
NASIOCおすすめパーツレビュー紹介の第五回。
第一回はCosworth製インマニでした。
第二回はステンメッシュホース比較でした。
第三回はインタークーラースプリッターでした。
第四回はカーボンドライブシャフトでした。
英語版オリジナル記事は数回に渡る連載になっています。
Vol.1 GrimSpeedヒートシールド
Vol.2 DEIチタニウムラップとゴールドシート
Vol.3 PTPターボブランケット
Vol.4 GrimSpeedヒートシールド
■初回のテスト
Vol.1 GrimSpeedヒートシールド
2011年モデルのWRX (非STI)、タービンにGrimSpeedのヒートシールド。フロントパイプ(down pipe)が触媒付きのCobbの製品。
20分間の暖気。
外気温は22度C (72F)
タービンの温度は178度C (352F)
ヒートシールドの温度は58度C (137F)
上置きインタークーラーの温度は44.4度C (112F)

写真でタービンを覆っているのがヒートシールド。
タービン用の遮熱版ですね。タービン周囲を輻射熱による加熱から守ります。
この部品はUSではとても人気があって、各社から発売されています。
北米ではディーラーのオプションでも選択できたと思います。
これが基本の状態になります。

タービンのヒートシールドの下に、タービンハウジングを覆うターボブランケットを巻きます。写真の上側、PTP製のTurbo Blanketです。この状態で上と条件を同じテストを行い、サーモグラフィで温度を調べます。
ヒートシールドのみの場合と、Turbo Blanket取り付け後の温度変化は
before -- after - difference
turbo-- 352 - 105 - 247
TMIC-- 112 - 83 - 29
heatshield-- 137 - 90 - 47
タービン 178度C - 41度C - 138度C低下
上置きインタークーラー 44.4度C - 28度C - 16.4度低下
ヒートシールド 58度C - 32度C - 26度低下
★私のコメント
インタークーラー上部で16.4度の温度低下は劇的ですね。
ターボブランケットは値段も安いですし、ICの温度低下は吸気温度低下に直結ですから、充填効率アップ、これなら+5%はパワー上がるというか、熱によるパワー低下を防止できるのではないでしょうか。コストと得られるパワーとの比較では素晴らしく効率的ですね。
Grimspeedの製品情報ページ
ちなみにテストに使用されているサーモグラフィカメラは
FLIR T440bx Infrared Camera。100万円位ですね。
■二回目テスト
Vol.2 DEIチタニウムラップとゴールドシート

上の初回テストで、フロントパイプ、触媒はバンテージが巻かれていませんでした。今回はこれにDEIのチタニウムラップを巻いて効果を調べます。
同じくDEIの遮熱製品、ゴールド反射ホイル。これはUSではとても人気があります。
さらにDEIのフロア、トンネルシート。これはグラスファイバーのシートの両側にアルミシートが接着されている遮熱/遮音製品です。

Cobbのフロントパイプに、DEIのチタンラップが巻かれています。
タービンに取り付け、初回テストで付けてあったGrimspeedのヒートシールドも取り付けしてあります。

フロントパイプの温度は走行直後で
248Fから456Fへ上昇しました。
120度Cから235度Cへ、115度Cの上昇です。
フロントパイプの内部の温度が高ければ、排気の流速が稼げますから、この温度上昇は狙いどうりです。
上置きインタークーラーでの温度比較では
★こちらは走行直後のデータです。
エンジン内各所のデータと写真はオリジナルのポストを参照して下さい。
Vol.2 DEIチタニウムラップとゴールドシート
TMCIの温度はフロントパイプにチタニウムヒートラップを巻いただけで80Fから65Fへ低下。
26.6度から18.3度へ、8.3度の温度低下です。
★これは、フロントパイプ内の温度が上がる事によるパワーアップよりも体感できる吸入空気の温度低下になるかもしれません。
引き続き、ゴールドホイルのシールドです。
WRXはWRX STIと異なり、TMICのエンドタンクが黒い樹脂製です。日本で売られているWRX STIはエンドタンクも全て金属製です。タービンの真上側で熱くなるエンドタンクに貼り付け式の裏糊のゴールドホイルを貼ります。上下にはアルミのシールドを貼り付け。

ホイル貼り付け後の15分アイドリングテスト。
ホイル添付前の
TMICの温度は65F、貼り付け後の温度も65Fで変化無し。
走行直後の温度では
ホイル添付前の
TMICの温度は86F、貼り付け後の温度は68Fへ低下。
30度が20度へ低下。
★この黒い樹脂のエンドタンクは輻射熱でどんどん温まりそうですから、ゴールドホイルで覆うと効果大きそうですね。このホイル、マスターバックの遮熱なんかにもUSで多く使われているんですが、目立ちすぎるので個人的にはあまり好きではありません……。
DEIの製品情報ページ
■三回目テスト
Vol.3 PTPターボブランケット
PTPの製品ページ
今回はPTPのターボブランケットの新型のテスト。
上のテストでも既にPTPターボブランケットがテストされていますが、11月に新型が発売されました。

新型はチタニウムに変わり、サイズも大型化。フロントパイプのフランジ部分まで覆う事が可能なサイズになりました。

以前同様、ターボブランケットの上からヒートシールドも被せてあります。

走行直後のヒートシールドでの温度が94.6Fから63.1Fへと低下。
34.6度Cから17.2度Cへ、17度の低下です。
★サイズが大型化され、フランジが覆われた効果も大きかったのだと予想されます。PTPは赤いターボジャケットを出しているので、エンジンフード下の赤化計画推進中の私は赤にする予定だったのです。このLAVAシリーズの新型はチタニウムで色は当然チタンカラーになります。色が選べないのは残念ですが、この性能差を見ると新型を注文したくなりますね。
スレッドではPerrinのターボジャケットとの比較を求める声があるんですが、製品提供を受けられていないようです。私もPerrinの結果を知りたいです。
■四回目のテスト
Vol.4 GrimSpeedヒートシールド
今回はターボブランケットを外し、フロントパイプのチタニウムラップは残してあります。ヒートシールドのみの効果を装着前後で計測しています。

上から400F、554F、754F、それぞれアイドリング、通常運転、ハイブースト連続です。
204度C、290度C、401度C。
シールドの有無によるTMICの温度変化は
アイドリングTMICサイド 無101F 有 74F (38C - 23C)
アイドリングTMICトップ 無し94F 有 67.5F (34C - 19.7)
★長くなるので一回切ってここまでの総評
タービンのジャケットは価格の安さもあって今大人気ですが、人気を裏付けるデータが出ていると思います。フロントパイプのチタンラッピングが結構効いていますね。パイプ内の温度維持もそうですが、エンジンルーム内の温度低下、インタークーラー上部での8.3度の温度低下は魅力的です。HKSのキャタライザーでも触媒部分はヒートシールドで覆われていますが、そこから上、タービン側はバンテージで遮熱すると効果大きそうですね。
Posted at 2012/12/20 16:47:13 | |
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