決勝レースは13時過ぎ、薄曇りのなかをスタート。
例年、波乱の展開となるPokka 1000kmだが、今回は直前のウォームアップ中からハプニングが起こった。
最前列スタートのNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)がコースアウトし、カウルを破損してしまう。
しかし、ピットに戻って応急修理し、無事グリッドに着くことができた。
一方、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)はサスペンショントラブルを発生。
これを見たNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治)もサスペンションをチェックしたところ異常が発見され、2台とも修理作業のためにピットスタートを余儀なくされる。
規定によってそもそもピットスタートが決まっていたNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)を含め、3台(No.100・No.38・No.9)ものマシンがグリッドにつけないという、思わぬ形でのスタートとなった。
グリッドに着いたマシンは、最前列のNo.22クルムを先頭にスタート。
オープニングラップでは、No.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)とNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)が順位を入れ替えたほかは、ほぼ波乱なくホームストレートに戻ってくる。
1000kmと長丁場のレースだけに、序盤は各チームともムリはしない展開。
だが、No.1ファーマンとNo.12松田はその後も接近戦を繰り広げ、状況は確認できなかったが、接触があったようで、10周目にはNo.12が5番手まで下がる。
これで3番手に上がったNo.1だが、16周を終えて緊急ピットイン。
しかし、右後輪をチェックしただけですぐにコースに戻る。
一方のNo.12は前を行くNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)とのバトルとなり、ここでも軽い接触があった。
これでNo.36は順位を6番手まで下げる。
この間、コースの一部で小雨がぱらつき出すシーンもあり、ピットがにわかにざわついたが、けっきょく路面を濡らすまでには至らなかった。
1回目のルーティン・ピットが始まったのは25周を過ぎたあたりから。
No.12は25周を終えてピットに戻るが、タイヤ交換に手間取りタイムをロスしてしまう。
ドライバーは松田のままでコースに復帰した。
トップのNo.22クルムは29周を終えてピットインし、柳田真孝に交代して出て行く。
その後、クラス全車のピット作業が終わった時点で、No.22柳田がトップに復帰。
2番手にはNo.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム>飯田章)が浮上していた。
No.22柳田とNo.6飯田の差は徐々に詰まり、49周目にはGT300車両が目の前でスピンした間隙をついてNo.6がNo.22をパス、トップに浮上する。
その後方では、No.100(井出>細川慎弥)がピットスタートから怒涛の追い上げ。わずか3周でGT300車両をすべてパスすると、20周目には11番手、自身がピットに戻る直前の28周目には6番手まで順位を上げていた。
その後も快進撃は止まらず、52周目にはNo.36脇阪寿一をも攻略して4番手に上昇。
55周目にNo.17 REAL NSX(金石年弘>金石勝智)を抜くと、他車のピットインのタイミングもあり、ついに2番手を奪った。
その後、54周目にトップNo.6、57周目にNo.22が2度目のピットイン。
No.6はロベルト・ストレイト、No.22はクルムに交代する。
他の上位陣も70周前後までには2度目のピットを終え、順位が落ち着いたところでNo.22クルムがトップに再浮上。
2番手がNo.100井出、3番手はNo.12セバスチャン・フィリップとなっていた。
3回目のピットはNo.22が86周目、No.100とNo.12はちょうど100周目。
これでNo.36ロッテラーがトップ、No.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ>本山哲>トレルイエ)が2番手となる。
この2台は105周目に同時ピットインで、No.36脇阪が前、No.23本山が後ろでコースに戻る。
だが、No.36はロッテラーが黄旗区間で追い越しをしたとの判定が下り、10秒のペナルティストップで順位を下げてしまった。
この後、No.22柳田がトップ、No.100細川が2番手に復帰。
