
さくらちゃんを救おう
ニュースで募金活動を行う様子を観た。
アメリカまで行って1億36百万もの費用が掛かる移植手術を受けなければ助からないという事らしい。
見れば笑顔のかわいらしい女の子・・・ようやく授かった我が子の命が危ういとなれば、ご両親の心中察するに余りある。
国内での移植手術がまかりならんという事実に怒りを感じつつ、先日、僅かではあるがご協力させていただいた。
しかし、ネット上でこの手の募金活動についての否定記事が目に付いた。
不愉快極まりない悪意に満ちた面白半分と思われる書き込みが目立ったが、その中のひとつにさくらちゃんのお父上 「団体職員 上田昌廣」が、
NHKのチーフ・プロデューサー、高橋昌廣氏 (「高橋」は奥様方の苗字)
の事だという記述が目に止まった。
(・・?
これが事実なら、なぜ奥方の旧姓を名乗っているのだろうか?
離婚なさったのだろうか?
婿養子にでも入ったのだろうか?
それとも、最近、風当たりの強いNHKの職員では都合が悪いという事なのだろうか?
当人には大きなお世話だろうが、ボクの素直な感想でした。
幼な子の命の危機に疑いは無いが、なにやら歯切れの悪さを感じたので救う会事務局へ問い合わせてみると、二日後に回答が届きました。
それによると、
・お父上の上田昌廣氏は「NHKのチーフ・プロデューサー、高橋昌廣氏」
・「結婚の際、妻の方に入籍」により本名は「上田昌廣」
・NHK職員である事は秘匿していた訳ではない。職業を問われた際の一般的な回答としての「会社員」、と同じく「団体職員」と回答した
との事でした。
ネット上で指摘されていた件のうち、ひとつは事実だったようです。
「NHKのチーフプロデューサー」という職が芸能人のソレと同じように、ネームバリューを必要とするものなのかは知りませんし、メディアの「プロデューサー」という職種もどんなものかは知りませんので、そういう事もアリなのかもしれません。
取り敢えずボクの抱いた疑問のひとつはなんとなく解消した訳ですが、釈然としないものが残りました。
また、当該BBSの他の指摘事項には、
・ご夫婦ともにNHKのプロデューサー職なら、併せて2千万円超の年収がある
・NHK共済というものもありそれを利用すれば金は借りられる
・1億以上集めてもそれは保証金や予備の金で実際には手術後に9000万ほど返ってくる
・自宅以外に一等地に庭付き戸建を5軒、アパートを3軒、駐車場を82台分もっている。(総資産10億超え)
・土地や家を担保にすれば1億円はすぐにでも借りられる境遇
・まなみちゃんを救う会と、HP構成・両親の言葉・必要経費の内訳、金額 がまったく一緒(コピペ)
などの記述もありました。
このような書き込みに対し、いつまで経っても否定しないという事は、BBSへの書き込みが事実であるのか? という気持ちさえ湧き起こってくる。
ボクが救う会事務局に対して望む事は、先述の否定的意見を直ちに払拭する手だてを講じて欲しいという事です。
募金活動が怪しいとは思いたくないが、少なくとも「救う会」を運営する側の在り方としては、善意の手を差し伸べてくださる方々に対して一片の疑惑も抱かせてはならないのではないだろうか?
多くの募金賛同者は、会った事もない難病の○○ちゃんが元気になって欲しい一心でご協力している事と思っています。
しかし、この日本という国に産まれ、裕福な家庭に育つ子供たちはなんと幸せな事でしょうか。(難病を患ったという事は気の毒な事ではありますが)
広く大衆に呼びかければ巨額の寄付が集まるようですが、そういった術をもたない場合は悲惨としか言いようがありません。
また、その陰で暗躍する募金詐欺を企てる破廉恥な輩の存在。
以前、「救おう募金」に名を借りた、人として最も恥ずべき許されざる詐欺行為を働いたケダモノたちが摘発された事を記憶されていらっしゃる方も多いと思います。
善意を食い物にする詐欺師の目には、募金は「カネになるビジネス」として映るようです。
そのような忌まわしい輩に付け入るスキを与えてしまうという事は、救う会を運営する側の怠慢でしょう。
募金に頼らざるを得ない経済的事情の開示、募金の明快な会計報告、
第三者機関による監査及びその報告等々、様々な手段を講じて透明にする必要があると思っています。
そのような事をしなければならないのかと思うと悲しくなりますが・・・
救おう募金・・・
こんなにも難しい問題をはらんでいたとは夢にも思いませんでした(- -;
しかし、食べていくのがやっとだというご夫婦のお子さんが同様に命の危機に直面しているのもまた事実であります。(国内外を問わず)
記憶に新しいところでは、6月にフジで放映された番組で、脳腫瘍で余命幾ばくも無いと診断された少女が「天安門の国旗掲揚式に行ってみたい」という願いを叶えるために2千人を超える人たちが
ある嘘をついた、という内容のものがありました。
その番組中で、薬代を賄うために家財道具を売り払ってきた両親がテレビだけは売らずにそのまま部屋に残したというくだりが印象に残っています。
少女が、
「弟が楽しみにしているから売らないで」
と父親に頼んだからです。
病の進行により視力を失っていた少女の、そのけなげな姿に心を打たれたのを覚えています。
番組では、幸いにして手術を受ける事ができ、一命を取り留めたという所で終わったと記憶していますが、その後、ネットで入手した情報では、発病後に失われた視力を取り戻す事は難しいという事でした。
曖昧だが、お父上は生活費や薬代を工面するためにゴミ拾い?までなさっていたと報じていたのを見た記憶があります。
日々の生活がやっとという暮らしの中で、なおかつ子供が難病に冒されるとは・・・
生まれ落ちた環境でその後の境遇が左右されるのはいたしかたない事でありますが、なんともやりきれなさを感じてしまいます。
話が逸れてしまいました(_"_)
なお、救う会事務局から届いた回答では、
「・・・誤解を招いているさまざまなことについては、今週中にもHPで皆様にお伝えする準備をすすめております。」
という事なので期待したいと思います。
でも、たとえ事実がいかなるものであったとしても、ボクはこの手の募金にはできるだけ協力していきたいと思っています。
損得で物事を判断する事は嫌いですし何よりも、
子供には何の罪も無い
と思っておりますので・・・
【2006年9月26日 23:27】
調査の結果、ガセと判明した記述は取り消し線を入れました。
【2006年9月30日 16:31】
救う会のご報告を受け、好ましくないと判断した記述は取り消し線を入れました。
救う会事務局とご両親によるご報告を受け、私自身この募金についてのこれ以上の議論は不毛であると判断し、さくらちゃんを救う会に対する協力を継続していきたいと思います。
さくらちゃんが危険な状況であるという事は紛れもない事実であります。
取り巻く環境を云々するより救命する事が先決と考えますので、事の是非についての論議は、さくらちゃんの移植手術が無事に完了した後で、この問題について興味をお持ちの方々が納得のいくまでやっていただければよいと判断いたします。