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３月の霞が立つ時期になると、決まって思い出す光景があります。

３０年前の異動発表の日、大方の予想を裏切り、ほとんど単身赴任の場所に内示が出たのでした。

失意の中で、翌日は思い切って休みを取り、新しい赴任先の様子を見に行ってみました。その時の車窓から見た霞の立った風景は、今でも忘れることができません。

帰りに偶然寄ったカローラの店に白のカローラ１８００ディーゼルオートマチックセダンが展示してあり、いつの間にか契約して帰宅していたのでした。

それから遠距離通勤が始まりました。新南陽市から防府市経由、萩市まで片道８０キロの道のりです。
当時の道路整備状況は十分でなく、高速もありません。朝６時に出て８時半の始業にやっと間に合うくらいでした。

結局、大した事故もなく２年間で７万５千キロを走り、始めの頃は泣き泣き通った萩の町も、転勤する時には自分にとって第二の故郷になっていました。去りがたい勤務先になっていました。

人生、思うとおりにならないことの方が多いと思いますが、腐ることなく、自分を信じ、どんなときでも誠実に、いつも前を向いて進みたいものです。

そうしていれば、きっと誰かが見てくれています。