2010年06月15日
日本語で何て言うのかなぁ???直訳すると「幸運は準備してきたもののところにやって来る」という感じでしょうか。
実はこれ、いわゆる僕の座右の銘だったりします。本来誰の言葉なのかはわかりませんが…昨日のW杯サッカー、日本対カメルーン戦を見てあらためてこの言葉を思い出しました。たとえ下馬評が悪くても、カメルーンに勝つにはどうしたらいいのかが準備・徹底されていた日本に対して、決してなめていたわけではないのでしょうが、カメルーンにはその準備が感じられませんでした。値千金の本田のゴールも、まぐれとか偶然ではなく、そこのポジションに意識して入り込んでいた結果でした。
かれこれ10年以上前米国に留学していたころ、最初の学期で必修だった企業戦略論(Strategy)の授業。毎回ケーススタディーが中心で、授業の発言内容で成績がほぼ決まるという、当時まだ英語が不慣れな僕には非常に厳しい授業でした。しかもクラスで日本人は僕一人だったし。。。
クラスを指導していたのは老齢の米国人教授。ハイテク企業や製造業を中心に企業の戦略コンサルティングもこなす、非常に実践的な教授でした。授業の最後には決まって、その授業を総括する訓示や言葉を述べてディスカッションを締めくくるというのが特徴でした。
ある時の授業で、日本の自動車メーカーのHONDAが米国進出するときの苦労が書かれたケースが題材として取り上げられました。クラスを、1)HONDAの米国での最終的な成功が、非常にち密な戦略によって成し遂げられたと考える派と、2)HONDAの米国での成功が、単に運が良かっただけだとする派に無理やり分けさせられ、それぞれディベートする形式で授業が進みました。僕はほとんど発言できなかったので、どっち派だったかすら覚えてませんが(涙)
その授業を総括した言葉が、この"Luck comes to those who are prepared"でした。その時、この教授が言った発言の内容、詳細までは覚えてませんが今でも心に残ってます。
「実のところ、HONDAが米国において戦略的に成功したのか、あるいは単なる運だったのかはあまり問題ではない。むしろ、当時米国の自動車メーカーが圧倒的力を誇っていたこの市場で、たった数人の日本人が、西海岸に安アパートを借り、厳しい環境の中苦労して成功を勝ち取っていった。皆(一応生徒の大半は米国人なので)が今後、グローバルな市場にビジネスを展開していく際、HONDAを代表とする日本企業・日本のビジネスマンのスピリットと闘っていかなければならない。皆、そういう覚悟を持っているか?聞けば、海外に赴任する米国人は、本国で働く以上にサラリーをもらい、高級住宅街に住み、いい車を支給され、安易な殿様商売をしているらしいじゃないか。そんな甘い精神では絶対に日本やアジアの企業には勝てない。」
当時、初の海外生活で今後自分がこの環境で生き残れるのか不安を抱いておりましたが、彼のこの授業での言葉に非常に勇気づけられました。また、当時は日本からはすでに学ぶものは無くなったとばかりに、日本バッシングならぬ「日本パッシング(日本素通り)」という言葉も流行ってた時代。そうした中でも、まだまだ日本の企業や日本人気質を理解し、評価してくれる米国人もいるんだなぁ~と素直に嬉しかったのを覚えてます。その教授はその後も、何かあると政府に泣きついて日本に圧力をかける米国企業の姿勢を嘆いておられました。(その結果が、GMやFORDです。。。)
ちょっと極端かもしれませんが、宝くじに当たりたいと思ったら宝くじを買わないと当たりません。○○大学に合格したいと思ったら、○○大学を受けないことには何も始りません。野球でヒットを打ちたいと思ったら、打席に入り、バットを振らないとヒットになる可能性すらありません。プロ野球選手だって、あれだけバットを振ってようやく3割打者(10回中3回ヒットが打てる程度)です。レースに出て勝ちたければ、まずはライセンスを取り、車も準備し、スターティンググリッドに立たないと勝つ可能性すら出てきません。勝負事の結果は運に左右されることも多いと思いますが、でもその運をつかめるかどうかはそれまでどういう準備をしてきたかに大いにかかっているのではないでしょうか。
そんなことを改めて思い出した1日でした。でも、今の日本と米国を見ると、どうやら教授の日本人像は買いかぶり過ぎだったような気もするし、また米国人は誰も彼から学ばなかったのか…という散々な状況ですね。
おっと~ちょっと真面目な内容になってしまった…でも、ひょっとしたら自分の子供もこのブログを見るかもしれないので、思い立った時に(ちょっと説教じみてますが)書いてみました。
Posted at 2010/06/15 20:56:31 | |
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