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2012年11月10日 イイね!

TMIC検討

TMIC検討インタークーラーをアップグレードする場合ですが、まず大前提として

上置き = Top Mount Intercooler = TMIC
前置き = Front Mount Intercooler = FMIC

のどちらで行くのかを選択する必要があります。
この2種のインタークーラーの性能比較は、衝突安全性能やタービンレスポンス等々、検討すべき要素が多岐に渡ります。それぞれ重視するポイントが異なるので絶対的な正解はありません。

私の場合、将来的にタービン交換も検討している、EJ257で340~350hp程度の仕様を想定しています。100%ストリート使用のこの程度の仕様では、TMICとFMICではTMICの方が良いというのが私の結論です。

まず町乗りでは踏みっぱなしの全開状態は続いても数秒間。そして、前から事故した場合の乗員の安全がとても重要になります。


これは、事故後の純正フロントバンパービームの写真です。
衝撃吸収の主な仕事はこの5kgを超えるスチール製の重たいバンパービームが果たします。町乗りでは、ここに手を付けるのはリスクが大きすぎるのではないか?と考えるのです。



これはAMSのFMICの写真です。
見たら分かるように、とても大きく分厚く、効率も高そうに見えますが、フロントバンパービームを完全に取り外してしまう構造になっています。代償として、街中で衝突事故を起こした時なんかの安全性は相当落ちるのではないでしょうか。

さらにこうした構造のFMICもあります。

これはFast Motor SportsのFMICです。上のAMSの物と比較すると一目瞭然ですが、FMICの高さをあきらめる代わりに、(純正バンパービームは使えませんが)薄い形状のバンパービームを取り付け、その下にFMICを吊り下げています。ストリートユースなら、こうした衝突安全を考慮した製品も出ています。

FMICとTMICの各要素の比較はシャシダイでのテストや吸入空気温度の変化のログ等々、多くの数字データが既に提出されています。それらも含めてまた別記事で検討するとして、今回は衝突安全性能を維持するため、スバルの純正フロントバンパービームを使う。すなわち、上置き、TMICのアフター品への変更を検討してみます。

TMIC検討前に知っておくべき事
北米で売られているWRXとWRX STIでは、インタークーラーの仕様が異なります。
WRXではエンドタンクが樹脂製、WRX STIはエンドタンクがアルミ製(日本と同じ)になっています。この樹脂製のエンドタンクは、ブーストを上げると簡単にエアがリークするのです。USでTMICを検討する記事の多くはこの現象を当然の既知の情報として書かれています。これを知らなければ、なぜ多くのモディファイドでTMICが交換されているかの理由が理解できません。

フィンの並んでいるコア部分の周囲には金属製の爪が並んでいて、この爪を倒してエンドタンクを固定しています。コアとエンドタンクとの間はブーストリークを防ぐ為にパッキンももちろん使用されています。



この2枚の写真を見ると分かりますが、一部の爪が起きてしまっていて、エンドタンクが浮いています。リークの証拠に、ブローバイでしょうか?オイル混じりのエアが吹いた形跡がはっきりと見えます。


日本国内で売られているWRX STIの純正TMICとUSで売られているSTIのTMICは同じ物です。WRXという日本には無いグレードと異なるのは、コアもエンドタンクも金属で出来ているという点です。コアとエンドタンクとの接合は、日本でもUSでも爪で行われています。もちろん私のGVFもこれです。



これもリークを起こしている純正TMICの写真です。
左下部分、はっきりとオイルが見えます。
これは内部のコアとエンドタンクとの間をシールしていたガスケットが完全に死んでいるのが原因でしょう。





こちらは新車のSTI、まだ2000km走行の車両のTMICです。
既に左下部分の爪が起きています。

この爪部分、コアとエンドタンクの接合部分ですが、ここは内部にブーストのリークを防ぐ為のシールが存在するため、後から強化の溶接を行う事はできません。



これはPerrinのTMICですが、もちろんコアとエンドタンクの接合は溶接で行われています。というか、ここが溶接されていないアフター品のTMICは一台も見た事がありません。



これはWRX(樹脂製エンドタンク)のTMICを改造した例です。
コアとエンドタンクの接合部分を上下からアルミのバーで挟み込み、それぞれのバーを貫通するボルトでトルクをかけて締め上げてあります。
リークする前のTMICならば、この加工をする事でハイブーストにも耐えられるようになるようです。ハイブーストで接合部分内部のシールが抜けてしまってからでは無駄になります。

このブーストリークは、体感ではまず分からないでしょう。
ブースト圧を監視している人でも、高ブーストが維持できないブーストのタレと認識されるのではないでしょうか。

次回、実際のTMICのアフター品をリストアップして、その価格、や性能の比較をしていきます。これは、ボンネットスクープからの導風パーツが付属してくるのか、Yパイプは純正が使えるのか等、検討要素が多岐に渡ります。
長くなるので次回に!
Posted at 2012/11/10 09:47:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | 海外通販 | クルマ

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