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2009年11月12日 イイね!

Kと言う男⑦ 幼馴染がイギリスの英雄に・・そしてブ○ッテンさん

Kと言う男⑦ 幼馴染がイギリスの英雄に・・そしてブ○ッテンさんKさんの幼馴染で親友にOさんと言う元国際A級ライダーが居ます。

鈴鹿サーキットの近くにある某コンストラクター所属のライダーでした。

そのコンストラクターからイギリス遠征をして、イギリス国内選手権(SOS選手権)のビッグシングルレースを1年間走り、「1戦以外全て優勝」という快挙を成し遂げ、イギリスで英雄扱いを受けたライダーだそうです。

その彼が「一回だけ負けた」レースはその年の最終戦で、誰もが「全勝チャンピオン」の誕生を期待していたんですが、6m差の2位に終わりました。

この時、彼を負かせたのが、ブ○ッテンさん。


ジョン・ケントン・ブリッテン (John Kenton Britten, 1950年8月1日 – 1995年9月5日) は、ニュージーランド出身の機械エンジニア、オートバイ設計者である。同世代の設計に先んじた革新的な特徴を持ち世界記録を保持した。

Wikipediaより


なんでも・・前半戦を全て優勝し続けた時点で、「レースが国技」であるイギリスはものすごい盛り上がりになったそうです。

「日本から突然来た知らないライダーが、イギリスの全てのライダーを圧巻!」という新聞一面記事にもなっていました。

遠く離れてはいるけど、イギリス領であるニュージーランドでも、このニュースは大きく報道されていて、ブりッテンさんは居ても立ってもいられなくなり、「よし、コイツに挑戦してやる!」と、そこからマシンを作り始めたそうです。

やっとの思いで何とか最終戦にだけは間に合わせ、はるばるイギリスまで遠征に飛び、シェイクダウンとも言える状態でOさんを負かせたんです。

Kさんは、ブ○ッテンさんという人の存在を知ったのがこの頃でした。

昔、CS放送でブ○ッテンを始めて知った僕の質問に対するKさんが語った記憶

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良い番組を見ましたね

ブ○ッテンさんは、正確に言うと親子2人なんですが、ニュージーランドの片田舎に住んでいたヘンな親父と息子なんですよ。

イギリスやニュージーランドには、普通の街中に、普通の家のガレージで手作りの自動車やオートバイなどを作っている「小さなメーカー」が多数存在します。

ブ○ッテン親子もその内の一軒なんですが、彼らは飛び抜けていました。

いろんなオートバイを作っただろうと思いますが、親父さんが亡くなってから息子さんが作ったマシンは、僕も体が震えるくらいにインパクトを受けました。

僕らはこの息子さんの方を「ブ○ッテンさん」と呼んで尊敬し、親しんでいました。

彼は自らもオートバイに乗ってレースにも出る人物で、「マシンがどういう構造をしていれば速く走れるのか」を、追求しまくっていた人でもあります。

世界中のレーシングマシンが、速さを追求するあまりみんな同じような構造になって来ている昨今に、それらに全く囚われない独創的なアイデアで、何もかも作ってしまったんです。

フロントフォークもホイールもブレーキも、なんとエンジンまで。

自分の家のガレージ(というよりあれはどう見ても「納戸」ですね)で、一人でエンジンを設計し、自分で旋盤やフライスを回してクランクシャフトもバルブもカムシャフトも削り出し、自分で木型を作ってクランクケースの鋳物まで葺いてしまうんです。

Vツインエンジンの外観はなんとなくハーレーのエンジンに似ていますが、よく見ると全く違い、各部に改良の跡がたくさん見られる「シビレル~っ!」くらいにメカニカルなエンジンでした。

フロントフォークは現在の常識のテレスコピックフォークではなく、構造的には昔の「松葉フォーク」に近い1本サスのダブルウィッシュボーン形式でした。

シュワちゃんさんが見たマシンは、ブルーメタリックでマフラーまでピンク色に塗ってある変わったオートバイじゃなかったでしょうか? 

