
ミュージック・トラベル・ラヴは
カナダ出身のデュオ・ミュージシャン。
メンバーはボブ・モファット(1984-)と
クリント・モファット兄弟。
ボブとクリントは三つ子であり、
もともと、三つ子兄弟デイブ・モファットと
長男スコット・モファット(1983)の
合計4人で「ザ・モファッツ」として
活動していたが2001年解散。
その後、ボブとクリントはエンドレス・サマーとして活動し、
2018年よりバンド名をミュージック・トラベル・ラヴに変更。
Youtubeで世界各地で歌うロケの旅をしている。
ボブ・とクリントのハーモニーが超絶美しい♪
4歳からステージに立つ二人のキャリアを感じる歌声だ♪
そんなミュージック・トラベル・ラヴが
グランドキャニオンで歌っているのが
CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)
の名曲
「ハブ・ユー・エバー・シーン・ザ・レイン」(1970)だ。
邦題(雨を見たかい)

(CCR本家
「ハブ・ユー・エバー・シーン・ザ・レイン」)
晴天なのに雨が降る天気雨について歌っている。
別名「キツネの嫁入り」とも言いますね。
lyrics
Someone told me long ago
There’s a calm before the storm
I know, it’s been comin’ for some time
When it’s over, so they say
It’ll rain a sunny day
I know, shinin’ down like water
I wanna know, have you ever seen the rain?
I wanna know, have you ever seen the rain?
Comin’ down on a sunny day
Yesterday, and days before
Sun is cold and rain is hard
I know, been that way for all my time
'Til forever, on it goes
Through the circle, fast and slow
I know, it can’t stop, I wonder
歌詞和訳
ずいぶん前に、誰かが俺に話したよ
嵐の前には静けさがあるって
そうなんだ 時々やって来るんだ
その後 やつらは話すんだ
晴れの日なのに 降る雨のことを
そうなんだ キラキラ輝きながら降り注ぐんだ
教えてくれ 君は「その雨」を見た事あるかい
教えてくれ 君は「その雨」を見た事あるかい
晴れた日に降るんだ
昨日もその前も
雨は冷たく 強く降っている
そうなんだ いつもそんな調子なんだ
速くなり 遅くなり
いつまでもどうどう巡りさ
そうなんだ どうやって止めたらいいんだ
教えてくれ 君は「その雨」を見た事あるかい
教えてくれ 君は「その雨」を見た事あるかい
晴れた日に降るんだ
光り輝きながら降り注ぐ雨の情景が浮かぶ美しい歌だ。
しかし、この歌は当時アメリカの政府により
放送禁止処分を受けた歌でもあるのだ。
なぜなら、この歌には他の意味がこめられているといわれており、
歌詞中の「ザ・レイン」とは「ナパーム弾」を指していると解釈され
多くの人はそう感じたからだ。
そして、主人公の雨(ザ・レイン)を
止めることが出来ない、やるせなさを感じる。
ナパーム弾とは
高温で燃焼する化学薬品を詰め込んだ爆弾で、
航空機から投下し広範囲を焼尽させる焼夷弾の一種。
ナパーム弾は爆発すると燃焼の際に大量の酸素が使われ、
着弾地点から離れていても酸欠によって窒息死、
あるいは一酸化炭素中毒死に至ることがある。
また、爆発時、着火した増粘性油脂が周囲に四方八方飛散し、
人体や木材などに付着すると水をかけても消火出来ない。
ベトナム戦争時、
アメリカ軍がジャングルごとベトコンを焼き払うために使用されたが、
非人道的という理由で国際法上使用禁止となった。
晴れの日に煌めく炎が飛び散るさまは、
まさに「ザ・レイン」ではないか。
実際にナパーム弾は隠語で
「ザ・レイン」と呼ばれていた。
(
ベトナム戦争において使用されたナパーム弾)
しかし、この件について、
歌を作詞作曲したジョン・フォガティ自身は
バンドの解散危機に陥っている状態を歌ったものとして
反戦歌であることを公式に否定している。
このコメントには幾分忖度を感じる気もする。
なぜなら、当時ロックのテーマは反体制であり
多くのアーティストがベトナム戦争反戦歌を歌っていた。
そして、ジョン・フォガティ自身もまた、反戦歌を歌っており。
この曲のような隠れた意味を持たせた歌を得意としていた。
例をあげると、
CCR楽曲「フォーチュネイト・サン」では
議員や富豪など「幸運な息子」に生まれなかった、
一般徴兵されてゆく人を歌った反戦歌を歌っている。
また、CCR楽曲「フー・ウィル・ストップ・ザ・レイン」では
当時のニクソン政権によるベトナム空爆を意味する言葉として
「ザ・レイン」が使われている。
この歌には
聞き手により様々な受け止め方が出来る、
余幅のある歌であるといえるし、
楽曲が独り歩きした歌であるともいえる。
私がこの歌を聞いて思いだしたのは、
昔、多くのご年配からお話を聞いた
太平洋戦争時の米軍のB-29爆撃機による
「空襲」体験談だ。
学徒動員中の海軍工廠で爆撃を受け、
目の前でクラスメイトや好きな女の子を失ったことを
泣きながら話して下さった、
小学時代の担任先生の話。
また、別の人の話であるが、
学徒動員中の工場で空襲を受け、
実家に必死で逃げ帰る途中、
山の峠でふと振り返ると、
空襲により街中火の手が上がり、
夜空が真っ赤に染まっていたこと。
また、終戦近く、名古屋で兵役に就いた方の話。
夜間、襲来したB-29を、
高射砲で迎撃し、撃墜した時の話。
その方は80年前の話を昨日の事の様に
私に話してくださった。
また、私の小学時代、
友人のおじいさんが見せてくれた、
畑に落ちた焼夷弾の残骸を見せてくれた時のこと。
当時日本に落とされた焼夷弾はM69焼夷弾という。
それこそ「雨」のように無数に日本の都市に投下された。

(出典 Wikipedia)
友人のおじいさんが見せてくれた焼夷弾の残骸は
長さ1m程度の分厚い鋼鈑でできており、
赤黒く錆びていて、とても重かった。
鉄の塊が空から「雨」のように降ってくることを
想像し、怖くなったことを今でも覚えている。
皆さんはこの歌を聞いて何を感じますか。
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Posted at
2022/04/15 21:09:24