということであろうし、せめてその間は
機械に過度の負荷を与えないよう温和しく操作して頂ければ
やがて来るであろう偶発故障期や摩耗故障期においても健全に過ごせるでありましょう。 という

製造元のメッセージである。
ホントか?
半ば都市伝説と化した
慣らし運転 を自分は
守るべきなのか?
バイエルンのエンジン屋が設計した21世紀の原動機
なんだから、ライカ M3 機械式横走り布幕シャッターの
如く、金属と金属とが触れ合う部分に一切の妥協は
ないんじゃないのか?
そうだ。M4中戦車を軽々と撃破したティーガーⅠ型を
世に問うた第三帝国の、その末裔が作ったクルマだ。
レッドゾーンへ放り込んだってバチは当たるまい ...

邪な考えが頭をよぎる。 120Km を走破した後に。
まぁ、なんだな。Sボタンでも押してみっか
シフトレバー前方の、控え目に並んだ三つのボタン
その一番左側をワンプッシュ。
眼前の回転計が身震いし巨大な速度計は真っ赤に
染まる。なんてことは、なかった。
Cooper S なら3万円もするというのにナンダコレハ?
などと思っては、いけない。
これはエンジンマネージメントのプログラムを変更
するトリガーなんだから、エンスー度を刺激させる

ギミックなど、どうでもいいんである。
むしろ。シンプルに表示される
SPORT の文字に
こちらの方がデフォルトモードなのか、と思う。
軽くアクセルを踏む。途端にブッ飛ぶ。力強い!
John Cooper の JCW らしい加速感は、Sボタンで
発揮されるのだと合点した瞬間であったが、
勢い余った針は 4,000回転を越えたような気もする。
ピストンはシリンダーにキズを刻んだか?
カムシャフトはバルブを引っ掻いてしまったか?
コンロッドはクランクシャフトを押し曲げたのか?
初期故障期のほんの初期の段階で早くもお約束を破ってしまった John Cooper であるが
一年後の現在、これといって不具合が起きてる様子はない。
もっとも。約束を反故にしたのはこの一瞬だけであり、2,000Km を越えるまでは 3,000回転を
心のレヴリミットに過ごしたんだから、ナニカあったら困っちゃうけれど。
ビンボー性の昭和世代だけに。21世紀のクルマは慣らし運転が必要か否かを確かめる余裕は
なかったんだなぁ ...
慣らしとは。人がクルマに慣れる ... という意味もあるんですよ~

1000キロ(というか、2000キロ)点検もない
現代の MINI である。健康診断は12ヶ月後という
スパンの長さに、初期故障期における BMW の
大いなる自信を見るが、確かに。
走る部分での不具合はなにもなかった一年である。
走らない部分ではなにかあったけれど ...
さて、この一年間で。
John Cooper は
10,969km を走りました。
して、生涯燃費は
11.4Km/L と。
我が目を疑う数字を記録しているんであります。
リッター出力 132.0ps にして、11km/L 台を記録する。 ホントかぁ~?
速く力強くなったのにガソリン消費量は2割ほど減ったターボ時代の MINI
テクノロジィの進化とは素晴らしいのぉ、まことに
Posted at 2013/11/18 16:49:49 | |
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