あのマシンは本当に凄かったです。

何が凄かったのか?

アメリカの国内選手権で、いろんなライダーがあのマシンに乗りました。 

いろんなライダーが乗っているのに、みんな勝つんです。 

僕は自分も「乗り手」として、レースはライダーの力量が90%だと思っていました。
 
しかしこのマシンは明らかに「マシンが」勝っていたんです。

それを証明するために、ブ○ッテンさんは「速いライダー」ばかりを探すんではなく、どこかの開発ライダーや、レースにも出るジャーナリストや評論家などをたくさん集めて、「出るたびにライダーがころころ入れ替わる」レースを展開し、日本車やドゥカティなどがひしめく中で「誰が乗っても速く走れる」マシンであることを証明していったんです。

一人だけ独創的な考えで、一人だけ正しい」ようなことをやってのけた人です。 巨大メーカーが、小さく見えました。

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話は戻って・・

Kさんは幼馴染のOさんが大変なことをイギリスでやってることは知っていましたが、まさか最終戦にブ○ッテンさんがエントリーするなんて思わないのでイギリスに行こうとまでは思わなかったんですが、知っていたら是が非でも行きたかったみたいですね。

Oさんとブ○ッテンさんはそこで会った事で親友となりました。

Oさんもまさか打倒自分の為にブ○ッテンさんがバイクを作ってくるとは思わなかったようで非常に感動したそうです。

翌々年、Oさんはコンストラクターを辞めて自分で会社を作り、「日本のブ○ッテン」を目指し動きはじめます。

しばらく会ってなかったKさんのところにOさんが来て・・

「ブ○ッテンさんに『やられた!』って言わせるようなことをしたいけど、僕一人じゃ無理です。いっしょにやりませんか」

と言ったそうです。

Kさんは即答で

「乗った!」

と答えたそうです。

続く
2009年11月12日 イイね!

Kと言う男⑥ シンプル・シングル・スポーツコンセプト

 Kと言う男⑥ シンプル・シングル・スポーツコンセプト シンプル・シングル・スポーツコンセプト

●シンプル・シングル・スポーツコンセプト

うる覚えのKさんの昔のコメント

スタイリング・デザイナーのくせに、「デザインよりもコンセプトの方が重要。」と言い張る僕でした。

当時はレーサーレプリカ全盛で、性能追及ばかりでどんどんオートバイが「素人にはいじれない」乗り物になって行ってる最中でした。

レースのレギュレーションもいわゆる「イコール・コンディション」に拘るヤツらのせいでどこもいじれなくなり、ピットを歩いていろんなマシンを見てもまるっきり面白くも何ともない世界に変わりつつありました。

いじりやすい単気筒エンジン、プレスではなく角パイプの普通のツインチューブフレームとスイングアーム、倒立でもないし余計な機構は持たない普通のフロントフォーク、ホイールもブレーキもいたってシンプル。

ちょっと凝ってるところと言えば、重心を「前、下」に持って行き、ダウンドラフトキャブのレイアウトに合い、エアクリーナが前に行って空気の取込みに効率が良くなるよう、普通と逆に傾けたシリンダー。

これでクランクシャフトが前下に行き、ラジエーターの干渉も避けやすくなる。

それと後方排気くらいかな。

こんなオートバイなら、フロントフォークを換える、ブレーキ換える、スイングアーム作る、ホイール換える、リアショック換える、その他もろもろ、いじりやすしアフターメーカーさんたちもいろいろ出せる。

