2013年11月18日
強度と剛性(アルミについて)
強度があるとか・・剛性があるとか・・自動車ではよく聞く言葉だが、たまによく理解していない物書き(本当理解していないのか?お金で知らないフリをして書いているのか?不明)の本のお陰でゴチャゴチャになっているケースが非常に多い。
とりあえず簡単に言えば
強度があるとは 壊れないという意味
剛性があるとは 外部入力によって変形しないという強度という意味
同じ意味に聞こえますよね
でも求める性能によって同じ素材であっても求められるものが違うんですよね
一番身近で解りやすい例で言えば車のホイル
車のホイルは高速で回転ながら路面の入力を一番受けるモノで実は大きな入力(サーキットで縁石に乗ったりした時)に対して常に変形している
日本BBSの資料ビデオを見るとよく解かる
知っている人は知っているが元々ドイツのBBSというホイルはどんな状態で路面からの入力があっても均等に力が伝わるデザインのホイルとして賞を取った
脱線したが・・
常に変形するホイルに求められる性能は剛性では無く強度(靭性)である。
つまり大きな入力に対して変形しても元に戻る強さが求められる。
大きな入力に対して頑なに剛性なんて求めても変形して壊れるモノでは役に立たない
車タイヤの扁平率が進みホイルの大型化が進んだ現在では見なくなったが、古の鉄ホイルって実は理にかなっていた。
鉄のホイルは軽くて強度があるホイルだから
鉄のホイルが軽くて強度があると言うと絶対に「嘘だ鉄よりアルミの方が軽い」という人が居る。(^O^)
アルミの方が軽い!!確かに同じ体積なら鉄よりアルミの方が三分の一の重量
だが重量が三分の一で強度も三分の一なのだ
つまり同じように作ったら重量も強度も三分の一になってしまう
しかし不思議な話なんですが・・・
クルマメーカーも純正アルミに交換して何キロ軽くなったとは一切公表していませんよね
鉄のスペアタイヤも最近見なくなりましたがアレも緊急用として異常に小さいですよね
アルミは鉄の三分の一の重さで強度も鉄の三分の一、そしてこの場合は剛性と言うより靭性(材料の粘りの強さ,すなわち外力に抗して破壊されにくい性質)が鉄に対して非常に劣る事から、クルマを余裕を持ってに支えるとなると、結局鉄以上の重さになってしまう
(あのスポーツカーFD3S純正ホイルは外国(アジア系)製鋳造アルミホイルです(((o(*゚▽゚*)o))))
製造方法を変えて(鍛造と鋳造)軽くすることは出来るがそれはメーカー純正に対してというレベルからレースで使えるレベルまで色々ありますからね・・
何故メーカーは重くなるのにアルミに拘るのかに関してはもう少しわかりやすい例で
ホンダのNSXや現行のランボギーニガヤルドやフェラーリ458や911等は何故アルミボディなのか?
剛性以前に靭性(材料の粘りの強さ,すなわち外力に抗して破壊されにくい性質)が鉄に対して非常に劣るアルミのボディと聞いたら誰も乗りたくないですよね・・笑
カーボンボディの車もマクラーレンF1を除き殆ど車が事故が起きた時に対処出来る様(マクラーレンF1は些細な事故でも修理代金一億円)に前後をアルミのサブフレームにしています。
逆に言えばアルミでもやり方によって、その剛性(カーボンモノコックに匹敵する)はあるという事ですよね。
例えばモノコックでは無くシャーシフレームの車があるとします。
このシャーシフレームの強度を維持したまま鉄をアルミに変えるとフレームの体積が3倍になりますよね。(厳密には解りませんが仮定で(^_^;))
重量が三分の一で強度も三分の一ですからね
クルマのアルミホイールを見れば解りますが鉄のホイールが薄い鉄板でできているのに対して、アルミはそれよりかなり太く厚くなっていますよね
古いレーシングマシーンや湾岸ミッドナイトのアキオの悪魔のZ(O(≧▽≦)O)を見れは解りますがボディに外部入力がかかる所に当板をして溶接していますよね
例えば厚み1mmの金属の板があったとして、それを曲げる力が1kgfだと仮定します
これに当板をして厚さ2mmの板にした時の曲げる力は2倍になったのだから、力も2倍の2kgfになる訳ではなく曲げる力はその3乗で何と8(2×2X2)倍になるのです
もし厚みが3倍になると、その3乗で27(3×3×3)倍
曲げる力に耐えれる力=剛性(外部入力によって変形しないという強度)
重量が三分の一で強度も三分の一のアルミの場合鉄の三倍の厚みがあった場合、鉄なら二十七倍の剛性に対して三分の一の剛性 即ち九倍の剛性がアップした事になります
つまり、鉄をアルミに変えると、強度と重さは変わらないものの、体積は3倍になり、剛度は何と鉄の九倍に跳ね上がるという訳です
厳密には鉄より軽く作る訳ですから九倍という事ないですが数倍剛性の高いクルマになるという訳です
つまりアルミのボディの最大のメリットは
強度は無いが軽い事
でなく
強度は同じ位で剛性が高い
という事
車の三十年先を行っているバイクの世界ではアルミボックスフレームです。
これだと強度も剛性も高い
になりますよね
しかし靭性の問題で転けたらそのフレームはダメになります
靭性(材料の粘りの強さ,すなわち外力に抗して破壊されにくい性質)の問題は避けて通れませんが、実はアルミって地球上で一番多い金属(鉱石はボーキサイト)なんて安いんですよね。
もっと安く売ってもいいと思うけどね・・
アルミボディ・・
余談だが
現行スカイラインは先代モデルに対してねじれ剛性が四十%上がっている。
先代モデルはR34GTRより遥かにボディ剛性が高いがそれより四十%上げた秘密はなんてことないアルミのボディ下に付けられたサブフレーム
アウディが始めた鉄とアルミのハイブリットってサビ問題がクリアしたら流行ってるけど旧車にも使えそうな予感
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Posted at
2013/11/18 16:18:51
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