千利休の辞世の句を読み解く♪

茶会の準備の為、
私は茶道具用倉庫の中で、
道具を探していたところ、
一幅の掛軸が目に留まった。

人生七十 　(じんせいしちじゅう)
力囲希咄 （りきいきとつ)
吾這寶剣　 (わがこのほうけん)
祖佛共殺 （そぶつともにころす)
堤我得具足一太刀 (ひっさぐる わがえぐそくのひとたち)
今此時天抛　(いまこのときぞ てんになげうつ)

画賛　利休立像　画　美山　　賛　前大徳　福本積應師

今日はこの句の意味について
考えてみたいと思う。

天正19年（1591）
千利休は秀吉から切腹を命ぜられた。
この句は利休の辞世の句である。

この句の解説は諸説あるのだが、
このブログにおいては、
私が直感的に感じたことを
書きたいと思う。

茶の湯を極め、禅を極めた、
千利休であるが、
自分の命を絶つことを、
命ぜられた利休の心持ちは
私達には到底理解できない
想像を絶するものがあったように思う。

この句は利休が茶道の精神を表した
「和敬静寂」とは対極にあるような、
荒々しさ、勇ましさ、
そして、力強さを感じる。

その力は利休の生命力の強さであり、
生身の人間である、
利休の生に対する執着、
そして怒りのようにも感じられる。
少なくとも、穏やかな死ではない。
私にはそう感じられた。

では意訳をしてみよう。

七十年のわしの人生を振り返ると
めっちゃいろんなことがあったぞ！
（力囲希）りきいき！（どおりゃ～！）
（咄）とつっ！（ えいっ！）
（いずれも強く呼びかけたりする時に発する語）
わしの（自刃する）この宝剣は　
あの世のご先祖様も仏さまもぶっ殺す！
何もない無の世界が広がるのじゃ！
もう、この世がどうなろうと、
わしは知らんぜよ。
わしが握っている、
この太刀と具足を、
（ついでに自分自身も一緒に）
今から、天になげうってやるぜよ！
この世とはこれでおさらばだ！

この句を茶席に掲げれば、
茶の湯的な解釈を
しなければならないはずだ。

また、禅的に思考すれば、
禅問答のような回答が得られるはずだ。
いろいろな捉え方ができて面白い。

そして、利休から、
生きる者たちへの、
何かしらのメッセージを、
時空を超えて、
受け取ることができるはずだ。

皆さんに何か感じるものが
ありましたら幸いです♪

（※なお、コメントし難い内容ですので
コメント等は特に求めておりません）
(^^)