「改造する余地」と「改造のしやすさ」が最初から与えられた、改造ベースにもってこいの車輌です。

みんな思い思いに改造するので結果みんな違うオートバイになる。

見てるだけでも楽しいし、いじってる本人たちはもっと楽しい。

シングルだから、小排気量では面白くないと思うのでこのスケッチの設定は750cc。

ナナハンだけど、車体の大きさは250ccサイズ。 タイヤは400ccサイズ。

わかる人ならこのスペック聞いただけで「これは乗ったら絶対面白い。」ってわかるはず。

スペックだけで乗りたくなるようなオートバイを作ろうよ、って提案する時に、「ガワ」は必要ないと思う。

そういうわけで、普段は「ここから先を描くのが仕事」の僕が、自分の仕事の部分を完全に取っ払ったデザインを描いたのがこのスケッチです。


このコンセプトはレースが全く盛り上がらない日本のレース界への警鐘ですね。

最低限のルールで参加者の発想の自由がレースを面白くするものです

やれ金持ちが有利だのインチキだの言うような奴はレースなんかする資格は無い。

レースはお金がかかるもの

イコールコンディションを唱える事がレースを盛り上げると思ったら大間違い

お金のかかった本当に速いマシーンに乗れないのは乗る資格が無いから

本当に速かったら乗ってくださいと言われるだろうし

最低限乗ってくださいと言われる活躍が出来ないマシーンに乗っていても先なんかある訳が無い

消耗品の塊の車やバイクでイコールコンディションがどれだけつまらないレースにしているのか解ってない。

勝つ為にの努力を制限しているようなモノ

これは参加者側の自由度が高く参加する人の工夫が試せるようにと言う思いから生まれました。

レースはメーカーが作るものではなく参加者が楽しむモノ

勝ち負けをマシーンのせいにする奴はレース会から去れ

と言う意味もあります。

2009年11月12日 イイね!

Kと言う男⑤ 世界デビューとなった一枚のスケッチKRR180V

Kと言う男⑤ 世界デビューとなった一枚のスケッチKRR180VKRR180V

これは量産車の企画で描いたものではなく、Kさんが勝手に描いた?ものです。

これは「近未来の○○○○」と言か言いながらモーターショーなどでコンセプト・モデルを次々出しながら、一向にそこへ近づこうともしないメーカーへの警鐘として描いたそうです。

この絵のモデルは、機構的には二十年前のごく普通の構造をしています。
フロントフォークも倒立テレスコピック・フォーク

リアも「への字」形状の普通のスイングアーム

普通にチェーンドライブで、普通のツインチューブフレーム

しかもエンジンは180ccのVツイン2サイクルエンジン

このスケッチの言いたかった事は絵に描いた餅ばかり言わなくても今ある物で「未来へ」行く事位できるでしょ!!

と言う皮肉が込められています。笑

いつまで同じところにいるの? っていう意味ですね。

このスケッチが世界的な専門誌に掲載されて世界中に散らばりデザイナーKさんの名が世界的に知られる切欠になりました。

ビ○ータ(Bimota S.p.a.)とかジョン・ケントン・ブ○ッテン (John Kenton Britten)とかね・・
2009年11月12日 イイね!

Kと言う男④ 世界中にパクられるキバ形状の補足

 Kと言う男④ 世界中にパクられるキバ形状の補足Kさんが退社後に作ったホンダRS125用のフルカウルがコレ

この画像は2008年・2009年全日本ロードレースGP125ccクラスチャンピオン菊池寛幸選手の15年前のマシーン

菊池寛幸選手はKさんの作った唯一の自社ブランド・ホンダRS125用のフルスタイリングキットを装着して4年間走った契約ライダーなんですよね。

その内1年は世界GPにもフル参戦し、Kさんのカウリングを世界デビューさせてくれたそうです。

「キバ形状」のカウル

日本人よりも外国人の方がよく見てくれたようですね。

ホ●ダRS125のカウルはデザインなんてされてない!!と言って良い形状ですしね

Kさんがサポートしたライダーは4人

しかし予想通り日本では空気力学音痴に・・

「こんな格好良いカウリングが、性能が良いわけがない。」

という噂が飛び交ったそうです。

中には、このカウリングを出してから4年経ってからKさんと初めて会い、「あのカウリングを作った人だ」と紹介されたとたん、「あれって、アプリリアを意識して作ったんですよねー?」と言った馬鹿も・・

Kさん曰く
「これ出した時にアプリリアはまだモペットしか作ってねーよ。」

世界GPの鈴鹿戦の時には外国のコンストラクターやチーム関係者からKさんは呼ばれていろいろ聞かれたそうです。

自国で売らせて欲しいという申し出も・・

一応牙形状の最終形と言う事でご紹介させてもらいました。

案外コレがパクられる原因だったかもね・・
2009年11月12日 イイね!

