「なぜそんなに飲むのだ」
「忘れるためさ」
「何をそんなに忘れたいんだ」
「忘れたよそんなことは」
(古代エジプトの小話)
グビグビっ!ッツプハー!
今日も酒がんまい!!(゜∀゜)
連日連夜飲んでたら見事にアルコール依存症になった。
まあ何をもってアル中というかはさておき、酒渇症とでもいえばよいだろうか。
まあこいつは一人のアル中についてのことだ。
アルコールは毎日やってた。理由は特にない。
ただ仕事が終わり、一日の終わりに酒を飲むのが日常になっていただけだ。
いつからかアルコールのない夕食はありえなくなった。
そんなことをするくらいなら、空腹のまま帰宅して胃にアルコールを入れたかった。
休日は朝から飲むようになった。
一度飲むと潰れるまで飲むから、その日はもう何もできない。
この頃にはかなりマズイなと思うようになった。
このまま行くと引き返せないようなそんな気持ちになった。
仕事がある日は、流石に日中は飲めない。
これは確かにストッパーにはなるが、その分、四六時中アルコールのことばかり考えるようになる。
そして次の日は溜まっていた反動が来てもっとひどいことになった。
とにかく酔っ払いたいのだ!!
なぜそうするのか?わからない。
脳の中枢神経がそう命令するからとしかいえない。
アルコールに入り浸りつつもアル中の本ばかり読んでいた。
おかげで、アルコール依存症についての知識は沢山あった。
まあ、実際は何の役にも立たなかったのだが。
久里浜式チェックをやってみる。
足したり引いたりして求めた正の数は別に大したことはないだろうと思ったが、なんとそれはマイナスで正常だった。
アルコール依存症は進行性の病気で、医学的にそれを元に戻す方法はない。
アルコホーリクス・アノニマス(無名のアルコール依存症たち)通称AAというグループがある。
そういう自助グループがあるのは知っていたが、自分から「俺、アル中なんですけど」と見知らぬ集いを訪れるのは中々ハードルが高いものだ。
AAのミーティングは日曜にあることがわかった。
だが参加の仕方がわからない。
オープンミーティングでも初回の参加はちゃんと問い合わせをすべしみたいな記事を目にした。
じゃあ今日は行けないではないかと安堵し結局はその日も飲んだ。
アル中はあらゆることを理由にするものだ。
AAの冊子にはこうある。
ビールだけに限る、飲む杯数を決める、一人では決して飲まない、昼間は飲まない、家でだけ飲む、家に酒を置かない、
仕事の時間中は飲まない、パーティでだけ飲む、スコッチからブランディに切り替える、ナチュラルワインしか飲まない、
仕事中に酒に手を出したら首になることを承知する、旅行をしてみる、旅行は控える、(宣誓の儀式をするかしないかは別にして)
永遠に飲まないと誓う、運動の量を増やす、心に感動を呼ぶような本を読む、健康施設や療養所に行く、
精神病院に行くことを受け入れるーーーなどなど、例をあげればきりがない。
皆辿る道は同じということだ。
AAセントラルに問い合わせのメールを出してみた。
返事はすぐに来た。
「お酒をやめたい方、アルコール問題に関心のある方でしたら、どなたでも参加できます。
会費も参加料もいりません。御身ひとつでどうぞ。」
という内容だった。
おずおずと参加してみた。
といっても、他者の経験を聞くだけなのだが…
夜はもらったハンドブックを読んで過ごした。
その日はアルコールのない日曜を過ごした。
次の日はあまり覚えてない。ただ飲まなかった。
二日も飲まない日があるのは、いつ以来だろう。
火曜日は頭痛、発汗、振戦で朝から震えっぱなしだった。
その日も終えようかという頃になっても、ペンはおろかハンコがどうしても枠内に押せないのには笑った。
肉体的に一番苦しかったのがこの日だった。
飲酒要求はその後もしばらく続いたが、この日の恐怖がわずかに勝った。
次の週もミーティングに行った。
行ったところで何をするでもないが、ここに来ること自体たしかに飲んでいなければ、それも無理な話だ。
自分なりに理解した神とはそんなことかもしれない。
ある週は自分ひとりだった。
一人会議室でポツネンと過ごした。
それは不思議な時間だった。
誰もいない中、いつものように「アル中の○○です」と言った瞬間、笑いがこみ上げてきた。
それは何やらとても滑稽で、俺は笑いながら立ち尽くした。
この先、俺がアルコールと縁が切れるのか、それは分からない。
しかし、とにかく今日も一日飲まずにやっている。
Posted at 2015/07/21 00:22:01 | |
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アルコール依存症 | 日記