だが、No.22は115周目に4回目のピットを済ませ、ドミニク・シュワガーに代わって出ていった後、リアカウルのフィッティングが緩むトラブルが発生。
右コーナーで風圧を受けると外れかかって危険な状況となったため、3周後に予定外のピットインを余儀なくされ、これでトップ争いからは脱落。
No.100細川が、ついにトップに浮上し、2番手はNo.12松田、3番手はNo.23本山というオーダーとなる。
トップNo.100は137周目、2番手No.12はその1周後の138周目にピットイン。
ピット作業はNo.12が4秒余り速く、No.12フィリップはNo.100井出より前でコースに復帰した。
一方のNo.23は141周目にピットイン、本山からトレルイエに交代し、これでNo.12フィリップがトップ、No.100井出が2番手となる。
この2台の差は最初2秒以内だったが、その後No.100に異音が発生。
不安を感じた井出はペースを下げ、徐々に水を開けられていく。
その後方、3番手だったNo.23トレルイエも、がっくりとペースダウン。
「燃料系のトラブル」とのことで、8番手まで順位を下げてしまう。
これで3番手にはNo.36ロッテラーが上がる。一方、後方との差が開き楽になったNo.12は、その後はクルージングに入る。
18時10分には「ライトオン」の指示。
全車、ヘッドライトをきらめかせて走行となる。
173周を走りきったところでチェッカー。
優勝はNo.12カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ)。
TEAM IMPULの優勝は、06年第6戦のPokka 1000km以来となる。
2位はNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥[松浦孝亮は走行せず])は、スタート直前のトラブルでピットスタートを余儀なくされたが、そこから驚異の追い上げをみせての表彰台となった。
3位はNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー[カルロ・バンダムは走行せず])は、ペナルティによる遅れを、着実な走りで挽回しての表彰台となった。
SUPER GT第6戦 鈴鹿サーキット 8月24日
1位 #12 カルソニック IMPUL GT-R
松田次生 / S.フィリップ 173Laps 5:56:31.327
2位 #100 RAYBRIG NSX
井出有治 / 細川慎弥 / 松浦孝亮 173Laps +0:07.866
3位 #36 PETRONAS TOM'S SC430
脇阪寿一 / A.ロッテラー / C.バンダム 173Laps +0:34.598
4位 #22 MOTUL AUTECH GT-R
M.クルム / 柳田真孝 / D.シュワガー 173Laps +0:35.062
5位 #3 YellowHat YMS TOMICA GT-R
R.クインタレッリ / 横溝直輝 173Laps +0:41.833
6位 #6 ENEOS SC430
飯田章 / B.ビルドハイム / R.ストレイト 173Laps +0:51.810
ポイントスタンディング/SUPER GT第6戦終了時点(ドライバー)
1位 道上龍 / 小暮卓史 53pt
2位 本山哲 / B.トレルイエ 49pt
3位 立川祐路 / R.ライアン 47pt
4位 M.クルム / 柳田真孝 47pt
5位 脇阪寿一 / A.ロッテラー 45pt
6位 S.フィリップ 40pt
ポイントスタンディング/SUPER GT第6戦終了時点(チーム)
1位 PETRONAS TOYOTA TEAM TOM'S 67pt
2位 童夢レーシングチーム 61pt
3位 TOYOTA TEAM CERUMO 59pt
4位 NISMO(#23) 56pt
5位 チーム・クニミツ 54pt
6位 KONDO RACING 52pt
開始時刻: 13:05'23 終了時刻: 19:01'54
Fastest Lap(GT500) No. 1 ARTA NSX 1'57.897 3/167 177.32km/h
Fastest Lap(GT300) No. 19 ウェッズスポーツIS350 2'09.340 65/118 161.63km/h
規定周回数 GT500 121 GT300 112
ペナルティ
No.17 ピット作業違反 (裁定 15:44)
No.36 ペナルティストップ10秒(黄旗区間での追越行為)(裁定 16:48)
No.27 ドライビングスルーペナルティ(ピット作業)(裁定 17:04)
No. 2 ドライビングスルーペナルティ、リタイアの為、執行を留保した
(一般安全規定違反)(裁定 16:35)
次戦、SUPER GT第7戦 ツインリンクもてぎ9/14(日)