Kと言う男④ 世界中にパクられるキバ形状

Kと言う男④ 世界中にパクられるキバ形状89年から91年までのカワサキ・ワークスロードレーサーは、TT-F1もF3もSPもGP250も全てKさんが一人で作ってましたが、その中にTT-F1・ZXR-7と言うレーシングマシーンがあります。

二十五歳のKさんが何気に写っていますが今は軽いメタボなので誰も解らないから良いか・・
↑何を隠そう僕はこの画像を持って数年になるのに最近コレがKさんだと知った・・

二十五歳のKさんと言うところで不思議に思われている方も居られると思うのでご説明を!!

Kさんは川崎重工最年少役員記録保持者?でもあるのです。
↑正確には役員にするから辞めるなと言われたが断って辞めたらしい。

さてZXR-7の話

このバイクのカウルのタイヤ上部の形にご注目ください。

ZXR-7以前にこの形は存在しません。

これは世界で初めてKさんがデザインした牙形状

この牙形状実はこの形にするだけでラジエターへの風の流れが変わり水温が7.5度下がる形状なんです。

Kさんは風洞実験室での実験時間数千時間のエアロダイナミストですがZXR-7のこのカウルの発想は風洞実験データで生まれました。

バイクの前輪の乱気流を整流する事が出来ないバイクの場合タイヤのカバー上部から上しか略風が入ってこない。

これは風洞実験をしないと解らない事。

そこでカウル正面のラジエター冷却用の穴の上部を牙のようにデザインして面積を上げた形状を考案します。

これが牙形状

ZXR-7はレーシングマシーンですから当然馬力があります

当然水温も厳しくなります。

高性能のラジエーターやウォーターポンプをお金かけて作るのではなく、「タダで」形を変えるだけで水温を7.5度下げれるんです。

「7.5度」という数字は、エンジン設計者に言わせれば「生死を分ける数字。」であり、これによりパワーをセーブする必要が無い

今では世界中の二輪デザイナーが使うこの形。

昨年アメリカのカワサキで元同僚に言われたそうです。

「お前、自分が編み出したあの形状を使いたい放題に使われて、よく黙ってられるな。」

ZXR-7はチャンピオンも取り、鈴鹿八時間耐久レースでも優勝してカワサキは無官の帝王と言う名を返上したマシーンですが実は世界中のバイクに影響を与えたバイクでもあるんですよね。

Kさんから聞いたうる覚えの話・・・

'90 ZXR-7 (TT-F1)

まだスーパーバイクではなくTT-F1だった頃のワークスマシンです。

塚本昭一選手が全日本チャンピオン獲ってくれました。

最近は、フロントカウルのアゴ付近に「牙」のあるオートバイが世界的に増えて今や当たり前みたいになっていますが、たぶん僕がこれでこの形状を作ったのが最初だと思います。

インライン4のでっかいエンジンをぶっといツインチューブフレームでギリギリに抱え込んでしまうディメンションは、とにかく熱対策に悩まされました。

元はと言えばその熱対策を考えていた時に浮かび上がった形状です。

しかし思い付いてみると、「これはデザイン上もとても有利な形状だ」と思い、しばらくこの形状を続けることになります。

退社後に作ったホンダRS125用のフルカウルで、さらに進化しました。

プロフィール

「二回目のノーマルエキマニクラック。対策品は新品しか無いのかね?ヤフオクの方が安いが入りすぎ(((((((・・;)」
何シテル?   05/02 19:36
速く走る事に繋がらないテクニックは曲芸にしかならないと常々思っている走る事が好きな親父です。 基本は慣性ドリフトゼロカウンター ゼロヨンでも最高速で...
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